2018.05.24

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WOWOW本社が白熱のピッチに!? ブラインドサッカー体験会、まとめました。

総務部 南雲壮太郎

WOWOW本社が白熱のピッチに!? ブラインドサッカー体験会、まとめました。

ゴールデンウィーク突入目前の4月27日(金)、『ブラインドサッカー体験会』を開催いたしました。今回の開催テーマは「ブラインドサッカー(パラスポーツ)への理解」「多様性、相互理解、信頼構築への気づき」の2つ。新入社員からベテラン社員まで、WOWOWグループから16名が参加したブライントサッカー体験会、ざざっと振り返ります。(初回掲載日:2018年5月24日)

まずはアイマスクをしてみよう

参加者、輪になってブラインドサッカーの説明を聞きます。

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今日の先生は、ブラインドサッカー日本代表 寺西一選手。
寺西選手の最初のデモンストレーションの後、参加者一同アイマスクを着用し、まず歩いてみる、準備運動をしてみる、ボールを蹴ってみる、を行いました。
準備運動は二人一組で、片方がアイマスク着用。ペアのガイドに従って、指示されたメニューをこなします。

blindsoccerreport_02.jpg相手に伝えることの難しさ、重要性・・・参加者の表情が「む、むずかしい・・・」と言っているように見えますね。ですが、まだ序の口!

blindsoccerreport_03.jpg「えーと、腕を交差させて手を組んで、それをひっくり返し・・・ああそうじゃなくて、ええと・・・」

目隠ししてのグループワーク

全員アイマスクを着用し、寺西選手から出される課題に取り組みます。
『誕生月が1月から6月まで、7月から12月までの2グループに分かれて!』
『血液型別に4つのグループに分かれて!』
『名前五十音順に一列に並んで!』
視覚が閉ざされた状態でこれを行うとどうなるか・・・
なにしろ目が見えない状態。ぶつからないように手を前にして「防御の姿勢」をとりながら、飛び交う声を聞き、自らも声を出し、動いたり立ち止まったりしながら仲間を探し、グループを作っていきます。
自ら声を出して率先して動く、周りで起きている声をよく聞いて動く、などなど、コミュニケーションの取り方は人それぞれ。それぞれのやり方で自分を伝える、相手を知る、そうやってミッションを達成していく、という行為は、日常の生活でも仕事でも同じですね!

blindsoccerreport_04.jpg blindsoccerreport_05.jpg 飛び交ったコミュニケーション例:「はい僕6月生まれ!」「私5月!」「A型ほかにいませんか!」「B型どこ??」 「ア行の人先頭、次はカ行!」「あ、私ツです!」「タ行はサ行の人たちの後ろに行って!」「並んだら手をつないで順番になって!!」

小学生に負けるな!白熱のボール回し

2つのグループに分かれた参加者が次に行うのは、手を使ったボール回し(サッカーはどこに行った?という疑問はさておいて)。
四方に立ったメンバーが次々にボールを回し、アイマスクをして四角形の中に入ったメンバーがそのボールを触りに行く。そしてグループごとに、中のメンバーが30秒間に触った回数を競う、というもの。

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アイマスクをしたメンバーが頼りにするのは、動くと鈴の音がするボールの動き、そして周りのメンバーの声。
各メンバーは、「ボールを渡すメンバーの名前を言って誘導する」「ボールの行き先を知らせる」「受け取ったボールを振って音を出して知らせる」などで中のメンバーが正しくロスなく動けるようにアシストします。
何度か試行錯誤していると、寺西選手から衝撃の一言。
「同じワークを小学四年生がやると、同じ時間内で20回行きますね(ニヤリ)」
さあ俄然闘志むき出しで白熱する各メンバー、最後には20回に届くようになりました!
中に入ったメンバーからの手法提案、実施後のフィードバック、周りのメンバーと意見集約、そして子供に負けたくないというモチベーション(!)が不可欠なワークです。
今日が初対面という方もいて、なんとなくぎこちなかったメンバー同士も、数々のワークでミッションを達成しているうちに、最後にはハイタッチが生まれるほど、固い絆で結ばれました。

blindsoccerreport_07.jpgblindsoccerreport_08.jpg「ボールこっち!」「次は佐々さんに行くよ!」「はいボールここよ!(シャカシャカ)」

ボールをまっすぐ蹴るってこんなに難しいの...

さあ、いよいよ、いよいよボールを蹴ります!
アイマスクをして足元にボールを置き、数メートル先にいる仲間のガイドを頼りに蹴り先を指さし確認、その蹴り先にあるコーンを倒していきます。
・・・まあ、なかなか当たりません。
ガイドの声を聞いて蹴り先を定める、蹴り手の蹴り先をガイドが修正する、そのコミュニケーションの質をどんどん上げていき、さらに蹴り手はボールを真っすぐ蹴る!
ブラインドサッカーをやるとなれば、これは基本のキ、です。
ワークもこれでおしまい、グループごとに何回コーンを倒せるか、再び白熱する各グループなのでした。

blindsoccerreport_09.jpg「もっと右!」「あと5センチ左に!そうそうそのまま蹴って!」

学んだことを共有、そして語り合い

ついに今日のワークも終了!各メンバー、体験したことを発表しあう「一言宣言」!
そのあとは寺西選手を囲んで懇親会。なかなか聞くことのできないブラインドサッカー選手の体験談に、みんな興味津々で耳を傾けました。

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参加者からの感想

・周りが見えなくなることがこんなに恐ろしいとは思いませんでした。
・生活上重要な"視覚"がないことを、上手く伝えられるか、相手がイメージしやすい言葉選びなど、コミュニケーションの部分を新しい視点で考えることで補えることができると思いました。
・単なるブラインドサッカーの体験だけではなく、体験を通じてコミュニケーションとは何かを考えさせられる研修でした。何も見えない状態だからこそ改めてその重要性を認識することが出来ました。
・これまで当たり前に持っていた視覚は、自身のコミュニケーションを司る大事な感覚のひとつだということに気付きました。一方で、視覚に頼らないコミュニケーションの可能性も感じることができ、自分が普段意識せず使っている「自分の体」というものが不思議なものに感じられました。
・視界が完全に失われた状況で、方向感覚は果たしてどれだけ機能するのだろうかと思っていましたが、「音のする方向」は意外にも正確だったので驚きました。しかしそれは喧騒に包まれた所であったり、視界を閉ざされた者同士で協力しながら取り組むという条件が加わった途端、困難を極めたのが印象的でした。
・実際に選手の方とお話しできて、ブラインドサッカー、パラスポーツへの理解が深まりました。
・体験しないとわからないブラインドサッカーの魅力をたくさん知ることができました。2020年に東京オリンピックで観戦したいです!


「多種多様なコミュニケーションの取り方を理解、活用する」「メンバーを信頼し、ゴールを目指す」といった、日常に活かせるマインドを、改めて認識する素晴らしい機会になったと思います。
※日本ブラインドサッカー協会では、では、個別にブラインドサッカーの体験ができるプログラム「OFF TIME」を開催していますので、興味を持たれた方はこちらも覗いてみてください!