2024年3月期 第3四半期決算説明会レポート
2024年1月31日、2024年3月期 第3四半期決算説明会を開催しました。説明会では代表取締役 社長執行役員 田中晃(以下、田中)と常務執行役員 尾上純一が業績の状況について説明し、今後の注目コンテンツや取り組みなどについて、各執行役員が説明しました。
出席者:代表取締役 社長執行役員 田中晃、取締役 副社長執行役員 山本均、取締役 専務執行役員 井原多美、専務執行役員 田代秀樹、取締役 常務執行役員 尾上純一、執行役員 横山誠一
正味加入件数は前年同期と比べ改善
代表取締役 社長執行役員 田中晃
冒頭、田中より2024年1月1日に発生した能登半島地震で被災された方々にお見舞いを述べ、被災地のお客さまの視聴料免除やご解約の対応、義援金500万円の寄付などについて報告した後、説明へ移りました。
2024年3月期第3四半期の新規加入数は46万2千件、解約件数は54万3千件、正味加入件数は8万1千件の純減となりました。
第3四半期はサッカーのチャンピオンリーグやバスケットのNBAなどのスポーツコンテンツ、またB'zの音楽ライブなどが好評だったことから、新規加入件数は前年同期と比べ8万2千件と大幅に増加しました。
一方、解約件数は配信サービスとの競争の激化に加え、目的番組終了による解約が増えたことなどにより、3万7千件増加しました。
正味加入件数は8万1千件の純減ですが、前年同期に比べ4万5千件良化しました。その理由はオリジナルドラマが好評を得たことに加え、Paramount+を昨年12月に開始したことなどによるものです。
さらに正味加入件数は10月~12月ではトータルで純増となり、2022年10月~12月と比べ6万8千件と大幅に改善しました。特に1年超の長期加入の解約に関し、今年度上期に比べても大幅に減少し、改善の兆しが見えつつあります。
また累計正味加入件数は247万9千件と、前年同期に比べ7万6千件の減少となりました。
収支は減収減益
取締役 常務執行役員 尾上純一
2024年3月期第3四半期の収支状況については以下の通りです。
前年同期と比べ、減収減益となりました。売上高は553億34百万円で前年同期に比べて会員収入が減少したことにより22億99百万円の減収、経常利益は29億83百万円で広告宣伝費の減少や為替差損益の改善があったものの、売上高の減少による利益減の影響等により前年同期より11億97百万円の減益となりました。
アカデミー賞・グラミー賞授賞式を独占生中継
専務執行役員 田代秀樹
今後の注目のコンテンツをご紹介いたします。まず日本時間3月11日に開催される「第96回アカデミー賞授賞式」の独占生中継です。日本作品が3作品もノミネートされました。
山崎貴監督の『ゴジラ-1.0』が日本映画で初めて視覚効果賞にノミネートされ、さらに宮崎駿監督の10年ぶりの新作『君たちはどう生きるか』が長編アニメ映画賞に、役所広司さん主演の『PERFECT DAYS』が国際長編映画賞にノミネートされました。中でも『千と千尋の神隠し』以来、宮崎駿監督が21年ぶりのオスカー獲得なるかに期待が高まります。
4月にはWOWOWとMax(旧HBO Max)の共同制作による「TOKYO VICE Season2」がいよいよスタート。アンセル・エルゴートさん演じるジェイクがより深く裏社会に入り込みむほか、新たに窪塚洋介さんや真矢ミキさんも登場するなど見どころもいっぱいです。
UEFA チャンピオンズリーグ決勝トーナメント開幕
また、欧州最強クラブを決めるチャンピオンズリーグの決勝トーナメントが2月から始まります。注目は久保建英選手が所属するレアル・ソシエダと、エンバペ選手を擁するパリ・サンジェルマンとの対戦です。
また冨安健洋選手所属のアーセナルはポルトガルの名門ポルトと、また鎌田大地選手が所属のラツィオはドイツの強豪バイエルン・ミュンヘンと対戦します。
さらにUEFAヨーロッパリーグでは三苫薫選手、堂安律選手、遠藤航選手の所属チームが参戦し、日本人選手の活躍に注目が集まっています。そのほか、今年のLPGA女子ゴルフツアーは、総勢9人の日本人選手が世界最高峰の舞台を盛り上げます。WOWOWオンデマンドでは、好評の日本人選手専用カメラを全試合でライブ配信しますのでご期待ください。
WOWOWオンデマンドPPVの取り組みについて
執行役員 横山誠一
WOWOWオンデマンドPPVでは、1月22日に「UEFAチャンピオンズリーグ UEFAヨーロッパリーグ - 2023-24決勝トーナメントパス -」を発売しました。発売と同時にSNSで大きな反響をいただき、両リーグとも試合がない1月にもかかわらず、順調に購入が進みました。
2月13日の販売終了まで、多くのサッカーファンにお得にお楽しみいただき、決勝トーナメント開幕に向けさらなる加入増加を見込んでいます。WOWOWオンデマンドPPVでは今後もスポーツをはじめ音楽ライブなど、ほかでは見られないコンテンツを順次ラインナップする予定です。
BMW車載サービスにWOWOWオンデマンドを搭載
ドイツの自動車メーカーBMW社の車載向けビデオサービスに、WOWOWオンデマンドが、新たに搭載されることになりました。自動運転時代の本格化を見据え、各社が車を「走るエンターテインメント空間」として再定義する動きが活発になりつつあります。まだ開発段階ではありますが、早ければ今年以降順次「WOWOWオンデマンド」が視聴可能となる車両モデルが登場する予定です。
今後、当社はモビリティ分野において、移動空間の新たなエンターテインメント空間への進化に貢献したいと考えております。
映画『ゴールデンカムイ』大ヒット、IPを活用したビジネスについて
取締役 専務執行役員 井原多美
1月19日から全国劇場公開した当社製作主幹事の映画『ゴールデンカムイ』は、初登場第1位と大成功のスタートを切りました。興行収入30億円以上を狙えるスタートで、このような大ヒット作を手がけられたことは大きな喜びです。
また収益拡大の新たな取り組みであるIPを活用したビジネスでは、第1弾のxikers(サイカース)に続き、第2弾として韓国の8人組ボーイズグループ・ATEEZ(エイティーズ)の日本での単独公演の放送・配信権に加え、興行、物販、協賛の利用許諾を取得しました。
ATEEZは昨年末にリリースしたアルバムが初動170万枚を突破し、国内外の各チャートで上位を記録するなど、世界中で人気を集めています。当社主幹による「さいたまスーパーアリーナ」での日本公演のチケットは全席ソールドアウトとなるなど、人気の高さがうかがえます。日本で今後ますます高い評価を受けるよう、ATEEZをわれわれの力で盛り上げていきたいと考えております。
最後に田中は「事業環境の厳しさは変わっておりませんが、会員数の純増をはじめとして随所に明るい兆しが出ております。また『ゴールデンカムイ』やATEEZなどのイベント事業も好調です。本年も何卒ご支援を賜りたいと思います」と述べ、説明会を締めくくりました。
2024年3月期第3四半期決算の詳細については、以下の資料もご参照ください。