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新型コロナの影響下だからこそ見えてきたWOWOWの可能性、新たな宣伝の形

新型コロナの影響下だからこそ見えてきたWOWOWの可能性、新たな宣伝の形

マーケティング局宣伝部 中薗慶子

WOWOWでは、非常事態宣言下でも自宅で映画をより楽しんでもらうべく、4月24日(金)の『映画 少年たち』と『バニラボーイ トゥモロー・イズ・アナザー・デイ』のテレビ初放送に際し、【おうちでみんなで少年たち&バニラボーイ】と題して、リアルタイムでみんなで作品を鑑賞し、SNSで発信するという企画を実施!

続くゴールデンウィークを含む4月30日(木)から5月8日(金)の9日間では、テレビ初放送となる『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』、アカデミー賞を沸かせた『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』、さらに『ハリー・ポッター』や『ファンタスティック・ビースト』、『スパイダーマン』、『X-MEN』などの人気シリーズといった豪華ラインナップ計40本を放送。ここでも【おうちで映画三昧】と銘打ち、Twitterを通じて誰もが参加できる形で、同時鑑賞会を実施した。

新型コロナの影響下でこうした企画を行なう中で見えてきた“映画のWOWOW”の価値、そして新たな宣伝の形とは? 【おうちで映画三昧】を企画した宣伝部の中薗慶子に話を聞いた。

【おうちでみんなで少年たち&バニラボーイ】がもたらした大反響!

――今回のSNSを通じての同時鑑賞会を企画した経緯について教えてください。

最初に実施された【おうちでみんなで少年たち&バニラボーイ】は、新型コロナウイルスの影響で映画館が閉まっていたり、おうち時間をいかに豊かに過ごすか? という視点が求められ、社会的にも様々な行動変容がある中で企画されました。

2作品ともファンのみなさんのツイート数が非常に多かったので、これを活かしてこの状況下で何かできることはないか? ということで急遽、リアルタイムでみんなで作品を鑑賞するという内容になりました。放送スケジュール的にも金曜夜の立て続けの編成でテレビ初放送だったので、強いフックになると考え、2本まとめてやってみようということになりました。

nakazonosan_small.jpgマーケティング局宣伝部 中薗慶子

企画から開始まで実質1週間!超短期決戦で各部署を動かせ!

――【おうちでみんなで少年たち&バニラボーイ】に続き、4月30日(木)から5月8日(金)までの9日間で放送される計40本の映画でも【おうちで映画三昧】と銘打っての同時鑑賞会が実施されました。こちらに関して、どのように企画から実施まで進められていったのか教えてください。

『少年たち』『バニラボーイ...』の企画は多くの反響があり、第2弾もやりたいなと思っていました。GW期間中も緊急事態宣言が継続されることになっていたので、実施するならGW期間中がいいなと。さらに、宣伝部内の会議で「何かできないか?」という話は上がっていて、やるならやはりGW期間中だなと考えていました。『少年たち』の時のように1日限りではなく、連日でできる企画を検討しました。編成表を見ていたらGW中にメガヒット作の放送があり、しかもカウントしてみたらちょうど40作品あったんです。

『ゴジラキング・オブ・モンスターズ』のテレビ初放送に加え、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』といった目玉もあったので、WOWOWらしいスペシャルなラインナップを打ち出せたらと、この【おうちで映画三昧】同時鑑賞会を企画しました。映画部や編成戦略部に相談してからニュース出しまで、5~6日という急ピッチで進めました。

735onceupon.jpgワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」WOWOWで放送中
 (c)2019 Visiona Romantica, Inc. All Rights Reserved.

――新型コロナによる非常事態宣言下で、どういったコンセプト、思いをもってこの企画を発案されたのでしょうか?

まず「映画を同じ時間に一緒に見る」という行為自体をトレンドにしたいなという思いがありました。その仕掛けの中心にWOWOWがいて、WOWOWの放送と同時にみんなが一緒に映画を見る――、WOWOWが映画を盛り上げていくということをしっかりとアピールできればいいなと考えていました。

――複数の部署をまたいだ企画となりましたが、企画全体の流れについてざっと教えていただけますか?

企画を成立させる上で、まずは編成戦略部の映画デスクに企画提案し、賛同を得られたので、作品の選定や期間に関して決めていきました。その後、映画部の各権利担当者企画説明と権利元への許諾を依頼。宣伝部ではリリースとデジタル広告の準備を、デジタル推進部には企画全体のインフォメーションページの準備を、SNSチームには9日間のより効果的な投稿プランについて相談し決めていきました。

Twitterに関しては、リーチを広げるためには、WOWOWのアカウントだけでなく、『ゴジラ』や『ハリー・ポッター』などの作品公式や、ワーナー・ブラザース、ソニー・ピクチャーズなど配給会社の公式アカウントでのツイートが肝になると思っていたので、各権利元への告知協力を依頼し連携を取りつつ進めました。「WOWOWはこの時間にこういった内容のツイートをしますが問題ないでしょうか?」と確認し、許諾をいただきつつ、各公式アカウントのつぶやきのリツイートもしました。当日、各社が自分たちのタイミングでツイートしたものに関しては、常にチェックしつつ、その都度リツイートをしていました。

――進めていく中で一番大変だった部分は?

40作品のほとんどがワーナー・ブラザース、ソニー・ピクチャーズ、ディズニー、FOXといったハリウッドメジャーのスタジオが関わっていて、さらに東宝の『ゴジラ』シリーズもあり、これらの各社の許諾を全て取らなければ「40作品」でのリリースを出すことができないので、そこは時間との勝負でした。各社とも反応がよく協力していただけたので、形にすることができました。

200605nakazono_spiderman.jpg「スパイダーマン」WOWOWで放送中
Motion Picture (C) 2002 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved. | Spider-Man Character (R) & (C) 2013 Marvel Characters, Inc. All Rights Reserved.

「誰でも参加できる」をキーワードに進めた企画!

――時間がない中で、また出社もままならない状況で、宣伝方法などで工夫された点、いつもと異なるやり方で進めたことなどがありましたら教えてください。

短期決戦で、世の中にこの企画を浸透させるには、WOWOWのメディア力だけではどうしても弱い部分もあり、先ほども少し触れましたが、各社のアカウントでも告知をしていただくことを大事にしました。その点に関しても、みなさんにご協力いただき、進めていくことができたのはありがたかったです。

また、WOWOWは有料放送なので、通常は「いかに加入者を増やすか?」を考えるのですが、今回の企画に関しては「映画で同じ時間を共有しましょう!」 というコンセプトで、加入されていない方でもDVDやBlu-rayなどを同時再生して参加できる形にしたので、そこは通常と大きく違った部分だったと思います。「誰でも参加できる」というキーワードの下、おうち時間を使ってみんなで一緒に映画をイッキ見しましょう! という、いつもと違うアプローチができたかと思います。

――実際に9日間にわたってこの企画を実施してみての反響はいかがでしたか?

この企画は「加入をとる」という目的ではなく、「WOWOWが映画を盛り上げていく」ことで、誰でも参加できて、「映画のWOWOW」の認知を広げることができればと思っていたのですが、実際の結果を見てみると、この企画に関するハッシュタグの数と加入者の増加に相関関係が見られました。

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』や『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』などで顕著だったのですが、この企画に後押しされる形でこの映画を見たいという加入が多かったのです。

またハッシュタグ【#おうちで映画三昧】で40作品を括ったのですが、この40作品のラインナップに入っていなかった作品でも、今回の企画を知っている方々がこのハッシュタグを付けてツイートをしてくださったりもしていて、それは面白かったですね。この企画、ハッシュタグをみなさんが好意的に受け止めて、拡散してくださったのかなと思います。

200620nakazono_X-men_darkphenix.jpg「X-MEN:ダーク・フェニックス」2020年7月15日WOWOWプライムにて放送予定 
(C) 2019 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved. MARVEL (C) 2019 MARVEL

――40本のラインナップのインパクトが非常に大きいですね。

編成としてもGW期間中はハリウッド系の大作を中心に、元気になるエンタメ作品を強化して組んでいたので、それがうまくハマったのかなと思います。タイトルの認知度が高く、シリーズ全作は見ていなくとも最初の1作だけは見ていたり、熱心な映画ファンというわけでなくても「知っている」作品が多かったので、スペシャル感が出せたと思います。

――たしかにコアな映画ファンだけでなく、ライトな視聴者層も参加しやすい企画、ラインナップだったと思います。

そうですね。特にコメントが多かったのは、5月2日の『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』を含む『ゴジラ』シリーズの放送でした。『ゴジラ』とSNSの親和性の高さを改めて感じましたね。

200605nakazono_gozillamonsters.jpg「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」WOWOWで放送中
 (C)2019 Legendary and Warner Bros. Pictures. All Rights Reserved. 「GODZILLA(1998)」(C)1998 TRISTAR PICTURES, INC. ALL RIGHTS RESERVED.

配信サービス台頭の中で「放送」という形態だからできることがある

――企画から実施に至る流れの中で、社内での反響・反応はいかがでしたか?

映画部や編成戦略部、ホームページの立ち上げや、SNSにいつどういう形で投稿するのがよいかといった部分に関しても、社内各所が快く協力してくれたおかげで短期間に実現することができました。結果に関しても、やはり「映画のWOWOW」といったプレゼンスを上げていきたい思いは全体としてあるので、「今回限りではなく、続けていきたい取り組みだよね」という話はしています。

――今回、こうした状況下で行なった企画だからこそ新たに発見したこと、見えてきたこと、今後の宣伝活動に生かせると感じたことなどはありましたか?

近年、配信サービスの台頭があり、自分が好きな時に好きな作品をチョイスして見ることが現代のライフスタイルにぴったりで、「放送」という形態が時代遅れなのではないかと思う部分が私自身にありました。

ただ、今回の企画をやってみて、放送という形態を逆手に取ることもできるのかなと感じています。放送を中心に、誰かと同じ時間を共有することで生まれるものもあるなと改めて気づかされましたね。

また今回の40作品に関して言うと、WOWOW初登場の作品ばかりではなく、ほとんどの作品が再放送でした。それでもラッピングの仕方、切り口次第で、視聴者のみなさんに興味を持っていただけるんだという気づきもありました。特に『ハリー・ポッター』や『ファンタスティック・ビースト』シリーズに関しては、既に何度も放送されていますが、それでも見せ方を変えることで、これだけ多くの方に届けることができるんだなという驚きがありました。

これまでどうしても初放送の作品を中心に宣伝していく傾向がありましたが、それだけでなく、積極的に持続的に「映画のWOWOW」を発信していくことがすごく大事なのだと感じていますし、そうすることで、映画きっかけの加入が増えるアカデミー賞時期以外でも映画のプレゼンスを上げていくことは可能だと思います。

新たな宣伝の形? 48万視聴を達成したドラマ『異世界居酒屋「のぶ」』の生配信

――今後、コロナが収束した後、宣伝の方法は以前とは違ったものになっていくのでしょうか?

私のチームではオリジナルドラマの宣伝もしているんですが、これまでであれば放送開始直前に完成披露試写会として、お客さまとマスコミを呼んで、舞台挨拶付きで第1話の試写会を行っていました。ただ2月以降は、新型コロナウィルスの影響で、そういう形でのイベントを一切開催することができなくなってしまいました。

そんな中、5月スタートの『異世界居酒屋「のぶ」』と『ぴぷる~AIと結婚生活はじめました~』では、出演者の方に参加いただいて、生配信企画を行ないました。3密を避けて出演者1名ずつスタジオを借りるなど、大変な部分もありましたが、作品の魅力を知ってもらい、放送に興味を持っていただけるよう通常とは違う形で実施しました。

通常の完成披露試写会では100名~200名ほどのお客さまを招待するのですが、今回はPeriscope(ペリスコープ)での生配信で、『のぶ』が約48万視聴、『ぴぷる』は約45万視聴を集め、非常に多くの方に見ていただけました。

200605nakazono_nobu.jpg

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この2作は、第1話の無料配信を行なっているのですが、配信企画でその告知もすることができて、トークを聞いてドラマに興味を持っていただいた方に、そのままの流れで1話を見てもらうことができ、そのあたりも非常にうまくつなげることができたのではないかと思います。

どんな企画にも試練はある。大事なのは「あきらめないこと」

――中薗さんから見てWOWOWとはどういう会社であり、どういった部分が魅力だと思いますか?

今回の企画もそうですが、何かをやろうとなったときに、部をまたいで協力体制を敷いて形を作ることができるのがいいところだと思いますね。

今回、本当に時間がない中で、映画部をはじめ、多くの方々にしつこくいろんなお願いをしたんですが(笑)、各部署が自分の仕事で手一杯な中でもいろんなアイデアを出してくれたり、進んで協力をしてくれる人ばかりで、そうした人たちに助けられてどうにかやれたなと思います。

――WOWOWでは「偏愛」を旗印に掲げていますが、中薗さんがお仕事をする上での「偏愛」、大切にされていることを教えてください。

何でしょう...? 「あきらめない」ということですかね(笑)。昨年と今年実施した、アカデミー賞特別試写会では、ノミネート作品をオールナイトで上映するイベントを行いました。日本公開前の作品をWOWOWのイベントのために上映することはハードルが高く、交渉や各所の調整にかなり労力を使い、かなりヘビーな仕事でした...(笑)。特に昨年は初めての取り組みだったので、あきらめずに何度もアタックすることで実現できたと思います。

たいていの企画で、途中で大きな試練があるんです...。最初から最後までスムーズに進むことがまずないので、あきらめずに取り組むことを大事にしています。




<次回企画>

「ONE PIECE STAMPEDE」独占初放送! 劇場版「ワンピース」全14作品一挙放送 同時鑑賞会【みんなでワンピース】実施決定!

200605nakazono_ONE PIECE STAMPEDE.jpg「ONE PIECE STAMPEDE」(C) 尾田栄一郎/2019「ワンピース」製作委員会


「ONE PIECE FILM STRONG WORLD(ワンピース フィルム ストロングワールド)」
  2020年6月7日(日)午後2:45〔無料放送〕【WOWOWプライム】
「ONE PIECE STAMPEDE」独占初放送! 劇場版「ワンピース」全14作品一挙放送
  2020年6月19日(金)、20日(土)

同時鑑賞会【みんなでワンピース】実施決定!
WOWOWにご加入中の方は放送やWOWOWメンバーズオンデマンドで、WOWOWに ご加入されていない方もDVDやBlu-rayなどを同時に再生して企画にご参加ください。
以下のハッシュタグを付けてツイートすることでみんなで作品を盛り上げ、楽しい時間 を一緒に過ごしましょう!

◆メインハッシュタグ #みんなでワンピース #週末はワンピースで宴だ~ キャラクターや作品名の#もつけて楽しんでください!(#ルフィ、#STAMPEDEなど)
詳細はこちら 
またはWOWOW映画公式アカウント(@wowow_movie)へ!

トップ画像:「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」(c) 2019 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved. | MARVEL and all related character names: (c) & TM 2019 MARVEL. 「シン・ゴジラ」(C)2016 TOHO CO.,LTD.「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」(c)2019 Visiona Romantica, Inc. All Rights Reserved. 3作品すべてWOWOWで放送予定 「X-MEN2」2020年6月7日WOWOWライブで放送、7月13日WOWOWプライムにて放送予定(c) 2003 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved. X-MEN all character names and their distinct likenesses: TM & (c) 2003 Marvel Entertainment, LLC and its subsidiaries. All rights reserved.

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