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オープンイノベーションのメリットとは?アイデアソン参加者レポート

オープンイノベーションのメリットとは?アイデアソン参加者レポート

Aチーム(優勝):松竹株式会社 金谷庸平、マッキャンミレニアルズ※ 平野巴章、Bチーム(準優勝):松竹株式会社 平岩英佑、株式会社WOWOW 須藤ひかり

松竹、マッキャンミレニアルズ、WOWOWの3社共同で若手を育成するプログラム「ENTERTAINMENT the HACK」。オープンイノベーションを軸に、3社から募った参加者を5チームに分け、アイデア発想、プレゼンテーションを経て優秀アイデアを選出し、4月公開を目標にアウトプット制作を進める。優勝チームおよび準優勝チームのメンバーに話を聞いた。

3社の強みが化学反応を起こし、合同チームだからこそできた

──まず最初に、優勝した感想を教えてください。

金谷 メインとなるテーマはすぐに決まったのですが、それをどうアウトプットするか、プレゼンの少し前まで決まっていない状況でした。でも、なんとかまとまって、評価をいただけたのが本当に良かったと思いました。ほかのチームのアイデアもとても良い案ばかりだったので、そんななかで優勝というのは嬉しく思います。

──ちなみに、優勝すると思っていましたか?

平野 僕らの案は、好き嫌いで分かれるんじゃないかなと思っていました。審査中にみんなで話していたんですが......おそらくBチームと割れるだろうと。与えられたお題のなかで、WOWOWさんと松竹さんの強みを最も出していて、面白くて楽しいBチームの企画と、そういった強みはないけれど、エンターテインメントとして新しい価値観を打ち出した、ちょっと賭けに出るような僕らの企画。現実的な面白さか、賭けをとるか、そのどちらかだろうとは思っていたので、審査員のみなさんが賭けてくださったことが嬉しかったですね。

──そもそも、なぜ「ENTERTAINMENT the HACK」に参加したいと思ったのでしょう?

金谷 会社の研修で、他社さんと一緒になにかを企画するという機会はあまりないと思ったので、とても良いチャンスですし、自分にとってプラスになるのではないかと思って応募させていただきました。

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──最初に今回の話を聞いたときにはどう思いましたか?

平野 「よっしゃ!」って感じでした(笑)。僕らのような広告代理店は、クライアントの課題を解決するのがミッションなので、純粋に自分たちが「これをやりたい」と思って考えたものを作る機会って、なかなかないんですよね。ですから、今回はすごい良い機会だなと思いました。自分が思っていることを表現できる、良いチャンスだと思いましたね。

──今回のプロジェクトのなかで、いちばん苦労したところは?

金谷 いちばん最初の時点で平野さんから大きなテーマが出てきて、みんなで「それがいいね。その方向性にしよう」って決まったのですが......そこにWOWOWさんらしさや松竹らしさをどう入れるか、いろいろ案は出るものの、具体的にコレというものが見つからなくて、時間だけが経っていく感じでしたね。

──普段の仕事とは違った苦労でした?

金谷 まったくのゼロの状態から考えることは、なかなか普段の仕事ではないので刺激にもなりました。特に今回は、松竹だけでなくWOWOWさんのことも考えながら進めていかなければならなかったので、難しかったです。

──平野さんは松竹とWOWOWをつなぐ役割として、どのように感じられましたか?

平野 いちばん始めにみんなで話した段階で大きなテーマが出たので、「たぶんこの方向性で良いアウトプットが出れば、いい線まで行くんじゃないかな?」といった手応えはあったんですね。とはいえ、そのテーマをどう伝えていくかという部分ですごく苦労して、なかなか良い案が出なかったときに、みんなから色々とキーワードが出てきたんです。

──Aチームのプレゼンテーションでは、要所要所に刺さるキーワードが出てきて、それが自然につながることで最後、腑に落ちた感じがしました。それらのキーワードはみなさんから出てきた?

平野 そうですね。そうやって散らばっているものをくっつけていって「あ、キレイな線になる」って見つかったのが大きなポイントだったと思います。それはやはり、チームでやっているからこそ出たもので、すごく良かったなあと思いました。

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──ほかにも、3社で行なったことで良かったと感じた部分はありましたか?

金谷 エンターテインメントに対して、「みんな同じ方向で進んでいるんだな」って感じました。社風というか、感覚みたいなものが共通していたのかなと思います。ですから、一緒に物事を考えるときに安心感みたいなものもありましたし、とても楽しかったですね。

平野 それぞれに特色があって......コンテンツを持っているWOWOWさんの強みや、松竹さんの芸能や歌舞伎に対する"目が肥えている度合い"とか、そういったものが本当にうまい具合に良い化学反応を起こしたなあと思います。

──今回参加されたことで、ご自身の今後のお仕事に影響を与えそうな部分はありますか?

金谷 僕の普段の仕事は、ほかの人から出る案を別の人につなげたりすることが多いので、今回平野さんやほかのみんなの進め方を見て「こういうふうに考えていくんだな」とすごい刺激になりました。

平野 これから僕らは今回のアイデアを実際に作って、世に出していかないといけないのですが、コケるのもウケるのも我々次第なんですよね。そういった、いい意味でも悪い意味でも、すべての責任が僕らにある感じがいいなあと思います。もちろん成功させたいですが、どちらに転んでもすごい勉強になるんじゃないかなと思います。「だからうまくいったんだ」、「だからコケたんだ」って、すべて自分たちでやるからこそ見える気がします。楽しみですね。

──4月公開に向けて、これから実際に作っていくことになりますが。

平野 あと1ヶ月早ければ(笑)、もうちょっと余裕ができるんですが。

金谷 ははは(笑)。これからがいちばん大変だと思うので、うまくスケジュールを立てていって、ゴールに向かっていくしかないかなと思います。

無意識に積み上がっていた固定観念を崩すことができた

──準優勝という惜しい結果でしたが、まずは今の感想を教えてください。

平岩 じつは、審査員の方に事前プレゼンした段階では全然違う企画を提出していたんです。昨日(プレゼンの前日)の夕方にみんなで集まって打ち合わせしたんですが、その後、残ったメンバーがそれまで考えていたことをひっくり返して(笑)、優勝を競るところまでいけたのでよかったです。

──「ENTERTAINMENT the HACK」に参加された理由は?

平岩 「日常業務以外の勉強もしていきたいな」と思っていたところにこの研修のお話が上がったので、ぜひ参加したいと思いました。以前所属していた映画宣伝部では映画のキャンペーン企画なども考えていましたが、"作品"という縛りがあったので、今回のように自由な枠でできる企画というのは魅力的ですよね。さらに、他社さんともご一緒できるということで、楽しそうだなあと思って手を挙げました。

須藤 私の場合は、前回、WOWOWだけで行なったアイデアソンに参加して楽しかったので、また参加したいなと思いました。それから、私は編成部に所属しているのですが、社外の方に会う機会が少ない仕事なので、ほかの会社の方とご一緒できる今回のアイデアソンはとても良い機会だと思ったのが参加した大きな理由です。ほかにも、私はもともと歌舞伎が好きだったので、松竹さんとぜひご一緒したいと思ったことも大きいですし、今回の課題がとても自由で頭をやわらかくできそうな内容だったので、ぜひやりたいと思いました。

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──今回はかなり難しいアイデアソンになったんじゃないかという印象でした。コンテンツを持つ松竹さんとWOWOWさんをマッキャンミレニアルズさんがサポートするというスタイルで、3社のバランスを保つことが難しそうだなあと......。

平岩 おっしゃる通り、WOWOWさんと松竹をつなげる部分は非常に難しかったなあと感じました。もうひとつ難しかったのが、今回の課題を企画に落とす際、3社の持っているものをどの程度まで使ったらいいのか、という部分でした。というのも、WOWOWと松竹とマッキャンの3社が集まると意外と何でも実現できてしまうので、やりすぎると、課題で求められているものとは違うアウトプットになる可能性がある。チームでもそこは最後まで揉みましたね。

須藤 自分たちのコンテンツを使う際に、「どれだけいじっていいんだろう?」ということも考えました。たとえば歌舞伎を扱うにしても、「茶化したようなことをやっていいんだろうか?」みたいな部分ですね。

──3社でコラボレーションしたなかで、得たものは?

平岩 WOWOWさんやマッキャンさんとのつながりができたことは大きいですね。みんなでひとつのものを作り上げることってすごく大変なので、それだけみんなで頑張ったぶんの絆......と言うとクサいけれど(笑)、つながりができたなあと思います。

──一緒に作り上げていくなかで見えてきたものなどはありましたか?

平岩 僕のなかにあった"松竹がコンテンツホルダーで、WOWOWさんはそのコンテンツを放送する媒体"みたいなイメージが変わりましたね。WOWOWさんも独自のものをたくさん持っていらっしゃって......でも、人間的には近い部分を感じましたし。一方で、マッキャンさんのすごく尖った部分からは刺激を受けました。ここ数年松竹で働いてきて、自分がけっこう固まってしまっていたんだなあと実感しましたし、そういった固定観念が今回のプロジェクトで崩せたように感じます。

須藤 マッキャンさんがいてくださったことで、私は「考え方」を学ぶことができたような気がします。グループ5人のうち、マッキャンさんがひとりだけ俯瞰の目でずっと見てくださっていて、松竹さんとWOWOWのどちらの会社の良さも吸い取ってくださるんですね。関係者から企画に対してフィードバックあった際も、「彼が言っていたのは、こういうことですよね」とかって、かみ砕いて説明してくださる。そういう姿勢で仕事されている姿を見て、今後の自分に活かしたいと思いました。

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──先ほどお話されたように、直前にアイデアが、それまでのものとガラッと変わっていたのですよね。

平岩 そうなんです(笑)。普通だったら発表前日の夜6時にアイデアを覆さないだろうと思っていましたが、用事が終わってLINEを見たら「全然違うのになってる!」って(笑)。でも、そこからのスピードがすごかったし、その結果準優勝までいけたので......「これでいい」みたいな安定したものではなく、しっかりと突き詰めて、自分たちが納得するものを出すべきなんだなって、改めて初心に返らせてもらった気がします。

須藤 私は頭をやわらかくできた感じがしました。新人ですし、なにかを生み出すというよりは"日々の業務をがんばる"感じなので......今回アイデアソンに参加して、積極的に自分でアイデアを考えたり意見交換したりするような、クリエイティブな場所に身を置いたことで、発想がやわらかくなれたような感じがしています。

※広告コミュニケーション関連グループ、マッキャン・ワールドグループのミレニアル世代(1980-2000年前半生まれ)有志メンバーで構成されたイノベーションプロジェクトです。

撮影/川野結李歌 取材・文/とみたまい 制作/iD inc.

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