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  • 2020.07.16
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2020年7月定例会見要旨

7月16日(木)、定例記者会見を開催いたしました。概要は以下の通りです。

出席者:田中晃社長、黒水則顯副社長、山崎一郎専務、田代秀樹常務、金山麻衣子プロデューサー、石川彰子プロデューサー

1. ご挨拶(田中社長)

本日はお忙しい中、またこのコロナ感染の再拡大がある中、弊社定例会見にお越し頂きありがとうございます。そして検温等々にご協力いただき、誠にありがとうございます。このコロナ感染症の再拡大に加え、今月初旬からの記録的な豪雨で九州をはじめ広範囲で被害が発生しました。被災された方々に謹んでお見舞い申し上げますとともに、被災地の一日も早い復旧をお祈りしております。

2. 新型コロナウイルスについてのご報告(黒水副社長)

当社における新型コロナウイルス感染者の発生について報告する。7月13日と15日にリリースを発行したが、辰巳の放送センターにて勤務している業務委託スタッフ2名の新型コロナウイルス陽性が確認された。これはWOWOWのみならず、WOWOWグループ全体でも初の感染者となる。陽性となった二人は同じシステム運用の仕事に従事しており、同じエリアにて勤務していた。一人目は8日に発熱し、11日に陽性が確認され、二人目は11日に発熱し、15日に陽性が確認されている。二人は7月3日、7日の両日、勤務が重複していた。二人の従業員が立入ったスペースの消毒作業は7⽉11⽇に終えており、接触した従業員の自宅待機やPCR検査を含め、感染拡大の抑止を図っている。放送および配信サービスをお客様にご提供する企業として、最⼤限の注意を払い、感染拡⼤をこれ以上広げないように、安定したサービスをご提供すべく取り組んでいく。

次に、新型コロナウイルス感染拡大に伴う当社事業活動への影響について。緊急事態宣言以降、長きに渡って様々なイベントの中止、ライブ・スポーツの放送ができなくなっている状況にあり、日本国内のみならず世界規模での影響を番組編成の上でも受けている。緊急事態宣言の解除以降、中止となっていたスポーツ・イベントは無観客の形をとってはいるものの、再開が始まっている。こちらについては後ほど田代よりご説明する。またクリエイター、プロデューサーらの工夫によって実現できているイベントの一例もこの後ご紹介する。

また、緊急事態宣言の解除を受けて、一時中止していたオリジナルドラマの収録も再開しており、見ごたえのある作品にすべく、安全を第一に、鋭意制作を進めている。秋以降の新作のラインナップにご期待いただきたい。

そしてもう一点、本日4K放送開始の延期についてのリリースを発行した。本来12月1日より4K放送開始を予定していたが、この度放送開始を3月に延期することとなった。緊急事態宣言を受け、設備導入のスケジュールに遅延が発生し、このまま進めると設備導入作業で過密状態が発生し、感染防止を十分に図ることができないと判断したためである。放送を楽しみにしておられた皆様に、お詫び申し上げる。

東京都は昨日、感染警戒を四段階の最上位に引き上げるなど、連日感染者が増えており、第2波、3波と予断を許さないが、エンターテインメントを心待ちにしているファンのみなさまに、解放感と、コンテンツの力をお届けできるよう、準備を進めていく。

3.加入分析(山崎専務)

まずは最新の加入状況について報告する。6月の加入実績は、 新規加入34,767件、解約48,280件となり、13,513件の純減。累計正味加入件数は2,775,044件となった。各月の加入分析については、5月は、GLAYやUVERworldなどの音楽ライブとドラマW「太陽は動かない-THE ECLIPSE-」「鉄の骨」が加入の中心となり、6月も同様にL'arc~en~cielなどの音楽ライブと丸山隆平主演作であるドラマW「大江戸グレートジャーニー」が牽引した。また再開したスペインサッカー ラ・リーガも心待ちにしていたお客様が多く、大きく加入を伸ばした。しかし新型コロナウイルスの影響により、放送を予定していたスポーツ、音楽ライブ番組の中止等で、加入の減少と解約の増加で13,000件の純減という結果になっている。特にスポーツは例年加入の中心となる全仏オープンテニスが開催延期となり、新規の加入だけでなく既存顧客の解約という面で影響しているが、再開に伴い少しずつ戻ってきている状況。テニスに関しては、今後グランドスラムの再開が予定されており、8月には全米オープンテニス、9月には全仏オープンテニスが開催予定。生のスポーツコンテンツを心待ちにしている方々、テニスファンの皆様に再加入を促す施策も十分にやっていく予定である。

4.コロナ禍でのステージ特別番組について(田中社長、制作部金山麻衣子プロデューサー、制作部石川彰子プロデューサー

田中社長)新型コロナウイルスによって様々なイベントが延期や中止となる中でも、プロ野球やJリーグなどスポーツは少しずつ始まっているが、なかなか再開が見通せないのが劇場でのステージであると考える。そんな中、この状況を打破したい、何かを表現したいという強い思いでステージ番組を企画した二人のプロデューサーがいるので紹介したい。

■「劇場の灯を消すな!」プロデューサー 石川彰子

この企画は、コロナ禍であいてしまった劇場で番組収録をするという取り組みである。第1弾はシアターコクーン編で7月5日に放送した。第2弾は池袋サンシャイン劇場編で8月1日放送予定である。第3弾も予定している。

【企画のきっかけ】
制作部に所属し、普段は演劇の収録・放送等を担当している。コロナ禍では、当初収録を予定していた舞台が無観客収録や休演、中止になった。緊急事態宣言後は演劇業界全体がストップした。舞台を収録する自分の仕事もなくなり、演劇=密になるという演劇の根本が揺らぐ中、WOWOWとして何ができるかを考えた。誰もいない劇場に舞台のセットだけがあるという話を聞き、勿体ないと思った。緊急事態宣言が解除されても、公演が再開するまでに2カ月くらいのタイムラグが発生する。そのタイミングで劇場という場所でテレビ番組を作るという企画を考えた。大人計画社長の長坂さんに提案し、番組の共同プロデューサーになっていただいた。同時に第一弾として文化村さんに相談をし、社内で企画を通し、一気に詰めて行った。番組のしばりは「劇場を使うこと」と「ソーシャルディスタンスを保った状態で撮影可能なこと」の2つとした。目的としては、空いている劇場がもったいない、自分も含め「仕事」を作りたいということと、演劇ファンにエンターテインメントをお届けしたいという思いである。

【制作の状況】
手探りのことが多かった。緊急事態宣言中はリモート会議で準備を進めた。「できることをやろう」といった当初の想定よりも、どんどん大ごとになっていったというのが実際のところである。オープニングも、シアターコクーンの入口に松尾さんが2ステップ踏んで入って行く、ゴールデン洋画劇場の和田誠さんのオープニングみたいにワクワクする感じがいいなあと希望を言ったら、松尾さんがair:manさんの振り付けで踊るという壮大なものになった。舞台・番組・収録の各プロが連携して作り上げ、コロナ禍のタイミングだから出来たと思っている。松尾スズキ総合演出の元、大人計画が舞台と映像をまたいで活動していることをベースに、文化村の舞台制作、WOWOWエンターテインメントの舞台中継技術とテレビマンユニオンの番組制作力をもって業界を超えた連携ができた。舞台でもないテレビでもない、舞台でもテレビでもある、新しいエンターテインメントになったと思っている。

【劇場の灯を消すな!第2回について】
第二弾は40周年の劇団☆新感線とタッグをくんだ池袋・サンシャイン劇場編をお届けする。劇場をまたぐ通し企画として、井上ひさしさんの小説「十二人の手紙」の朗読がある。朗読の演出を劇団☆新感線主宰のいのうえひでのりさんが手掛けた。朗読の演出は初めてだったということだが、とても面白く仕上がっているのでご期待頂きたい。そのほか粟根まことさんによる詳しすぎる劇場案内や、対談、面白い座談会など盛りだくさんでお届けする。

■「僕らのミュージカル・ソング2020」プロデューサー金山麻衣子

【企画の背景・経緯】
私は主にトニー賞、ミュージカルジャンルの番組の企画製作を担当している。WOWOWでは、2014年より、「トニー賞受賞式」の中継放送をスタートしてミュージカル界を応援する番組やイベントを発信してきた。毎年6月に開催してきたトニー賞受賞式は、今年は、新型コロナウイルスの影響で、ブロードウェイが3月半ばに全面クローズし、授賞式も無期限延期の事態になった。日本でも4月に多くの公演が中止になっていく中、焦燥感があった。困難な状況にあるミュージカル界のために、WOWOWにできることは何か?トニー賞を楽しみにしていたファンの皆さんに、ミュージカルに触れる時間を提供できないか?という思いでWOWOWトニー賞の司会を務め、ミュージカルジャンルを一緒に盛り上げてきた井上芳雄さんに相談した。出演舞台が中止になってご自身も様々な思いを抱えていた井上さんは、すぐに賛同してくれ、トニー賞を予定していた6月に、ミュージカルのためのスペシャルプログラムを作ろうという話になった。

【番組内容】
井上芳雄さんが、歌って踊ってお話をする番組ホストを務め、今だからこそ聴きたいミュージカル・ソングを歌とトークでつづるシンプルな構成の90分強の番組で、6月と7月の二ヶ月連続の編成でお送りする。
この"今だからこそ聴きたい"というミュージカル・ソングとして、番組で用意したテーマが二つある。一つは「公演中止となった作品からの歌をお届けする」ということ。カンパニーや、ファンの皆さんの気持ちに寄り添うかたちで、作品の世界を紹介したいという思いである。全ての作品をお迎えすることはかなわなかったが「第一夜」では、全公演が中止となってしまった「ウエストサイドストーリーシーズン3」と「ミス・サイゴン」のメイン・キャストにお越しいただき、劇場でお披露目することができなかった楽曲を歌唱いただいた。

そしてもうひとつのテーマとしたのは、「海外からリモートで歌をお届けすること」。新型コロナウイルスは世界共通に直面している状況だということがあり、海外からも、リモート形式でスペシャルなゲストをお迎えした。それが、「王様と私」でトニー賞を受賞した、ブロードウェイ屈指の歌姫 ケリー・オハラである。ケリー・オハラは2017年にWOWOWが企画製作した「トニー賞コンサートin東京」にも出演している。ステイホーム中のアメリカのご自宅から、珠玉のソロ曲/井上さんとの貴重なリモートデュエットを歌っていただいた。

【演出面でこだわったこと】
感染拡大防止のため、歌唱やトークのコーナーでは、出演者同士の間には2mの距離をとり、飛沫防止のアクリル板を設置した。「ウエストサイドストーリー」では、そうした制約を演出に活かしており、主人公の恋人同士にある人種間の壁のイメージを重ねて、ふたりの間に透明なアクリル版を導入した。遠いけど近い。触れることはできなくても心は繋がっている。そんな演出に挑戦した。
次に、番組のトーンである。視聴者の方に、リラックスして観ていただけるような作りを心掛けた。6月、自粛明け、コロナによる影響で、皆さんストレスを感じている状況の中、歌とお話を、楽しく笑いもまじえてお届けすることで皆さんが、気持ちがほどけて、励まされるような番組をお届けしたいと思った。まさに、司会の井上さんがそうした空気をつくってくれた。

【僕らのミュージカル・ソング2020 第二夜】
そしていよいよ、来週7月25日には、第二夜が放送される。7月に入り、多くの劇場が、感染防止策を講じながら、新しい公演の形を模索し、再開をはじめている。「第二夜」では、さらにミュージカルファンの皆さんの期待に応えられるよう、素敵なゲストにご参加いただいているのでご期待頂きたい。

田中社長)WOWOWからの提案に呼応していただいた皆様、海外から参加してくださったケリー・オハラさんはじめアーティストさん、クリエイターさん、多くの関係者の皆様に心より御礼申し上げたい。機会があれば今後この二人にも取材をしていただければと思う。またすでに取材で取り上げていただいたメディアの方々にこの場を借りて御礼申し上げる。

芝居はそもそも複製され再現される映像表現を前提にしていない。役者さんと観客と芝居小屋によって作られる劇空間の世界、一回限りの世界である。無観客、ソーシャルディスタンスといったことは、演劇人・舞台人にとっては手足をもがれたような状況で、それでも映像を前提とした舞台、映像の向こう側にいるお客様に向けた表現に挑んでいる演劇人に心よりリスペクトを表したい。そして、彼らの表現を映像化することに挑んだテレビ人・テレビ屋にもいくばくかの拍手を送っていただければ、大変うれしく思う。

5.今後の編成トピックス(田代常務)

【グランドスラム再始動】
VTRにあった「エンターテインメントを取り戻そう」はメディアとしての企業メッセージである。5月の定例会見で「その瞬間は必ずくる」というVTRをお見せしたが、「その瞬間は必ずくる」の第一弾として、グランドスラムが再始動する。新型コロナウイルスの影響により、5月の全仏オープンが延期、ウィンブルドンも中止になったが、8月の全米オープンは完全無観客での開催が決定した。大坂なおみ選手・錦織選手ほか、世界のトップ選手の闘いが久しぶりに見られる。そして全仏オープンテニスも9月27日から開催される。なお、これら大会の前哨戦となるATPツアーもWOWOWメンバーズオンデマンドで配信する。大坂なおみ選手は現在世界ランキング10位、錦織選手は怪我による離脱で現在世界ランキング31位ですが、プロテクトランキングが適応されるため、全米に関しては世界ランキング10位で出場する。決勝に向けて両選手いい戦いができるのはないかと期待している。 

【LPGA女子ゴルフツアー再開】
7月31日のドライブオン選手権を皮切りにLPGAが再開する。そして、渋野日向子選手が昨年優勝した全英女子オープンが予定通り8月20日から無観客で開催されることが決定した。渋野選手の2連覇がかかる試合になる。先日、7月5日黄金世代の選手6人によるスペシャルマッチが開催され、沢山のファン、サポーターの皆様の賛同により多くの寄付金が集まった。御礼申し上げる。このチャリティマッチに出場していた6人の選手のうち4人が全英女子オープンの出場権を得ているので注目頂きたい。

【WOWOWメンバーズオンデマンド】
5月に、WOWOWメンバーズオンデマンドおよびyoutubeで連日無料配信した、リモートドラマ「2020年 五月の恋」が大人のドラマに仕上がり、大変好評を得た。本日いらっしゃる多くの皆様にも取材をいただき御礼申し上げる。新しいドラマも鋭意制作開始しており、「竹内涼真の撮休」もその一つである。

同時配信の番組カバー率は、5月・6月とも95%前後の非常に高い実績である。 2019年6月より13か月連続で90%を超える高水準を維持している。

田中が年初より配信に強い軸を持ち、放送と配信の双方に力を入れていきたいと申しあげてきたが、7/1よりWOWOWメンバーズオンデマンド(以下WMOD)のデバイスとしてJ:COMさんのJ:COM LINK、ケーブルテレビ向けのKDDI STB-2が加わりました。また昨日よりWOWOWのdボタンとアクトビラからもWMODを利用できるようになりました。これによりAmazon Fire TVや、Google Chromecastなどのデバイスを使用せずに、テレビの機能だけで、メンバーズオンデマンドの見逃し配信が見られるようになった。放送と同じ解像度であり、大きな画面でも違和感なくご覧頂ける。今までWOWOWメンバーズオンデマンドにアクセスしたことのないユーザーもこれらをきっかけに、配信でもWOWOWを楽しんでいただけることを期待している。

6.最後に(田中社長)

本来であれば、先週の日曜、7月11日に男子ウィンブルドンテニスの男子シングルス決勝が行われていたはずだった。また、同じ日にウェンブリースタジアムで、UEFA EURO 2020™ サッカー欧州選手権のファイナルが行われていたはずだった。それが、つい先週の日曜日の予定だった。それがもう遠い昔のように思うが、延期・中止となってこのような状況が世界的に広がっている。今日は、演劇人と私共のクリエイターのつながりによってお届けする企画を紹介したが、演劇に限らずスポーツでも、ミュージシャン達も必死になって表現をしたい、この閉塞した状況の中でエンターテインメントを届けたいと活動している。新型コロナウイルスの収束にはワクチンが必要なように、エンターテインメントは人が生きていくうえで必須なエネルギー源だということを世界中の人々がひしひしと思っていると信じる。必死になって活動を再開しているアスリートや、アーティストや、演劇人、関係者の期待に応えられるように、弊社も細心の注意を払い万全の準備をして体制を整えながら、そのエンターテインメントを届け、彼らの努力に応えていきたいと思っている。引き続きご支援いただきたい。

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