2020.10.07

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斎藤工×永瀬正敏がミニシアターを、あの"時代"を語りつくす! 驚きのエピソード連発の「ミニシアターに愛をこめて」収録現場に潜入

斎藤工×永瀬正敏

斎藤工×永瀬正敏がミニシアターを、あの

「今回、ミニシアターについて語ってみたい、語らなければいけないのではないか?」――。

そんな切なる思いのこもった斎藤工の言葉でWOWOWの新企画「特集:ミニシアターに愛をこめて」はスタートする。「映画工房」、「隠れた名作“発掘良品”」とWOWOWで数多くの映画を紹介してきた斎藤工。俳優、監督、プロデューサーとしての活躍に加え、現在のコロナ禍において映画産業、特に全国各地の小規模映画館が閉館の危機にさらされていることを受け、俳優の井浦新、渡辺真起子と共に「ミニシアターパーク」を設立し、俳優の立場で映画館の支援に乗り出すなど、多くの映画人、ファンを巻き込みながら、映画界のために奔走している。

そんな斎藤さんをMCに迎え「ミニシアターパーク」ともコラボレーションする形で新企画「特集:ミニシアターに愛をこめて」がスタート! ゲストに90年代から2000年代初頭のミニシアターブームを牽引した俳優・永瀬正敏を迎えて、ミニシアターを沸かせた4作品を放送。その前後で斎藤さんと永瀬さんが各作品の見どころや思い出はもちろん、ミニシアターへの思いやミニシアターブーム当時の知られざる驚きのエピソードなどを語り合う。今回、こちらの収録の現場に潜入。収録後に行われた斎藤さん、永瀬さんの貴重なツーショットインタビューもお届けします!

「永瀬さんの映画を見て、服や髪型を真似してました。でも全然、永瀬さんになれなくて...(苦笑)」(斎藤)

80年代から"映画"を主戦場に活躍してきた永瀬さん。実は、こうしたテレビのトーク番組などに出演することは「ほとんど初めて」とのこと。今回、先述の斎藤さんらが始めた「ミニシアターパーク」の活動に共鳴し、オファーを快諾したという。

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斎藤さんにとっては、俳優としてという以前に、いち映画ファンとして永瀬さんは憧れの存在。ジム・ジャームッシュ監督作で永瀬さんが主演した『ミステリー・トレイン』などの作品を挙げ「永瀬さんが海外の作品で(主演として)中央にいるということに、エネルギーをもらい、夢を見させてもらいました」と語る。10代の頃は、永瀬さんの出演作を見て、ファッションや髪型を真似していたそうだが「(永瀬さんと同じ格好をしても)全然、永瀬さんになれなくて、『おかしいなぁ...』って(苦笑)」と語ると、永瀬さんが「それはあなたがイケメンだからです(笑)」と返す一幕も。

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『ミステリー・トレイン』の初日、「1日中、映画館のロビーに座ってました」(永瀬)

数々の作品に出演し、ミニシアターブーム、そして日本のカルチャーを牽引してきた永瀬さんだが「僕自身、ミニシアターに救われた人間」とも。相米慎二監督の『ションベン・ライダー』(1983)で鮮烈なデビューを飾り、その後、すぐに人気漫画の実写版『みゆき』にも主演した永瀬さんだが、この2作の後はなかなか映画の仕事に縁がなく「とにかく時間だけはあったので、毎日のようにミニシアターに通った。そこで『映画を信じていいんだ』と思えた」と若き日を述懐する。

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ジャームッシュの作品と出会ったのもその頃。「すごい作品がある。永瀬くんは絶対に気に入る」と知り合いの映画人に勧められ、銀座の映画館に足を運び、鑑賞したのが『ストレンジャー・ザン・パラダイス』だったという。当時の劇場の"熱気"について永瀬さんは「満員で入れなくて、階段に座って見た」とシネコンが隆盛し、全席指定・入れ替え制が当たり前となったいまでは想像できない、あの時代ならではのエピソードを明かす。その後、永瀬さんは運命の巡り合わせか、そのジャームッシュの監督作に出演することになるが、その『ミステリー・トレイン』(1989)の日本公開初日、永瀬さんは「スチールを担当した鋤田正義さん(※デヴィッド・ボウイのポートレイトなどでも知られる世界的写真家)と一緒に劇場のロビーに1日中座って、観客の反応を見ていました」と告白。時代の最前線にいた当事者が明かす驚きのエピソードに、斎藤さんは興奮した面持ちで耳を傾けていた。

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まさかの復活大ヒット『グラン・ブルー』が日本の文化に与えた影響

初回の番組では、リュック・ベッソン監督作『グラン・ブルー[完全版]』(1988)を紹介。当初、『グレート・ブルー』というタイトルで日本で[国際公開版]が上映されるも興行的に振るわず...。しかし、本国フランスでの3年半に及ぶ超ロングランヒットを受け、当初の[国際公開版]より50分長い[完全版]が『グラン・ブルー』のタイトルでシネセゾン渋谷で公開されると、まさかの復活の大ヒットを記録した。

granblue.jpg(C)1988 GAUMONT 

「グラン・ブルー[完全版]2020年10月19日(月)よる11:00[WOWOWシネマ]

斎藤さんと永瀬さんは、いまはなきシネセゾン渋谷の思い出を語り合ったほか、永瀬さんはタイトルにあるブルー(=海の色)が物語と共に変化していく点や、主人公のジャックの「女性の母性本能をくすぐる(笑)」魅力について語る。斎藤さんは、ロザンナ・アークエットが演じたヒロインの生き方は、当時の日本の文化にも影響を与えたのではないかと指摘した。

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アジアの巨匠たちとの出会い――驚きのエピソードに「鳥肌が立ちました」(斎藤)

続く2回目の放送では、チェン・カイコー監督作でカンヌ国際映画祭のパルムドールを受賞した『さらば、わが愛~覇王別姫』(1993)を、第3回ではウォン・カーウァイ監督の『恋する惑星』(1994)を紹介。『さらば、わが愛~覇王別姫』はBunkamura ル・シネマで、『恋する惑星』は銀座テアトル西友で公開され、ミニシアターブームを象徴する作品だ。斎藤さんと永瀬さんは、これらの作品を絡めつつ、チェン・カイコーやウォン・カーウァイ、クリストファー・ドイル、金城武など中国や香港、台湾などアジアが誇る才能について語り合う。

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(C) 1993 Tomson Films Co.,Ltd. (Hong Kong)

「さらば、わが愛~覇王別姫」2020年10月20日(火)よる11:00[WOWOWシネマ]

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(c)1994, 2008 Block 2 Pictures Inc. All Rights Reserved.

「恋する惑星」 2020年10月21日(水)よる11:00[WOWOWシネマ]

永瀬さんは、90年代初頭にアジア各国を巡って撮影した『アジアン・ビート』シリーズの思い出を述懐。台湾で同シリーズの『シャドー・オブ・ノクターン』が撮影されたが、当初、エドワード・ヤンが監督を務めるはずが、同時に撮っていた『牯嶺街少年殺人事件』の撮影が延びたことで、ヤン監督はプロデュースに回ることに。永瀬さんは『牯嶺街少年殺人事件』の現場にも足を運んだそうで、同作でデビューし、いまではハリウッドで活躍するまでになったチャン・チェン(当時は10代半ば!)とも顔を合わせていたという。

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ちなみに、斎藤さんが主演し昨年公開された『家族のレシピ』を監督したシンガポールの巨匠エリック・クーも、若かりし日にスタッフのひとりとして、『アジアンビート』のシンガポール篇『ラブ・フロム・テマセク』に参加していたという、意外な繋がりも明らかに。

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また、斎藤さんは永瀬さんが、アメリカやヨーロッパの作品のみならずアジアの作品にも積極的に出演している点に触れ、2014年に公開された『KANO~1931海の向こうの甲子園~』に出演することになった経緯について質問。永瀬さんは「(きっかけは)出会いです」と語り、同作のプロデュース、脚本に名を連ねているウェイ・ダーシェン(『海角七号/君想う、国境の南』『セデック・バレ』などの監督)は、かつて先述のエドワード・ヤンの運転手をしていたという事実を明かし、当時の縁があって、永瀬さんは出演を決めたと説明。このエピソードに斎藤さんは思わず「鳥肌が立ちました...!」と驚きの表情を見せ、改めて"出会い"の大きさを実感したようだった。

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そして、最終の第4回ではウディ・アレンの名作で『ブロードウェイと銃弾』(1994)を放送。ウディ・アレン作品を上映し続けた恵比寿ガーデンシネマで公開された。ギャングが自分の愛人を主要キャストに据えてブロードウェイ作品を作ろうとすることから起こるトラブルやドタバタをコミカルに描いた本作。

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(C)1994 Magnolia Productions, Inc. Sweetland Films, B.V. All Rights Reserved.

「ブロードウェイと銃弾」 2020年10月22日(木)よる11:15[WOWOWシネマ]

永瀬さんは「クリエイティビティって何だろう? と考えさせられました」と語り、さらに「ウディ・アレン節が確立されている」と絶賛。斎藤さんも「年を重ねるごと発酵していくような屈折した美学がある」とウディ・アレンの魅力について語っていた。

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相米慎二監督との出会いと別れがもたらしたもの

クリエイティビティにまつわる話の中で、斎藤さん自身「理想が現実に押し潰されていくという経験はある」とも。斎藤さんにとって、永瀬さんはそうした現実に屈することなく、自然体で自分を貫いているという点でも憧れの存在だという。永瀬さんは斎藤さんの言葉を受け「映画を信じているし、それしか信じられなかったから」と自らの信念を口にし、デビュー作『ションベン・ライダー』の故・相米慎二監督の存在に言及。同作の撮影時、15歳だった永瀬さんは「撮影が終わるまで、相米さんから一度もOKをもらえなくて、×が△だけだった」とふり返る。

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それ以来、相米さんの「OK」を求めて俳優を続けてきたという永瀬さん。『風花』(2001)の撮影現場を訪れた際、永瀬さんは相米監督から「次は時代劇をやりたい。そろそろどうだ?」と嬉しい誘いの言葉をもらったが、その後、相米監督は急逝。相米監督から「OK」をもらう機会を永遠に失ってしまう。永瀬さんは、この相米監督との出会い、そして予期せぬ突然の別れが自身の俳優としての生き方を大きく変えたと明かした。

ミニシアターは「未知との遭遇」(永瀬) 

また、トークでは斎藤さんが自ら始めた「ミニシアターパーク」の活動について「オンラインを駆使することで俳優が、(コロナ禍の中で生まれる)劇場の空席を補うことができないか?」とその意図を説明。永瀬さんは斎藤さんらの活動について「声を上げるにも勇気が必要。みんなを代弁して率先して声を上げてくれた」と感謝と敬意を口にする。

改めて斎藤さんが永瀬さんに「ミニシアターの魅力とは?」と尋ねると、永瀬さんは「未知との遭遇」と答え「全然、知らない国の映画に出会えたり、驚きやワクワクをもらえる場所。温かいんですよね、ミニシアターって」としみじみと語っていた。


収録後、WOWOW FEATURES!は斎藤さんと永瀬さんにインタビューを行なった。

――今回、MCという立場で永瀬さんをゲストに迎えて4本の映画を紹介していただきました。

斎藤:4本の作品はWOWOWの方に選んでいただいていますが、それぞれの作品が日本で花開いた場所が、日本のミニシアターの中でも特徴的な劇場(※)でもあり、そういう観点からもおさらいができて、しかも永瀬さんがこの番組に来てくださることの意味っていうのはものすごく深くて、緊張しない自分を想像できなかったんですけど...(苦笑)。
本当にミニシアターに育てていただいたつもりの僕としては、こんな日が来るとは...。映画を信じて来てよかったなと思っています。

※『グラン・ブル―[完全版]』はシネセゾン渋谷、『さらば、わが愛~覇王別姫』はBunkamura ル・シネマ、『恋する惑星』は銀座テアトル西友、『ブロードウェイと銃弾』は恵比寿ガーデンシネマで上映。

――永瀬さんの口からは様々な驚きのエピソードが飛び出しましたが、収録をされてみていかがでしたか?

斎藤:やっぱり、本物と呼ばれる人は凪のように優しく、柔らかく、ご本人のアイデンティティ、フィロソフィといったものが、決してロジカルなだけなく本質的に出てくるものなんだと改めて感じました。特別な時間、空間だったので、それが視聴者の方々に伝われば嬉しいです。

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僕のようにミニシアターで育って永瀬さんに憧れた人たちがこの番組を見てくださると思うので、この特異な空気をシェアすることができれば、自分の役割は果たせたんじゃないかと思います。胸に刻み、持ち帰らせていただける言葉をたくさんいただきました。

――永瀬さんは、こうしたTVのトーク番組に出演されるのはほぼ初めてとのことですが、出演を決めた理由についてお聞かせください。

永瀬:2つ大きなファクターがあって、ひとつはタイトルですよね。ミニシアターという存在の意義というのは感じていますし、もうひとつは斎藤工くんという存在ですね。

――斎藤さんについて、どのような印象をお持ちで、その活動をどのようにご覧になってましたか?

永瀬:世に打って出るって、かなりの覚悟がいるんですよ。既に俳優としてのアイデンティティを確立されていますが、自分で監督をして作品を撮ろうとしたり、いろんなものに向かっていくのってものすごいパワーが必要なんです。そのパワーをものすごく持っていて、そしてその内側の「大事なものは何か?」というのが、傍から見ていても見える方なんですよね。陰ながらなんですが「行け行け!」と応援していました。

――収録を終えられて、いまのお気持ちは?

永瀬:もっといっぱい話をしたいなって思いました。どんな映画を観てるのかなとか思ったし、僕はちょっとだけ...いや、だいぶ上の世代なんですけど(笑)、今後もコミュニケーションをとらせてもらえたら嬉しいなと思える人のひとりだなと思いました。
――斎藤さんは、WOWOWにて10月25日(日)に『ノンフィクションW 齋藤工 DEAR FILMS...』が放送されますが、密着取材を受けられていかがでしたか?

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「ノンフィクションW 齋藤工 DEAR FILMS...」2020年10月25日(日)よる9:00[WOWOWプライム]

斎藤:WOWOWで板谷由夏さんと「映画工房」を始めて10年近くになるんですが、あの当時もどこの馬の骨かもわからない僕に白羽の矢を立ててくださったり、すごく奇妙なキャスティングをされるなと客観的に見て思っていたんですけど(笑)。この10年が「だからこいつだったんだ」と思っていただける時間だったかはわからないですけど、今回、密着取材のカメラを回してくれたのが高校の同級生でもあるディレクターの小川弾だったので、「今日は撮影が入る日だ」という線引きがないものになってるんじゃないかなと思います。

あとは、WOWOWさんは放送するメディアであり「加入者数を増やす」という、追い求める理念があるはずなのに、ミニシアターに対する思いだったり、映画や劇場、それからスポーツ...そういったものに本当の意味で寄り添っているなと取材を受けていても感じました。そういうWOWOWさんらしさみたいなものには感謝しかないです。

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――WOWOWの印象についてお聞かせください。

永瀬:開局時から知っているんですけど、「新しい何かをやってくれるんだろうな」とワクワクしたのを覚えています。僕自身、映画で何作もお世話になっているんですけど、ひとつの流れを作ってもらった局なのかなという気がします。

あとはね、マニー・パッキャオ戦をこんなに見られるとは思ってなかったです(笑)。

斎藤:ボクシングお好きなんですね(笑)!

永瀬:ありがたいなと。(解説の)ジョー小泉さん、面白いなって。いち視聴者としてお世話になってます(笑)。

斎藤:僕もお世話になりっぱなしですし、「ジャパンプレミア」という、日本で公開できていない映画をそこで放送する枠があって、そうすることで後にパッケージ化されたりするという。本来、ミニシアターが全盛の頃であれば、絶対に上映されていた作品がどんどん漏れていってしまう"穴"を「ジャパンプレミア」という枠で補っていただけているのは本当に素晴らしいことだなと信頼しています。

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――今の時代だからこそ、これからWOWOWに期待することを教えてください。

永瀬:(これまで)ずいぶん先を進んでらっしゃったと思うんですよね。BSという電波を使ってのオンエアと、劇場映画の製作という。それがもっともっと柔軟になっていけばいいなと思っています。いろんな枠や垣根を超えたところで、何かを作れるものを持っていると思うので、そこはすごく期待しています。

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――改めて斎藤さんの口から「ミニシアターパーク」の理念や目指すべきことについてご説明をお願いします。

斎藤: 6月までの自粛期間中、撮影現場が動いてない時期にミュージシャンの方たちは自分たちの表現を持って、いろんな貢献をされる一方で、俳優部というのは意外と「何をしていいかわからない」という状況でした。エネルギーだけが溜まっていたように感じていて、井浦新さんとも話していたのは、僕らのやり場のない思いと危機的にある劇場をオンラインでつなぐことで、何か補うことはできないかということでした。

ただ、劇場と俳優だけで何かを生み出し続けるということは、視聴者の方には見えない僕らにとってはとても大事な職種の方たち(配給会社さんなど)を飛び越えてしまうことにもなりかねないということもやりながらわかってきました。

総力として映画館への愛を込めて、恩返しができたらと思っていて、「年間を通してこういう活動をします」ということではなく、ひとつひとつのプロジェクトをやっていけたらと思っています。組合でも組織でもないので、概念だと思っていただけたらと思います。
実は、最初は"ロビー"という言葉を入れたいなと思っていたんです。僕は、映画を観た後に劇場のロビーのトイレの鏡に映る自分は、見たばかりの映画を吸収した別の自分になっている気がするんですけど(笑)、映画って本編の時間だけでなくその前後の体験も含めた存在がすごく豊かだったんだなと感じています。そういう意味を込めて「パーク」――公園というのは自由に人たちが集まって、話したり遊んだりできる空間なので、そんな存在になっていけばいいなと思っています。

一方で、緊急性を持って助けを求める劇場があれば、その状況に応じて、フットワーク軽く、何かできればとも思っています。いまの時点では「オンラインで補う」ということが少しでもできればと考えています。

――お話を聞いていて、先ほどの収録で永瀬さんが、出演作の公開初日に劇場のロビーでお客さんの顔を一日中見ていたというエピソードともつながるなと感じました。

斎藤:たまらないですよねぇ...。劇場の階段に座ってみていた『ストレンジャー・ザン・パラダイス』のジャームッシュの世界に数年後、ご自身が...。ものすごくシネマティックですよね。「あれ? 僕、いまどこにいるんだろう?」と思うような、タイムスリップして映画館に迷い込んだような気持ちになった幸せな時間でした。

永瀬:ありがとうございます!

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・いつか作品を携えてアカデミー賞授賞式に! 斎藤工が抱く野望と日本映画改革プラン -斎藤工【後篇】

・斎藤工×石井正則"本当に面白い映画"を語り尽くす!「隠れた名作"発掘良品"」の公開収録レポート


インタビュー/黒豆直樹  撮影/祭貴義道