2020.01.10

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ラグビー日本代表・田中史朗選手、松田力也選手登壇にファン熱狂! シックス・ネーションズ&7人制ラグビーの魅力を熱く解説!

ラグビー日本代表・田中史朗選手、松田力也選手登壇にファン熱狂! シックス・ネーションズ&7人制ラグビーの魅力を熱く解説!

日本中を興奮に包んだラグビーワールドカップ2019の熱狂がいまだ冷めやらぬ中、WOWOWでは2020年、6か国対抗で欧州最強を決める「シックス・ネーションズ」と7人制ラグビーの世界最高峰「ワールドラグビー セブンズシリーズ」が放送される。
これに先立ち、特別番組「熱狂続く!ラグビーまるわかりSP ~激闘シックス・ネーションズ&注目7人制~」が1月11日(土)に放送される。昨年12月下旬、都内で同番組の公開収録が行われ、ワールドカップ2019日本代表の田中史朗選手(キヤノンイーグルス)、松田力也選手(パナソニック ワイルドナイツ)、WOWOWのラグビー解説者で元日本代表の大西将太郎さん、元日本代表キャプテンで、ドラマ『ノーサイド・ゲーム』への出演でも話題の廣瀬俊朗さんが登場し、それぞれの大会の魅力について熱いトークを展開! 会場は大きな盛り上がりを見せました。

田中選手、パレードの涙について
「この話、しないといけない...(苦笑)?」

会場にはWOWOW加入者の中から応募で選ばれた約170名が足を運んだが、代表チームのジャージを着たファンや親子連れの姿も。田中選手、松田選手らが登場すると、大きな拍手と歓声に包まれた。

あらためて熱狂のワールドカップ2019、過去最高のベスト8という結果を振り返り、田中選手は「たくさんの声援をありがとうございました。僕たちの力だけでは達成できませんでした。みなさんと僕らで"ONE TEAM"となってベスト8を達成することができました」と感謝を口にし「最高の大会でした」と満面の笑み。先日開催され、多くの人々が詰めかけたパレードでは、歩きながら泣いている姿も話題になったが「日本代表で12年間やらせていただいて、あれほどたくさんの方にパレードに来ていただけるということがなかったので...」と語りつつ「この話、しないといけないですか...(苦笑)?」と照れくさそう。

松田選手は「ずっと夢みていた舞台に立てて言葉では表すのが難しい、感無量という感じでした。素晴らしいピッチに立てて、一生の財産になりました。いま思い出しても鳥肌が立ちます。一生、忘れられないです」としみじみと語った。

廣瀬さんは、大会後に感じた変化として「女性ファンの方が増えましたね。いままで僕らがパレードをやっても『廣瀬、ようやったな!』という男性の声が多かったけど(笑)、今回は『キャー!』という声が聞こえて、世界が変わったなと感じました。女性が来てくださると、男性も子どもも一緒に来てくれるんですね。嬉しいです」と性別、世代を超えての盛り上がりへの喜びを口にした。

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ラグビーを"ブーム"で終わらせないために
「世界に通じる道を子どもたちに!」

そんな盛り上がりを単なるブームで終わらせず、きちんと日本にラグビーを定着させるためにも、今後の取り組みが重要になってくる。廣瀬さんが「国内ではトップリーグがあるし、世界では今回のシックス・ネーションズもあり、変化が見られる年になる。東京オリンピック、パラリンピックもある」と言えば、松田選手も「今シーズンが大事になる。ワールドカップの熱が冷めないように、トップリーグで一生懸命やっていきたいし、ワールドカップで戦った選手がトップリーグにいるので、やり合うのが楽しみです!」と意気込みを語る。田中選手は「ONE TEAMで盛り上げて、世界に通じる道を子どもたちに作っていけたら」と未来を見据えた。

そんな2020年のラグビー界の中で、世界中の熱い視線を集めるのが2月に開幕するシックス・ネーションズ。ウェールズ、イングランド、アイルランド、フランス、スコットランド、イタリアの6か国による同大会だが、解説の大西さんは「ワールドカップが毎年行われているというくらい、盛り上がりはすごいです。伝統もあります」と欧州での熱狂について言及。

廣瀬さんはシックス・ネーションズを「小さい頃、夜な夜な録画して見ていました。ラグビーを好きになったきっかけとなった大会」と明かし「国の威信をかけて、お客さんが熱狂し、めっちゃ歌ってて、日本のスポーツでは感じられない"何か"を感じました」とワールドカップとはまたひと味違う独特の熱を持っていると力説する。

田中選手、松田選手はもともと、ニュージーランドやオーストラリア、南アフリカといった南半球の強豪国を見てラグビーを始めたそうだが「それだけじゃラグビーはわからない」(田中選手)ということで、シックス・ネーションズを見て欧州の強豪の戦いに魅了され、多くのことを学んだという。

今年のワールドカップで日本代表は、アイルランド、スコットランドと予選プールで戦い、見事に勝利をおさめたが、ワールドカップ前に開催されたシックス・ネーションズでの各国の戦いぶりが日本の勝利に大きく影響しているという。

田中選手はフランスのホームで行われたフランスvsスコットランド戦でゲスト解説を務めたが、スコットランドがアウェーで封じ込められる様子を見て、全試合をホームで戦うワールドカップに向けて「自信になった」とも。「シックス・ネーションズでの分析があってこそ勝利を勝ち取れました」と語る。

松田選手も何度も繰り返しシックス・ネーションズの試合を見て各国の弱点などを分析したそうで「倒し方、戦い方、ゲームの運び方を勉強しました。見てなかったら勝てなかった」とその影響の大きさを口にした。

前回覇者ウェールズ、エディー・ジョーンズ ヘッドコーチ率いるイングランド、W杯開催に向け燃えるフランス...優勝するのは?

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この日の収録では、各国の分析も行われた。2019年のシックス・ネーションズで、5戦全勝の優勝"グランドスラム"を達成し、ワールドカップでもベスト4に進出したのが"レッドドラゴン"ことウェールズ。大西さんは同国について「何がすごいのかわからないチーム。当たり前に、しなければいけないことをみんなが愚直にできる真面目なチームです」とその地力の強さを指摘し、注目選手としてワールドカップのトライ王となったジョシュ・アダムスの名を挙げ「引き続き、これからのウェールズを背負っていく選手」と語った。

前回2位で、ワールドカップでも準優勝を果たしたイングランドも注目チーム。かつて日本代表を率いたエディー・ジョーンズが、ワールドカップ後も引き続き、ヘッドコーチとしてイングランドを率いるが、同コーチの指導を受けた田中選手は「厳しい方でしたが、チームの特徴をしっかりとらえて、どうすればいいかわかってる監督」と明かす。

エディーHCの下で代表キャプテンを務めた廣瀬さんは「あんまり思い出したくないくらい厳しい方です(笑)。エディさんと会う日は痔になっていたくらい追い込まれた...(苦笑)」と明かし、会場は驚きと笑いに包まれるたが、一方で「思いはひとつでした」と全幅の信頼を口にし「その国の国民性、価値観を大事にしてやり方を変えていく監督です」とその手腕を称賛する。

大西さんは「ワールドカップで悔しい思いをしているので、今回、どんな変化をもたらすのか?」と期待していた。

さらに各国の分析が続いたが、特に注目すべき国として挙げられたのが次回2023年ワールドカップの開催地であるフランス。大西さんは特に10番のロマン・ヌタマックについて「天才」「フランスの宝」と称賛を惜しまない。1999年生まれの若い選手とあって、同じく日本代表の次代を担う「松田選手と対戦してほしい」とも。松田選手は大西さんの期待のこもった言葉を受け「下の世代がどんどん出てきて、自分も負けられない」とさらなる成長を誓っていた。

収録では4人それぞれ、優勝予想も披露したが、意外な結果が...!大西さんが「ワールドカップの翌年は、どの国も世代交代があり、新しい世代が出てくる」と語るように、ヘッドコーチを交代し、チームを一新する国もあれば、イングランドのように、ワールドカップからそのまま続投し、チームの完成度を高める国もあり。果たしてどの国が栄光をつかむのか?

7人制ならではのスピード&ダイナミズムに注目!
東京オリンピックでメダルの期待も

続いての収録では、7人制ラグビー代表戦となる「ワールドラグビー セブンズシリーズ」の見どころについて、4人が語り合った。15人制と同じ広さのフィールドを使って1試合14分で行われる7人制ラグビーの魅力は、そのスピード感とダイナミックなプレー。

7人制でも代表経験のある廣瀬さんは、セブンズについて「お客さんが、朝からお酒を飲んで踊りまくってて、お祭りのようなんです」とスタジアムのムードが15人制とは全く異なると明かし「1日に何試合もあるのが面白いですね」と語る。

田中選手は「個人技のすごさがある。見ていてカッコいいし楽しいし、憧れる存在です。もっともっとセブンズを応援していただければと思います」と呼びかけ、松田選手も「(大学やワイルドナイツの)近いメンバーが頑張っているので応援したくなります。リオ(五輪)で撮れなかったメダルをぜひ(東京で)とってほしい」とエールを贈った。

収録の最後に今後に向けての思いを問われると、田中選手は「2023年に向けて、さらに進化するところを見ていただきたい」と語り、松田選手も「ベスト8以上に行けるチームにするために僕自身、成長したいと思います」と決意を吐露。

廣瀬さんが、日本ラグビー界を「盛り上げていきたい」と語ると、大西さんも「まだゴールじゃない。日本のラグビーは新しい時代に突入したと思うので、しっかりとレベルを上げていきたい」と日本ラグビー界の発展に力を尽くしていくことを約束。さらに大西さんが「僕もドラマで監督を...(笑)」と願望を漏らすと、廣瀬さんが「GMと監督の関係でいきましょう(笑)!」と応じ、会場は笑いと拍手が沸き起こっていた。

また、田中選手はステージを降りて、自ら客席にいる子どもたちの元に足を運び、選手カードをプレゼントするというサービスも!子どもたちは憧れのスターからのサプライズプレゼントに満面の笑みを浮かべていた。

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この日、収録された「熱狂続く!ラグビーまるわかりSP(スペシャル) ~激闘シックス・ネーションズ&注目7人制~」は1月11日(土)よる6時より放送。

ワールドラグビー セブンズシリーズは好評配信、放送中。
シックス・ネーションズは2月1日(土)開幕。


取材・文/黒豆直樹  撮影/曽我美芽  制作/iD inc.