2024.08.28

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2025年3月期第1四半期決算説明会レポート

2025年3月期第1四半期決算説明会レポート

2024年7月31日、2025年3月期第1四半期決算説明会を開催しました。説明会では業績の状況、パーパスの制定やサステナビリティ経営の強化について説明したほか、今後の注目コンテンツや新会社の設立を含めた新たな取り組みなどについて、各執行役員が説明しました。

出席者:代表取締役 社長執行役員 山本均、取締役 専務執行役員 尾上純一、取締役 専務執行役員 井原多美

2408_kessanreport_yamamoto.jpg代表取締役 社長執行役員 山本均

WOWOWのパーパス(存在意義)を制定

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当社は2024年5月に「パーパス(存在意義)」の制定を行ないました。現在、世の中は加速度的に変化し、日本の人口も50歳以上が半数を超えるという、これまでに経験したことのない時代に突入しています。それにともない、エンターテインメントの世界も大きく変わってきている中、社会的な存在価値として「人生をWOWで満たし、夢中で生きる大人を増やす」というパーパスを掲げ、当社は一歩前に踏み出したいと考えています。
大人の日常に、刺激的なエンターテインメントを届け、人生にWOWをもたらし、WOWで満たしていくことで、夢中で生きる「大人」を増やすことにつながると信じています。2024年度はこのパーパスのもと、スピーディーに行動し、厳しい環境下だからこそ、これまでにない数多くの挑戦をしていきます。

サステナビリティ経営の強化を目指した取り組み

また、サステナビリティ経営の強化を図るため、WOWOWグループにおける「人権およびDEIに関する方針」を2024年6月に策定しました。

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本方針では、人権尊重の責任を果たす決意に加え、本業を通して多様性が育まれる社会に寄与することを表明しています。人権においては、事業活動においてステークホルダーに対して人権尊重の責任を果たすため、国際規範・法令の遵守、人権リスクの継続的評価、人権に対する負の影響が明らかになった場合の適切な手段による是正・救済に取り組みます。
DEIにおいては、当社グループの従業員やビジネスパートナーをはじめ、事業活動に関わる多様な個人が互いの個を尊重し、安心して生き生きと自分らしく活躍できてこそ、お客さまに対して新たな価値観をお届けできる、という考えのもと、DEIが浸透した企業文化の醸成に取り組んでいきます。

2408_kessanreport_onoue.jpg取締役 専務執行役員 尾上純一

正味加入件数減は前年同期と比べ良化

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2025年3月期第1四半期の新規加入件数は19万8千件となりました。2024年4月に開始した新サービス「WOWSPO」には、多くの若年層のお客さまにご加入いただきました。また「UEFAチャンピオンズリーグ」2023-24や「UEFA EURO 2024 サッカー欧州選手権」などのスポーツコンテンツが好評を得たことで、新規加入件数は前年同期比で4万件の増加となりました。
解約件数は23万8千件、サッカーコンテンツなどの目的番組終了による解約が増えたことなどにより、前年同期に比べ3万3千件の増加となりました。結果、正味加入件数は4万件の純減となり、累計正味加入件数は242万7千件と、前年同期に比べ8万6千件の減少となりました。正味加入件数はマイナスではありますが、前年同期と比べ7千件良化をしています。
また、こちらの数値には含まれておりませんが、6月に「EURO2024とチャンピオンズリーグ・ヨーロッパリーグを合わせたシーズンパス」をWOWOWオンデマンドPPVで販売しており、WOWOWをお楽しみいただいているお客さまの数は、この数字以上に良化しております。

収支は増収増益

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前年同期と比べ、増収増益となりました。
売上高は187億91百万円と前年同期と比べ4億76百万円の増収、経常利益は16億53百万円と前年同期と比べ9億21百万円の増益となりました。加入件数の減少により会員収入が減少したものの、2024年1月に公開した『ゴールデンカムイ』のヒットによる映画事業の売上高や、グループ会社の売上高が増加したことで増収となりました。また経常利益については、増収の理由に加え、前年同期と比べ大型コンテンツの放送・配信がなかったことにより増益となっています。

2408_kessanreport_ihara.jpg取締役 専務執行役員 井原多美

収益向上に向けた取り組みについて

2024年度の重点戦略として掲げている「メディア・サービスの構造改革」と、「新たな利益の創出」の取り組みについても説明を行ないました。

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「メディア・サービスの構造改革」ではWOWOWの売り方にメスを入れ、さまざまな切り口で商品展開を行なっていきます。4月にはABEMAで「WOWSPO」を開始しました。さらに、昨年に引き続き、9月に開幕するチャンピオンズリーグ・ヨーロッパリーグのシーズンパス販売に加え、新たにEURO2024とチャンピオンズリーグ・ヨーロッパリーグを合わせたシーズンパスの販売を期間限定で実施しました。こちらのシーズンパスは、お客さまから好評をいただき、順調な売れ行きとなりました。
「新たな収益の創出」においては、コンテンツを軸にしながら多層サービスの開発・提供に取り組んでいます。「UEFA EURO 2024 サッカー欧州選手権」では全国のイオンシネマや英国風PUB「HUB」でのライブビューイングを実施しました。

多層サービスの開発に関する取り組み

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2024年8月開幕の全米オープンテニスでは、HISとのコラボレーション企画によるホスピタリティパッケージ付きツアーを実施するほか、ECショップでのグッズ販売など、多層サービスへの取り組みに注力していきます。また、先日、古江彩佳選手が日本人女子4人目のメジャー大会優勝を飾ったゴルフのエビアン・チャンピオンシップでも、HISとのコラボレーションによる観戦ツアーを実施しました。ツアーに参加したお客さまからは「最高の観戦ツアー大会になった」「この瞬間に居られたことがとてもうれしい」というお声をいただきました。

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昨年、韓国のボーイズグループ、ATEEZとxikersの日本における単独公演の放送・配信権に加え、興行、物販、協賛の利用許諾を取得し、多層サービスの開発に取り組んでおります。今年の8月には、ATEEZとxikers、それぞれ当社主催で日本初のファンミーティングを開催いたします。

オリジナルドラマに関しては、広告収入による収益向上を目指し、TVerやFODなど外部の動画配信サービスを積極的に活用していきます。

新会社の設立について

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近年、日本のコンテンツの人気が世界中で高まっていることを背景に、映画やドラマなどのロケーション撮影について、海外から日本への誘致策を官民で推進する動きが出てきています。その状況をビジネスチャンスと捉え、海外作品に関する日本国内での映画、ドラマ、CM等の制作プロダクション業務を受託する子会社を、2024年7月17日に新たに設立しました。今後、海外の制作会社との連携を強化することで日本と諸外国の架け橋となりたいという想いを込めて、社名を「WOWOW BRIDGE」としました。
これまで、「TOKYO VICE」やドキュメンタリー番組など、海外のクリエイターや制作会社との共同によるコンテンツ制作に数多く取り組んできたリレーションを活かし、新規案件の受注獲得を目指していきます。また、新規案件獲得による収益拡大を狙うことに加え、経理管理や労務管理、大規模な撮影体制などに関するグローバル基準を身に付け、今後は世界に通用する作品を生み出す礎を築くことも目指していきます。
最後に山本は「本日は、パーパスと人権およびDEIに関する方針をご説明もさせていただきました。WOWOWが存在する意義や、ステークホルダーの皆さま、社会からの信頼、期待に応えるために、引き続き努力してまいりたいと思っております」と述べ、説明会を締めくくりました。

2025年3月期第1四半期決算の詳細については、以下の資料もご参照ください。

2025年3月期 第1四半期決算資料

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