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オリジナルコンテンツキャラクター「ウーとワー」ができるまで 「ウーとワー」開発担当者インタビュー

オリジナルコンテンツキャラクター「ウーとワー」ができるまで 「ウーとワー」開発担当者インタビュー

映像ビジネス部 古谷秀樹、淤見守里

WOWOWとドワーフのコラボレーションによって製作された、オリジナルコンテンツキャラクター「ウーとワー」。癒し系の外見ながら、オリジナルショートアニメでのシュールなやり取りがツボにくる、正体不明のナゾの生き物コンビ。WOWOWが初めて手掛けるキャラクタービジネスとして注目の本プロジェクト、担当者に話を聞いた。

目次

・「IPコンテンツを作りたい」から始まった企画
・手探り状態で行なった初めてのキャラクタービジネス
・キャラクターに力があるからこそ、全社を挙げたフォローが得られる
・立ち上げたことで気づいた、仕事の広がり

「IPコンテンツを作りたい」から始まった企画

──昨年10月に活動開始を発表したオリジナルコンテンツキャラクター「ウーとワー」。WOWOWとアニメーションスタジオ「ドワーフ」の共同製作ということですが、まず最初にキャラクターを作った理由について教えてください。

淤見 そもそものスタートとして、「IP(知的財産)になるものを作りたい」という狙いがありましたが、WOWOWにはこれまでキャラクタービジネスの前例がほとんどなかったので、各社さんに「キャラクターを作りたいんです」とお話して、アイデアを出していただきました。そのなかで選ばれたのが、ウーとワーの元になった、ドワーフさんのアイデアです。

──アイデア募集の際に出したお題は何だったのでしょう?

淤見 「こうしてください」というカチッとしたお題ではなく、「女性向けのキャラクターを希望しています」とお伝えしました。WOWOWの加入者は男性が多いのですが、男性に向けて作るというよりは、家族や女性に向けて作りたいという思いがあって、なかでも20代から40代の女性をメインにしていきたいというお話をさせていただきました。

──出てきたたくさんのキャラクター案の中から、どうやって候補を決めていったのでしょう?

淤見 プロジェクトチームのメンバーで議論して候補を4つに絞ったのち、社内投票を行なって、いちばん人気があったキャラクターを採用しました。その時点ではまだウーとワーという名前は決まっていなかったので、単純にキャラクターのビジュアルだけが並んでいるなかから選んでもらったのですが、それでもダントツで人気があったのがこの2人でしたね。

古谷 全世代の女性社員のなかで圧倒的に人気だったし、男性社員の反応もまずまず良かったので、「これでいこう」と。

──そうしてキャラクターが決まって、世界観を詰めていった感じですか?

淤見 ドワーフさんやコンドウ(アキ)先生が作った世界観やストーリーと、我々が求めるものをすり合わせていく感じでしたね。両者のイメージが離れてしまわないように、キャラクターがデビューするまでに少しずつ歩幅を合わせて考え方を近づけていきました。

古谷 実際に動画や4コマ漫画を作っていくなかでも、ドワーフさんと話を進めながら少しずつ世界観を広げていきましたね。

──ちなみに「ウーとワー」という名前はどのようにして決まったのでしょう?

淤見 名前の候補を集めて、みんなで決めていきました。

古谷 「ワウとウォッチ」とか「お餅と黒豆」とかって......いろんな名前が挙がって、語感がいいものを選んでいった感じですね。

淤見 先ほども言ったように、20代から40代の女性がメインターゲットなのですが、サブターゲットとして幼児も想定していました。ですから、「子どもが発しやすいような名前が良いのではないか」と、長いワードではなく一言で発せられるような言葉、かつ、発音が難しい濁点などを入れない、喃語(アーやウーといった、乳児が発する声)のような言葉ですね。

古谷 それで「ワーとウー」がでてきて。最初は「ウーとワー」ではなく「ワーとウー」、逆だったんです(笑)。

淤見 「でも、白いほうがウサギっぽいから"ウー"じゃない?」みたいな、最後はインスピレーションでしたね(笑)。

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手探り状態で行なった初めてのキャラクタービジネス

──ところでおふたりはこれまで、キャラクタービジネスをご担当されたことは?

淤見 ないですね。

古谷 商標登録の仕方すらもわからないところから始まって(笑)。キャラクターにどういった権利が発生するのかも知らなかったし......番組の契約書を作ることはできますが、「キャラクターの契約書ってどこから作ればいいんだ?」って、すべてのことを1から勉強しないといけないのが大変でしたね。

淤見 料率や窓口手数料の設定をするんですが、最初は決めることが多くて大変でした。

古谷 グッズのライセンスを売っていくにしても、どのくらいの値段で売ればいいのかわからない状態から始めますし。いろんな方にアドバイスいただきながら、ひとつひとつクリアしていくしかないなあと思っています。

──ウーとワーにはどのような役割を期待されていますか?

古谷 これだけコンテンツを手広く扱っている会社ですが、IPと呼べるものがほとんどありません。将来的にはIPを少しずつ増やしていって、次のビジネスチャンスにつなげていくことが大事だと思うんです。ウーとワーはその第一歩として昨年秋にデビューしましたが、まだまだ認知を広げている段階ですね。

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キャラクターに力があるからこそ、全社を挙げたフォローが得られる

──キャラクタービジネスを立ち上げてみて、気付いたことはありますか?

古谷 立ち上げる前から言っていましたが、「キャラクタービジネスは成長するまでにすごく時間がかかる」ということですね。いまブレイクしているキャラクターたちにしても、かなり時間がかかっていると思うので......ある意味、投機的ではあると思います。キャラクターを作ったからといって、すぐに商品が売れるわけではない。とはいえ、我々はキャラクタービジネスの経験がないので、どのくらいの先行投資をしていけばいいのか判断する材料がない。そこが苦しかったですし、まだまだ苦しんでいるところではありますね。できることからを、少しずつトライしている感じです。

淤見 私は、キャラクターができて「あ、うちの会社って意外と面白いな」と思いました。というのも、いろんな部署が協力的にプロモーションをしてくれるんです。グッズを作ってくれたり、SNSなどに写真をアップしてくれたり、備品にイラストを使ってくれたり......会社のなかで"キャラクターを温めてくれる空気"みたいなものが感じられた時は嬉しかったですね。

──例えばどのような例がありますか?

古谷 パラリンピックのドキュメンタリーシリーズ「WHO I AM」を作っているチームが、ウーとワーのピンバッジを作ってくれたんです。オリンピック・パラリンピック期間中は国際放送センターに世界中の放送局が集まるんですが、どうやらそこではピンバッジを交換するのが流行っているらしいんです。とくに日本の放送局は放送しているアニメのキャラクターを使ったピンバッジが大人気だそうです。......なので今回、「WHO I AM」チームが「パラリンピックの取材に行くから、ピンバッジがほしい」と、ウーとワーを使って作ってくれたんです。そういったことが、少しずつ社内で起こっていますね。

淤見 「WHO I AM」チームはとくに、フル活用してくれていて(笑)。それだけ力を持っているキャラクターだと思うので、自然発生的にみんなが使ってくれるんでしょうね。

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立ち上げたことで気づいた、仕事の広がり

──今回初めて担当されたキャラクタービジネスが、普段の仕事に影響を及ぼした部分などはありますか?

古谷 IPの仕事をするようになって、「WOWOWって全然IPがないんだ」と初めて気づきました。番組を販売している会社ですが、IPとなるものをもっと増やしていかないといけないと実感しているので、「どうやったらIPコンテンツを増やしていけるのだろうか」と......すごく意識するようになりました。

淤見 私は流通を意識するようになりました。これまでは普通に買い物していましたが、「この商品はどこから出ているんだろう?」とかって見るようになりましたし、「こことここはお取引がある」といった、会社の相関図みたいなものをよく考えるようになりました。それってじつは大事なことだと思うんです。

──というのは?

淤見 映像の二次利用についても我々は担っているので、映像販売だけを行なえばいいのかというと、必ずしもそうではないんです。映像が強いコンテンツもあれば、商品化が主力を占めているコンテンツもたくさんあるので、「WOWOWで権利を持っていて、商品企画で利益を上げられるものがあるのならば、販路を作らないといけないな」と、よく考えるようになりました。

──なるほど。最後に今後の展開について教えていただけますか?

古谷 まずはとにかくグッズを増やしていって、少しずつ店頭に並べてもらって、徐々に認知を広げていくことが最優先ですね。並行して、SNSなどでもどんどんアピールしていって、より多くの人に見てもらえるようにしたいです。

淤見 私は長編アニメを作りたいです! 現状は15秒のショートアニメ止まりなので、ぜひペイチャンネルとしても挑戦したいですね。

撮影/祭貴義道 取材・文/とみたまい 制作/iD inc.

(c)WOWOW・aki kondo/dwarf

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