1月18日(木)、定例記者会見を開催しました。概要は以下の通りです。
出席者:田中晃社長、橋本元専務、山崎一郎常務、大高信之取締役、石垣裕之部長
最新12月の加入実績は、 新規加入90,424件、解約40,948件となり、49,476件の純増。累計正味加入件数は2,858,023件となった。11月、12月は大型の音楽番組で加入を伸ばした。 11月はV6のライブ、12月は福山雅治の年越しライブなどが中心となった。1月21日には東方神起の生中継が控えているが、12月の時点から反響が大きく、今後の伸びに期待をしている。さらに12月は、ルートインホテルズの国内全店・全室約46,000室への宿泊施設契約を獲得し、既にサービスが開始されている。多くの人が利用するホテルでの視聴を通じて、WOWOWのプロモーションや顧客接点の拡大にもつなげていきたいと考えている。これらの取り組みの結果、11月は7,049件の純減、12月は49,476件の純増という数字となった。1月は東方神起などの音楽、全豪オープンテニスなどラインナップの充実もあり、現在のところ好調に推移している。引き続き新規加入獲得・解約防止に努めていきたい。
田中社長)WOWOWは中期経営計画にて「総合エンターテインメント・メディアグループへの進化」を掲げており、その一環として現在取り組んでいるリアルイベントの戦略・展開について、イベントビジネス部の石垣部長よりご説明する。
石垣部長)各キー局や新聞社、プロモーターなどリアルイベントを手掛けるプレイヤーは多いが、放送事業者であるWOWOWは、その独自性として、イベントを企画・実施し、収録、放送、配信までトータルに行うことで差別化を図っている。具体的な例をあげると、昨年2月に日本を代表する音楽監督・武部聡志の還暦記念コンサートを、松任谷由実をはじめ日本を代表するアーティストの豪華共演により開催し、その翌月にWOWOWで放送した。また昨年3月には、トニー賞のオフィシャル放送局として、アメリカ以外では世界初となるトニー賞公認のミュージカルコンサート「トニー賞コンサートIN TOKYO」を開催。「王様と私」のケリー・オハラや「glee/グリー」のマシュー・モリソン、日本のトップミュージカルスター井上芳雄が出演した本イベントを生中継、生配信した。これまでは音楽ライブやイベントを収録して放送するという形で事業領域は完結していたが、今後は、企画、招聘、実施、収録、放送、配信、販売まで一気通貫でお届けする形を目指していきたいと考えている。WOWOWは自らをエンターテインメントを愛する局と自負しており、またWOWOWの会員もエンターテインメントへの造詣や愛が深い方ばかり。コンテンツ、エンターテインメントへの「愛」や「想い」を軸にイベント事業を企画・実施して、放送や配信、券売といった形で、会員へと提供。その結果、会員やクリエイターといった様々な熱をもった層が、WOWOWという場に集まり、エンターテインメントを軸としたコミュニティが形成される。そのスタート地点としてオリジナルイベントを展開できればと思っている。こうした前提を踏まえ、下期の企画を紹介したい。
※1~4のイベントについては1月18日時点でWOWOWでの放送は未定。
コンテンツを巡る競争が激化の一途をたどっているが、WOWOWとしてはこうしたリアルイベントを独自に企画し、オリジナルコンテンツの種として育てていきたいと考えている。さらにリアルイベントを通じ、コミュニティを活性化することで会員ビジネス展開までつなげていければとの想いもある。他のプレイヤーとの差別化という意味では、WOWOW自身が映像メディアであることはもちろん、近年メンバーズオンデマンドなどデジタル接点を通じ、顧客の志向把握が進んできているので、データや知見をイベントを企画・販売していく際のマーケティングに活用できる点も大きな武器になると思っている。
田中社長)下期はたくさんのイベント企画に取り組んでいくが、いずれも地上波では視聴率の関係上なかなかオンエアしにくい企画。WOWOWではこうした企画についても放送や配信を前提に取り組んでいくことが可能である。また会員制のペイチャンネルとして、イベント事業を通じ会員とWOWOWとのエンゲージメントを更に強化すると共に、エンターテインメントを軸としたコミュニティ形成につなげるなど、WOWOWならではのシナジー展開が可能だと考えている。今後も引き続きWOWOWらしいオリジナルイベント展開に取り組んでいきたい。
いよいよ2月9日(金)より平昌オリンピック・パラリンピックが開幕となる。「WHO I AM」のシーズン2ではその開幕の直前となる2月4日(日)より冬季のパラ競技で平昌大会に挑む3選手をご紹介する。昨年3月に3度目となるワールドカップ総合優勝を果たしたパラアルペンスキーの森井大輝選手をはじめ、いずれも大会での金メダルが期待されるトップパラリンピアンの平昌大会までの道をお届けする。来週の1月24日(水)には朝日新聞社と共同で、3回目となる「WHO I AM」フォーラムを有楽町朝日ホールにて開催する。当日は、ハワイ在住のパラスノーボード金メダリスト、エヴァン・ストロング選手を迎え、出演回のプレミア上映を行うほか、今季のパラスノーボードワールドカップで優勝を果たし、平昌パラリンピックでのメダル獲得が有力視されている成田緑夢選手、元フィギュアスケーターの安藤美姫さん、番組ナビゲーターの西島秀俊さんにご登壇いただく。また、前回に続き松岡修造さんが司会を担当する。皆様のお手元にも取材案内を配布したので、平昌大会直前のこのタイミングにて、取材をご検討頂きたい。
連日生中継でお届けしている全豪オープンテニスに錦織圭選手は怪我のため欠場しているが、1/22(月)よりアメリカ・カリフォルニア州ニューポートビーチで開催される「男子テニスATPチャレンジャー」にて5カ月ぶりにATPツアーに復帰する予定となっている。その復帰戦をWOWOWメンバーズオンデマンドでライブ配信することが本日緊急決定した。また、「全豪オープンテニス」放送内でも錦織圭選手の復帰戦をお伝えする。大坂なおみ選手など全豪オープンテニスで活躍する日本人選手、さらに錦織圭選手の復帰戦を是非WOWOWでお楽しみ頂きたい。
平昌大会開幕まであと一か月を切った。平昌大会についてNHKがハイブリッドキャストを活用した放送と配信を融合させたサービス展開を行うと発表しているように、昨今は各社が放送の高度化に向けた取り組みを加速させている。そんななかWOWOWでは昨年12月23日にグループ会社のアクトビラの協力の元、スペインサッカーリーガ・エスパニョーラ「伝統の一戦クラシコ」にてハイブリッドキャストを活用したTV向けの4Kライブ映像提供の実証実験を行った。昨年夏、「ラグビーTOP14」にて2Kの録画放送と同時に、4Kでの映像提供の実証実験を行ったが、今回はWOWOW初となる4Kライブ映像への挑戦となった。また今回の実証実験では、各家庭のネット環境に合わせて適切なビットレートに自動切り替えを行なうアダプティブ・ビットレート技術を活用した、ハイブリッドキャストでのライブ配信としては日本初となる仕様にもチャレンジを行い、視聴者それぞれに、より最適化された4K高画質映像を安定してお届けすることができた。実証実験の結果だが、番組視聴中に「4Kで見るボタン」がTV画面上に表示された視聴可能世帯の内、約53%が実際に4Kライブ映像を視聴するなど、4K映像に対する関心の高さと期待を感じる結果となった。現在展開中の全豪オープンテニスでも、昨年の全米オープンテニスに続いて、2Kのピックアップコート(放送をしていないコートの試合)のTV向け配信を行うなど、引き続き放送と配信を融合させたサービスについて取り組んでいきたいと考えている。また、グループ会社であるアクトビラの提供技術の精度をさらに高めていきたいと考えている。本年12月より新4K8K衛星放送が開始となるが、その放送対応受像機の発売はまだこれからという状況であり、今後こうした既存のTV向け4K配信についてニーズが高まっていくだろう。他の放送事業者にもWOWOWのグループ会社であるアクトビラの技術を積極的にご活用いただきたい。
昨今、「衰退するテレビと成長するネット配信」という構図で語られることが多々あるが、「情報への信頼」「文化への貢献」、そして何よりも「コンテンツの創造力」において放送文化はまだまだ圧倒的な存在だと考える。しかし、これからは「コンテンツ創造力」いわばクリエイティブの競争において、ハリウッドがすでにそうであるように、日本でも放送と配信が同じ土俵に立つ時代に入る。優れたクリエイターと差別化したコンテンツを生み出しブランドを作る。いわば、WOWOWの主戦場での戦いが激しくなるのだと認識している。従来の有料放送マーケットの枠を超えた新しい時代の競争環境が生まれる年になると思う。WOWOWの主戦場は「プラットフォーム」ではなく「コンテンツ」。「デバイスの利便性」ではなく、「クリエイティブ」。この競争にはなにを置いても勝たなければならないと考える。こうした新しい環境での競争においてその最前線に立つことは、有料放送のリーディングカンパニーとしてのWOWOWの使命である。変化の激しい時代だからこそ、なおのこと放送人の矜持をもって新しい時代の競争に挑み、攻める1年としたい。