2026.05.29

  • クリップボードにコピーしました

2026年3月期決算説明会レポート

2026年3月期決算説明会レポート

2026年5月15日、株式会社WOWOWは2025年度決算説明会を開催しました。当日は、2025年度の収支状況や加入状況、売上高構成比を振り返るとともに、2026年度の収支・加入・配当計画、現状分析、中期経営計画にのっとった2026年度の重点戦略などについて、各執行役員より説明されました。

出席者:代表取締役 社長執行役員 山本均、取締役 専務執行役員 尾上純一、常務執行役員 口垣内徹

2605_features_kessanreport_yamamoto01_w810.jpg代表取締役 社長執行役員 山本均

連結収支は増収減益、当期純利益は増益。費用削減にも取り組む

2605_features_kessanreport_sub01_w810.jpg

連結収支は増収減益。売上高は771億24百万円で前年度比3億67百万円の増収、経常利益は22億76百万円で7億21百万円の減益です。会員収入が減少した一方、グループ会社を含めた事業収入が伸長し、売上高は前年度を上回りました。
経常利益は会員収入の減少により減益となったものの、全社的な費用削減に取り組みました。当期純利益は12億96百万円で6億58百万円の増益。投資有価証券評価損2億49百万円などの減益要因があった一方、前期に4Kチャンネルの放送サービス終了に伴う減損損失などを含む特別損失を25億60百万円計上していたことから、増益となりました。

新規加入は前期比で減少するも、解約件数は良化

2605_features_kessanreport_sub02_w810.jpg

加入状況は、新規加入件数が57万1千件で前期比13万3千件減。SUMMER SONIC 2025やMrs. GREEN APPLEなどの音楽コンテンツ、スポーツコンテンツ、連続ドラマ「北方謙三 水滸伝」が好評を得た一方、前期は「WOWSPO」の開始やUEFA EURO 2024™ サッカー欧州選手権、連続ドラマW「ゴールデンカムイ ―北海道刺青囚人争奪編―」による増加要因があり、新規加入件数は減少しました。
解約件数は76万4千件で、前期比4万8千件減。目的番組終了による解約はあったものの前期比では改善し、正味加入件数はマイナス19万3千件、累計正味加入件数は216万7千件となりました。
WOWOWオンデマンドPPVで販売するサッカーのシーズンパスは加入件数の対象外ですが、販売数は前期より増加しています。

2605_features_kessanreport_onoue01_w810.jpg取締役 専務執行役員 尾上純一

事業の多層化で収支構造の変革が進展、事業収入比率は約3割に

2605_features_kessanreport_sub03_w810.jpg

2025年度の連結売上高は771億24百万円で、前期比3億67百万円の増収。会員収入の減少を事業収入の増収で補いました。売上高に占める事業収入比率は、2021年度の16.8%から2025年度には28.8%に上昇しました。
WOWOWが事業の多層化を推進することで目指している、加入件数の増減に左右されにくい収支構造への変革が進んでいます。

事業収入の増加を見込む一方、会員収入減で減収減益を想定

2605_features_kessanreport_sub04_w810.jpg

収支計画では、事業の多層化による事業収入の増加が見込まれる一方、会員収入の減少を想定し、売上高は前期比で減収となる見込みです。経常利益は、全社的なコスト構造改革による費用減を想定するものの、会員収入の減少により前期比で減益を見込んでいます。

2026年度は正味加入件数の良化を計画、収益構造の転換を進める

2605_features_kessanreport_sub05_w810.jpg

加入計画では、正味加入件数はマイナス11万件、累計正味加入件数は205万7千件となる見込みです。新たな配信サービスによる加入獲得を一定数想定し、正味加入件数は前期比8万3千件良化する計画です。一方、競争環境の激化などによりマイナスでの着地を見込んでいます。
2025年度では、連結売上高に占める事業収入の割合は約3割となりました。2026年度も事業の多層化による成長を推進し、引き続き、加入者の増減に左右されにくい収益構造への転換を目指します。
また、配信領域における商品の多様化に伴い、今期より加入件数は四半期ごとの正味加入件数、累計正味加入件数の実績値を決算発表で報告します。

減収減益下でも安定配当を維持、1株当たり30円を計画

2605_features_kessanreport_sub06_w810.jpg

2026年度の配当計画では、1株当たり30円の配当を計画しています。株主還元の強化の重要性を踏まえ、減収減益の状況下においても、継続して安定的な配当を行なう方針です。

2605_features_kessanreport_yamamoto02_w810.jpg代表取締役 社長執行役員 山本均

資本収益性と市場評価を分析

2605_features_kessanreport_sub07_w810.jpg

WOWOWは、資本コストの算定指標として「株主資本コスト」を採用しています。2025年度時点の資本コストは、国債利回りの上昇などを背景に7%と認識していますが、過去5年間の平均値から株主資本コストを6%程度と推計しています。
2025年度は中期経営計画で策定した成長戦略を中心にさまざまな取り組みを実施したものの、会員数減少による利益の減少傾向を止められず、資本コストを上回るROEの達成はできませんでした。業績停滞に伴う株価低迷などにより、PBRも1倍を上回れませんでした。2026年度は、中期経営計画にのっとった重点戦略に加え、財務戦略、非財務戦略、IRの強化に取り組み、ROEの向上とPBRの改善を目指します。

新サービスとコンテンツ多層化に経営資源を集中、構造転換を推進

2605_features_kessanreport_sub08_w810.jpg

放送事業における想定を超える縮小という現実を直視し、新たな配信サービスの立ち上げと、コンテンツ多層化による収益拡大の2軸へ経営資源を集中させます。既存の放送サブスクリプションモデルから脱却し、次世代のハイブリッド型事業構造への転換を強力に推進します。
2026年度は重点戦略として、①新たな配信サービスの立ち上げとデジタル基盤の確立、②コンテンツ多層化による事業収入の創出、③コスト構造改革、④AI・DX活用による生産性向上、⑤グループ各社の収益基盤の再構築を掲げています。

2605_features_kessanreport_kuchigouchi01_w810.jpg常務執行役員 口垣内徹

コンテンツの拡充と、イベント事業・プロダクション事業の展開

2605_features_kessanreport_sub09_w810.jpg

NTTドコモと共同制作した連続ドラマ「北方謙三 水滸伝」は、大きな反響を得て放送・配信を完了。2027年には続編の放送・配信を予定していますまた、楽天との共同制作「ALIUSプロジェクト」を開始しました。

2605_features_kessanreport_sub10_w810.jpg

スポーツでは、サッカー・チャンピオンズリーグに加え、ラグビーの新国際大会「ネーションズチャンピオンシップ」を放送・配信予定。音楽では、NTTドコモとの共同調達によるKing Gnu やMISIAといった大型アーティストのライブ中継の放送・配信を行なってまいります。

2605_features_kessanreport_sub11_w810.jpg

2026年8月にはATEEZのファンイベントといった、イベント事業での展開も進めてまいります。

2605_features_kessanreport_sub12_w810.jpg

プロダクション事業では他社コンテンツの制作にも取り組んでいます。NHK夜ドラ「ミッドナイトタクシー」や、Amazon Prime Videoで配信予定の「クロエマ」はWOWOWがプロダクションとして受注して展開している作品です。

まとめ

説明と質疑応答の後、山本は放送事業はOTT事業者との競争の中で一つの転換期を迎えているとの認識を示し、中期経営計画の2年目に当たる今年度は放送加入者の減少傾向を直視し、将来に向けた種まきも含めさまざまなチャレンジに取り組みたいと語り、説明会を締めくくりました。

2026年3月期決算の詳細については、以下の資料もご参照ください。

2026年3月期 決算資料

決算短信
決算説明会資料
DATA BOOK