2018.09.14

  • クリップボードにコピーしました

声優×フェイクドキュメンタリー! ドラマ『スーパーチューナー/異能機関』完成披露舞台挨拶レポート

声優×フェイクドキュメンタリー! ドラマ『スーパーチューナー/異能機関』完成披露舞台挨拶レポート

若手男性声優ユニット・SparQlew(スパークル・上村祐翔、千葉翔也、保住有哉、堀江瞬、吉永拓斗)が初主演する、WOWOW製作ドラマ『スーパーチューナー/異能機関』の完成披露試写会が、9月11日TOHOシネマズ新宿にて行われた。SparQlewは男性声優が参加するエンターテイメントレーベル“Kiramune(キラミューン)”(株式会社バンダイナムコアーツ、株式会社バンダイナムコライブクリエイティブによる合同プロジェクト)の新ユニット。9月14日から始まる無料配信を前に行われた完成披露試写会の舞台挨拶の模様をレポートする。

声優が実写ドラマの主演に! 新たな挑戦に抱いた思いとは?

"声優による実写ドラマ"というKiramuneレーベル初の試みに注目と期待が集まり、この日は平日夜にも関わらず多くの熱心なファンが駆けつけた。

アニメや声優といったカルチャーに造詣の深いお笑い芸人・ハライチの岩井勇気さんが司会を務める舞台挨拶に、SparQlewの5人と中尾浩之監督(監督・脚本)が登壇。普段のイメージとは違う、モノトーンのシックな衣装に身を包んだ5人に、ファンからは歓声と拍手があがった。

supertuner_butaiaisatsu_1.jpg

並び順は下手から順に 堀江、保住、上村、千葉、吉永、監督

作品が完成した今の気持ちを訊かれると、上村さんは「普段は声のお仕事をさせてもらっているので、試写会という場で自分たちが初主演のドラマを上映するということに驚いていますが、素直に嬉しいと思いますし、早くみなさんにお届けしたいと思っていた作品なので楽しみです」と笑顔で答えた。

千葉さんは「(大きな会場が)すごすぎて、今までの(撮影含め)全部ドッキリなんじゃないか」と冗談を交えつつ、「完成品をみなさんと同じ時間で楽しめるのは、すごく嬉しいです」と、客席のファンを見渡しながら語った。

ドラマ撮影初挑戦となる保住さんは、「収録前日に(同じくドラマ初挑戦の)堀江くんとLINEをしました」と明かし、「台本を見ながら行うアフレコと違い、台本を覚えるのは大変ではなかったか」と聞かれると、「覚えること自体は大変ではなかったけれど、『ドキュメンタリー風に撮りたいからセリフをさらわないでほしい、覚えすぎもダメ』と監督に言われていたので、覚えるにも覚えすぎない、でも内容はさらわなきゃいけない」と、フェイクドキュメンタリーならではの難しさについても触れていた。

堀江さんはオファー時の気持ちについて、「『声優が主演でドラマをやる時代になったんだ』と戸惑いもありましたし、もちろん嬉しさもありました。それまでマイク前でしかお芝居したことがなかったので不安が大きかったんですけど、『(撮影をしていく中で)実写のお芝居でも、今後のアニメのお芝居に役立つものを吸収できるかもしれない』と思ってからは撮影が楽しみになり、ポジティブな気持ちで挑むことができました」と語る。

また、ドラマの演技においても自身の声は気になるかとの質問に「今回はナチュラルなフェイクドキュメンタリーでのお芝居だったので、本当に目の前で事件が起きているような演出をしていただいた。お芝居しない感じ」と語り、上村さんも「リアルさを追求しすぎると、より感情が乗ってしまう。意外と一発目にやったものが、あとから見てみると良かったりする。お芝居のアプローチが、声のお仕事と全然違う感じもあって、幅広いものを知ることができた」と、声優ならではのトークも繰り広げられた。

吉永さんは自身が挑戦した爆破シーンについて、「『爆破シーンがあるよ』と言われて現場に行ったら、至近距離での爆破だったので『死なないかな? 大丈夫かな?』と思いましたが、入念にチームの方々にリハーサルをしていただいて、無事に生還しました!」と客席を笑わせつつ、普通のドラマの撮影とは違い長回しによる撮影だったことで「より臨場感のある映像に仕上がっているんじゃないかなと思います」と語った。

超能力ものであり、若者の成長物語である

『タイムスクープハンター』シリーズなどを手がけ、フェイクドキュメンタリーという手法を知り尽くした中尾監督は、今作品の魅力について「一番の見どころは、みなさんの芝居が本当にナチュラルなところ。喧嘩のシーンなんかも、『本当に喧嘩しているんじゃないか?』と思うくらいリアルな感じ」とSparQlewの自然な演技に太鼓判を押した。

また、「今年は夏が暑かった」と真夏に行われた撮影ならではの苦労を明かした監督の言葉に、大きく頷くメンバー。体力を使う大変な現場でおいしいケータリングが出たことに触れ、それぞれが食べたものについてのトークで盛り上がる。千葉さんは「(食事の場など)そういう時間にスタッフさんとコミュニケーションが取れたのが良かった」と撮影スタッフとのチームワークについて触れた。

さらに、監督はこのドラマのジャンルを「超能力もの」としながらも、「若者の成長物語にしたい。今働いている若い人がこの作品を観ることで、『働くってなんだろう? 人生ってなんだろう?』と考えてもらえたらいい」と作品に込めた思いを熱く語った。

主題歌はSparQlew待望の新曲『Q Wanted』に決定!

180912_sq_key.png新情報も続々と解禁。2019年1月よりTOKYO MXでの放送が決定したことが告げられると、監督も驚いた様子を見せていた。

また、重大発表として上村さんから「主題歌がSparQlewの新曲に決定しました!」の一声に、客席からは大きな歓声が。5人で声をそろえて新曲タイトル『Q Wanted』を発表すると、会場は大きな拍手に沸いた。

千葉さんは曲の内容について、「こんなにかっこいい曲を歌っちゃっていいんですか? というような曲。今まで歌ってきたのは明るくて、応援する・一緒に元気がもらえるような曲でしたが、今回はドラマの主題歌なので、普段は見せないような歌い方をしていたりする」と、これまでとは違ったSparQlewが垣間見られる楽曲であることをアピール。待望の新曲情報に、集まったファンは終始喜びの反応を見せた。

今のSparQlewだからこその、リアルさ・ナチュラルさ

舞台挨拶の最後は、それぞれからのメッセージ。吉永さんは「この作品を通して貴重な体験をさせていただいた、今の自分たちのステップアップにつながったと思っています。新曲もオシャレなものになっているので、ぜひチェックして欲しいです。上映をお楽しみください!」とフレッシュにファンに語りかけた。

堀江さんは「初めてなりに、全力を尽くしてお芝居をさせていただきました。監督も演者もすごくこだわって作った作品で、クオリティの高い内容になっていますので、『声優もここまでできるんだぞ!』といったことを感じてもらえれば。楽曲もかっこいい仕上がりになっているので、最後まで楽しんでいただければと思います」と笑顔で語った。

保住さんは「ずっとカメラが回っている状態でお芝居をさせていただくのはすごく貴重な体験で、学ぶことも多かった。5人が顔を合わせて喋っているナチュラルなシーンもあり、かっこいい個々のシーンもあると思いますし、ドキュメンタリータッチで『本当にカメラが密着しているんだぞ』という撮影の仕方をしたので、完成品がどうなっているのか楽しみです」と見どころを語った。

千葉さんは「スタッフさんたちが暖かい雰囲気を作ってくださって、僕ら一人一人に興味を持ってくださっていることが伝わってきた。信頼関係のもとにやらせていただいたので、それを観ていただけるのは嬉しく思います」とスタッフ・キャスト一丸となって作品づくりができた喜びを語った。

上村さんは「監督もおっしゃっていましたが、若者の成長も見どころの作品になっている。撮影を終えてみると、今のSparQlewがこのタイミングで撮ったからこそのリアルさ・ナチュラルさが溢れているんじゃないかと感じています。役名はあるものの、SparQlewとしてのフラットな関係性も深く見ることができる作品になっている。なにより、主題歌を歌ったり、身体で表現したりと、声だけじゃないところで表現させていただいたというのは、僕たちにとってありがたい経験だったと改めて感じています。僕たち5人とスタッフさん、全員で力を合わせて作った素敵な作品になっています」と、等身大の自分たちと作品の関係性に言及。"若者の成長物語"である一面を、力強く語った。

最後に中尾監督から「今回みなさんとお仕事して本当に光栄で、本当に現場も楽しかったので、ぜひもう一回実写でやりたいと思っています。作品を観ていただくと、滅多に見られない彼らのいろんな表情が見られると思いますので、何回も再生して観ていただいて、みんなの魅力を十分に堪能していただいて、盛り上がれば続編も......!? またみんなでやりたいと思っています!」と今後の展開への期待を語ると、客席からは拍手が起こり、メンバー全員が喜びの表情を見せた。

フォトセッションでは司会の岩井さんの楽しい声かけもあり、それぞれの表情やメンバーの仲の良さにファンからも笑いが起きる。ステージ・客席ともに暖かい雰囲気のまま、5人は笑顔で手を振りながら会場を後にした。

180912_st_key.png

「スーパーチューナー/異能機関」
2018年9月14日無料配信スタート! 毎週金曜日(全10話)

【出演】
上村祐翔(蒲生健介役)、千葉翔也(栗山陽一役)、保住有哉(桜田純平役)、
堀江瞬(芝太一役)、吉永拓斗(小柳倫太郎役)
【監督・脚本】
中尾浩之(「タイムスクープハンター」シリーズ、「卒業バカメンタリー」、「スペースバグ」 他)
特設サイト:https://www.wowow.co.jp/super-tuner/
※視聴にはWOWOW WEB会員登録(無料)が必要です。
公式Twitter:@super_tuner_PR 特報映像:https://youtu.be/OB_AfrfjTtM

【あらすじ】ある極秘資料映像が開示された―。そこに映っていたのは、特殊能力で任務を遂行する男たちに密着した、驚くべき映像の数々だった。大気中の粒子の波動に同調(チューニング)できる身体の持ち主「チューナー(特殊能力者)」。その中でも卓越した特殊能力を持つ者を「スーパーチューナー」と呼ぶ。カメラは、チューナーたちの極秘機関『Rabbits(ラビッツ)』の活動を映し続ける。念力の使い手・桜田(保住有哉)、透視ができる栗山(千葉翔也)、発火能力を操る蒲生(上村祐翔)、催眠術が得意な芝(堀 江瞬)、新人の小柳(吉永拓斗)らが、特殊能力を駆使し、謎のボス"ドワーフ"(声:神谷浩史)の指揮の下、犯罪捜査や人命救助、スキャンダルのもみ消しなど、一癖も二癖もある事件に挑む!


取材・文/草野英絵  制作/iD inc.