4Kテレビは2Kや8K、ハイビジョンやフルハイビジョンとどこが違うの?
テレビや家電量販店で、最近よく目にするようになった「4K」というキーワード。鮮明で美しい映像を体験できるというが、2Kや8K、ハイビジョン(HD)との違いはどこにあるのだろうか? 4Kの魅力やメリットとは? 今回のFEATURESでは、4Kの意味や特徴をご紹介する。(最終更新:2020年3月31日)
大きなテレビでも細部までくっきり見える「4K」
2018年12月から「新4K8K衛星放送」が開始され、WOWOWでも2020年の12月から4K放送の開始を予定している。
「4K」という言葉を耳にするのがさらに多くなりそうなこの機会に、4Kの基本的な内容を押さえておこう。
4Kとは超高精細な放送サービスやテレビに用いられる言葉で、"高い解像度"の映像規格のこと。現在主流となっているハイビジョン(HD)よりも、さらに美しい映像を楽しむことができる。
フルハイビジョン(フルHD)の水平1920×垂直1080画素に対して、4Kの解像度は水平3840×垂直2160画素となり、フルハイビジョンの4倍の画素数を持っている。
「解像度」とは、画像・映像をどれだけ細かく表現できるかを「画素数」で示したものだ。
テレビなどの液晶画面を近くで見てみると、多くの小さな点が集まって画面が構成されているのがわかるが、画素数とはこの画面を構成する点(画素やピクセルという)の数のことで、数が多ければ多いほど「高密度=解像度が高い」ということになる。
つまり「解像度が高い」ということは、画素数が多く、精細な映像が表示できることを意味している。
同じ解像度でも画面が大きくなるほど画質は粗くなるが、4Kの持つ高い解像度では、大きなテレビ画面でもくっきりとした美しい映像を再現することができる。こうして近い距離で見ても細部まで鮮明に見えるため、臨場感あふれる映像体験が可能になるのだ。
4Kの「K」=1000画素、4Kは4000画素!
4Kの言葉の由来は、この画素数によるもの。Kとは重さを表す"kg"や距離を表す"km"と同様に「1000倍の~」を意味するため、水平の画素数が約4000画素の映像を「4K」と呼ぶ。同様に、水平の画素数が約8000の映像を「8K」と呼ぶ。また、「4K」という言葉の普及に伴って、フルハイビジョン(フルHD)を「2K」と呼称することも増えてきている。
4Kはこれまでの規格とどう違う?
4Kと他の規格の違いについて、これまで使われてきたSD、ハイビジョン(HD)、フルハイビジョン(フルHD/2K)と比較してみよう。
「SD」とは標準解像度のことで、DVDや2011年に終了したアナログ放送の解像度がこれにあたる。解像度は720×480画素で、ひと昔前まで標準だったものだ。
「ハイビジョン(HD)」は現在放送されている主流のサイズで、1280×720画素以上のものを指す。「フルハイビジョン(フルHD/2K)」は前述の通り、解像度は1920×1080画素で、現在のBlu-rayディスクやデジタル放送で見ることができる最大サイズの映像だ。
そして、さらなる次世代の規格「8K」は4Kを超える高解像度の7680画素×4320画素、フルハイビジョンの16倍になる。解像度が高くなればなるほど、より大きなテレビ画面でその魅力は発揮されるのである。
肉眼に近い色の表現を楽しむことができる「HDR」
4Kと並んで目にすることも多い「HDR」は、High Dynamic Range(ハイダイナミックレンジ)の略で、映像の輝度(明るさ・暗さ)の範囲を拡大することで映像が本来持っている明るさ・色・コントラストを表示できる技術を示す。
「新4K8K衛星放送」では、このHDRで制作された番組が放送されていて、受信するテレビがHDRに対応していれば、肉眼で見る感覚に近い映像表現を楽しむことができる。
また4K放送では、従来よりも色域が拡がって、表現できる色の数が格段に増えたため、より自然で鮮やかな色が再現することが可能になった。
4K放送では画質の精細さに加えて、多彩な色、明るさの表現も豊かなものとなっているため、よりリアルな映像体験ができる。
実際に4K放送を視聴するための準備は、下記の記事で紹介している。