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2022年9月定例会見要旨

9月8日(木)に定例記者会見を開催いたしました。概要は以下の通りです。

出席者:⽥中晃社⻑、⽥代秀樹常務、山本均常務、郡司誠致常務、
ドラマ制作部 井口正俊プロデューサー、廣瀬眞子プロデューサー、映画部 陸正妍プロデューサー


1. ご挨拶(田中社長)

まず、報告として、前回7月7日の会見にて2つのミュージカルイベントを紹介したが、「ディズニー・ブロードウェイ・ヒッツ」はアラン・メンケンさんが新型コロナウイルス感染症の陽性となり、やむなく8月の公演を中止した。再演については、2023年8月16日から18日に開催することが決定した。今年の公演分の払い戻しを希望する方には、現在払い戻しを実施している。
また、ジャニス・ジョプリンの生涯をミュージカルにした「ジャニス」については、8月23日から3日間興行として、東京国際フォーラムで実施した。大盛況のうちに終了することができ、メディアの皆さまのご協力に心から感謝を申し上げる。非常にパワフルで素晴らしいミュージカルが実現できたと思っている。ジャニス・ジョプリンを演じたアイナ・ジ・エンドさんのすさまじい存在感をはじめ、全出演者が素晴らしい歌唱力で魅了してくれた。これが評判となり、最終日の公演はチケットが1枚も残らない状態であった。「ジャニス」は10月29日に放送・配信する。ぜひご覧いただきたい。



2. 加入分析(郡司常務)

7月は「ドライブ・マイ・カー」の放送があり、これに合わせてWOWOWではテレビCMやプログラムガイド等で映画コンテンツの露出を拡大し、お客さまにWOWOWでの映画視聴を促す施策を展開した。結果として、映画コンテンツの視聴が前年よりも伸び、映画ジャンルでの充足度は確実に向上したと実感している。ただ、加入については、「ラグビー テストマッチ2022 インターナショナルシリーズ」、そしてTWICEや藤井フミヤなどの音楽コンテンツが中心となったものの、全体では約3万件となり、6月に続いて低い実績で、純減となっている。

8月は、3年ぶりに戻ってきた真夏の音楽の祭典「SUMMER SONIC 2022」や、宮本浩次、LUNA SEA、GLAYなどの人気アーティストのライブ、また、新シーズンが開幕したラ・リーガ、渋野日向子選手が活躍した全英女子オープンをはじめとするLPGA女子ゴルフツアー等によって加入が5万件を超えた。正味加入件数は8,869件となり、5カ月ぶりに純増となっている。
放送経由での解約状況は、7月と8月で連続して、過去2年間の水準と比べて改善している。さまざまな要因が考えられるが、一つは、映画の充足について言及されるお客さまが多い。放送経由のお客さまは、普段から映画を中心としてWOWOWを楽しんでいる方が非常に多いため、今後もWOWOWで映画を楽しむことを訴求していきたい。


3. プレゼンテーション(田中社長、ドラマ制作部 廣瀬眞子プロデューサー、ドラマ制作部 井口正俊プロデューサー、映画部 陸正妍プロデューサー)

田中社長)本日は、この秋にスタートするWOWOWドラマを紹介する。
まず、10月9日から始まる「連続ドラマW シャイロックの子供たち」について、廣瀬プロデューサーより説明する。廣瀬プロデューサーは2017年に入社し、担当したドラマ「正体」は第38回のATP賞ドラマ部門奨励賞をプロダクションとして受賞しており、若手ながら話題作を立て続けに送り出しているホープである。

【 廣瀬眞子プロデューサー:「連続ドラマW シャイロックの子供たち」<全5話/episode0を含む>10/9(日)放送・配信スタート 】

廣瀬プロデューサー)「シャイロックの子供たち」は、大ベストセラー作家である池井戸潤先生の傑作小説、そしてWOWOWドラマ初出演の井ノ原快彦さんを主演に迎えた、極上のミステリードラマである。

池井戸作品の連続ドラマ化をいち早く手がけてきたWOWOWは、池井戸先生との信頼関係を大切に築いてきた。第1弾である2009年の「空飛ぶタイヤ」はその年のドラマ賞を席巻し、以降も「下町ロケット」、「株価暴落」、「アキラとあきら」、「鉄の骨」の5つの池井戸原作ドラマを放送し、WOWOWのお客さまから愛され、絶大な支持を受けてきた。そして、待望の第6弾となるのが本作「シャイロックの子供たち」である。池井戸先生が自身の小説の書き方を決定付けた記念碑的な1冊と明言しており、作家人生の転機として位置付けてきた非常に思い入れの強い小説を、今回WOWOWが連続ドラマ化する。

これまで、この原作には数々の映像化のオファーがあったが、池井戸先生が断ってきた理由として、原作は各行員とその家族にまつわる10本のオムニバス短編が組み合わさった構造になっており、まず誰を主人公に立てるかが難しいポイントだった。今回、WOWOWは西木を主人公に立てたが、彼がなぜ失踪し、その後どうなったのかは原作の中でも描かれていない。これをクリエーターがどのように意味付けするかが肝になると池井戸先生も言っており、われわれとしても非常に難しかった。脚本作りの段階から悩み、なかなか解決策を導くことができなかったが、池井戸先生のアドバイスもあり、WOWOWとしての一つの糸口が見つかったため、それを今回のドラマの結末に置いている。ぜひそのポイントにも期待してほしい。

シャイロックとは、シェイクスピアの戯曲「ベニスの商人」に登場する強欲な金貸しのことを指す。本作は、銀行という組織を通して、普通に働き、普通に暮らすことの幸福と困難さを鮮烈に描いた傑作群像劇となっている。WOWOWドラマに初出演、そして初主演となる井ノ原快彦さんが、出世街道を外れるも、部下からの信頼が非常に厚い主人公の西木役を演じる。また、西木の部下役に西野七瀬さん、支店で起きた事件を追う調査役に玉山鉄二さんをキャスティングした。その他、加藤シゲアキさん、三浦貴大さん、前川泰之さん、萩原聖人さんら豪華キャストが集結している。

物語の舞台はメガバンクの小さな支店である。ある日、支店内で100万円の現金紛失事件が発生し、その謎を追っていた主人公の西木が突然失踪する。現金紛失事件と西木の失踪という2つの謎と、行員たちの物語が交錯する中、その裏に隠された驚きの深層が明らかになる。さまざまな事情や問題を抱える彼らが織りなす極上のミステリー群像劇に注目してほしい。

また、登場人物たちのバックボーンを視聴者に知ってもらった上で、さらにドラマを楽しんでほしいと思い、episode0を第1話として制作、放送する。玉山さんが演じる人事部の男性をストーリーテラーに立て、主要登場人物たちのこれまでの人生と、事件の真相を一緒に解明していく内容となる。

銀行を舞台にした複雑な人間関係が絡み合う群像劇でありながらも、1円のミスも許されない厳しい銀行の世界で、100万円もの大金が紛失する大事件が発生し、その真犯人を追っていた主人公が謎の失踪を遂げるという2つの事件が小さな支店で巻き起こる。これまでWOWOWがドラマ化した池井戸原作のどれよりも重厚かつミステリー色が強いドラマになっている。

コロナ禍での撮影で大きな影響を受けたが、チーム一丸となって撮影を最後まで乗り切ることができた。現在は完成に向けて仕上げている最中である。ぜひ期待してもらえればと思う。

田中社長)次は、「連続ドラマW HOTEL-NEXT DOOR-」について、井口プロデューサーより説明する。2016年に入社した井口プロデューサーは、担当作品の「前科者」が第48回放送文化基金賞で番組部門のテレビドラマ番組奨励賞を受賞しており、中堅としてドラマWを支えている。

【井口 正俊プロデューサー:連続ドラマW HOTEL -NEXT DOOR-」<全6話>9月10日(土)放送・配信スタート】

井口プロデューサー)9月10日より放送・配信がスタートとする「連続ドラマW HOTEL -NEXT DOOR-」について紹介する。原作は漫画界の巨匠、石ノ森章太郎先生の名作コミック「HOTEL」で、バブル期の高級シティホテル・プラトンを舞台に、そこで起きるさまざまな宿泊客と従業員たちの人間ドラマを描いた名作である。90年代にはTBSで連続ドラマ化もされ、「姉さん、事件です」という名ゼリフとともに覚えている方も多いかと思う。

今回制作した「HOTEL-NEXT DOOR-」では、ホテル・プラトンの四半世紀後の物語を描く。時代は令和に変わり、失われた30年を経てホテル業界は激変した。外資系ラグジュアリーホテルの進入ラッシュを受け、経営が悪化してしまったかつての名門ホテル・プラトンに、ホテル買収や解体、整理に一役買う「ホテル座の怪人」といわれる男が総支配人として招かれ、かつてない混乱の渦に巻き込まれていくストーリーになる。原作の舞台であるプラトンを基軸に、ミステリー要素を強めたフルオリジナル脚本で、WOWOWらしい社会派エンターテインメントとしてリニューアルした。

主演は、WOWOWドラマ初主演となるディーン・フジオカさんが務める。ディーンさんは事前にホテルマンとしての職業哲学の本を読み、立ち振る舞いも細かくプランニングした上で撮影に臨んでおり、一流ホテルマンとしてのたたずまいを見事に体現していた。物語の後半では、彼の本当の目的も明らかになってくるため、その点にも注目してもらいたい。加えて、草笛光子さんをはじめとする豪華なキャストが集結しており、旧ドラマシリーズを見た方も、見ていない方も、ぜひ本作をご覧いただきたいと思う。

本作では、主人公である三枝が、レストラン部門をはじめ各部門で次々とプラトンの改革を進めていく。それぞれの部門が抱える課題や、それに対する打ち手については、リサーチなども踏まえ、ホテル業界の現在を映し出すことにこだわって脚本を制作した。三枝がどのようにプラトンを変えていくのかという視点でも楽しんでほしい。

また、生前の石ノ森先生が愛用していたというご縁もあり、今回ホテルニューオータニさんに撮影と脚本監修を全面的にご協力いただいた。完成した映像を見て、名門ホテルとしての品格やたたずまいが画面からにじみ出るように映っていると改めて感じた。

最後に、本作のテーマは「継承と刷新」である。失われた30年を経た今も、多くの日本企業はコロナ禍をはじめ劇的な時代の変化と向き合っている。その中で、伝統や先人の思いをいかに受け継ぎ、一方で時代の変化にも対応して新たなものを生み出していくのかというテーマは、ホテル業界のみならず、皆さんが向き合っている課題だと思う。本作はエンターテインメント作品としてだけでなく、このような状況を打開する希望や力を視聴者に届けたいという思いで制作した。老舗ホテルマンたちの「継承と刷新」の物語に、ぜひ胸を熱くしてもらいたい。

田中社長)2022年の中国ドラマについて、陸プロデューサーより紹介する。陸プロデューサーは2016年にWOWOWに入社した。2018年からは映画部でアジアドラマを中心に調達を行っている。WOWOWは2019年から特に中国ドラマの数を増やしてきたが、その中心的なプロデューサーであり、ドラマにとどまらず、ドキュメンタリーやアニメーションまで幅広い中国のエンターテインメントを見いだして、日本に紹介している。

【陸 正妍プロデューサー: 「風起隴西<ふうきろうせい>-SPY of Three Kingdoms-」<全24話>921()放送・配信スタート】

陸プロデューサー)中国ドラマは、今まで多くの視聴者に支えられる本格時代劇の他、ファンタジー時代劇「陳情令」の大ブレークをはじめ、近年は宮廷ロマンス、現代サスペンスなど多彩なジャンルが日本に上陸し、より幅広い視聴者に注目されるようになった。WOWOWにおける視聴実績も、海外のハリウッドドラマに負けない人気と勢いを見せており、中国ドラマ市場が広がっていると感じている。その一方で、本国では時代劇の制作本数制限や話数制限など、検閲上の方針転換に伴い、大きなスケールで描く豪華絢爛(けんらん)な時代劇が減少している。

テレビで放送されるテレビドラマと、テンセントなど中国発の配信プラットフォームを中心に配信されるウェブドラマでは、それぞれ検閲の基準が異なる。ウェブドラマはテレビよりも規制が若干緩和されており、描かれる題材の幅が広く、比較的若い世代に支持され、海外展開もしやすい傾向がある。そのようなバラエティーに富んだウェブドラマがWOWOWのラインナップを支えていたが、今後はより厳しい制限が課せられる傾向が予想され、中長期的なラインナップ戦略を立てづらい状況になっている。

その中で、アジアコンテンツ調達チームは、本国の配信プラットフォームとの直接のコンタクトや、中国SNS上の声などを通じて、現地の生の情報やトレンドを日々追いながら、タイムリーな形で日本の配給会社から作品を調達し、ドラマやドキュメンタリーなど、よりすぐりのコンテンツを日本独占初放送の形で視聴者に届けている。

9月21日から始まる「風起隴西-SPY of Three Kingdoms-」は、従来の三国志にないスパイ要素を入れ込み、あえて名もなき人物の視点から三国時代を描く新感覚の歴史サスペンスである。また、9月1日からは「尚食~美味なる恋は紫禁城で~」が好調にスタートしており、ロマンスと美食とサクセスストーリーが融合した宮廷ラブストーリーとなっている。

また、大ヒットしたグルメドキュメンタリー「風味巡礼」シリーズの最新作も、10月から日本初放送となる。アジアコンテンツは通常、放送権・配信権のみの購入がメインだが、本作は調達の段階から交渉を重ね、国内オールライツでの権利獲得をしている。WOWOWでの展開に加え、他メディアでの販売なども行い、事業収益獲得にも貢献していければと考えている。

そして、多様な放送ラインナップに合わせて、配信でも中国ドラマを楽しむことができる。日本初放送のタイトルに合わせて、同じ原作者の作品やシリーズの前作などの関連作も用意し、放送と配信の両方で楽しんでもらえるようなラインナップを組んでいる。今後もWOWOW中国ドラマをぜひ楽しんでもらえればと思う。


4. 今後の編成トピックス(田代常務)

【スペインサッカー ラ・リーガ 第9節 伝統の一戦クラシコ レアル・マドリードvsバルセロナ <10月15日(土)or16日(日)予定>】
スペインサッカー「クラシコ」を10月に生中継する。スペインが世界に誇る2つのビッグクラブであるバルセロナとレアル・マドリードの対戦は、「伝統の一戦クラシコ」と呼ばれ、世界中のサッカーファンが注目する試合となっている。第4節が終わって現在、首位がレアル・マドリード、2位はバルセロナとなっており、このまま行けば頂上決戦となる。
さらに、スペインサッカーでは、久保選手も強豪のレアル・ソシエダに移籍し、開幕戦から決勝点を決める大活躍を見せている。当社は今季も久保選手とWOWOWサッカー・イメージキャラクター契約を結び、久保選手が初めてのW杯を目指す挑戦を追うドキュメンタリーも制作する。

【吉田羊 Night Spectacles The Parallel ~ウタウヒツジ~ 25th Anniversary Special
<9月22日(木)、23日(金・祝)Billboard Live TOKYOで開催 9月23日(金・祝)19:30開演回イープラス「Streaming+」配信>】
俳優によるコンサート「Night Spectacles」をWOWOWが製作する。これは俳優自らが歌うコンサートで、有観客イベント収入とTVOD有料配信を組み合わせた収益獲得を目指す。現在、WOWOWオンデマンドではTVODのシステムを準備中のため、今回は外部のプラットフォームを使用しての配信となる。一般は3,500円だが、WOWOW会員は3,000円となる。2022年でデビュー25周年を迎えた吉田羊さんがシリーズ第1弾を飾り、9月9日にはスペシャルゲストも発表する。

【東レ パン パシフィック オープンテニス<9月19日(月・祝)~25日(日)連日生中継[第1日無料放送]>
楽天ジャパンオープンテニス<10月3日(月)~9日(日)連日生中継[第1日無料放送]>】
今年で37回目を迎える国内最大の国際女子テニストーナメントで、グランドスラムに次ぐ格付けである「東レ パン パシフィック オープンテニス」を9月19日から連日生中継する。また、日本で唯一開催される男子テニスATPツアー「楽天ジャパンオープン」も10月3日から連日生中継する。新型コロナウイルス感染症の影響により、2020年と2021年の東レおよび楽天は中止となったため、どちらも3年ぶりの開催となる。東レには全米オープンテニスに引き続き、大坂なおみ選手が出場する。楽天では、錦織圭選手の復活に期待が高まる。また、車いすの部では前回覇者の国枝慎吾選手も出場する。

【アクターズ・ショート・フィルム3 <2023年放送・配信>】
最後に、9月5日にリリースした「アクターズ・ショート・フィルム3」の監督5人が決定した。高良健吾さん、玉木宏さん、土屋太鳳さん、中川大志さん、野村萬斎さんという非常に豪華な顔触れとなっているため、期待してほしい。


5. 最後に(田中社長)


「連続ドラマW いりびと-異邦⼈-」が「日本映画テレビ技術協会MPTE AWARDS 2022」の映像技術賞(撮影部門および照明部門)を頂いた。東映京都の撮影技術者と照明技師による優れた技術がたたえられたことをうれしく思う。

また、今開催中のヴェネチア国際映画祭のXR部門に、WOWOW制作のVR演劇「Typeman」がノミネートされており、今まさにヴェネチアで来場した方に体験してもらっている。VR作品は3年連続ノミネートされている。今日紹介したドラマ、中国のクリエーター、また受賞した技術者もそうであるが、日ごろからWOWOWは外部のクリエーター、制作会社の方々、われわれプロデューサーがともに良質なコンテンツの制作をし、社会に送り出す作業を行っている。今後も引き続き良質なコンテンツを提供していきたい。

以上

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