2024.10.04

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「デジタルサポートランキング2024」3位! 最前線でお客さまに対応するWOWOWデジタルカスタマーの強みとは?

株式会社WOWOWカスタマーリレーション部 大霜諒之輔(WOWOWカスタマーセンター運営の企画業務担当)
株式会社WOWOWコミュニケーションズ 徳永祥子(企画営業担当)
株式会社WOWOWコミュニケーションズ 下井奈美(チャットボット担当)
株式会社WOWOWコミュニケーションズ 高松由佳(FAQ担当)

「デジタルサポートランキング2024」3位! 最前線でお客さまに対応するWOWOWデジタルカスタマーの強みとは?

トライベック・ブランド戦略研究所が発表する「デジタルサポートランキング2024」で、WOWOWは過去最高の3位にラインクイン! WOWOWのカスタマーリレーション部の担当者および日々、最前線でお客さま対応を行なっているメンバーを含む、デジタルカスタマーセンター(以下、DCC)の担当者にWOWOWのお客さまサービスに関する取り組みについて話を聞いた。【インタビュー前編】

48位(2022)→18位(2023)→3位! 大躍進を生んだ"オムニチャネル"導入

―今回の3位という結果について、どういった部分が評価されたと感じていますか? ここ数年、取り組んできた改善の取り組みと合わせて教えてください。

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大霜 私は、DCCとコールセンターの運営両方に携わっています。DCCに関して言うと、チャットボット、有人チャット、FAQという3チャネルがありますが、以前であれば年齢層の高いお客さまだと電話での問い合わせが多く、若い層のお客さまはスマホからといった感じだったのが、最近ではそこがかなりごっちゃになっていて、いろんなチャネルを行き来される方も多いんですね。それを踏まえて、私たちは"オムニチャネル"という言い方をしていますが、それぞれのチャネルで対応するのは当然として、どのチャネルに来ても同じようなデータを持っていて、同じ対応ができるようにするという取り組みをここ2年ぐらいでチームとして考えてきたのが大きかったのではないかと思います。

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徳永 私は企画営業というポジションなので、DCCの運用に入っているわけではないのですが、運用の状況についてはいつも下井さんや高松さんにお話を聞いて、相談させていただいています。そうやって近くで見ていて感じるのは、やっぱりお2人とも常にお客さまの目線で考えて、運用を回しているということ。

お客さまがどういう状況で、何に困ってヘルプページに入ってきて、どう進んでいるのか? ということを細かく確認し、コールチームとも連携を取り、サイト上の表記に反映させたり、そういう細かい努力が実を結んだ結果なのではないかと思います。

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下井 細かい部分ということで言うと、コールで問い合わせをされる方、チャットボットを使う方、有人チャットから入る方、様々いらっしゃいます。問い合わせ内容やお客さまの動向を追い掛け、分析していく中で「この問い合わせの場合、FAQを見て、チャットボットに来る。チャットボットに来た人が有人チャットに繋がった後、こういう対応をされて、その内容を理解できたのか? オペレーターから送られたURLを初めて見たのか? 『それはやりました』となっているのか?」――お客さまの動きを見つつ、内容によってアンサーの文言を変えたりした部分もあったので、そういう日々の細かい分析が結果につながったのであればうれしいですね。

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高松 毎朝、まず(問い合わせの)解決率を確認して、前日にどういう問い合わせが多かったかを3チャネルで共有しつつ、お客さまに合わせて記事(※サイト上のFAQのアンサーなどのテキスト)を翌日には変更するということは常にやっています。

大霜 FAQに関しては、高松さんを中心に、2年ほど前に全面改修に取り組みまして、それがチャットボットや有人チャットの改修にもつながったという点も含め、非常に大きかったと思います。

高松 以前は600~700記事ありましたが、現在では210~220になっています。「こんなに減らして大丈夫?」と思われるかもしれませんが、例えば以前は「解約」に関する記事だけで20個以上作成していたのですが、「解約方法」について問い合わせされた方でも「解約後、いつまで見られるのか?」「本当にこれで解約できているのか?」といった感じで、求めている答えはさまざまです。

お客さまは「解約後の視聴期間」を知りたいのに「解約方法」の記事を確認しても解決しないので、そういう部分をすべて洗い出し、記事を統合するということをしました。記事を統合したことで検索結果記事数が10個前後と減り、求めている回答に辿りやすくなりました。

下井 全く同じ理由で、チャットボットに関しても、最大で400近くあった記事が現在は150ほどに絞られています。お客さまにとっては、ご自身の置かれた状況をテキスト化して問い合わせるということ自体、かなりのハードルになるかと思います。どうしても曖昧な表現であったり、単語だけだったりという形で入力して、私たちのところに来るので、そこでまず大きなジャンルを示し、そこから表示されるシナリオと呼ばれる選択肢の中からマッチするものを見つけて進んでいただく方が使い方としては楽ですよね。その方向で、記事の数自体は減らしています。

人を増やさずに有人チャット対応件数は昨年比150%

――有人チャットによる対応件数も、昨年が1カ月あたり2,300件だったのが、今年は3,500件と昨年比で150%に伸びているそうですね?

大霜 有人チャットに関しては、これまでできていなかったお客さまの個人情報を取得するということをスタートしたことで、より丁寧な対応が可能になりました。ただ、件数は増えていますが、体制を変えて対応する人数を増やしたわけではないんです。電話と異なり、チャットの場合はひとりのオペレーターが複数のお客さまを対応することが可能なのですが、そこに関しては運用側の努力と工夫が非常に大きいと思います。その管理担当者が、今日ここにはいない札幌支社の大田さんなんですが。

高松 FAQから有人チャットにつなぐというのは他社さんでもほとんどやっていない取り組みで、WOWOWの強みだと思います。FAQから有人チャットに直接行けるようにしたことで、電話せずにWEB上で解決できるようになり対応件数も増えていきました。

――お話を聞いていますと、各チャネルやデジタルのサービスとコールセンターの枠を超えてスムーズに連携が取れていることが、良い効果を生み出しているのだと感じられます。

大霜 うちはWOWOWのカスタマーセンターとして運営しているので、それはすごく大きいと思います。他社さんだと会社が違ったり、ツールが違ったりするところも多いですし、最近ではもうコールセンター自体がないところも多いですからね。

下井 他社さんに話を伺うと、FAQだけで複数人の担当者がいて、チャネルごとにチームが分かれているということも多いそうなので、やはりこれだけ密に連携し、情報を互いに共有しながらやりとりができているというのは、WOWOWの強みだと思います。

高松 「仲が良い」と言うと子どもっぽい言い方かもしれませんが、コールで困ったことがあればWEBに助けや情報を求めるし、逆もしかりでシームレスにそれができていると思います。

徳永 コールやチャットボット、有人チャット、FAQがお客さまからの問い合わせを受けるのに対して、それとは別にメールの配信を行なうメールチームやSNSを担当するチームもあって、例えば何か障害が起きた場合、お知らせなどの発信を行なうのですが、そちらとの連携も非常に密にできていて、それは強みだと日々感じています。

――コールセンターのお話も出ましたが、「コールセンターランキング2024」ではWOWOWは7位にランクインしています

大霜 DCCのランキングが右肩上がりで上がったのは、満足度の高いコールセンターがバックにいてくれるという安心感のおかげもあるんじゃないかと思います。

下井&高松 "ONE TEAM"です(笑)!

取材・文/黒豆直樹、撮影/祭貴義道

【後編に続く】