就活生必見!WOWOW採用チームに聞く 「クリエイティブを追求し続ける会社」が求める人材像とは?
人事部 奥野俊彦、坂野彰、廣瀬眞子
いよいよ2020年度新卒採用が本格的に始動!WOWOWの未来を担う“原石”を掘り起こすという重要な任務に当たっているのが、人事部採用チームの奥野俊彦部長、坂野彰、廣瀬眞子の3人である。“こんな人材求む!”“WOWOWってこんな会社です”――学生たちを一番近くで見ている採用チームの本音を語ってもらった。
WOWOWの求める人材像とは?
――まず、みなさんが人事部に配属となる以前のここまでのキャリアについて教えてください。
奥野 私は20年以上技術畑を歩んできました。なのでカメラを担いで撮影していた期間が一番長いです。直近ではグループ会社のWOWOWエンタテインメントに新しい事業部門を作る仕事に関わって、技術だけでなく管理も全部見て...という仕事に携わってきました。人事部への異動は自分でも意外でしたが(笑)、現場の苦労を知っている人間が必要だということなんじゃないかと思っています。
坂野 僕は入社5年目で、最初の配属は営業部。昨年から人事部配属になりました。
廣瀬 私は入社2年目で、最初の配属が人事部でした。まさか1年目から...? という戸惑いもありましたが(笑)、まだ自分自身の気持ちが就活生とそこまで変わらない時期でもあり、就活生の目線で「(会社が)こういう風に見えてました」とか「こうすれば普段、なかなか会えないタイプの学生と会えるんじゃないか?」とか提案できる立場だなと感じていました。
――続いて、奥野部長から「こんな人材に来て欲しい」、「WOWOWにはこんな人が向いている」など求める人材像についてお聞かせください。
奥野 「部長」ではなく「さん」で結構です(笑)。実は社長も含めてWOWOWで働く人全員がお互いに「さん」で呼び合う運動を始めたんです。
坂野 今年の1月からなんです。
奥野 メールの文面でも直接呼ぶ場合でも「さん」づけです。やはり(役職で呼ぶことで)距離感が生まれてしまいますので。社長の田中の発案で、よりフラットな関係でいられるようにと。社長の田中はWOWOWに来る前の会社ではずっと下の名前で呼ばれてきたそうで、そういう文化で育ってるんですよね。
――改めて、奥野さんから求める人材についてお願いいたします。
奥野 テレビ業界が変わり、映像配信会社も増えている中で、WOWOWも変わっていかないといけないので、新しいことに興味を持ってチャレンジしていく人に来てほしいですね。失敗してもいいんです。そこでなぜ失敗だったのかを振り返って考えられればいい。失敗を恐れず、何でもやってみる。
自分の中に思いを留めておくのではなく、言葉にして外に出す――ひとりでは難しいことも多いけど、周りに伝え、巻き込んでやってみる。それでも出来なかったらしょうがない。そこで挫けるのではなく、前向きに行動できる人を求めています!
大学時代に何を学んだかは関係ない!? 大事なのは「軸」があるか
――エンターテインメントを世に送り届ける業界に対して、どうしても「特別な経験や能力が必要なんじゃないか?」と思う学生もいるかと思いますが...。
奥野 学生時代に何を学んだかは、全く関係ないです。
廣瀬 言い切りましたね(笑)?
奥野 ただWOWOWはやはりエンタメの会社ですから、まずエンタメが好きかどうかが重要です。 放送局というと華やかなイメージですが、実際は、相当頑張らないとなかなか番組企画も採用されないし、進まなかったりもすることも多いので、エンタメが好きだからこそできる部分はあると思います。
あとは、何かひとつ「軸」と言えるものがあると強いですよね。「自分にはこれがあるから負けない!」という何か。"起爆剤"となるものを、WOWOWで働いている人はみんな持っているのかなと思います。どの大学の何学部で...という部分は関係ないと思っています。
――とにかく「テレビを見るのが好き」という学生でもいい?
奥野 それもまさに、ひとつのこだわりで、何が好きでテレビを見ているのか? 何を追い求めているのか? そこでいろんな視点が見えてくればいいなと思います。
ただ、「軸」や「こだわり」と先ほど言いましたが、それらを持っていることは重要ですが、それがあまりに強すぎて自分を変えられないのでは、やっていけないと思います。「あくまでも自分が正しい」ではなく、いろんな視点、側面があり、正解はひとつじゃないので、他の人の意見を聞くことも大切にしてほしいと思います。
坂野 社長の田中がよく「全社員、最強のプロデューサー集団であれ。」と言っています。つまりWOWOWが求めるのはプロデューサー。ディレクターであれば、ある程度、自分のこだわりだけで進める部分も必要だと思いますが、プロデューサーは周りを巻き込みながら創っていくので、こだわりが強いだけじゃ難しいですよね。
奥野 こだわりのハードルを下げている方が視野が広がって人間力が高くなると思うし、いろんな人とつながって、共同でより大きなものを創ることにつながると思いますね。
有料放送×オリジナルコンテンツを作り続けてきた経験こそWOWOWの強み!
――WOWOWはどんな会社ですか? 会社の風土や雰囲気、働き方について教えてください。
廣瀬 社員が300人ちょっとで、人数は非常に少ないんですよね。私自身、就活時に"放送局"ということで、すごく大きな組織をイメージしていたんですが、入ってみたらすごく小さくて...。どの部署にどういう人がいて、この人は何をしていて...ということが、入社2年目にしてほとんどわかるんです。だから連携も取りやすいし、年齢や部署に関係なくコミュニケーションが取れることが、アットホームな雰囲気につながってるんじゃないかと思います。
ただ、そのぶんひとり当たりの責任感、任されることも大きいです。私も入社して人事部に配属されてまもなく採用担当を任されていますし。ひとりひとりの社員の「やってみよう!」という意識も強いし会社の側の「挑戦させてみよう」「任せてみよう」という風土も強く感じますね。
――どんなタイプの人が多いという印象ですか?
廣瀬 ニックネームで呼ばれてる人が多い(笑)。あとは「あの人、以前こういうことをしたんだよ」という話がすぐに伝わってくるんですね。みんな、キャラ立ちしてて(笑)、だから一緒に飲んだことがなくても「こういう人」ってなぜか知ってます。みんな、染まり切っていないというか、似てないんですよね。
坂野 たしかにみんな、顔と名前は一致しますね。僕はまだ制作の現場は経験してないので、そちらはわかりませんが、営業と人事に在籍して感じたのは、どちらも「人」との仕事だからなのか、すごく空気が柔らかい。相手のことを考える人が多い印象ですね。
入社前はテレビ局って、新人は蹴飛ばされたり、寝る時間もなくボロボロに...というのを想像してたんですけど(笑)、そういうことは全然なく。飲み会が毎日あるのかな? と覚悟してたんですが、そんなことも全くなかったですね。
――WOWOWの一番の強みはなんですか?
坂野 コンテンツのクリエイティブをとことん追求できて、それを視聴者に届ける力があるというのが強みだと思います。WOWOWは有料放送ですので、スポンサーからではなく、視聴者からいただいたお金でコンテンツを作ります。そうすると、純粋に見る人が「面白い!」と思える番組を追求して作ることができる。これは構造的な強みですね。
土壌という意味でも、最近では映像配信会社でもオリジナルでコンテンツを作ってますが、WOWOWは長くコンテンツをオリジナルで作り続けてきましたので、そこで培われてきた知見、人脈、技術、プラットフォームを駆使してお届けできるという強みがあると思います。
あとは何よりも会社の風土として「クリエイティブを追求していいんだよ」という雰囲気、風土、考えがあるところですね。
――逆にここが足りないと感じるところはありますか?
坂野 売り上げの95%以上が放送事業からですが、テレビだけでやっていくというのは今後、厳しいだろうと思います。放送以外のイベントや配信サービスの拡充など「総合エンターテインメント・メディアグループ」としての成長が必要だと思います。
変わったのは「エンタメへの時間配分」 ネット時代のテレビ局の在り方
――就活生から見てのテレビ業界の人気が、昔と比べると下がっていると聞きますが、どうお考えですか?
奥野 僕は地方出身で身近にエンタメがあまりなく、一家に1台のテレビをみんなで見る時代に育ちました。いまはテレビもスマホもあって、都会であれば他にもいろんなエンタメがあります。そういう意味で、エンタメへの時間の使い方の配分が変わってきていると感じています。
とはいえ、コンテンツを「見る」という部分で、テレビなのか、スマホなのかという違いはあっても、コンテンツの中身には違いがないと思います。WOWOWは何を提供すべきか? という意味で、やるべきこともニーズも変わらないんじゃないかと。
僕自身、移動中やお風呂ではスマホで見るし、落ち着いて見たい時はテレビの大画面で見ます。その使い分け、それに合うコンテンツをどう提供するかが重要だろうと。
就職活動という意味では、やはりみなさん、自分が関わったコンテンツを大勢の人に見てもらいたいという思いで、こういう業界を希望される人が多いと思います。そのチャンスはあるし、むしろ間口は広がっていると思うので、そういう強い思いを持っている人はぜひ来てほしいですね。
――若者のテレビに対する意識の変化は、採用を担当されていても感じますか?
奥野 感じますね。それこそセミナーなどで「家にテレビはありますか?」と聞くと、一人暮らしの学生は持っていない人が多くなってますね。YouTubeを見るという人も多いし、学生のコスト感、ニーズとして(配送料の無料とコンテンツ視聴サービスがセットになった)Amazonプライムを使うという人も多いですよね。ただ、それだけじゃ満足できないという人も多くて、そこでの「プラスα」で何を見るのか? それが重要になってくると思います。
従来のテレビのコンテンツに飽きが来ている部分はあるかもしれないけど、一方でジャンルに特化したものは根強く支持されていると思います。そういう意味で、こだわりを持って創っているWOWOWの"色"を強く出していくことがさらに重要なんじゃないかと思います。
就活生はバーに行って知らない大人と会話すべし?
――みなさんが学生時代に熱中したことや、ご自身の就職活動について教えてください。
廣瀬 私は、大学時代、後輩の学生への支援活動をしていました。大学の新入生たちが学校になじめるようにいろんな企画をしたりお世話をするオリエンテーションの活動などに取り組みました。加えて自分の就職活動が終わってからは、これから就活を始める人に、アドバイスを伝えたりする就活支援も行なっていました。
私、人がとにかく好きなんです。その人が何が好きで、何にワクワクして、何がイヤなのか? 自分のことを「普通」と思っている人って多いですが、話を聞いて「いや、それ変わってるし面白いよ」というところを見つけてあげたいし、それをきっかけに「自分はこれが得意かも」「これが合っているかも」と気づいてもらえるのが嬉しいんです。
――就職活動はどのように?
廣瀬 最初は人材系の業界も見てましたが、直接的にではなく、もっと間接的に「いま、ちょっと大変だけど頑張ろう!」と思えるようなものを届ける仕事がしたいと思い、エンタメ業界を希望しました。
私は映画が好きなんですけど、それはなぜかと考えたら、人生は一度きりだし、ひとりの人間の選択肢は限られているけど、映画には主人公だけでなく、いろんな人が出てきて、いろんな価値観、感情、ストーリーを見ることできるんですよね。新しい感性、価値観と出会えて、それが自分の人生を豊かにしてくれるから好きなんです。それを自分が届けて、「よし頑張ろう!」って思ってもらいたい。エンタメにはその力があると。
ただ、就職活動では、最初のインターン期間は教育からベンチャーまでいろんな業界を見ました。でも、やっぱり自分が好きなことじゃないとテンション上がんないなと。日曜の夜に「明日、会社行くのイヤだな」って言ってるような人生じゃつまんないなと思ったんです。でも、エンタメ業界なら絶対頑張れる!と、中学生の頃からいつも見てて、自分が映画好きになるきっかけにもなったWOWOWにしようと思い、ピンポイントでWOWOWだけを受けました。なので、あんまり学生さんに就活のアドバイスはできないんですけど(苦笑)。
――就活時の面接などを通してのWOWOWの印象は?
廣瀬 大人ぶってる人がいないなって思いました。面接も、社会人ぶる感じじゃなく「なんでそう思ったの?」「なんでそれが面白いの?」ってすごくフラットに聞いてくれて、面接というより会話のキャッチボールだったんです。正直、その時点で「絶対に合うな」と思いました(笑)。
――坂野さんは学生時代はどんなことを?
坂野 バーでバイトしていて、週に3~4日働いて、残りの日は客として飲むという日々を過ごしてました。ほぼ入り浸ってまして(笑)。
僕、小学校から大学までずっと内部進学で狭い世界で生きてきて、つるむ友達もいつも同じだったんです。20歳の誕生日をきっかけに「もっと世界を広げなければ!」とバーで働き始めたら、個性的なお客さんが多くて、あちらも学生の客がほとんどいないこともあって「え? 学生なの」と面白がってくれて、いろんな話を聞けるのが面白かったですね。
だから、よく学生に就活の対策に何をしたらいいか? と聞かれるんですが「バーで知らない大人と話すといいよ」って言ってます。そうすると面接で緊張しなくなるよと。就活の面接ってオジサンと話すだけなので(笑)。
――就職活動は?
坂野 僕も廣瀬と同じで、WOWOWだけを志望しました、ひとつは、当時はゴルフの石川遼選手がすごくフィーチャーされていたんですが、テニスの錦織圭選手はほとんど注目されていなくて...。それはなぜかというと、テニスという競技の認知度と人気がまだまだ低かったからなんですよね。それを変えたくて「テニスをメジャーにするならWOWOWだ!」と思ったんです。ただ、僕が入社したのが2014年で、その年の全米オープンで錦織選手が決勝に進んで、テニスはメジャーになってしまったんですけど...(苦笑)。
もうひとつの理由が、小学校からの友人がバンドを組んでいて、メジャーデビューして「EMI ROCKS」というフェスに出て、それがWOWOWで放送されたんです。すごく感動して「こいつらが有名になって生中継できるようになったら、いつかは俺が!」という思いで。そうしたら入社してすぐ彼らは解散しちゃったんですけど...(苦笑)。
学生たちの「素」を引き出したい
――人事の仕事のやりがいはどんなところにありますか?
廣瀬 1対1でしゃべる機会や面談があるんですが、一人の人間同士としてコミュニケーションをとれるようにと気を付けています。ただ、そうすると、会社のいいことばかりじゃなく自分が感じていることを素直に言うようになるし、場合によってはそれでWOWOWが第一志望ではなくなってしまうかもしれません。
でもそうやって学生がやりたいことを見つけた瞬間、向き合えた瞬間に立ち会えるのが嬉しいですね。そこでWOWOWに来ないって選択をしてもそれでいいと思うし、「それでもやっぱりWOWOWがいい!」と思ってもらえて、来てもらえたらお互いにハッピーですよね。
坂野 僕は、最初が営業だったので、自分の仕事の受け手、つまり加入者の方の反応が直接はわからなかったんです。採用であれば学生さんと接して、喜ぶ顔が見えたり、「働き方改革」を進める中で、社員から「ありがとう」とか「会社を変えてくれよ」と直接言われます。もちろん厳しいことも言われますが、それも含めて人事ならではのやりがいだと思っています。
――今後、自分が採用に関わった人たちが社内でキャリアを積み、成長していくのを見るのも楽しみですね。
坂野 本当に楽しみですね。採用がゴールではないので。本当にいい仕事だなって思いますし、(採用に関わった人たちは)自分の子どもみたいな気持ちです(笑)。
――WOWOWをどんな会社にしていきたいですか? 今後のビジョンを教えてください。
奥野 WOWOWってそこそこ名前は売れていますが「結局、何をやっているの?」「どんなコンテンツを創っているの?」という部分の認知はまだ薄いと思います。「あぁ、あの番組を創っている会社ね」という言葉が誰の口からも出てきて、「それなら見たい」と思える会社、また、若い人たちが「自分が中に入ってこういうもの創りたい!」と思ってもらえる会社になりたいですね。
「飽きたら終わり」 常に「何かできないか?」と考え続ける
――最後に、みなさんが仕事をする上での「偏愛」、大切にしていることを教えてください。
廣瀬 先ほどのやりがいの部分でもお話しましたが、常に「素でいること」と、「相手の素を引き出すこと」ですね。
坂野 前半で「社員全員がプロデューサー」と話しましたが、自分はそういう意味では「採用プロデューサー」であると思ってます。1プロデューサーとして、自分たちがアウトプットして世に出すもの、学生たちが目にするものに関しては、すごくこだわってます。
インターンシップであれば、イスに座って説明を聞くだけじゃなく、楽しみながら、ワクワクドキドキして会社のことを知ってほしい。先ほどの廣瀬の話と重なりますが、採用ホームページの社員紹介ページは、社員の「素」を引き出すためにあえて、僕と廣瀬で写真を撮っているんです。
奥野 現状に満足せず、常に新しいことをやりたいなと思っています。いろんな人と会う機会がありますが、ジャンルを問わず、何か接点や面白いところないか? 人々を惹きつける面白いことが一緒にできないか? とイメージしながら話をしますし「いける」と思ったら「何かやりませんか?」と話しかけてます。この仕事、飽きたら終わりだと思いますが、いまはまだそれがないですね。
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取材・文/黒豆直樹 撮影/祭貴義道 制作/iD inc.