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「リスペクト」と「フェアネス」──WOWOWサッカー班の歴代チーフプロデューサーたちが紡ぐ、揺るがないレガシー

「リスペクト」と「フェアネス」──WOWOWサッカー班の歴代チーフプロデューサーたちが紡ぐ、揺るがないレガシー

編成局編成戦略部ユニットリーダー 仁藤慶彦、スポーツ局スポーツ部プロデューサー 瀧口 創

「世界最高峰」といわれるサッカーのスペインリーグ(=ラ・リーガ)を2003-04シーズンより放送してきた、WOWOWのスポーツ部サッカー班。前チーフプロデューサーの仁藤慶彦と現チーフプロデューサーの瀧口 創の対談は、サッカーへの偏愛とスペインリーグへの情熱に溢れていた。
サッカー班チーフプロデューサーたちが代々受け継いできた「リスペクト」と「フェアネス」。これらは言葉を通して伝えられたものではなく、番組作りのなかで先人から後進へ“仕事に向き合う姿勢”として受け継がれたものだという。

競技や選手へのリスペクトが込められていた、
WOWOWのサッカー中継

──仁藤さんはどのような経緯でWOWOWのサッカーコンテンツに携わることになったのでしょうか?

仁藤 小学校1年生からサッカーを始めて、サッカーをやるのも観るのもすごく好きになりました。学生時代はそれこそ1週間で20試合とか観ていました。地上波や衛星放送で色々なサッカー番組を観る中で、WOWOWの中継が一番好きだったんです。

──それはなぜでしょうか?

仁藤 サッカーという競技を一番真剣に扱っているように思えたからですね。競技や選手へのリスペクトが込められている。実況解説を含めて、あまりネガティブな発言がなかったんです。WOWOWのそういった姿勢は、観ている側としても気持ちが良く、前向きになれて、すごく楽しませてもらいました。

それで、2002年に運よくWOWOWに入社することができて......3年間の営業局時代を経て、2005年にスポーツ部に異動しました。そこから昨年7月までの13年間、サッカー班でサッカー番組の仕事に携わっていました。

──サッカー班に異動した当時、どんなお仕事をされていましたか?

仁藤 『リーガワールド』という今の『リーガダイジェスト!』の前身番組でアシスタントプロデューサーをしていました。チーフプロデューサーになったのは2012年で、昨年の編成局に異動するタイミングで瀧口に引き継いだという経緯です。

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──瀧口さんはどのような経緯でWOWOWのサッカーコンテンツに携わることになったのでしょう?

瀧口 僕も2006年に入社してから最初の3年3ヶ月は、営業部でWOWOWの加入者数を増やす仕事をしていました。その後宣伝部で3年間、WEB広告をメインに担当させてもらって、入社7年目でスポーツ部に異動となりました。ちょうどこの7月から8年目に突入します。

──仁藤さんと同じく、瀧口さんも大学でサッカーをされていたということですが、WOWOWのサッカーを観て入社を希望されたのでしょうか?

瀧口 いや、僕はちょっと違うんです。スペインのサッカーが好きで、当初は他局で観ていましたが、「2003-04シーズンからはWOWOWで放送するらしい」ということで、そこからWOWOWに加入したんですね。

それ以来ずっとWOWOWでリーガを観ていましたが、「サッカー番組に携わりたいからWOWOWを受けた」とかではなく......もちろん「いつかやれたらいいな」とは思っていましたが、縁があってWOWOWに就職することになり、あれよあれよという間にサッカー班へ行き着いたという感じですね。

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WOWOWのスポーツ中継に共通する「フェア」のイズム

──観る側としてリスペクトが感じられたとのことですが、実際に作る側としてWOWOWのサッカー番組に携わる際に、仁藤さんがこだわったところはどこでしょう?

仁藤 実は観ていた時と変わらなくて。サッカー班の歴代のチーフプロデューサーは、僕と瀧口を合わせて5人いるんです。僕が異動した当時スポーツ部の部長だった小竹さん、現・編成局長の吉雄さん、現・総合計画部長の蓮見さん、僕、瀧口と受け継いできていますが、何も言わなくても継承されているものがあって。僕はそれをサッカー班のレガシーだと思っていますが、言葉で表すとしたら、2つあるんじゃないかと思うんです。

1つは、先程言った「リスペクト」。例えばゴールキーパーと1対1になったフォワードがシュートを外したとします。他局ならここで「今のは決めなくちゃダメでしょう」と言うところ、WOWOWの中継は「今のはゴールキーパーの出るタイミングが良かったですね」というポジティブな発想を持っていて、僕はそれがすごく好きだったんです。だから、自分が番組を担当する時は、その発想は絶対に忘れないように意識していました。

──活躍を見せた選手の立場に立ったモノの見方ということですね。

仁藤 そうですね。そこでシュートを決められるかどうかは、プロになって実際にピッチに立ってみないとわからないことで。極論を言えば、そこに立った人間にしか批評はできないはずなんです。ポジティブに捉えるWOWOWの姿勢に選手へのリスペクトを感じるし、自分もそこを意識して番組を作りたいと思っていました。

──もうひとつのレガシーとは?

仁藤 「フェアであること」です。どんなチームであれ、我々はフィフティ・フィフティで扱うことがすごく大事なポイントで......WOWOWでは残念ながら日本代表の試合を放送する機会はないですが、仮にやったとしたら、「頑張れニッポン」ではなく、相手チームのことも100%全力で調べるだろうし、中立に放送すると思うんです。それがWOWOWイズムだと思いますから。

でもそれは上の人から言われたわけではなくて、自分たちで感じ取ってきたことなんですよね。そのイズムがずっと継承されているので、僕も自然とそれを意識してきたし、瀧口以下後輩たちにも受け継がれていると思っていますね。

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瀧口 たしかに、「こうなんだよ」とハッキリと教わった記憶はないですね。"なんとなく感じてきたもの"ではあったりするんですけど......仁藤さんがさっき挙げていた歴代のチーフプロデューサーの方たちって、ほとんどみんなサッカーをやっていたんです。だからこそ、プレイヤーへのリスペクトを普通に持ち合わせていたんでしょうね。顔を突き合わせてそういった話をしたことはあまりないんですが、自然と共有されている感じがあります。

──「フィフティ・フィフティ」というのは、WOWOWのテニス中継について鍋島昭茂アナウンサーと早川敬プロデューサーにお話を伺った際にも出てきたワード
https://corporate.wowow.co.jp/features/henai/4211.html
なのですが、WOWOWのスポーツ放送全般に通ずる「WOWOWイズム」なんでしょうね。

仁藤 そう思いますね。

世界最高峰のスペインリーグは、
日本サッカーの理想的な教材

──そういったWOWOWのスタイルがあるなかで、ターゲットを含めて、番組作りで意識されていることは何でしょう?

瀧口 これまではWOWOWでしかラ・リーガは観られない状況でしたが、いまはWOWOWでなくても観られる環境がありますから......そんな中で、あえてWOWOWでリーガを観てくださるのはなぜだろう? ということはいつも考えています。おそらくスペインサッカーが大好きという方たちでしょうし、これまでWOWOWがお伝えしてきたリーガに愛着を持っていただいている、評価してくださっているに違いないだろうから、その方向は見失わずにやっていきたいと思っています。

──ラ・リーガに重きを置いている理由は?

仁藤 世界最高のリーグだと思ってやってきたので......今年に関しては牙城が崩れた感はありますが、世界一のリーグを放送するのが僕らの使命だと思ってやってきたというのがありますね。それと「日本サッカーのため」というのもキーワードかなと思います。

──日本のサッカーのため、とは?

仁藤 イングランド・スタイルのサッカーをやれと言われても、体格の違いがありますから、日本人には真似できないんです。でも、ラ・リーガでは170cmくらいの選手がたくさん活躍していて、日本の環境にすごく近いなあと。そういう意味でも、スペインリーグは日本サッカーが強くなるための教材として最も適していると思うので、しっかりと伝えることで、少しでも日本サッカーの文化に貢献するといった裏テーマも常に心掛けていました。

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──世界最高のリーグを放送する際に、工夫しているところはどこでしょうか?

瀧口 FCバルセロナとレアル・マドリードという世界的にもトップオブトップのクラブがいるので、現状はその2チームが飛び抜けている感があるんですよね。最近はそこにアトレティコ・マドリードが入ってきて、この3チームを中心に回っているんですが......そんななかで、下位のチームもとても魅力的なんです。

あまり知られていない選手や監督が、上位チームを倒そうと頭を使った独特の戦術を展開するところがすごく面白くて。その工夫の仕方は、さきほど仁藤が言っていたように、日本が見習える部分につながるだろうから、しっかりと伝えないといけないと思っています。

──レギュラー出演者の人選について、こだわっている点などはありますか?

仁藤 レギュラー解説者に共通している項目として「日本代表を経験しているか、ラ・リーガを経験しているか」というのがあります。納得性と説得力が重要で......先程の話と重なりますが、その舞台での経験が、選手や競技へのリスペクトに繋がると思うんです。


瀧口 それに加えて最近はもうひとつ、「指導者として世界の舞台に立ったことがあるか」というのを加えていいかなと思っています。現在、小倉 勉さんが解説をしてくださっていますが、彼は日本代表やオリンピック代表のコーチを歴任されているので、そういった目線もあっていいんじゃないかと思ったんです。

先ほど言ったような、スペインの下位チームがどんな工夫をして上位を目指しているかということを、小倉さんのような方の視点で解説することにより、またひとつ実況に厚みが出ますから。

── 一方で、サッカー中継における難しさとはどこにあると思いますか?

瀧口 サッカーファンと一口に言っても、実際にサッカーをされる方、されていた方、サッカーは未経験だけど観るのが好きな方など、本当に幅広いんですね。そのうえ、スペイン、ドイツ、イタリア、イングランドなどたくさんのリーグがあって、それぞれにファンがいらっしゃるので、どの人たちをターゲットにして、どういった面白さを提供していくのか。プランニングやターゲティングの難しさを感じていますね。

仁藤 それから、これはラ・リーガ特有の難しさかもしれませんが、時差の問題が大きいんです。土日の深夜に起きて観ていただくのも中々難しいので、「入口」となる番組を作る必要がある。それが『リーガダイジェスト!』なんです。月曜日の20時から放送するので、どなたでも観やすい時間だと思いますし、ラ・リーガの一週間の流れは『リーガダイジェスト!』で掴めるように作っていました。
試合中継に関してはレベルを下げず、コアな方々にしっかりと届くように作り、『リーガダイジェスト!』は少し敷居を下げて、より多くの方にリーガを知っていただくことを意識していました。

──加えて、ドキュメンタリー番組も定期的に放送されていますね。

仁藤 そうですね。基本的には年に1本ドキュメンタリーを作っていました。普段はサッカーやラ・リーガに興味がないけど、ドキュメンタリー切っ掛けでメッシや乾貴士のファンになるかもしれない。その中から一握りでもいいので「サッカー中継も観てみようかな」と思ってくだされば......そういった意識でドキュメンタリーを作っていました。

イニエスタ、ビジャ、サンペールが古巣と対戦する
プレシーズンマッチに注目!

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(左上から時計回り)ダビド・ビジャ、ダビド・ルイス、ルイス・スアレス、
リオネル・メッシ、アンドレス・イニエスタ/Getty Images

──7月23日(火)、7月27日(土)放送の『生中継!Rakuten Cup バルセロナ来日プレシーズンマッチ』(バルセロナVSチェルシー、ヴィッセル神戸VSバルセロナ)ですが、見どころや注目選手を教えてください。

瀧口 WOWOWの視聴者の方はバルセロナに注目していると思います。昨シーズンはチャンピオンズリーグで大惨敗してしまって......ラ・リーガでは優勝したものの、「大失敗のシーズン」という評価になってしまったんですね。そんなバルセロナが、どう変わっていくんだろうというのが注目ポイントのひとつになると思います。

──オフシーズンの動きも色々とありそうですし。

瀧口 そうですね。アヤックスの中心選手だったデ・ヨングが加入しますし、フランス代表のグリーズマンがアトレティコ・マドリードから加入しました。さらにネイマールが復帰するかもしれないと言われていますから。今回放送する試合の約1ヶ月後に新シーズンが開幕するので、それに向けた準備の試合としても「どんなチームになるんだろう?」と楽しみです。

──ヴィッセル神戸VSバルセロナの見どころは?

瀧口 元バルサのイニエスタやビジャ、サンペールが、まさか古巣と対戦することになるとは......本人たちも思ってなかったと思うので、「一体どうなるんだろう?」と大注目ですよね。特にイニエスタはヴィッセル神戸で苦戦していて、たぶん彼の人生のなかでこれほど苦戦したことはなかったと思うんですが、そういった苦労も味わったなかで古巣と対戦することになって。「やっぱりさすがだなあ」というところを見せてくれるような気もしますし、本当に楽しみです。

コパアメリカもあるので、メッシやスアレスといった中心選手がどのくらいの時間プレーするかはわかりませんが、今のバルサのスーパーなメンツにイニエスタやビジャがどう立ち向かっていくのか、楽しみでしょうがないですね。

──7月20日に放送される(※7月24日午後0時に再放送予定)関連番組『WOWOWサッカースペシャル 乾貴士 西野朗と描くスペイン5年目の未来図』はどんな内容でしょう?

瀧口 乾選手がスペインに渡ってから、1、2年目を追うドキュメンタリーを2017年に放送して、3年目となる一昨シーズンに、その第2弾を放送しました。昨シーズンも第3弾にあたるものを作りたいと思い、今回はちょっと変化を加えて、昨年のワールドカップロシア大会で日本代表を率いた西野 朗さんがスペインに行って、乾選手がなぜスペインで成長できたかを紐解きながら、最後に二人で対談をする、という内容にしました。

せっかく西野さんと乾選手が揃う機会なので、ワールドカップロシア大会のあまり知られていない話もしていただいていますし、西野 朗ストーリーも少し入っています。西野さんは1996年のアトランタ五輪で指導者として成功して、その後柏レイソルを経てガンバ大阪で名将と評され、2016年には日本サッカー協会の技術委員長に就任するのですが、スペインのサッカーや乾選手にどの時期から注目していたのかといった話も出てきますので、楽しみにしていてください!

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『WOWOWサッカースペシャル 乾貴士 西野朗と描くスペイン5年目の未来図』

好きだけじゃダメ。でも、好きじゃないと伝えられない

──WOWOWのM-25旗印では「偏愛」をキーワードとしていますが、ご自身にとって番組を作るうえでの「偏愛」や「こだわり」とは?

仁藤 もちろんサッカーが好きでやってきましたが、それだけじゃなくて「どういったメッセージを込めて、お客様に届けるか」というのは常に意識してきました。具体的な例を挙げると、2011年の東日本大震災のときに......各局は当然現地の状況を中継していましたが、WOWOWは格闘技のリピート放送をやっていたんです。......テレビ局に就職した人間なのに、何もできないことにすごく悶々としていて。

でも、その翌日くらいに会社がすぐにメッセージを出してくれたんです。「WOWOWはニュース番組も報道機能も持っていませんが、こういう時だからこそみんなで笑って楽しめるように、エンターテインメントにできることでWOWOWは震災に立ち向かっていきます」と。すごく救われた瞬間でした。

その週末にもサッカーの中継があったので、いつも通りに深夜に仕事へ向かうわけですが、余震もある中「本当にサッカー中継をやっていていいのかな?」とやっぱり思っている自分がいました。そうしたら......選手入場のシーンで、国際映像に映ったバルセロナの選手もレアル・マドリードの選手も、リーガの全ての選手が「頑張れニッポン」と日本語で書かれた横断幕を持って入場してくれたんです。

当時、ラ・リーガはWOWOW独占だったので、その映像を日本全国に届けられる唯一の電波がWOWOWだったんです。彼らの温かいメッセージに、生中継していた僕らもすごく感動して......実を言うと、自分もスタジオで泣いちゃったんですが、その時に初めてテレビの力というか、サッカーの力を感じたんですね。

あの出来事は、自分の偏愛が形になった瞬間でもありましたし、「WOWOWに入社してよかった」と心から思えた瞬間でした。

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──特に、サッカーという競技は、そうやって選手たちからメッセージが発せられることが多いですからね。

仁藤 そうですね。なぜかわかりませんが、そういうスポーツなんですよね。影響力も圧倒的に強いですから、本当に世界ナンバーワンのスポーツだと思います。そのスポーツの持つ力っていうのを初めて痛感したのが3.11後のあの瞬間で、「テレビ局にいてよかった」と思いましたし、決して忘れられない出来事でしたね。

──瀧口さんは偏愛について、いかがでしょう?

瀧口 僕も好きなだけじゃダメだと思いますね。ただ、その一方で、やっぱり好きでないと伝えられないとも思っています。「あえてサッカーが好きではない人が担当してみることで、サッカーに興味がなかった人にも届けられるものが考え出せるんじゃないか」という話が時々飛び出します。そういう考え方も一理あると思いますが、でも僕は好きな人がやったほうがいいものができると信じています。だからこそ、サッカーへの愛を絶対に忘れないようにしたいですし、大事にしたいですね。

例えば、WOWOWはこれまで世界最高峰のスペインリーグをずっと放送してきていて、もちろんスペインサッカーへの偏愛を大事にしていますが、一方で純粋にいちサッカーファンとして、スペインリーグだけじゃなくてJリーグも観ますし、そこで感じた「サッカーってこういうところが楽しいよね」っていうところをリーガに還元したいといつも考えています。

例えば今後、スペインサッカーを放送できなくなり、代わりに別のリーグを放送するときが来たとします。そうなった時に、「WOWOWはどんなサッカーでも面白く伝えることができる」ことを証明したいと僕は思っているんです。トップリーグでなくても「このリーグってこんなに面白いんだ!」って、視聴者の方たちに思っていただけるようなものを作りたい。そのためにも、サッカーへの偏愛は大事にしたいと思います。

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──ちなみに、日本の宝と言われている久保建英選手がレアル・マドリードに完全移籍しましたが、WOWOWサッカー班のみなさんの盛り上がりや注目度は?

瀧口 2000年に城 彰二さんがバリャドリードにレンタル移籍して以降、スペインでの日本人の挑戦は続いていますが......乾選手や柴崎 岳選手のように、複数年在籍できる選手がようやく出始めたと思ったら、いきなりレアル・マドリードですからね。「ついにきたか」と。

仁藤 とんでもないことですよね。

瀧口 2軍からのスタートですが、レアルのようなビッグクラブに所属する日本人選手が、自分が生きてるうちに出てきちゃったんだ! と(笑)。しかも、もしかしたら自分たちが、その選手の活躍をお届けできるかもしれないっていう......こんなすごいことはないので、社内でもみんな興奮していますね。

仁藤 20年後、50年後、100年後、日本代表がワールドカップのベスト4まで行ったとしますよね。その時のヒーローインタビューで、活躍した選手に「僕、小さい頃にWOWOWのサッカーを観て育って、今ここに立ってるんですよ」って言ってもらうのが夢だったんです。そういう思いでずっとやってきたんですが......「それって久保選手じゃない? その時が来ちゃったんじゃない?」って(笑)。

瀧口 間違いなく、久保選手一家はWOWOWでバルセロナの試合を観てたはずなんですよ(笑)。

仁藤 そう!(笑)「50年後かな?」って思ってたけど、「久保選手が出てきたことで、すごく早く実現しちゃうかも」と思って(笑)。それぐらい衝撃でした。

瀧口 長いサッカーの歴史のなかで、すごい日本人が出てくるだろうっていうのは想像できるんですが、まさかこんなに早いタイミングで出てくるとは(笑)。彼がまだバルセロナの下部組織に所属していたときに、日本に来てプレーをしているんですね。そのときの映像をWOWOWで撮っていて......あのときは「やっぱりすごいな」って思いましたが、周りの選手たちもすごかったので「まだちょっと難しいかもしれない」って思っていたんです。でも、この1年で飛躍的に成長しましたからねえ。

仁藤 背も伸びたし。

瀧口 そうですね。日本人のなかではトップレベルになっていくのは容易に想像できましたが、まさかあそこまでの成長曲線を描くとは予想外でしたね。数ヶ月前まではJ1リーグでようやく出場機会をつかみ始めたぐらいだったのが、この数ヶ月でものすごい成長しているので。

──もしかしたら今後、WOWOWで久保選手のドキュメンタリーも実現するかもしれないですね。

瀧口 やれたらいいですね。

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取材・文/とみたまい 撮影/祭貴義道  制作/iD inc.

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