ワッチャラポン・ヴォンサー:2020年 世界中のパラアスリートからメッセージ
ボッチャ最強王国のエース:ワッチャラポン・ヴォンサー(タイ/ボッチャ)
《それぞれの2020年》 TOKYO 2020の延期を受け、世界のトップパラアスリートは何を考え、2020年春をどう過ごしているのか。WOWOWとIPC(国際パラリンピック委員会)による共同プロジェクト「パラリンピック・ドキュメンタリーシリーズ WHO I AM」に登場した世界中のトップパラアスリートたちからのSPメッセージ動画が届きました。
For The Best Games ~全ては、最高の瞬間(とき)のために~
ワッチャラポン・ヴォンサー
(タイ/ボッチャ WHO I AMシーズン3に登場)
タイ東北部に位置するローイ県に生まれる。生まれつき脳性麻痺のため手と脚に障がいがある。両親は首都・バンコクに出稼ぎをしていたため祖父母に育てられたという。
10歳で障がい者学校に入り、11歳の時に学校の運動会でボッチャと出会う。同年、タイ国内の少年チャンピオンシップに出場し頭角を現わすと、16歳にしてタイ代表デビュー。決して裕福な環境で育ったとは言えない少年は、自分と同じように障害のある仲間や、自分よりも重い障害のある人と接することで、考え方や性格も明るくなり、自らの人生を誇れるようになっていったという。
2010年、アジア・太平洋地域の国際大会で金メダルを獲得すると、ここから彼は世界の第一線でのキャリアを築き上げていくこととなる。2012年ロンドンパラリンピック団体戦(BC2)で金メダル。4年後のリオでは、個人戦(BC2)と団体戦(B1-2)で金メダルに輝き、2冠達成。同大会、タイは同競技最多となる6枚のメダルを獲得する大躍進を見せた。
現在は、バンコクから車で2時間ほどのスパンブリで、タイ代表選手としてメンバーと一緒に生活・トレーニングの毎日を送っている。国内でボッチャ普及の活動にも精力的に取り組み、後輩の育成にも力を注いでいる。ボッチャ王国タイのエースプレイヤーは、今後も国際大会で着実に結果を残し、TOKYO 2020でのさらなる躍進を見据えている。