2023.05.31

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2023年3月期 決算説明会レポート

2023年3月期 決算説明会レポート

2023年5月15日に「2023年3月期 決算説明会」を開催しました。説明会では2022年度の加入状況および収支状況、2023年度の事業計画の方針、加入計画および収支計画などについて説明しました。

出席者:代表取締役 社長執行役員 田中晃、取締役 常務執行役員 山本均、取締役 常務執行役員 田代秀樹、取締役 常務執行役員 尾上純一、執行役員 横山誠一

会見の様子01代表取締役 社長執行役員 田中晃

2022年度 加入状況:外部環境の変化の流れを受け、正味加入件数は純減に

2022年度決算説明会資料4ページ

2022年度の新規加入件数は55万1千件、前期と比べ6万件の減少、解約件数は67万2千件、5万1千件の減少となりました。2022年度はスポーツや音楽ライブなど独占性の強化に加え、当社初のハリウッドとの日米共同制作ドラマ「TOKYO VICE」などの大型オリジナルコンテンツの放送・配信などが、新規加入獲得につながりました。

また、お客さまの利用時間と接触時間の増加を図るため、WOWOWオンデマンドはコンテンツを大幅に拡充、さらに2022年7月にはUI/UXの改善を実施しました。しかしながら配信サービスとの競争激化などの外部環境の変化の流れを受け、結果として正味加入件数は4期連続の純減となりました。

2022年度 収支状況:収支は減収減益に

2022年度決算説明会資料5ページ

累計正味加入件数の減少に伴い会員収入が減少したことなどにより、前期と比べ売上高は771億1百万円、25億56百万円の減収、経常利益は35億47百万円、18億1百万円の減益となりました。

一方、費用面において前期は「UEFA EURO 2020™ サッカー欧州選手権」や大型オリジナルドラマといった、大型コンテンツの戦略的な投下を行なったため、当連結会計年度における番組費が前期に比べ大幅に減少となりました。

また、1株あたりの期末配当金は、当初の予想どおり50円となります。

会見の様子02取締役 常務執行役員 尾上純一

2023年度事業計画の数値については以下の通りです。

2023年度 加入計画:累計正味加入件数は256万件を計画

2022年度決算説明会資料13ページ

2023年度の加入計画は、新規加入件数、解約件数ともに65万件、正味加入件数はプラスマイナスゼロ、累計正味加入件数は256万件となります。

マーケティング改革やコンテンツ強化の取り組みにより、会員IDをキーとしてお客さまとのコミュニケーションの緊密化を進めます。よりお客さまの声をコンテンツやサービスに反映する取り組みを強化し、改善を目指してまいります。

2023年度 収支計画:減収減益を計画

2022年度決算説明会資料14ページ

連結売上高は、イベント事業などのその他収入の増加を見込むものの、会員収入の減少により前期に比べ減収となる見込みです。経常利益は、番組費は減少するものの売上高の減少などによる利益減の影響により、前期と比べ減益となる見込みです。

また、配当計画につきましては、成長に向けたさまざまな新規事業開発への投資を行なっていくことなどから、2023年度は、前期から20円減の1株当たり30円といたしました。

また、2023年度の計画を達成するための戦略等は以下の通りです。

2023年度 事業計画の方針:「会員ファースト」と「独自性の追求」

2022年度決算説明会資料17ページ

当社を取り巻く外部環境はコロナ禍を契機に大きく変化しました。例えば、動画配信サービスの台頭により、コンテンツおよび会員獲得競争が激化していること。また、U-NEXTがParaviを統合といった動画配信業界での合従連衡の活発化、さらにユーザーニーズ変化の加速などが挙げられます。事業環境は混沌として極めて流動的です。

そのような変化の中、WOWOW独自の価値を高めるため、2023年度の事業計画の方針は「会員ファースト」「独自性の追求」の2点を掲げました。流動的な事業環境下においては重要な武器になると考えています。

まずは、コンテンツの拡充と独自性を追求して、メディア・コンテンツセグメントの基盤を回復させること。そして、視聴プラスαの価値を創出して、月額2,300円以上の価値をお客さまに提供し、収益基盤を生み出します。そのために、会員IDによるコミュニケーションへの転換など、マーケティング改革に取り組みます。さらに、新規事業の開発にも投資し、収益拡大を図ってまいります。

会見の様子03執行役員 横山誠一

「メディア・コンテンツ」セグメントの事業基盤回復(1)マーケティング施策

マーケティング面において、「会員IDを主軸としたコミュニケーションへの転換」をスピーディーに実現するため、下記の3つの改革に取り組みます。

  • 有料動画配信ユーザーに向けたデジタルマーケティングやSNS施策に大きく舵を切り、WOWOWオンデマンドの認知度の向上を図ります。
  • WOWOWに加入する接点を増やすため、新たな販路、施策を開発します。昨年はAmazon Fire TVからWOWOWの加入が可能になりました。今年も同様に、新たな販路、施策の開発に取り組みます。さらに、上期中にWebでの加入手続きをシンプルにし、興味喚起から契約完了までをスムーズに行なえるようにしてまいります。この施策により、新規加入の約7割強が会員IDを取得すると見込んでおります。
  • 会員IDを元に、コミュニケーションのパーソナライズ化を進め、よりお客さまの声をコンテンツやサービスに反映する取り組みを強化します。

上記のマーケティング改革の実施により、正味加入件数の純減トレンドからの脱却を目指します。

会見の様子04取締役 常務執行役員 田代秀樹

「メディア・コンテンツ」セグメントの事業基盤回復(2)コンテンツ施策

2022年度決算説明会資料19ページ

2023年度は、WOWOWオンデマンドのコンテンツ充実と、世の中の注目を集める独自コンテンツの四半期ごとのラインナップを実現します。
「鬼滅の刃」「呪術廻戦」のようなアニメなど、日常的な利用につながるコンテンツを拡充することに加え、他社配信サービスと差別化を図れるような音楽、ドラマを強化いたします。さらにスポーツでは、より独自性を高めるため、LPGA女子ゴルフツアーの日本人選手専用カメラ映像の配信も、引き続き実施していきます。

そして、お客さまがWOWOWを意識する機会を増やしていくため、世の中の注目を集める独自コンテンツをラインナップしていきます。これらのコンテンツは、プロモーションや顧客満足度施策を重点投下することで、お客さまと接触する場面を増やし、ほかのコンテンツへの気付き、認知、利用などにつなげる好循環を目指します。

会見の様子05取締役 常務執行役員 山本均

収益拡大:新たな収益機会の創出

2022年度決算説明会資料22ページ

中期経営計画(2021-2025年度)の考え方に変更はないものの、「コンテンツ中心」から「会員中心」とした考え方に改め、ビジネス展開を行ないます。さらに今期は新たな収益機会を創出し、収益拡大に取り組みます。一例としてTVOD(視聴レンタル制の都度課金型動画配信)の開始やグループ会社における外部販売の強化を図ります。

さらに、既存事業の強化や新規事業創出の手段として、国内外の企業およびベンチャーファンドなどを対象とした投資もスタートしました。エンターテインメント業界を取り巻く環境が大きく変化する中、中期経営計画のビジョンを達成するため、内部リソースはもちろん、人材、技術など、外部リソースの活用や取り込みを行なっていきます。

2023年3月期決算の詳細については、IRサイト内の決算説明会資料のページに全文書き起こしを掲載しておりますので、ぜひそちらもご覧ください。