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「第8回『WHO I AM』フォーラムLIVE」が開催!パラリンピックは日本に変化をもたらすチャンス

「第8回『WHO I AM』フォーラムLIVE」が開催!パラリンピックは日本に変化をもたらすチャンス

パラリンピック・ドキュメンタリーシリーズ「WHO I AM」発のトークイベント、「第8回『WHO I AM』フォーラムLIVE」が、パラリンピック開幕直前の8月20日(金)に開催され、WOWOW公式YouTubeチャンネルおよびWOWOWオンデマンドで無料ライブ配信された。

会場となったのは、東京・豊洲エリアの「WHO I AM HOUSE Powered by TOKYO GAS」。MCに松岡修造さんを迎え、トークゲストには北澤豪さん(サッカー元日本代表/日本障がい者サッカー連盟会長)、藤井瑞希さん(ロンドン五輪バドミントン女子ダブルス銀メダリスト)、マセソン美季さん(東京2020パラリンピック日本選手団 副団長/長野パラリンピック アイススレッジスピードレース金メダリスト)が登壇し、さらに国際パラリンピック委員会(IPC)のアンドリュー・パーソンズ会長も来場!

IPCのアンドリュー・パーソンズ会長も来場! 東京大会は日本に「変化をもたらすチャンス」

最初に主催者を代表して挨拶に立ったWOWOWの田中晃代表取締役 社長執行役員は、コロナ禍という大きな苦境の中での開催になるパラリンピックについて「どんな状況でも自分らしく輝くこと、一歩前に進む姿勢、それをアスリートたちがこの東京で私たちに見せてくれます。よく『パラリンピックは世界を、社会を変える』と言われるけど、世界は勝手に変わるわけでもないし、アスリートたちが変えてくれるわけでもありません。パラリンピックを通じ、アスリートたちの素晴らしいパフォーマンスが、ひとりでも多くの人たち、とりわけ明日の日本を担う若い人、子どもたちの心をポジティブにインスパイアすることを祈っています。このパラリンピックが日本の未来にとって、画期的な大会となることを信じています」と語った。
810×540_1_0789.jpg続いて、パラリンピック開幕を前に来日したIPCのアンドリュー・パーソンズ会長が登場。パラリンピックは五輪に続いて、一部を除いて無観客での開催となるが「世界中が苦しい状況にありますが、この大会が日本で開催されること、そしてこの瞬間を分かち合えるということは最高なことだと思います。インクルーシブ(包括的)でありたい。そしてみんなが一体化できるというメッセージを世界中に伝えていきたいと思います」と語った。

210901_wiaF_Andrew_Parsons_Akira_Tanaka_N1_0792.jpg松岡さんが今回のパラリンピック開催について「日本が変わるチャンスだと思っています」と語ると、パーソンズ会長は深くうなずき「多様性を認め合い、より包括的でありたいという願いをかなえるチャンスであり、重大な変化を成し遂げるチャンスでもあります。日本のみなさんの"おもてなし"などの素晴らしい価値観・資質が、変化をもたらすチャンスと重なるのがこの大会だと思っています」と日本で大会が開催されることの意義について語った。

藤井さんは当初「パラリンピックのことを私自身、まだよく知らないので、(このフォーラムを)見ている方と一緒に知ることができたら」と語っていたが、パーソンズ会長に「"知る"ということの次に、期待すること、行動に移してほしいことは何ですか?」と質問。パーソンズ会長は「まず、みなさんに(今大会を通じて)スポーツでワクワクしてほしいと思っています。『スポーツってすごい』『すごい大会だ』と感じていただきたいです。彼らの活躍が変化をもたらし、行動を起こすきっかけになれば嬉しいですし、人と人の交流が活性化していけばと願っています」と語った。

松岡さんから「大会を通じてどんなメッセージを伝えたいか? どんなパラリンピックになりますか?」と問われると、パーソンズ会長は「世界を変えていきたいと思っていますし、パラリンピックにはそういうメッセージがあると思っています。競技者たちに同情するのではなく、彼らにチャンスを与え、力を発揮してもらう。そのことで世界を変えていく、変化をもたらすきっかけとなる大会になると思っています」と力強く語った。

「変化は4年に一度ではなく、日々の積み重ねでもたらされる」

マセソンさんは「2013年に東京大会が決まってから、社会にいろいろな動きがありました。変化は少しずつだけど、着実にいい方向に向かっていると思うし、この動きが止まってほしくない」と"継続性"の重要性も強調する。

パーソンズ会長はマセソンさんの言葉に同意し、IPCが新たに発表したキャンペーン「We The 15」(※世界の人口の約15%、12億人とされる障害のある人々の人権を守る新たなキャンペーン)に触れつつ「変化は日々の積み重ねであり、4年に一度頑張るだけでなく、国や組織、社会が様々な形で協力し合うのが重要です。それらの繋がりをもたらすのがスポーツです」と日々の取り組みを通じて、変化をもたらしていく決意を口にした。

210901_wiaF_Andrew_Parsons_N1_0803.jpgパーソンズ会長の熱のこもった言葉の数々に北澤さんは「世界を変えようという情熱(パッション)が素晴らしいと思います」と深く感銘を受けた様子だった。

パラバドミントン初代金メダル最有力候補が日本の子どもたちの応援メッセージに感激! 「誇りに思います」

210901_wiaF_Cheah_Liek_Hou_N3_3464.jpg続いてのコーナーでは、パラリンピック開幕を直前に控え、出場アスリートたちの"いま"を紹介。最初にリモートで登場してくれたのは、今大会から新種目として加わったパラバドミントンで初代金メダリストの座を狙うマレーシア代表のチア・リク ハウ選手。実はチア選手は以前から、ゲストの藤井選手の大ファンだったそうで、リモートとはいえ対面がかない「藤井さんの2012年(ロンドン五輪)のパフォーマンスは素晴らしかったです。お会いしたら、一緒に写真を撮らせていただきたいです!」と満面の笑みで語っていた。

藤井さんは「身長は私と同じ160センチ台だと思うんですが、(プレーしている姿が)すごく大きく見えて驚きました」と語り、チア選手に「私は五輪で解説をさせていただいたんですが、大会を楽しんでいる選手がメダルを獲っていました。全力で楽しめばメダルが付いてくると思うので楽しんで!」とエール! また日本の子どもたちからもチア選手への応援メッセージが届けられ、チア選手は「嬉しいです。応援していただけることを誇りに思います」と感謝を口にし、改めて大会に向けて「全力のプレーをお見せすることを約束します。ベストを尽くし、ぜひ金メダリストになりたいと思っています。幸運を祈っていてください」と意気込みを語ってくれた。

砲丸投げ前回王者ニコ・カッペル「パワフルなプレー、選手たちの鍛えられた肉体にも注目して楽しんでほしい」

210901_wiaF_Niko_Kappel_N3_3469.jpg続いてリモートで登場したのは、砲丸投げで前回のリオデジャネイロ大会で金メダルを獲得したドイツ代表のニコ・カッペル選手。ニコ選手は「いい調子で大会を迎えられそうです。どれだけトレーニングを積んできたか? 僕らの強さをお伝えできればと思います。楽しんで見ていただきたいです」と意気込みを語る。

そんなニコ選手に北澤さんは「求める成果に届きそうですか?」と質問。ニコ選手は「コロナ前のようなトレーニングはできなくなってしまいましたが、できることにフォーカスしてやれることはやってきました」と自信をのぞかせる。

藤井さんが砲丸投げの魅力、注目ポイントについて尋ねると「パワフルなプレーを見てほしいですし、選手たちの強い肉体にも注目してほしいです」とアピール。マセソンさんの「オンとオフで大切にしていることはどんなことですか?」という問いに「プレーするときは自分に厳しく、規律を意識していますが、楽しむことも忘れずにトレーニングしています。日常ではよく寝るようにしていますが、日常生活も競技とつながっているので、態度や行動は常に意識しています」と明かしてくれた。

さらに日本の子どもから寄せられた「モチベーションを保ちたいとき、ニコ選手はどうしていますか?」という質問にも「重要なのは『自分にとって何が一番の喜び、楽しみか?』を理解することです。自分にとって楽しみなことであれば頑張れると思います。あとはやはり、良いコーチやサポートしてくれる人々が周りにいることも重要で、そういう人たちのおかげで私もモチベーションが保てています」と笑顔で回答してくれた。そして日本の観客に向けて「直接プレーを見てもらえないのはすごく残念ですが、みなさん、心はひとつにして一緒にいるんだという気持ちで見てほしいし、僕が勝っているところを見て興奮していただきたいです。心がひとつになる瞬間を感じてもらえたら嬉しいです」と呼びかけた。
※ニコ選手は陸上男子砲丸投げ(低身長F41)で「銅メダル」を獲得(8/30)。

続いてのコーナーでは、「WHO I AM」シリーズの音楽を担当してきた梁邦彦さんが録画で登場。現在、ソウルにいる梁さんだが、この1年ほどの間、コロナ禍にあって直接、スタッフたちと顔を合わせることさえも難しい中で「想像力を働かせながら音楽を作ってきました」と明かす。また5シーズンにわたって音楽を担当してきた中で、車いすバスケットボールの"レジェンド"パトリック・アンダーソン(カナダ代表)と一緒に演奏をしたことや「WHO I AM」発のユニバーサルスポーツイベントである「ノーバリアゲームズ」に参加した思い出を語り、シーズン5、そしてパラリンピックの開幕を祝福。エレクトリックピアノバージョンで同シリーズのテーマ曲を演奏した。

パラ水泳の"エース"木村敬一が語る自国開催の喜び 「眠っていた感動を呼び起こしたい」

録画映像でメッセージを届けてくれたのは、日本のパラ水泳界のエース・木村敬一選手。悲願の金メダルへの想いを語ると共に「生まれた国で開催される大会に参加できるというのはすごく名誉なことだと思っています。海外の選手たちが喜んでくれる大会にできればと思います」と"ホスト国"の選手として、この大会を成功に導く決意を口にする。そして観客に向けて「この1年ほど、いろいろなことが制限された中でみなさん、感動したり、心が震えることに触れる機会がなかなかなかったのではないかと思いますので、この機会に、自分の中に眠っていた感動を呼び起こしてもらえたらと思います。落ち込んだ1年だったと思いますが、これから社会、世界を取り戻していかなくてはいけないと思っていますし、そのきっかけとしてこの大会を日本で開催し、世界に向けて私たちの生まれた国のすばらしさを発信できるのではないかと思います。金メダルを獲れるように頑張ります!」と熱く、想いのこもったメッセージを寄せてくれた。

210901_wiaF_Shuzo_Matsuoka_N1_0752.jpg松岡さんは、そんな木村選手について「人間的な金メダルを既に獲っている人だと思います」と称賛。「チャレンジすることはこんなにすごいことだと教えてくれる。金メダルを獲ってほしいという想いはもちろんありますが、ベストを尽くしてさえいただければ、それだけでいろんなメッセージをもらえるなと思っています」とエールを送る。

東京2020パラリンピック日本選手団の副団長でもあるマセソンさんは、パラ水泳の魅力について「器具を使わず、身体だけで勝負するところ。包み隠さず自分たちの身体能力だけで勝負するところが魅力だと思います」と語る。実際、パラスイマーの置かれた状況を体験するためにアイマスクをした状態で泳いだ経験があるという北澤さんは「体験してみると、恐怖しかなかったです(苦笑)。アイマスクをして水に飛び込む? できませんよ! 想像力で恐怖をポジティブに変えていくというのは、死ぬ気でトレーニングしないとできないですよ」と改めてパラスイマーたちの勇気と努力に感嘆していた。

そんな北澤さんが会長を務める「日本障がい者サッカー連盟」。北澤さんはブラインドサッカ―について"コミュニケーション"の重要性を強調。「仲間の言葉で助け合えるし、ゴールキーパーの声やコーチの声で動く中で、コミュニケーションの大切さが出てくるんです。『ゴールはこっちだ』と言われて、選手たちが"絵(=ゴールに向かうイメージ)"をひとつにする瞬間があるし、そこからゴールが生まれた瞬間の喜びって本当にすごいです」とその魅力について熱く語ってくれた。

西島秀俊が語る、「WHO I AM」がもたらした人生観の"変化" 注目の競技は...

また、この日は「WHO I AM」シリーズのナビゲーター&ナレーターを務めてきた西島秀俊さんのメッセージ動画も到着。西島さんはシリーズ全40作品のナビゲーター&ナレーターを務めたことで「親しい友人が増えたような気持ちです。関わる前は、困難なことを乗り越えて、すごいことをやっている人たちというイメージでしたが、このドキュメンタリーを見ていると『WHO I AM』――自分は何者なんだ? 自分には何ができるのか? と自分の可能性を見つめて、信じた人たちなんだなと感じました。それは僕にもできることで、僕はテニスで世界一にはなれないけど、自分自身を見つめて、自分が何者なのかを考えて、自分の可能性を信じることはできる。『WHO I AM』の登場人物は、『人生を本当に楽しんでいる人』たちというイメージに変わりましたね。何よりもみんな明るい(笑)。自分も人生をもっと楽しまなきゃと思えるようになりました」と同シリーズを通じて人生観さえも変わるほどの大きな影響を受けたと明かす。

東京大会のおすすめの競技を尋ねると、西島さんは「ひとつを選ぶのは難しい」と迷いながらも「僕の息子が大ファンである国枝選手。本物のヒーローですね」と車いすテニスの国枝慎吾選手の名を挙げ、年齢を重ねながら、自らのプレースタイルを進化させ続けてきた国枝選手を称賛。「手に汗握りながら観たいです」と期待を口にした。

210901_wiaF_Shingo_Kunieda_N1_0919.jpg松岡さんは、西島さんのメッセージに深くうなずき「勝敗はどうなるかわかりませんが、彼(国枝選手)のメッセージは試合を見れば感じられると思う。ぜひとも見てほしいです」と呼びかける。北澤さんも「テニスの戦いもトレンドが変わっていくんですよね。でも、自分を変えるってすごく難しいことだと思います。そのマインドがすごい!」と国枝選手のメンタリティの強さを称える。

藤井さんも自身のバドミントンでの経験を重ねつつ「同じラケット競技ですが、グリップを変えるって考えられないことです。歳を重ねても守備に回るのではなく、攻めながら自分を変えながら、若い選手たちと戦っていく、一流のアスリートだなと思います」と語り、国枝選手の活躍に期待を寄せていた。

パラリンピックを通じて「知る」から「考える」――そして「世界を変える」

松岡さんは「本当にすぐ終わっちゃうから感性を研ぎ澄ませながら、その瞬間、瞬間を見ていきたい」と語り、北澤さんも「知らなかった競技を見て、入り込んでいく自分がいると思うので、そういう自分を見つけたい」と語る。

藤井さんは「見て楽しむのももちろんですが、その奥にあるアスリートたちが何を伝えたいのかというメッセージを考えながら見たいと思います」と語り、そんな藤井さんの言葉を受けて、マセソンさんも「まずは『知る』こと。そして『知る』から『考える』――。IPCが目指しているのは『世界を変える』ということ。知って、考えて、みなさんがそこから行動を起こしていく――そのステージまでこのパラリンピックでたどり着けたらいいなと思います。競技はもちろんですが、競技場以外の場で、アスリートたちがどんなことをしているのかにも想いを馳せていただけたらいいなと思います」と呼びかけた。

最後に松岡さんは「この大会を誰のために観るか? と言われたら、僕は正直『自分のために』観たいと思います。なぜなら僕は、いつも『WHO I AM』――自分は誰か? と問いかけているけど答えが見つからない。でもパラリンピアンは答えを持っている人たちが多いと思います。それは『みんなちがってみんないい』と個性を大事にし、自分を信じている人が多いからだと思う。このパラリンピックを通して、少しでも自分を信じられる人間になりたいし、そうなることが、みんなを信じられる力になると思います」と熱く語った。

そして恒例の「みんなちがってみんないい!」という掛け声と共に「第8回『WHO I AM』フォーラムLIVE」は幕を閉じた。

810×540_1_0926.jpg取材・文/黒豆直樹

WHO I AM 公式サイト         :http://wowow.bs/whoiam
WHO I AM 公式Twitter & Instagram :@WOWOWParalympic #WhoIAm
WHO I AM PROJECTサイト      :https://corporate.wowow.co.jp/whoiam/

「第8回『WHO I AM』フォーラムLIVE」
アーカイブ配信はコチラ⇒ https://www.youtube.com/watch?v=kxF3ixQjxYg

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