2024.10.04

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ユーザーテストに他社研究も! 飽くなき向上心が生んだデジタルサポートランキング3位!

株式会社WOWOWカスタマーリレーション部 大霜諒之輔(WOWOWカスタマーセンター運営の企画業務担当)
株式会社WOWOWコミュニケーションズ 徳永祥子(企画営業担当)
株式会社WOWOWコミュニケーションズ 下井奈美(チャットボット担当)
株式会社WOWOWコミュニケーションズ 高松由佳(FAQ担当)

ユーザーテストに他社研究も! 飽くなき向上心が生んだデジタルサポートランキング3位!

トライベック・ブランド戦略研究所が発表する「デジタルサポートランキング2024」で、WOWOWは過去最高の3位にラインクイン! WOWOWのカスタマーリレーション部の担当者および日々、最前線でお客さま対応を行なっているメンバーを含む、デジタルカスタマーセンター(DCC)の担当者にWOWOWのお客さまサービスに関する取り組みについて話を聞いた。【インタビュー後編】

「解約」ボタンをトップページの目立つ場所に置く理由

――ここ数年の取り組みの一つとして、会員向けの「My WOWOW」に関しても改修を行なったそうですが、具体的にどういった部分を改修されたんでしょうか?

高松 以前から、お客さまが各種手続きでつまずいているという声がコールセンターやアンケートを通じて届いていました。ただ、実際にどこをどう変えたらいいかというところが分からなかったので、ユーザーテストという形で検証して、お客さまが使いづらく感じる部分を洗い出していきました。

まずトレンドに合わせたデザインに変えたというところが大きいんですが、もう一つ、My WOWOWを使われるお客さまは、「解約」の導線を探される方がいちばん多いんですね。これまでのページではそれが分かりづらかったので、この際、トップページに「解約」のボタンをしっかりと置いてしまおうと。

トップの画面に関しては、より多く利用される内容を前面に持ってくるかということを考えて変えました。加えて、必要な箇所には、説明テキストの追加・FAQ導線・チャットボットバナーを設置しサポートできるようにしています。

――解約できないというのがお客さまにとってはいちばん困りますし、実際「WEBサービスを解約しようにもなかなかできなくて困っている」という声はよく聞かれます。

高松 解約は私どもにとってはマイナスのことですが、最近は契約されたら、まず解約の方法を確認されるというお客さまも多いですし、そこはすごく大事な部分です。

大霜 またWOWOWに帰ってきてもらうためにも、解約の手続きはスムーズに分かりやすくというふうに考えています。

下井 実際、以前は「解約させないように解約のボタンを見つけづらくしてるんじゃないか?」という声をいただくことがあったんですが、改修後は見掛けなくなりましたね。

目からうろこのユーザーテスト 「お客さまがどこでつまずいてしまうのか知りたい」

――先ほど「ユーザーテスト」をされたという話が出ましたが、具体的にどのような形で行なわれたのでしょうか?

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大霜 パラドックスみたいなんですが、顧客サービスの部門にいて、お客さまのことを考えれば考えるほど、意外とお客さまのことが分からなくなってきてしまうものなんですね...(苦笑)。

どんなに「お客さま目線」と言っても、お客さまになりきることはどうしてもできないので、そこで本当の課題が落ちて見つからなくなったりすることはどうしてもあると思っています。その解決のために、WOWOWコミュニケーションズの社内の方で、WOWOW以外の業務に携わっていてWOWOWに深く関わっていない、WOWOWを詳しく知らない方にサービスに触れてもらうことで、今まで見えなかったものが見えるのではないかと考えて始めました。

下井 「加入したい」「この手続きをしたい」といった設定に沿って、実際に操作してもらったんですが、私たちが「お客さまはきっとこうするだろう」と思っていたのを覆すような動きや発言、思いがけない気付きがありました。

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高松 これまでユーザーテストを2回行なったんですが、1回目は、心が折れるくらい傷つきました(苦笑)。思ってもみなかったことを言われたり...。

下井 あんなに一生懸命、お客さまのことを考えて作った文章が邪魔だったのか!とか(苦笑)。

高松 ただ、これを良い機会だと捉えてWOWOWの担当者とも共有し、改修をした結果、解決率は5~6%アップしました。1回目のユーザーテストのときは「やりたくない」と言っていたのですが、2回目に関しては自分たちから「やりたいです」と。やっぱり、お客さまがどこでつまずいて、困っているのか知りたいんですよね。

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情報交換の交流会も!他社の良い部分を積極的に取り入れる

――ランキングの上位の会社など、他社のデジタルサポートを研究したり、実際に改修の際の参考にされたりすることはあるんでしょうか?

徳永 他社さんのヘルプページを使ってみたり、何か困ったことがあれば、有人チャットを使ってみるというのはチーム全体でよくやっています。言い回しやデザイン、導線など、WOWOWに合うものは取り入れるようにもしていますし、そういう部分も今回、高く評価していただいたポイントの一つだったのかなと思います。

高松 テキストリンクはランキング1位の任天堂さんを参考にしたり、他社さんと交流会を開いて情報交換を行なったりもしています。同じツールを利用している他社さんとの交流会では、活用できそうなものは取り入れたり、ツール会社さんにも相談したりしています。

――皆さんが仕事をする上で大切にしていることや、やりがい、また今後、実現できたらと思っていることなどを教えてください。

大霜 大切にしているのは、コミュニケーションの量と質ですね。僕は実際にお客さまからの電話を取ったり、FAQの記事を実際に書いたりするわけではないですし、やり方を間違えれば、カスタマーセンターの皆さんにとってすごく遠い存在になってしまいます。信頼関係を築き、何でも言い合えるチームであるためにもコミュニケーションを大切にしています。

今回、人の連携がうまくいっているという話はたくさん出てきましたが、データの連携システムを構築していくことは課題だと思っているので、よりお客さまの体験価値を上げていくために、システム、データの部分をつなげていくことができたらと思っています。

徳永 私もセンターの運用ではなく、営業という立ち位置にいるので、少し違った目線、広い視野を持って新しいことを提案することを大切にしたいと思っています。これまで、メールチームやSNSの運用チームにいたこともあるので、そうした経験を活かして、DCCのチームの皆さんの力になれたり、お客さまのお役に立てたときはやりがいを感じます。

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下井 私も大切にしているのはやはりコミュニケーションで、チャネルをまたいで連携していく上で、狭い視野に陥らないように、なるべくいろんな担当者の方と話をするように心掛けています。自分が関わったことで解決率が上がったり、お客さまが助かったと体感できる部分にやりがいを感じています。

理想としては、お客さまそれぞれお困りごとは違うと思いますが、完全なケアを提供し、満足していただけるサービスにすることができればと思っています。

高松 私が大切にしているのは、とにかくみんなで楽しむこと。例えば、有人チャットで良い結果が出れば、全員で担当の札幌支社の大田をたたえ、一緒に喜びますし、良い結果が出ればWOWOWの担当者にもすぐに報告します。昨年、"オムニチャネル"を始めたときに、WEBで解決できるお客さまをWEB誘導することを目標に掲げましたので、よりその理想に近づけていければと思っています。

取材・文/黒豆直樹、撮影/祭貴義道

WOWOWコミュニケーションズ 事例紹介

事例紹介|WOWOWコミュニケーションズ (wowcom.co.jp)