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顧客視点で考える。それがビジネスの起点。「ドラマW」青木泰憲プロデューサーインタビュー

顧客視点で考える。それがビジネスの起点。「ドラマW」青木泰憲プロデューサーインタビュー

制作局ドラマ制作部エグゼクティブ・プロデューサー 青木泰憲

井上由美子が脚本を手がけるオリジナルドラマ『パンドラ』シリーズや、山崎豊子の傑作小説を初めてテレビドラマ化した『沈まぬ太陽』をはじめ、WOWOWの社会派ドラマを数多く世に送り出してきた青木泰憲プロデューサー。2003年に立ち上げた「ドラマW」での苦戦を経て、「連続ドラマW」で確立したプロデューサー・システム。その根本にあるのは「つねに加入者(視聴者)の求めるものを第一に考える」というシンプルな思いだった。

出発点は「代わりが見つからないような人間になる」という思い

──1999年にWOWOWに入社した際は、最初からプロデューサー志望だったのでしょうか?

いえ、父がCMの仕事をしていた影響で、僕も漠然と「映像の仕事に関わりたい」と思っていた程度です。それでWOWOWに入社しましたが、そこで思ったのは「将来のためにも、30代のうちになんらかの専門性を身につけたほうがいいんじゃないか」ということでした。

「WOWOWにおける自分の存在意義ってなんなのか?」、「代わりがそう簡単に見つからないような社員になるにはどうすれば良いのか?」、そんなことを意識し始めたんです。

──代わりが簡単に見つからない人材になるためにも、専門性を身につけることが重要だった?

そうですね。それで、専門性を身につけるためにも、「ゼロからできるものに携わりたい」と思ったんです。当時は編成部にいましたが、WOWOW全体を見渡してみて......すでにあるものを購入したりするのではなく、ゼロから作るものがいいなと思って「WOWOW初の自社制作ドラマ(のちの「ドラマW」)を作るのはどうだろう?」と当時の上司に相談しました。

──それまでにドラマをゼロから作る経験は?

編成を担当したことはありましたが、ドラマを作ったことはないです。「ドラマW」は僕も含めて、素人集団が立ち上げたプロジェクトだったんです。

──「できる」という確信があったのでしょうか?

「できる」じゃなくて「できなかったらやめて、ほかの"できること"を探そう」と思っていました。僕は「小さい頃から映画少年でした」というようなタイプではまったくないので、「できなかったらやめよう」って割り切れたんです。「自分が好きなことを、仕事としてやっていこう」ではなく、「自分が得意なことを見つけて伸ばしていこう」と考えていました。

というのも、"仕事ができる人"というのは、"好きなことをしている人"ではなく"自分が得意なことを知っている人"だと思うんです。「じゃあ、自分の得意なものってなんだろう?」と探求していたのが30代前半で......できれば35歳までにそれを見つけて磨いていこうと思っていたので、「早く見つけないと」と考えていました。

──それで、まずはWOWOWのオリジナルドラマ制作をやってみようと?

そうですね。「ゼロからドラマを作る能力があれば、なにかあっても生きていけるんじゃないか。」と(笑)。もちろん、多くの支持を得られるようなヒットドラマでなければ意味はないですが......。

なおかつ、将来的にはWOWOWもオリジナル作品が必要になってくるんじゃないかと思っていましたから、会社にとっても、自分にとってもプラスになるだろうと思って提案しました。

観られなかった「ドラマW」から、観られるようになった「連続ドラマW」へ

──そうして2003年にWOWOW初の自社制作ドラマ枠として「ドラマW」(3か月に一度の単発ドラマ)がスタートしました。当初の狙いはどこにありましたか?

実験的な試みのような側面があったので、すぐに対外的な評価を得ようということはなく......つまり、将来WOWOWにとって必要になるだろうという仮定のもと、いまからチャレンジしておこうと始まった感じでしょうか。

──「ドラマW」を振り返ってみて、どんな課題があったと思いますか?

結局、業界にも視聴者にも浸透しなかったということですよね。プロデューサー・システムで制作できずに、映画監督に頼る面が多かった。つまり「ヒット作品の作り方がわからないから誰かに頼る。頼った以上、その人の意見で作る。視聴者の好みに合うかどうかは別問題」というスタイルです。

それに対して、プロデューサー・システムはプロデューサーが中心になるので、自分の意見が全面的に反映される。ということは、自分がターゲットとなる視聴者をしっかり見て、そこを間違えなければヒットするんです。「ドラマW」では、そうならないことが多かったので......それだと視聴者に浸透しませんよね。

──そして、2008年から「連続ドラマW」がスタートします。

お客様から月額で視聴料をいただいているWOWOWとしては、継続して観ていただくことが大事なので、連続ものを作ろうと。とはいえ、普通は「単発ドラマでも成果が上がっていないのに、連続なんか作って大丈夫なの?」って話になるじゃないですか。

でも当時、TBSから出向されていた田代秀樹さんが編成局長を務めていらっしゃったので......TBSでは連ドラが何本も放送されていますから、「できるでしょ」っていう感じでスタートして(笑)。連ドラに関してもWOWOWは未経験者の集まりでしたから、田代さんがいてくださったことでスタートできた部分は大きかったと思います。

──「連続ドラマW」としての初めての作品『パンドラ』(2008年)をはじめ、ヒットを飛ばし続けている「連続ドラマW」の成果や課題はどこにありますか?

「ドラマW」のときとは違って、業界と視聴者に認知されていることが各種調査でもわかっています。観られていなかったものが、観られるようになったということは、対外的にも評価されたということですよね。有料放送特有のプロモーションの難しさは、今後の課題だと思います。

060320_000_key_a.jpg記念すべき第1回連続ドラマW作品となった「パンドラ」

「加入者が観たいものはなにか」をつねに追求する

──WOWOWオリジナルドラマの作り方についても伺っていきたいと思います。まず、原作のある作品をドラマ化する際に、基準としているのはどんなところでしょう?

「視聴者に合うかどうか」です。顧客視点で考える、それがビジネスの起点ですから。地上波と違ってターゲットが明確にあるので、加入者の傾向に合わせて原作を選ぶというのが大前提ですね。

──WOWOWの視聴者の傾向とは?

「40代から60代。地上波に比べると、男性の割合がやや多い」という前提で作っているので、コメディやラブストーリーよりも、社会的なリアリティのあるテーマ。かつ、地上波で描きにくいものを選んでいます。

──原作のないオリジナル作品では、どのようにテーマやシナリオを構築していくのでしょうか?

僕の場合は、日々いろんなニュースが入ってくるなかで気になることをピックアップしたり、自分で考えたキーワードをいくつかインターネットで検索して、出てきたものから見つけたりします。

──「ドラマW」のときのように、監督に委ねるようなことはしない?

監督中心に作っていく人もいると思いますが、僕はしないです。「ドラマW」でそういった作り方をして、良い結果が出た記憶があまりないので......責任を負う立場だからこそ自分中心にやったほうがいいし、自分で考えることによって、能力が身につくんじゃないかなと思います。最初の話に戻りますが、「なにかしらの専門性を身につけたい」というところから僕は始まっているので、なるべく自分でやるようにしています。

──最近では有料動画サービスでもオリジナルドラマが制作されていますが、それらとの違いを意識していますか?

正直に言うと、地上波の連ドラも含めて、僕はあんまりドラマを観ないんですよ。どちらかというと、ニュースやスポーツ番組を観るほうが多い。でも、ドラマが好きではないということではなくて、自分の好みに合ったドラマが少ないからなのだと思います。少し前になりますが、『白い巨塔』は全話夢中になって観ていましたし。

でも、映画やドラマがものすごい好きで、何百本も観ているような人だからヒットメーカーになるとは限らないですよね。最終的には"顧客のことをどれだけ意識して作ることができるか"にかかっていると思うので。

──いまのお話にも重なるかもしれませんが、「WOWOWがドラマをつくる」ことにおいて、青木さんがいちばん大切にしている点はどこでしょう?

「加入者からお金をいただいて、我々はドラマを作っている」、それに尽きるというか、つねにそれを意識する。そうすると、"加入者が観たいと思うもの"を作ろうとしますから、自然と視聴率も良くなる。だから、他のことはあんまり考える必要がないんですよね。迷ったときには、自分の好みよりも「お客様はどう思うかな?」と考えて判断しています。

ひとりのプロデューサーが、加入者からいただいた億単位のお金を使ってドラマを作るって、ビジネスとして考えるとすごいことですよね? だからこそ、かならずヒットさせないといけない。お金をいただいたぶん、お客様にきちんと対価をお返ししないといけない。それがすべてだと思います。

107942_000_key_c.jpg壮大な山崎豊子原作の映像化に挑んだ「沈まぬ太陽」

「観てもらえるものを作る」ことに徹し、結果にコミットする

──プロデューサーの仕事のなかで、やりがいや手応えを感じるのはどんなときでしょう?

"観て、満足していただいて、次も観ていただく"という以外に、やりがいがないというか......つまり、"良いものを作る"というのは当たり前のことなので、それだけで自己満足することはほとんどないんです。
だから、連続ドラマって自分の性に合っているんですよね。単発ドラマだと、内容がいまいちでも最後まで観ちゃうことってあるじゃないですか。でも、連続ドラマってつまらなかったら途中で観なくなるので、視聴率を見ながら毎回答え合わせができる。そこが自分に合っているように思います。

──視聴率が下がったときはどう思いますか?

下がるときは、なんとなく予感があるんですよね。ただ、そんなに下がった記憶はないかな......。「これは本当にやられたな」っていうのは、単発ドラマをやっていた2007年以前はありました。そういうときは「やっぱり自分本位で、お客さんのことを考えてないドラマだったな」と思いましたが、2008年に連続ドラマを始めてからは「絶対に自分本位には作らない」と決めています。

──WOWOWのM-25旗印では「偏愛」をキーワードとしていますが、青木さんがドラマを作るうえでの"偏愛"はどこにあるでしょうか?

結果にコミットする......某CMみたいだけど(笑)。「自分が作ったドラマの視聴率が悪かったら、財産を投げうってでも返したい」ぐらいの気持ちでやる。一時的にヒット作を出すのはそれほど難しいことではありませんが、長期間にわたって勝ち続けるのはとても難しいことだと思います。そういう意味でも、つねに勝っていけるように、「観てもらえるものを作る」ことに撤して、結果にコミットすることでしょうね。

──そういった青木さんの姿勢は、若いプロデューサーに伝わっていると思いますか?

いまのアシスタント・プロデューサー(AP)には伝わっていると思います。なぜなら、ずっと僕に付いてるから。長期間一緒に仕事をして、自分の考えを伝え続けないと、彼らの身にはつきませんよね。もちろん「成果をあまり求めず、バラエティに富んだものを作るプロデューサーになりたい」ということだったら、僕のような考えで作る必要はないと思いますが、いまのAPは「いずれはヒットメーカーになりたい」という思いがあるので、エースにするべく(笑)伝え続けています。

──チーム作りで心がけていることなどはありますか?

最近は、信頼できる人たちだけと仕事している感じがしますね。信頼している人たちとやるほうが効率的に作ることができますから......いまの働き方改革の時代、がむしゃらに働けばいいってものでもないので、僕は効率を重視しています。全く休まない人もいますが、僕は絶対に休むし、部下も絶対に休ませる。成果をあげるには、時間の管理が大事だと思うんです。

すべてを満遍なくやるのではなくて、非生産的な要素を捨てることがいまの時代は必要だと思うんです。それぞれの役割が決まっているので、本当に大事なことだけをやるようにと部下にも徹底しているので、「朝まで編集をやってました」みたいなことは極力しない。この業界の空気に染まらないように、一般的な社会人として常識をもって仕事する。さっきも言ったように、視聴者の目線でいるには、常識のある普通の感覚でいることが大事だと思います。

──ちなみに、休みはどのように過ごしているのですか?

ゴルフしたり、家族旅行したり......普通ですよね(笑)。

──プロデューザーを目指している方々に向けて、青木さんが思う「プロデューサーになるために必要なもの」を教えていただけますか?

「ビジネスとして成功したい」という思いですね。基本的に、脚本家も監督も主役もスタッフもみんな、「いいものを作りたい」と思ってやっているわけですよ。もちろん、自分もそうです。でも、「成功させたい、ヒットさせたい」という思いは、プロデューサーである自分がいちばん強い。脚本やキャスティング、演出、編集等について色々言いますが、その背景にはつねに「どうやって観てもらうか、どうやったら観てもらえるか」という意識があって、成功へ導く手段をずっと考えているんです。

映画がものすごい好きで何百本も観ているような人や、作品づくりの現場が大好きという人は、監督をやったほうがいいと僕は思います。でも、プロデューサーになりたいんだったら、常識があって、世の中の動きがわかって、お客様を第一に考えられて、お客様に向けたモノ作りができるかどうかが重要になってくる。本当に一般的な会社員と同じなんですよね。

1232078889.jpg池井戸潤原作の初の連続ドラマ化作品として各賞に輝いた「空飛ぶタイヤ」

ドラマづくりの転機となった、脚本家・井上由美子さんとの出会い

──そうやって続けてきた仕事のなかで、忘れられない出来事はありますか?

「これは絶対にヒットする」と思った企画が、当時の編成のトップに「NO」と言われて......「絶対に当たるのに、なんでNOなんだ?」と思ってもう一度出したんですよ。それでも「NO」だと。でもやっぱり「これは絶対に視聴者が待っているものなのに、NOはおかしいだろう」と思って、「これが当たらなかったら異動して、一切ドラマを作れなくなっても構わないのでやらせてほしい」って、無理やりやったことがあったんです。結果的には大ヒットでしたが(笑)。

後にも先にも、そんなに何度も食い下がったことはなかったので......まあ、絶対に当たりますよ。だって、僕は自己満足でドラマを作っているわけではないですから。視聴者をずっと研究してきた自分の感覚を大事にしているので、当たらないものを何度も提案するわけがないんです。

──ちなみに、なんの作品だったのでしょう?

『マークスの山』です。高視聴率を記録した作品ですね。警察小説の最高峰、直木賞受賞作、ドラマ化はまだやってない、映画化されて認知度がある、しかも、映画より長時間放送できるドラマに向いている......これはもう、WOWOWの視聴者にピッタリですよね。案の定すごい当たったので、「自分は間違ってなかった」と思いました(笑)。

060478_000_key_a.jpg"警察小説の最高峰"直木賞受賞作を初の連続ドラマ化「マークスの山」

──その「当たる・当たらない」の感覚というのは、どのように培ったのでしょう?

『パンドラ』を作るときに、映画や海外ドラマを徹底的に研究して、「最後まで観たくなるのはなぜなのか?」といったことを1年ぐらいずっと考えていました。そのおかげで、2年目以降はあんまり考えなくてもよくなりましたね。いまも"慣れ"というか......自分の感覚として、「これはアリ・これはナシ」みたいなものが身についているので、そんなに間違えるようなことはないです。

──そういう意味でも『パンドラ』は青木さんにとって転機となった作品といえるのではないでしょうか?

そうですね。というか、脚本に井上由美子さんが入られたのが大きいです。それまでは原作をもとにシナリオを脚本家と作っていましたが、井上さんとゼロからオリジナルでシナリオを作ることで、"自分自身で徹底的に考え抜く"というスタイルが身に付きました。井上さんとの出会いが、その後のプロデュース人生に大きな影響を与えたことは言うまでもありません。そこが転機となって、2008年以降、つまり「連続ドラマW」での脚本づくりが大きく変わったので、やっぱり一流の人と出会うことは大事なんだなと実感しました。

pandora.jpg転機となった「パンドラ」シリーズ最新作「AI戦争」がこの秋放送

──ドラマづくりの過程で好きなパートはどこでしょう?

いま言ったようなシナリオを考える過程と......あと、編集ですね。「これはいらない」、「ここは間延びしてる」、「ここはもうちょっと余韻がほしい」とかって意識しながら組み立てていくので、編集も好きですね。

シナリオで物語を設計して、それが正しいかどうかを確認しながら編集していく。そうやって作ったものを視聴者に観ていただいて、次もまた観るかどうか視聴率で答え合わせをする。そこで合っていると満足できるし、モチベーションにもつながって、「じゃあ、次はどうやって観てもらえるようにするか」と粘り強く考えることができる。シナリオと編集はプロデューサーのセンスが大きく影響してくる部分なので、すごく好きですね。

『真犯人』では、上川隆也さんが『沈まぬ太陽』以来2年ぶりの主演!

──9月23日から放送開始の『連続ドラマW 真犯人』は、翔田寛さんの小説『真犯人』を原作としています。なぜこの原作を選んだのでしょう?

まずタイトルが気に入ったというのがあります。いろんな説明をせずに、視聴者に伝わりやすいと思いましたし。それと、単に事件の真犯人を見つけ出すという物語ではなく、昭和と平成の事件が交錯しながらクライマックスへと突き進むスタイルに制作意欲がわきました。

──主演の上川隆也さん(重藤成一郎役)をキャスティングされた理由は?

『沈まぬ太陽』の放送から2年になるので、そろそろ上川さんの主演ドラマを作りたいと思っていました。『沈まぬ太陽』だけでなく、上川さんが主演された『マークスの山』、『レディ・ジョーカー』も、視聴者にとても好評でしたから。上川さんと骨太な社会派サスペンスという組み合わせには、特別な安定感があるような気がします。

──もうすぐ放送開始の『真犯人』。どんな作品になりましたか?

112309_000_key_a.jpg9月23日より放送開始となる連続ドラマW「真犯人」

単なる誘拐ミステリーではなく、昭和と平成の事件が交錯しているところがミソだと思いますから、その交錯を複雑に描くのではなく、なるべく観やすく作ろうと意識しました。視聴者はとても冷静に判断するので、少しでも引っかかりが悪いと観るのをやめてしまうんですよね。そういう意味でも『真犯人』は1話さえ観ていただければ、次も観たくなるような作りになっていますので、まずは1話を観ていただきたいですね。

──そして11月からは大人気シリーズの最新作『パンドラIV』が放送されます。

これまでの『パンドラ』シリーズは、がんの特効薬や自殺防止の治療法といった未知のものを扱っていて、主人公が"パンドラの箱を開く"というテーマで作ってきました。でも今回のAIって、すでに開かれている技術なので......つまり、開かれたパンドラの箱を初めて扱うので、いつも以上に監修の先生をたくさん入れて(笑)、リアルを追求して、遠い未来というよりは2、3年先の未来をイメージして作っています。

──AIをテーマとして選んだ理由は?

「将来期待している技術」について調査した結果によると、若い人はVR、中高年はAIの医療なんだそうです。たしかに、歳を取ってくると健康が大事になるので、将来的にAIが最も参入してくるのは医療分野ではないかと思うんです。「じゃあ、次のパンドラはAIの医療を扱ってみようか」と。簡単な作業をAIが取って代わるというのだと普通すぎる感じがしますが、医療分野にまでAIが入ってくると「どんなことになるんだろう?」って思いますよね。

──日本の労働人口の半分近くが就いている職業において、10~20年後には技術的に代替可能という調査結果もありますから。

本当に、今後どんどんAIに取って代わられる仕事は増えてくるでしょうね。例えばWOWOWだって、AIが番組編成をやるようになるかもしれない(笑)。どのタイミングで、どういった番組を放送すると、いちばん観られるっていうデータが全部入っていれば、人間が選ぶよりも優れた番組編成になるはずですよね。そういうこともあって......最初の話に戻ると、なるべく自分しかできない仕事を見つけようと(笑)。もちろん、脚本もAIで作る時代が来るかもしれないので、なんとも言えませんが。

──とはいえ、さきほど出てきた青木さんの「当たる・当たらない」という感覚は、AIには学習できないような気がします。

まあ......そうであってほしいですよね(笑)。

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撮影/川野結李歌 取材・文/とみたまい 制作/iD inc.

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