見る人を魅了するスポーツ中継で、業界全体を盛り上げていく。
スポーツ局スポーツ部/2010年新卒入社
WOWOWで働く社員にインタビューし、仕事のやりがいや苦労、働きやすさ、WOWOWならではの企業文化に至るまでを深掘りする特集企画です。今回はスポーツ局スポーツ部に所属する社員へのインタビューです。
WOWOWを選んだ理由
放送局に憧れるようになったのは、中学生の頃でした。漠然と将来のことを考えるようになり、当時よく見ていた報道番組がきっかけで、テレビを通じて視聴者に情報を届けることに興味を持つようになりました。その頃からテニスにも精力的に打ち込むようになり、番組作りへの憧れとともに、将来スポーツに関わっていきたいという想いが強まっていきました。その想いが最も強まったのは、就活中に見た2009年のWBC。「スポーツは脚本のないドラマだ」とよく言われますが、その言葉がリアルに実感できる大会でした。スポーツだからこそ得られる高揚感や感動を多くの人に届けたいと心から思い、スポーツ中継に携われるテレビ局を中心に就職活動を進めることにしました。WOWOWは開局以来長らくテニス中継に注力していることから、スポーツ中継への並々ならぬ熱意を感じ、入社を決めました。
業務内容
スポーツ局スポーツ部に所属し、プロデューサーとして国内外のテニス中継を担当しています。私の仕事は、番組の企画提案や中継準備、中継現場における各ディレクターやスタッフに対する指示出しといった番組全体の統括。中でも番組の企画提案はプロデューサーにとって最初の大仕事です。会社が企画の実施可否を判断するのに重要視するのが、放送によるインパクト。より多くの人にWOWOWのスポーツ中継をお届けするために、どれだけの加入数を見込めるかは重要な指針になります。企画の面白さだけでなく、会社がお金と人材を投資する価値があるか、データをもとに示す必要がある。そのため、経営的な視点を持つこともプロデューサーに求められている素養の一つです。
企画の実施が決まった後は、中継準備に入ります。その際に、あらゆる判断の軸としているのが、お客さまの視点。例えば、複数会場で同時に試合が行なわれるテニス大会では、中継予定の対戦カードが決まっているので、複数会場の中継カメラを切り替えながら放送します。ただ、中継中の試合が長引いてしまい、次に中継を予定している試合の開始時間が迫ることがよくあります。このまま中継を続けるのか、予定している試合にカメラを切り替えるべきか。その選択に迫られた時、リアルタイムで中継を見ているお客さまが求めている試合はどちらかを最優先に考えます。番組中に挟む選手の特集コーナーや選手インタビューの質問を考える際も、お客さま視点は重要な判断基準です。
選手の熱を全世界に届ける
私がスポーツ中継を通していちばん伝えたいのは、日本や世界にはこんなにも多くの素晴らしい選手がいるんだということ。しかし、試合の様子を流すだけでは、その素晴らしさがなかなか伝わりきらないことにやきもきしていました。特に女子テニスは、男子の試合と比べると迫力の面で物足りなさを感じてしまうかもしれません。しかし、注意深く見ると、一つ一つのプレーに細やかなテクニックが光っていたり、緻密な駆け引きが行なわれていたりと、実は見どころがたくさんあるんです。それを面白くわかりやすく伝えることこそ、スポーツ中継に携わる者の使命。中継前には実況アナウンサーや解説者の方と選手ひとりひとりの情報を共有し、何を伝えるべきか念入りに打ち合わせするようにしています。少しでも多くの人に選手のすごさやテニスの奥深さを感じてもらいたい。そのためにテニス業界全体を盛り上げていけるような中継をしていきたいですね。
参画プロジェクト
現在、中継現場とテレビ局をオンラインでつなぎながら中継を行なう「リモートプロダクション」にも取り組んでいます。きっかけは、2017年に開催されたラスベガスの技術展覧会。そこで初めてリモートプロダクションという技術を目の当たりにし、ぜひともWOWOWにも取り入れるべきだと思いました。リモート中継が実現できれば、現地に大勢のスタッフを派遣しなくて済むので、制作コストも抑えることができるからです。しかし、初めてリモートプロダクションを採用した中継では、現地と放送センターでうまく意思疎通ができず、トラブルが頻出。それでも一つ一つ課題を乗り越え、次の現場ではうまく連携を図ることができました。この技術はWOWOWのさまざまな現場で活用されながら、今もなおブラッシュアップの最中です。中継を見るお客さまの満足度を向上させながら、作り手の負担も減らせるような仕組みを作っています。
今後の目標
昨今問題となっている若者のスポーツ人口の減少には、真剣に向き合う必要があると考えています。少子高齢化だけでなく、地上波でのスポーツ中継が減少したこと、ゲームや動画配信などスポーツ以外の楽しみが増えたことなど原因はさまざまです。スポーツ業界の未来を担うのは、他でもない子どもたち。その子どもたちが減るということは、スポーツ業界全体が尻すぼみになっていくということ。長年スポーツ業界の一端を担う者として、なんとかこの現状を打破したい。そのためには、まず若者にスポーツの面白さを知ってもらうことから始めていくことが重要だと思います。スポーツ業界の未来のために、若者にアプローチできるチャネルを積極的に模索し、スポーツの魅力を伝えていくつもりです。