PROJECT STORY 3

WOWOW x comico

〜テレビ局が漫画づくり!?〜

WOWOWの、放送事業を超えた新たな取り組みのひとつである、
スマートフォン用漫画アプリ「comico」との共同プロジェクトに
ついてご紹介いたします。

「WOWOW x comico」
とは?

漫画・ノベルアプリ「comico」を提供しているNHN comicoとコラボレーションし、WOWOWは今年初めてオリジナルコミック2本を制作。8月に「comico」アプリで配信しました。オリジナルドラマが高い評価を受けているWOWOWが原作を担当し、数多くのヒットコミックや漫画家を輩出しているcomicoの人気作家が作画を担当。総合エンターテインメント企業として、新たなジャンルを開拓した記念碑的プロジェクトとなりました。

「WOWOW x comico」を制作した人

淤見 守里

エンターテインメントビジネス局 映像ビジネス部
2010年入社

淤見 守里

プロジェクトにどのように関わりましたか?

一言でまとめると、「骨子づくり」が私の仕事でした。最初の企画の組み立てから、WOWOWが原作者を、comicoさんがイラストレーターを立てるという構図を考えたり、予算の妥結点といった条件のとりまとめやプロモーションの検討などを主に担当しました。

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大原 康明

マーケティング局 ネット事業推進部
2013年入社

大原 康明

プロジェクトにどのように関わりましたか?

淤見さんのミッションが「売上獲得」なら、僕のミッションは「若年層獲得」でした。コミックをつくるだけではなく、若い人との接点を持つことで、WOWOWの特設サイトまで連れてきて、いろいろなコンテンツや企画などに触れてもらう機会を創出する。とはいえ、作品づくりから携わらないと意味がないので、作家さんへの依頼や社内の提案書づくりなども担当しました。

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WOWOWが、なぜ「comico」!?

プロジェクトが生まれた経緯について、教えてください。

淤見:
社内で企画公募があり、comicoさんと共同でIP(知的財産権)開発がしたいと、この企画を出しました。マルチ展開できるWOWOWオリジナルのコンテンツをつくりたかったのですが、会議では「映像ビジネス部案件」として戻ってきてしまったんです。きっと面白い企画になるとは思っていましたが、かなりエネルギーがいるなと、ひとりではムリだと諦めかけました。そのとき、大原くんが「これ、WEB会員の獲得にもつながるから、ふたりで分業しましょう」と声をかけてくれた。「なんていい人!」と思っちゃった(笑)
当時の僕は、ちょうど制作部から新しくできたばかりのネット事業推進部に移ったところでした。comicoさんというパートナーがいることで、我々の部署が掲げる目標とつながる新しいモノが生まれるのではと思い、もっと話が聞いてみたくて、声をかけたのがスタートです。
淤見:
comicoさんとは、以前にも一度、別の部署でアニメの制作について一度お話したことがありました。今回はいろいろご縁がつながった企画で...。
実は前職時代の後輩の方がcomicoさんのノベル部門にいて、まずはものづくりの1から何ができるのか、お話ししましょうというところから始まりました。comicoの利用者は10代、20代がとても多く、しかも毎日すごい数のユーザーがサイトを訪れるということを聞いていたので、我々が求めている若年層とのつながりができる。「鉱脈を見つけた!」と感じました。

おふたりのチームワークはいかがでしたか?

淤見:
良かったんじゃない?(笑)
良かったと思います。映像ビジネス部の知見って独特で、僕が以前いた制作部の番組づくりとは全然違うことを実感しました。淤見さんは事業に関するご経験があったので、コミックの契約や売上の管理、予算のイメージなど、まったく手探りなところの輪郭をつくっていってくれた。お互い、補い合って進められたと思います。
淤見:
大原くんは細かなところのケアが上手なんですよ。この仕事では小さいズレを放っておくと後で爆発することが多いのですが、そういうところを事前に気づいて全部処理してくれる。それはプロジェクトを成功させるためのマストの条件でもあります。
インタビュー

WOWOWだからこそできるコミックづくりとは?

comicoを読んでいる読者は10代、20代が中心。書き手も、comicoのファンや漫画家を目指す人が投稿するところから始まって、優秀な人、人気の高い作品の作者が公式の作家としてデビューする仕組みです。作品を読んでみると、恋愛モノや学園モノなど、すごく分かりやすく共感しやすいものが多いんですよね。
淤見:
作品が分かりやすい傾向に振れているなかで、WOWOWからも同じようなテイストの原作を出しては、お互いにとってあまり良い結果にはならない。「何か新しいものを」という想いは双方にありましたね。
WOWOWはこれまで、若者がキュンキュンするような作品よりも、骨太なストーリーや複雑なミステリー、ホラーを題材にした作品づくりに定評がありました。しっかり読み応えのある作品を届けることが、このコミックづくりにおいてはポイントだったと思います。

コミックづくりでこだわったところは?

淤見:
ターゲットをある程度分析してつくりました。『読んじゃいけない』のターゲットは女性。特に繊細なお話が好きな人たちを狙いました。WOWOWの得意分野を活かした形ですね。単にcomicoの読者をひっぱってくるだけではなく、「WOWOWっぽい」と思ってもらえるような"こだわった料理"をつくりたいという想いがありました。
もうひとつの『標識学級』は男性向けにつくった作品です。派手なアクションや勢いのあるパニックホラーのテイストが好きな人向けということで、分けて考えました。

このプロジェクトで苦労した点について。

WOWOWは開局から25年以上が経ち、放送においては既に安定的に番組を届ける仕組みが出来ていて、ムダが削ぎ落とされているけど、このプロジェクトは全く新しい試みだったので、「漫画ってどうつくるんですか?」というレベル。ゼロからのスタートでしたね。
淤見:
一番初めのプロジェクトって、決めることが多いんですよ。加えて、私はチャイルドケア制度を使っているので、「限られた時間の中でやらなければ」という意識が強かったですね。WOWOWは小さな子供がいても自分の納得のいく選択をさせてくれる。それまでと変わらず分け隔てなく接してくれる会社だし、部署のフォローもあって突き進むことができたかなと思います。そんな中でも、一番大変だったのがWOWOWとcomicoでどちらがどれだけ権利を持つか...それらを契約に落とし込む作業と、双方の会社でそれぞれ合意にもっていくプロセス。これにはかなりパワーが必要でした。両社とも、他社と共同で作品の権利を持つという形態は今回が初めてだったので。何話で完結するのか、何話まで無料で公開するのかだったり・・。
このプロジェクトでは何をしたくて、何のためにコミックをつくるのか、会社の中できっちり丁寧に説明していく必要がありました。最初の枠組みが決まるまでは時間がかかりましたね。でも、いざコミックづくりが始まると、comicoさんもエンジンのかけ方がすごかった! もちろん収益をあげるという目的もあるけど、その前にみんなで「いい作品をつくろう」という結束力があるから、いい雰囲気で進められましたよね。
インタビュー

MAKING OF

このプロジェクトのスタートから
今までの流れをご紹介いたします。

企画

企 画

どんな新規プロジェクトを立ち上げるのか、企画を立てる。ビジネスモデルの構図や予算など、社内への提案を重ねる。

交渉

交 渉

権利を獲得するために、社外との調整をおこなう。

キャスティング

コミック開発

シナリオを含めた原作の制作。同時にイラストレーターの選定もおこなう。

コミック開発

プロモーション

SNSなど様々な宣伝手法を駆使してより多くの人にオリジナルコミックのことを知ってもらう。

プロモーション

コミック配信

いよいよオリジナルコミックの配信がスタート。

コミック配信

グッズ開発

キャラクターを活用したグッズを制作。プロモーションを目的としてタイアップを行うことも。

プロジェクトの流れ

プロデューサーとしてプロジェクトに込めた想いは?

淤見:
ひとつは、二度、三度と読んだときに、違う気づきがある深みのあるコンテンツをつくること。日々の生活の中に新しい発見や出会いを求めている人に読んでいただけると嬉しいですね。もうひとつは、賛否両論あるかもしれませんが、「無料でなければ読まない」と思っている人に「お金を払ってでも読みたい、読んでよかった!」と納得してもらえる作品をつくりたかった。やっぱり、コンテンツというのは作り手がいるものなので、お金を払うことで作り手の生活を支えてこそ、次の作品につながっていくし、文化も深めていくことができると私は考えています。
インタビュー

このプロジェクトが今後のWOWOWにどんな影響を与えると思いますか?

淤見:
今回、私の中の"裏テーマ"としてあったのは、マルチ展開できるものをつくるということ。既に原作のあるものを映像化するだけではなく、オリジナルのものをつくらなければビジネスとして広がらないという考えを、より深く理解してもらえたと思います。「映像の会社なのに漫画なんてつくっていいの?」と驚く人もいるけれど、何でも出来るんだっていうことを感じてもらえたと思います。
僕のミッションである若年層の開拓という点でも手応えがありました。comicoの若い読者さんたちのパワーを感じたし、「若い人って、ここまで丁寧な表現を求めているのか」とか、「逆にここは荒々しくても伝わるのか」みたいな、彼らが求めている感覚も勉強になった。自分も若手のつもりでいたけど、もっともっと下の世代が何を考え、何が好きなのか知ることかできた。この経験は今後、番組を制作する時にも活かせると思います。

このプロジェクトが目指す次なる展開は?

淤見:
今より多くのWOWOWのお客さまがcomicoに行くように、また、comicoの読者がWOWOWをもっと感じてくれるように、ファンが行き来できる仕組みをつくりたいですね。
このプロジェクトで出会った作家さんやコミックの原作を、今度はWOWOWの番組として何か別の形でつなげていきたいですね。また、原作は持っているだけでは意味がないので、じゃあ次の展開はどうしていこうか、映画がいいのか、アニメがいいのか、ドラマがいいのか、舞台がいいのか...って考えていくと、正解が無いんですけど。そういった選択肢が多いのもWOWOWの魅力だと思います。
淤見:
確かに、次につなげるステップをどう踏んでいこうかなというのは、向き合わなければいけない点の一つですね。実はもう既に第2弾も考え始めています。次は違うジャンルにも挑戦したいと思っています。

第2弾もおふたりのコンビで?

淤見:
私はやりたいけどね。
やりたいですよね。でも、ふたりとも忙しいので、あともうひとり欲しいですね(笑)。
インタビュー

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