2018.05.21

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クリエイターがキャラクター作りで大切にしていること イラストレーター コンドウアキさんインタビュー

キャラクターデザイナー・イラストレーター コンドウアキ

クリエイターがキャラクター作りで大切にしていること イラストレーター コンドウアキさんインタビュー

WOWOWとドワーフのコラボレーションによって製作された、オリジナルコンテンツキャラクター「ウーとワー」。キャラクターデザインを手掛けるコンドウアキさんに話を聞いた。「リラックマ」や「うさぎのモフィ」など、人気のキャラクターを生み出すクリエイターが大切にしていることとは?

ちょっぴり"ひっかかる"ような、不思議さを残す

──キャラクターをデザインする際、最初にやることはなんですか?

オーダーをしてくださる方への聞き取りです。キャラクターに、どのようなイメージや役割を持たせたいかなど、いろいろ伺っていきます。

──ウーとワーのデザインに関しては、どのように進めてきましたか?

モチーフから自由に提案できましたので、いろんな種類のキャラクター群を出して、聞き取りをさせていただきました。ビジュアルでみたときに、また印象が変わっていくと思いますので、実際に見た印象などを伺いながらすり合わせていった結果、ウーとワーに絞られました。

──だいたいの方向性が決まったのち、デザインを細かく詰めていくうえで重視するポイントはどこでしょう?

アニメーションやぬいぐるみなど、いろいろと世界を広げたいというご希望も伺っていましたので、動きやすさや、かたちのつくりやすさは重視しました。いろんな色と合わせやすいように、キャラクターに使用するカラーも最小限にしぼっています。それから、見てくださる方にちょっぴり"ひっかかり"を持っていただけるように、不思議さも残しています。

キャラクターが紡ぐ物語を大事にする

──ウーとワーのキャラクターや世界観をつくっていくうえで、特にこだわったところはどこでしょう? 

「老若男女関係なく、グッズを持っていただけるように」というのは意識して、ビジュアルをつくっています。"キャラもの"グッズを持つことに抵抗がある方でも、さらっとひとつ何か、ウーとワーのグッズを手元に置いておけるように考えました。

──彼らのいちばんの魅力はどこでしょう?

今回、ドワーフさんとご一緒させていただいておりますので、「ウーとワーのいちばんの魅力はアニメだよ!」と言いたいです。アニメを観ていただくことで、彼らの世界観や関係性がちょっとずつ明らかになり、より親近感を持っていただけるのではないかと思います。

──「リラックマ」や「うさぎのモフィ」など、多くの人に愛されるキャラクターを作られているコンドウさんですが、多くの人に受け入れられるようなキャラクター作りのコツなどはあるのでしょうか?

キャラクターというのは、その時々の時代性もあると思いますので、「どれほど受け入れられるか」などは、作り手がコントロールできるところではないと思っています。ただ、キャラクターは「作っておしまい」というわけではないので、その先もずっと物語が続いていけるように、彼らがどういう世界観に生きていて、どういう性格で、どういう行動をとるのか、といった部分は大事にしています。そこが、受け手の方から共感していただいたり、好きになっていただける大きなきっかけのひとつだと思いますので。

大切なのは「芯のところでブレないようにする」こと

──コンドウさんの生み出すキャラクターたちは、線の太さや曲線の曲がり具合が絶妙で、そういった部分がキャラクターの可愛さだったり、癒される感じを作っている気がします。その絶妙な具合はどのように決定されていくのでしょうか?

曲線のまがり具合......(笑)。じつはその曲がり具合がうまくいくときと、いかないときが日によってありまして......。うまくいくときは割とすんなりいくのですが、いかないときは何度やってもダメで、結局「今日はやめてしまおう」と判断するときもあります。

──普段から発想のヒントとなるようなインプットは行なっていらっしゃいますか?

どうでしょう......あえて仕事につながるように、というような見方をしてインプットは行なっていないと思いますが、街を歩くときに、色は見ていますね。流行りの色はやはり目に鮮やかに映りますし、その色を見ただけでウキウキできるというのは、「流行っている、好きだ、かわいい」といった、その年特有の感覚から印象づけられているように感じますので......かといって、自分のキャラクターにうまくその色がのるかは、そのキャラクターの個性もあるので、一概になんでも合わせられるというわけではないのですが。

──キャラクターを作るうえで大切にしていることを教えてください。

うーん......うまく伝わるかわからないのですが、「芯のところでブレないようにすること」でしょうか。人間でもそうですが......年をとるごとにいろんなものに影響されて、多少なりとも変化はつきものだと思うのですが、それでも根っこというか、持って生まれたモノ、根っこの部分というのもありますよね。キャラクターにもそういうのがあると私は思っていまして、そこは大事にしたいなと思っています。

取材・文/とみたまい 制作/iD inc.

(c)WOWOW・aki kondo/dwarf