2026.03.23

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お金の知識×コメディ×ドラマの融合"今"だからこそ多くの人に響く、「カネデカ!」の魅力に迫る!

公認会計士・税理士、「カネデカ!」監修 山田真哉
コンテンツ事業戦略局 メディアサービス部 森 ふみよ

お金の知識×コメディ×ドラマの融合

日経平均株価の高値更新や新NISA制度への関心の高まりなどで、投資・資産運用を始める人が急増している昨今。その一方で、今なお、お金の運用に苦手意識を持っていたり、どこから手を付けていいのか分からないという人が多いのも事実。そんなビギナーにピッタリのドラマ「お金のことがちょっとわかる刑事ドラマ『カネデカ!』」が現在、WOWOWオンデマンドやYouTubeで配信中。“学ぶ”という堅苦しさや難しさを省き、笑いながら自然とお金に関する知識が身につくこの新感覚のショートコメディドラマがいかにして生まれたのか。その制作過程とこだわりを、監修を務めた山田真哉さんと森ふみよプロデューサーにうかがった。

紆余曲折を経て誕生した、"カネデカ"という設定

――とても楽しく「カネデカ!」を拝見しました。まずは、今回こうしたお金をテーマにしたコンテンツを作ろうと思われた経緯についてお話しいただけますか?

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 そもそものスタートは2025年の年明けでしたので、一年ほど前でした。新しいコンテンツの企画を考えていくなかで、ちょうど私が新NISAや投資について勉強をし始めた時期でもあったんです。知識がほぼゼロだったこともあり、いろんな本や動画に目を通していたのですが、どれも情報として有意義ではあっても、あまり楽しくないなと感じたんですね。そこで、エンターテインメントとして楽しんでいるうちに、自然とお金に関する知識を得られるものはないかと考えたのがきっかけでした。

2603_features_kanedeka_sub02_w810.jpg「カネデカ!」プロデューサー 森ふみよ

――コンビの刑事が活躍するショートコメディドラマというスタイルも、最初から構想としてあったのでしょうか?

 そこにいたるまでは紆余曲折ありました。投資の知識や役立つお金の情報を扱った映像コンテンツ自体は、すでにYouTubeなどにたくさんあるわけです。ですから、まずはそことの差別化を図る必要があると考えました。となると、WOWOWの強みでもあるオリジナルドラマ制作のノウハウを活かし、ストーリー仕立てでお金にまつわる情報を提供していくことが一番だと感じましたし、私たちがやる意味もそこにあるのではないかと思ったんです。

山田 僕も「オタク会計士ch【山田真哉】少しだけお金で得する」というYouTubeチャンネルを持っていますが、逆にいえば僕みたいな会計士YouTuberにはドラマを作ることができませんからね。企画をうかがったときは、"これは面白そうだな"と感じました。

2603_features_kanedeka_sub03_w810.jpg監修:山田真哉氏

 「カネデカ!」を作るなかで、山田さんと出会えたことは本当に大きかったです。

山田 たしか、2025年の5月頃でした。

 私たちスタッフ陣は本当にお金に関する知識がなかったので、最初の頃は打ち合わせというより、ほとんど山田さんに取材しているような感じでしたよね(笑)。監修だけではなく、脚本を作る前の企画段階から入っていただいて。

山田 僕もこれまでに何度かドラマの監修をしたことがありますが、主な仕事って脚本の内容を確認したり、必要であれば小道具を提供するぐらいなんです。でも、「カネデカ!」に参加し始めた頃はまだ刑事モノになるということも決まっていない段階で。本当に何もないところからのスタートだったので、ある意味でとても新鮮で、貴重な経験でした(笑)。

――刑事ドラマの設定に決まるまでに、どのような案があったのでしょう?

 本当にたくさんありました。たとえば、金融商品をイケメンに擬人化し、莫大な遺産を相続したお嬢様がたくさんの金融商品のなかから自分に合ったものを選択していくという、恋愛シミュレーション風のものを考えたり。

山田 今だから言いますが、その頃は、"このドラマの企画は頓挫するかもしれないぞ......"と思ってました(笑)。というのも、内容がどうこうではなく、お金にまつわることってグレーゾーンも多く、設定を見誤ってしまうと、どこかで無理が生じてしまうんです。

 それは山田さんと打ち合わせをしていくなかで、私も感じていたことでした。ですから、お金に関する知識を"誰がどう教えていくのか"という設定作りにはすごく時間をかけたんです。その一つの案としてあったのが、私たちが「釣りバカ方式」と呼んでいたもので。会社の部長と部下がアフター6になると立場が逆転し、Z世代の部下から50代の上司が投資について学んでいくという内容でした。

山田 ただ、会社の部長と部下のように役職や人物像を固定してしまうと、その2人の生活環境や資産状況に合わせた物語しか作れなくなり、作品にあまり幅を持たせられないんですよね。

 その点、刑事ドラマにすれば、容疑者や被害者の設定を事件ごとに変えて、いろんなパターンを作ることができる。これは、あるときに山田さんが「お金の運用や投資の仕方って、人間性が出るんです」とおっしゃっていたことも大きなヒントになりました。

――なるほど。また、ドラマ内で活躍する"カネデカコンビ"を演じているのが原田龍二さんと岡部ひろきさん。お二人のキャスティングはどのように決まったのですか?

2603_features_kanedeka_sub04_w810.jpg第1話より (左)原田龍二(右)岡部ひろき

 これはもうひらめきでした。原田さんは10年以上もWOWOWのオリジナルドラマに出演されていないので、視聴者にとっても新鮮さを感じていただけるのは......という狙いもありました。任侠モノにするという案などいろいろ設定を考え、最終的に刑事ドラマになりましたが、そんな原田さんが演じられる刑事は観てみたいと思いました。一方、岡部さんとは以前にもWOWOWはお仕事をさせていただいたことがあり、今回の原田さんとのコンビをイメージしながらお二人の写真を並べてみたら、とてもしっくりきたんです。

山田 岡部さんは20代ですから、投資などを身近に感じているZ世代。反対に、原田さんは50代ということもあり、投資に怖さや不安を感じている世代。年齢的にも、すごくバランスがいいですよね。

インパクトを重視し、タイトル先行で中身を決定

――今作は4つの物語(全18話)で構成された内容になっていますが、ドラマの中で取り上げているお金に関する情報やテーマはどのように決めていかれたのでしょう?

山田 基本的には初心者にも分かりやすい入門編といいますか、それほど難しくない内容であったり、言葉自体はよく耳にするけどイマイチよく分からない専門用語や、知っておくと普段の生活にも役立つ情報などを盛り込んでいきました。

――それぞれのエピソードのタイトルも、「ほったらかし殺人事件」「控除連続殺人事件」「ハイリスクハイリターン殺人事件」「積み立て殺人事件」とユニークなものばかりです。

 最初に「ほったらかし殺人事件」と「控除連続殺人事件」というワードを山田さんが提案してくださったんです。そのときは、ネーミングセンスの素晴らしさに衝撃を受けました!

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山田 「◯◯殺人事件」というタイトルにすることで、多くの方に興味を持ってもらえるだろうなと思ったんです。これって、実はYouTubeでコンテンツを作るときのやり方なんです。サムネイルのタイトルにインパクトがあると、つい覗きたくなりますよね。一般的なドラマだと、テーマや中身が決まったうえでトータル的にタイトルを決めていくのが通常の作り方だと思うのですが、YouTubeの場合は最初に引きのあるサムネイルやタイトルを考える。行程が真逆なんですね。「カネデカ!」では、そうやってタイトルとストーリーの中身を同時に考えていくことが多かったです。

 「カネデカ!」はWOWOWでの放送やWOWOWオンデマンド以外に、YouTubeでも配信することを最初から決めていたので、そうした発想は目からウロコなところがありました。

2603_features_kanedeka_sub06_w810.jpg第4話「ほったらかし殺人事件編」より(中央)前原 瑞樹

2603_features_kanedeka_sub07_w810.jpg第10話「控除連続殺人事件編」より

――「ハイリスクハイリターン殺人事件」というタイトルはどなたの提案なんですか?

 これは私です。FXについて私自身がよく分かっていなくて、山田さんにうかがったら、ハイリターンではあるけれどハイリスクでもあるという恐ろしい事実を知ったんです。なので、"ハイリスク"というワードは必ず取り入れたいなと(笑)。そしたら、山田さんが「ハイリスクハイリターン殺人事件」のトリックまで考えてくださって。

山田 そうでした。外国市場には時差があるから、「この時差をアリバイ崩しのトリックに使いたい」とお伝えしたんですよね。僕は元々、会計ミステリー小説を書いていたこともあって、トリックには強くこだわりたかったんです(笑)。

2603_features_kanedeka_sub08_w810.jpg第12話「ハイリスクハイリターン殺人事件編」より


 「積み立て殺人事件」はみんなでアイデアを出し合いました。ウォーターサーバーの水の中にちょっとずつ毒を積み立てて殺すことはできないか、と(笑)

山田 かなりこじつけではありますが、そこはコメディドラマなので(笑)。それに、この「積み立て殺人事件」って意外といい話なんです。

 そうなんです、ちょっと泣けるんです!(笑) 脚本家の舘そらみさんのなかに、「金の道は、追えば絶対に罪か愛にたどり着く」というテーマがあったそうで。どのエピソードもそうですが、奇想天外な物語なのにしっかりとドラマ性を持たせてくれたことに、とても感謝しています。

2603_features_kanedeka_sub10_w810.jpg第18話「積み立て殺人事件編」より(左)押田 岳(右)中村 守里

脚本と監督の力で、より誰もが気軽に楽しめる内容に

――こうしたお金にまつわるコンテンツだと、どうしても最初から苦手意識を持つ方もいると思います。間口を広げるためにこだわった点などはありますか?

山田 僕は以前、『女子大生会計士の事件簿』という自分が書いた小説をドラマ化していただいたことがあるのですが、お金にまつわるドラマとなると、どうしても多くが、不正を暴いていくような勧善懲悪モノになってしまうんですね。もちろんそれも魅力的なのですが、「カネデカ!」はあくまでもお金に関する情報をお届けするということが前提としてありましたので、そこは避けたいと最初にお伝えしました。

――確かに、不正をテーマにしたものや勧善懲悪モノにしてしまうと、自分とは違う世界の物語という受け取り方になってしまいそうです。

山田 おっしゃるとおりで、今から投資を始めようとする方や自分の資産運用を見直そうと考えている方たちに刺さらないんです。でも、「カネデカ!」はエンタメ性がありながら、情報や知識もしっかり詰め込まれている。そこが素敵ですし、地上波ではなかなかできないドラマだなと感じます。

 そうですね。この企画を立ち上げたときも新しいタイプのドラマを作ろうという思いはなく、自分たちが目指すものを考えた結果、ショートコメディドラマの形で表現するのが最適だったというだけなんです。何より大事にしていたのは、投資やお金の運用方法を楽しく見せていくこと。そこだけは絶対にブレないように、いつも企画書や資料の一行目には必ずそのコンセプトを書いて忘れないようにしていました。

山田 それと、僕が最初に台本を読んですごくいいなと思ったのが、ドラマの中に細かい数字が出てこないことでした。自分のYouTubeチャンネルでもそうなんですが、数字が多いと、それだけで拒否反応を起こしたり、内容が頭に入ってこないという方がたくさんいるんです。ですから、数字に弱い人でも、このドラマでは気軽にお金について学んでいただけると思います。

 また、こだわりという点では、なるべく本編のストーリーの中でお金の情報をお伝えするようにした、というのもありますね。そこは脚本家のそらみさんが非常に頑張ってくださったところでもあって。事件の容疑者が泣きながら自供する場面にさり気なく保険の説明をする台詞を入れたりと、できるだけ勉強色を省いていただきました。

山田 しかも、そうした説明台詞がニヤッとした笑いの作りになっているのが、またいいんですよね(笑)。

 小山亮太監督の演出も本当に見事でした。そらみさんのハネた脚本を、さらに小山監督が昇華してくださって。

山田 個人的に印象的だったのが、「ほったらかし殺人事件」の第2話で刑事2人がカレーを食べて休憩するシーンです。台本上ではただカレーを食べるだけだったのに、完成した映像を見たら出前持ちの役としてインド人が登場していて(笑)。

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 あれは監督のアイデアでした。

山田 何がすごいって、意味深にインド人が出てきてるのに、それがなんの伏線にもなっていないこと(笑)。5分しかないショートドラマにあれを入れる勇気にも痺れますが、そうしたちょっとしたムダが面白さに繋がっているんですよね。

 そこはショートドラマの良さでもありますね。伏線っぽく見せていても、それを回収しなくていい。むしろ、不必要なものがシュールなコメディとして成り立つんです。

山田 それでいて、笑いながらお金に関するいろんな知識を得ることができる。本当にものすごくタイパのいいドラマだなと思います。

――また、先ほどの森さんのお話しにもありましたが、今年からYouTubeでも毎週月曜日に一本ずつ配信がスタートしています。5分という短さは電車に乗っていても一駅分ですし、WOWOW加入者以外の方にも見てもらえることで、より手軽に楽しんでいただけるのではないかと思います。

 ぜひ多くの方に見ていただきたいです。WOWOWオンデマンドでの配信が昨年の12月末から始まり、今年の1月には一挙放送もしたのですが、自分たちでも驚くほど多くの視聴者に見てもらえました。

山田 そうなんですか? それはすごく嬉しいですね。

――そして、YouTubeでは本編の番外編として、原田龍二さんを招いて山田さんによる投資初心者のための講義も配信されています。こちらはどのような内容に?

山田 カネデカ本人である原田さんに、僕が一から投資やお金のことを教えていくというものです。

 原田さんは投資を一切されていないそうで、ドラマの撮影も随分前に終わっていますので、「専門用語などをすっかり忘れてしまった」とおっしゃっていました。おかげで、番組内では山田さんのお話の一つ一つに、とてもいいリアクションをとってくださっています(笑)。

山田 原田さんにお話ししたのはドラマの中で触れていないことばかりですし、原田さんと同じようにお金にまつわる素朴な疑問を抱えている方にピッタリな内容ですので、ぜひ本編のドラマと合わせてご覧いただければと思います。

取材・文/倉田モトキ 撮影/福岡諒祠

お金のことがちょっとわかる刑事ドラマ「カネデカ!」

・WOWOW YouTube公式チャンネル 
毎週月曜午前7時より「カネデカ!」配信中!  

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・WOWOWオンデマンドで配信中!(全18話)
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・WOWOWで放送中!
お金のことがちょっとわかる刑事ドラマ「カネデカ!」 | オリジナルドラマ | WOWOW