2024.05.16

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映画ファン参加型企画を実現! WOWOW FILMS『ミッシング』のスタッフが語る、新たな取り組みとは

事業局事業部 尾崎蒼

映画ファン参加型企画を実現! WOWOW FILMS『ミッシング』のスタッフが語る、新たな取り組みとは

5月17日(金)に全国で劇場公開するWOWOW FILMSの映画『ミッシング』。
本作では、撮影期間のタイミングから、WOWOW加入者の方々に制作過程にご参加いただく企画を幾つか行なってきました。
そんな、今までにないWOWOWならではのプレミアムなイベントを企画・運営したのは、本作のプロデューサー大瀧亮とアシスタントプロデューサー尾崎蒼。
入社3年目の若手社員・尾崎さんに、イベントの立ち上げから開催までの過程と、どのような想いで取り組んだのかを語ってもらいました。

『ミッシング』を継続的に応援してくれる"コアなファン"を育てたい―。

2405_features_missing_sub01b.jpgWOWOW FILMS『ミッシング』 5月17日(金)全国劇場公開

―まずは、尾崎蒼さんのアシスタントプロデューサー(以降APと省略)としてのお仕事について教えてください。
私が今回APとして携った『ミッシング』では、撮影前の準備段階から公開を迎えるまで、プロデューサーを支える補助的な役割を担いました。実は、まだ入社1年目だった私にとって、映画のAPを担当したのは本作が初めてで。最初は右も左も分からないという状況でしたが、社内外問わず作品に関わるいろいろな人と協力しながら進めることができました。『ミッシング』の製作チームの一員としてWOWOWの代表のひとりでもあるため、各方面で信頼を得られるように努めました。

―『ミッシング』では具体的にどのようなお仕事をされたのでしょうか。
撮影に入る前は脚本打ち合わせ、キャストオーディション、衣装合わせの準備などを行ないました。本作はオリジナル脚本で、WOWOWが制作幹事ということもあったので、撮影前から制作に携わることができたのも良い経験だったと思います。撮影期間は約1カ月で、そのうち月の約半分は現場に出向き、制作APの方の指導を受け現場の手伝いをしながら、大瀧プロデューサーが不在の時はWOWOWの代表として撮影に立ち会っていました。

作品の完成後は、各ポストプロダクションの立ち合い、『ミッシング』制作委員会(作品に出資した複数の企業によって形成された共同事業体のこと)の会議準備や運営、宣伝業務を担当しました。宣伝の一例でいうと、吉田恵輔監督の過去作品を『ミッシング』公開直前にWOWOWで放送する「吉田恵輔監督特集」(5月13日(月)~17日(金)放送)を大瀧プロデューサーや、WOWOWで放送・配信している映画の買付チームとともに企画しました。また、WOWOWの作品を2次利用するチーム(番組を国内外に販売するチーム)にも所属しているので、『ミッシング』を国内外問わずさらに多くの人に見てもらいたい、宣伝していきたいという想いで、英語字幕の制作、海外の映画祭に出品・上映準備も行なっています。

―今回、「撮影現場見学」「モニター試写会」「監督登壇のティーチインイベント」「完成披露試写会」と、4つの加入者参加型企画を実施されましたが、その経緯をお聞かせください。
 完成披露試写会へのご招待はWOWOW FILMSの作品公開前には基本的にいつも実施していますが、「WOWOW加入者の皆さまと作品がもっと密接に関わることができるイベントを何かできないか」とWOWOW FILMSのチームは以前から考えていて。それもただ完成した作品を見てもらうだけでなく、加入者の方が制作過程を実際に体験していただけるようなイメージです。最終的に、大瀧プロデューサーと話し合い、撮影段階から完成までの複数のタイミングで、さまざまな角度から制作過程を体験していただけるような企画にチャレンジすることが決まりました。

―複数のイベントを実施した理由は?
制作段階から作品に関わっていただくことで、継続的に作品を応援してくれるんじゃないかと考えたからです。コアなファンになっていただいて、身近な人に「面白いよ!」「見て!」などと紹介してくれるぐらい好きになってもらえたらうれしいな、と。また、『ミッシング』という映画をより多くの人に知ってもらいたい、見てもらいたいという想いが前提にある中で、まずはWOWOW加入者の方々に『ミッシング』をどう受け取ってもらえるか知りたかったということも理由の一つです。加入者と作品が深いつながりを持てるイベントを複数実施することによって、『ミッシング』の魅力を再確認し、長期的にファンを増やすことにつなげられればと思いました。

撮影現場見学、編集段階のモニター試写会―。『ミッシング』の魅力を加入者と再確認することができたWOWOWならではのプレミアムイベント

―4つのイベントの具体的な内容や、参加された方の反応を教えてください。
まず、2023年4月に、第一弾の企画として撮影現場見学に1組2名様をご招待しました。福島県のテレビ局での撮影の日で、当日は、吉田監督が見ているモニターから一番近い場所で、大瀧プロデューサーの解説を聞きながらお2人に撮影を見学してもらいました。隙間時間には、主演の石原さとみさんにご挨拶したり、お2人からの質問に監督が答えたり。お昼には、現場スタッフが撮影期間中に使用する部屋で、ロケ弁当を食べていただく貴重な体験も。
特に印象的だったのは、台本のト書き(登場人物の動作や行動、出入り、心情などが書かれた文章)にある、登場人物の心情を表現するシーンをお2人にも実際に見ていただけたことです。監督が俳優さんにどんな指示を出して、感情の演技を引き出しているのか興味を持たれていたので、実際にその場面を見ていただけたことがうれしかったです。お2人とも映画がお好きで、「なかなか見ることができない映画の撮影現場の裏側を見られるのは楽しく、完成した作品を見るのがますます楽しみになりました!」と喜んでいただけました。映画がお好きな方ならではの視点でこのイベントを楽しんでいただけたのでは、と思っています。先ほども述べたように、『ミッシング』の"コアなファンを作る"という目標を、作品との距離感が最も近い、この「撮影現場見学」でまずは達成できたと思います。


2405_features_missing_sub02.jpg大瀧プロデューサーの解説を聞きながら撮影現場見学をする2人


2405_features_missing_sub03.jpg主演の石原さとみさん、青木崇高さん、吉田恵輔監督と記念撮影

続いて、2023年6月に実施したモニター試写会には、WOWOW加入者から100名様をご招待しました。本作が、石原さとみさん主演、吉田恵輔監督という情報しかまだ世に出ていない段階での実施で、見ていただいた映像も、音の調整は全く施しておらず音楽も仮のものが付いている状態でした。鑑賞後に皆さんにアンケートを書いていただいたのですが、「編集段階の映画を見られるのは貴重なので面白かった」「今後どのように完成されるのか楽しみ」という感想を多くいただきました。モニター試写会とアンケートを実施したことで、完成前の作品の客観的なご意見をいただくことができて、私たち制作サイドも『ミッシング』のどこに魅力を感じていただけているのか、どういうシーンが刺さっているのか、などを再確認することができ、その後の宣伝ポイントを検討する際に、生かすことができました。


2405_features_missing_sub04.jpg完成前の作品を鑑賞してもらいアンケートも実施したモニター試写会

そして、いよいよ公開が近づいた2024年4月には、監督登壇ティーチインイベントを行ない、WOWOW加入者から50名様をご招待しました。このイベントは、完成した作品を鑑賞後に、吉田監督とWOWOWのアナウンサーである宮脇美咲さんが登壇して、皆さんからの質問に答えるという形式でした。宮脇さんは、実はエキストラとして本作に参加してくださっていたこともあり、本作に密接に関わっていただいたひとりです。実は彼女は地方局でアナウンサーをされていた経験もあり、本作の登場人物と重なるので、どうイベントを盛り上げようか2人で相談しながら準備しました。


2405_features_missing_sub05.jpgWOWOWアナウンサー宮脇美咲(左)と吉田恵輔監督(右)

完成披露試写会には、WOWOW加入者から10名の方をご招待しました。上映前の舞台挨拶で、吉田監督や石原さんはじめ、メインキャストの方々が登壇して、作品を改めて振り返って想いを語っていただく熱いイベントになりました。どのイベントも、加入者の方々に映画制作の裏側について知っていただくことで、『ミッシング』のコアファンになっていただけた、WOWOWならではのプレミアムな企画になったのではないかと自負しています。

―イベントを実現する中で大変だったことは?
私は、今までイベントの運営をしたことがなかったので、本当に各施策を実現できるのか最初は不安でした。ですが、大瀧プロデューサーのアドバイスを受け学んだことで、試行錯誤しながらもなんとか各イベント実施までこぎ着けることができました。特に、自分主導で一から企画・準備を行なった監督登壇ティーチインイベントが終わった時には、とても達成感がありました。
今振り返ってみると、各施策とも想像していたよりもスムーズに実現できたかな、と。大変だったことは、強いて言えば、モニター試写会のアンケートを手作業で百件ほど入力したことでしょうか(笑)。でも、通常であればリサーチ会社に依頼することを体験できたので、それはそれで貴重な経験だったと思います。そして、個人的に社会派の映画が好きで、吉田監督の作品も以前から好きだったので、大変というよりも本作に関われてうれしかった気持ちのほうが大きいですね。

―最後に、視聴者に特に注目して見てほしいシーンを教えてください。
石原さんやメインキャストの方々の鬼気迫る演技が見どころなのはもちろんです。あと、物語の主軸ではないですが、私たちが普段過ごす日常で目の当たりにするような、リアルな場面が本編で随所に出てきます。例えば、歩きスマホをしている人が前から歩いてきた人にぶつかり理不尽に怒ったりする場面や、スーパーなどで理不尽なクレームを言う人...。そういった日常で遭遇するようなシーンを見て、共感できるのも本作の魅力の一つだと思いますね。日常を切り取ったドキュメンタリーっぽさがあるのは、吉田監督作品の特徴でもあると思っていて。あとは鑑賞するたびに視点が変わるのもすごいところなんです。最初見るときは石原さんの目線で見てしまうけれど、2回目では別の登場人物に共感して泣けてしまうとか、見る人のタイミングやその人の好みによって感情移入する場所が変わると思います。ぜひ何度も見ていただいて、そのたびに新しい発見をしてもらえるとうれしいです。


2405_features_missing_sub06.jpg『ミッシング』のポスターの前で

※吉田恵輔監督の「吉」は"つちよし"が正式表記

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