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2022年11月定例会見要旨

11月17日(木)に定例記者会見を開催いたしました。概要は以下の通りです。

出席者:⽥中晃社⻑、⽥代秀樹常務、山本均常務、郡司誠致常務
制作部 片桐大輔チーフプロデューサー、太田慎也チーフプロデューサー、畑希亜良プロデューサー


1. ご挨拶(田中社長)


まず、報告として、WOWOWの作品が国内外の賞を受賞した。VR演劇という挑戦的な作品である「Typeman」が海外と国内で2つの賞を受賞した。第79回ヴェネチア国際映画祭でのPremio bisato d'oro 2022と、ルミエール・ジャパン・アワード 2022VR部門の準グランプリである。「連続ドラマW 正体」もMIPCOM BUYERS' AWARD for Japanese Drama 2022でグランプリを頂いた。また、国内ではドキュメンタリー作品「WHO I AM」が日本民間放送連盟賞を受賞した。
今年も残すところ1カ月半となり、本日が2022年最後の定例会見となる。厳しい事業環境が続いているが、その中でも本日は新しい取り組みを1つ、また、継続して発展させる取り組みを1つ紹介したい。


2. 加入分析(郡司常務)


10月は、クラシコやチャンピオンズリーグのグループステージがあったサッカーや、音楽コンテンツ、池井戸潤原作の「連続ドラマW シャイロックの子供たち」などが加入獲得の中心となったが、全体では3カ月ぶりに新規加入が5万件を切り3万2,000件となったことを受け、単月としては7月以来の純減となっている。一方で、7月にWOWOWオンデマンドのアプリケーションをリニューアルして以来、お客さまのオンデマンド利用時間が伸びてきているとともに、長期契約者の解約状況も引き続き落ち着いている状況である。
WOWOWオンデマンドについては、9月以降、お客さまの利用促進に向けてAmazon Fire TV上での加入導線を整備し、Apple TVや、最近ではプロジェクター「popIn Aladdin」にも対応した。また、テレビについても対応機種を増やしている。本日より地上波CMを中心に、配信サービスとしてのWOWOWオンデマンドの露出を高めていくため、ぜひご覧いただきたい。


3. プレゼンテーション(田中社長、田代常務、制作部 片桐大輔チーフプロデューサー、太田慎也チーフプロデューサー、畑希亜良プロデューサー)


田中社長)まず、アニメの新しい取り組みについて、片桐チーフプロデューサーより紹介する。


【片桐大輔チーフプロデューサー アニメ戦略について
「火狩りの王」2023年1月14日(土)午後10時30分より放送・配信スタート
WOWOW×ソニー・ピクチャーズ×米アニメ配信大手クランチロール、3社共同での大型オリジナルアニメ製作プロジェクトがスタート 第1弾:冲方 丁原作「ばいばい、アース」】

片桐チーフプロデューサー)オリジナルアニメの取り組みについて紹介する。まず、直近の作品として、長編作「永遠の831」を2022年1月に放送・配信した。オリジナルコンテンツの強化と、優れたクリエイターとの協業を目指し、アニメジャンルの開発に取り組んだ作品で、本作は神山健治氏が監督・脚本を担当し、視聴者からも高く評価いただいた。そして、2023年1月に放送・配信を開始する作品が「火狩りの王」である。本日は「火狩りの王」に加え、新たに展開する企画についても紹介したい。

「火狩りの王」は、100%当社の制作費で取り組む大型企画で、日向理恵子氏による長編ファンタジー小説原作のアニメ化となる。人類最終戦争後を舞台に懸命に生きる子どもたちが主人公であり、今の世界が直面している戦争、病、環境問題といった社会的なテーマを持ち、繊細な家族の絆、そして生きていくことの大切さを丁寧に描いた作品である。

制作スタッフ陣は、監督は「今日からマ王!」など数々のヒット作を手掛けている西村純二氏、構成・脚本は「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」など数々の名作を手掛けている押井守氏が担当している。今回、押井さん自身が1人で全話の脚本を執筆する初の作品であり、非常に力を入れて取り組んでいただいた。音楽については、「攻殻機動隊」や「イノセンス」の音楽を手掛けている川井憲次氏が参加している。アニメーションの制作は、神山健治監督の「ひるね姫~知らないワタシの物語~」などの劇場作品や、テレビシリーズなどを手掛けている、シグナル・エムディが当たっている。このように日本を代表するクリエイター陣が結集して、制作に取り組んでいる作品となる。

本日は、「火狩りの王」の制作中の設定資料を紹介したい。少女・灯子が暮らしている「紙漉きの村」の美術設定資料を見ると、村が枠で囲われている。この枠の外は、「炎魔」と呼ばれる魔獣のような危険な生物がはびこる世界で、人々は村から出られない状態で過ごしている。そして、人々は「回収車」と呼ばれている装甲車によって村から都市部などへ移動することになっている。村から出ると炎魔が襲いかかってくるため、危険な旅路になる。
このように迫力のある設定を起こすことが、アニメのクオリティーアップに大きな影響を与えるため、「火狩りの王」では設定資料の作成に力を入れている。全編を通して丁寧に、そして高いクオリティーで制作して、多くの視聴者の心に長く残るような作品を目指していきたい。また、この作品は海外市場に向けて広くセールスを実施し、しっかりとした収益確保にも努めている。

次に、「火狩りの王」に続く新たなアニメの取り組みについて発表する。
WOWOWはオリジナルコンテンツ制作において、これまで培ってきたクオリティーをさらにスケールアップさせ、かつ広く海外市場に向けた展開と収益の獲得を目指す。米国のSony Pictures Entertainmentの日本支社として「スパイダーマン」や「バイオハザード」などの配給を行っているソニー・ピクチャーズ エンタテインメントと、世界200以上の国や地域でアニメ配信サービスを行っているクランチロールとの3社にて、アニメ開発プロジェクトを展開することとなった。クランチロールは広告モデルによる無料配信のほか、有料配信等を通してアニメコミュニティを創出する世界最大級のプラットフォームである。

WOWOWでの放送・配信に加え、海外の展開においては3社が連携を図り、特にクランチロールによる北米市場における強力なプロモーションやセールスとともに、各国でゲームやグッズなどの二次利用の多角的な展開を行いつつ、体験型のコミュニティ施策なども行い、多くの視聴者に届けたいと思っている。

この3社共同製作プロジェクトの第1弾として、冲方丁原作のファンタジー小説「ばいばい、アース」のアニメ化が決定した。冲方さんは、直木賞ノミネートや本屋大賞ほか数々の賞を受賞し、実写化もされた「天地明察」の原作者であり、アニメ映画「マルドゥック・スクランブル」の原作・脚本、また、「攻殻機動隊 ARISE」シリーズの構成・脚本を務めるなど、幅広い分野で活躍されている。「ばいばい、アース」は魅力的なキャラクターや、大きな剣が飛び交う剣劇アクションとともに、冲方さんらしい重厚なストーリーが見どころの小説である。今回はそれらを余すことなく、迫力あるアニメーションとして表現していきたいと考えている。

各社がこれまで蓄積したノウハウや知見を生かしながら、オリジナリティーあふれるアニメ作品を全世界に向け展開していく。今後の3社のパートナーシップについて、ぜひ期待いただきたい。

田中社長)この取り組みに関する補足として、コンテンツ戦略担当の田代常務より説明する。

田代常務)WOWOWオリジナルアニメシリーズを定期的に制作して、WOWOWのお客さまをはじめ、海外番販を通して世界に発信していくことを決めたのは、コロナ前の2019年だった。いよいよ、その第1弾の「火狩りの王」の放送・配信が来年1月に決まり、感慨深く楽しみである。また、本日は「ばいばい、アース」共同製作を発表した。

日本アニメの海外番販は、これまで各社が重点を置いてきており、WOWOWは後発組となる。その中で、WOWOWオリジナルアニメの企画開発では有名なコミック原作のアニメ化にとらわれず、「火狩りの王」や「ばいばい、アース」のように、活字の小説を原作にしてアニメのキャラクターを作ることを戦略とした。日本アニメ界のトップクリエイターたちの創作能力を世界に発信したいと思う。さらに、WOWOWオリジナルアニメの世界観は、文明論やヒューマニズムといった深いテーマを視野に入れ、日本をはじめ世界のアニメファンが共感できるものにしたいと考えている。

また、オリジナルアニメシリーズの第3の企画開発も進んでいる。今後、ソニー・ピクチャーズ、クランチロールとは、単に海外番販の委託だけではなく、今回のような共同製作の形もあると考え、強固なパートナーシップを築いていきたいと思っている。

田中社長)オリジナルアニメ、およびソニー・ピクチャーズとクランチロールとの提携について、ぜひ支援いただきたい。

次に、「WHO I AMプロジェクト」の新シーズンについて、太田チーフプロデューサーと畑プロデューサーより紹介する。


【太田慎也チーフプロデューサー、畑希亜良プロデューサー:
WHO I AM パラリンピック(全3回) 2023年1月8日(日)午前10時スタート 
WHO I AM LIFE(全3回) 2023年1月29日(日)午前10時スタート】

太田チーフプロデューサー)「WHO I AM」シリーズについて、これまでの活動実績と、今後の展開について説明する。
WOWOWでは2016年から、国際パラリンピック委員会(IPC)との共同プロジェクトとして、「パラリンピック・ドキュメンタリーシリーズ WHO I AM」の制作を続けてきた。世界中のパラリンピアンのドキュメンタリーを、これまで足掛け6年間で、25カ国40組のアスリートの物語を制作し、国内外で多くの評価を頂くことができた。
2018年のシーズン2は国際エミー賞にノミネートされ、ABU賞(アジア太平洋放送連合賞)テレビ・スポーツ部門 最優秀賞を受賞したほか、海外の賞にもノミネートされた。また、先日には日本民間放送連盟賞の優秀も受賞することができた。同賞は、これまでシリーズとして4度受賞している。

このシリーズは放送して終わりではなく、広く社会に向けて発信して、多様性を認め合う未来社会に貢献すべく、さまざまなプロジェクト活動にも取り組んできた。核となるのは、「パラリンピック・ドキュメンタリーシリーズ WHO I AM」というドキュメンタリーシリーズである。これを無料で配信して、1人でも多くの方にご覧いただける形にしたり、学校や教育機関で講義・講演したりなど、さまざまな展開を行ってきた。
例えば、「WHO I AM」シリーズに登場した世界中の金メダリストやトップアスリートを東京に招き、実際にスイミングスクールでのレッスンや、小学校に一緒に行ってランニングクリニックを行った。また、「WHO I AM」の映像が全国の小学校、中学校、高校、特別支援学校の全ての学校に映像教材として無償配布されている。その他、トークイベントも実施してきた。

そして、さまざまな企業ともコラボレーションした実績がある。例えば、トヨタ自動車とは、チェアスキーヤー、アルペンスキーの森井大輝選手の特別映像を共に制作し、トヨタ自動車から発信を行っていただいた。集英社とは、書籍やコミックの形で力添えをいただいている。また、東京ガスとは、昨年の東京オリンピック・パラリンピック期間中、大会会場の近くの豊洲エリアに「WHO I AM HOUSE」という施設を竣工し、一般オープンしてイベントや展示会を行った。

また、WOWOWオリジナルの「WHO I AM」発のユニバーサルスポーツイベントとして、性別、年齢、国籍、障害の有無も問わず、誰もが参加できる運動会のような形で、「ノーバリアゲームズ」というイベントを2019年に立ち上げた。2020年は新型コロナウイルスの影響で開催ができなかったが、2021年は豊洲で第2回を開催し、これからも大切に育てていきたいイベントとなっている。
2016年から2021年まで6年間実施してきて、アスリートの皆さんがいろいろなパフォーマンスや生き様を見せてくれたことを受け、今度は社会に暮らす私たち一人一人の番だということで、東京大会が特別なことなのではなく、ある種当たり前のこととして、このシリーズが続くことが大事だと考えた。

これまではパラリンピックアスリートに6年間フォーカスしてきたが、取材を進めるうちに、われわれ自身がもっと広い領域に挑戦したいと思うようになった。もちろんWOWOWだけで社会に対して発信していくには限界もあるが、同じ思いを持つ企業、地域、団体、教育機関の方々とコラボレーションすることで、より多くの人に思いが届き、ムーブメントとして継続、持続的なものになるのではないかと考え、これからもシリーズを続けることとなった。新シーズンの詳細については、畑プロデューサーより説明する。

畑プロデューサー)2016年から続いてきた「パラリンピック・ドキュメンタリーシリーズ WHO I AM」は、今シーズンから「ドキュメンタリーシリーズ WHO I AM パラリンピック」と「ドキュメンタリーシリーズ WHO I AM LIFE」の2ラインに分かれ、パワーアップして継続することが決定した。

■「ドキュメンタリーシリーズ WHO I AM パラリンピック」
番組ナビゲーターおよびナレーターは、これまでのシリーズと同様に西島秀俊さんに継続して務めていただくことが決定した。ラインナップは、昨年開催された東京パラリンピックのメダリストである3名のアスリートになる。中でも、日本からは鳥海連志選手が登場する。鳥海選手は車いすバスケットボール男子日本代表として活躍し、東京2020パラリンピックにおいて銀メダルを獲得、同大会でファンが選ぶMVPにも選出された。

■「ドキュメンタリーシリーズ WHO I AM LIFE」
スポーツの枠を超えて、アーティストや作曲家など多彩なラインナップの3名が登場する。中でも、「バイオニック・ポップ・アーティスト」という肩書を持つヴィクトリア・モデスタは、ラトビアに生まれ、現在ロサンゼルスを拠点に活動しているモデル、シンガー、クリエイターである。自身の義足をアートに変えて、その身体性とテクノロジーを通し、まさにバイオニック・ポップな表現活動を行っている。今週末には日本のステージでのパフォーマンスも予定しており、昨日リハーサルを拝見したが、本人の芯の強さが見える力強いパフォーマンスがとても印象的で、ぜひこの番組を通して彼女の魅力を伝えたいと思っている。

さまざまなバックグラウンドを持つアスリート、アーティストにフォーカスし、よりパワーアップしたドキュメンタリー番組を届けたい。「WHO I AM パラリンピック」は2023年1月8日、「WHO I AM LIFE」は2023年1月29日の放送・配信を予定している。ぜひ期待してほしい。


田中社長)「WHO I AMプロジェクト」は、世界のトップアスリートなどのドキュメンタリーを制作して放送・配信するだけではなく、多様性が尊重される寛容な社会の実現に向けた活動全体のプロジェクトとして取り組んでいる。引き続き、さまざまな企業、あるいはパラスポーツ団体や地方自治体、およびメディアの方々などと連携して、共に取り組んでいきたいと計画しているため、随時、決定事項を報告したいと思う。


4. 今後の編成トピックス(田代常務)


【フェデラー生出演! WOWOWテニススペシャル ありがとう、ロジャー・フェデラー 11月19日(土)午後1:00~午後6:00】
9月のレーバーカップで永遠のライバル、ナダルとダブルスを組んで現役最後の試合を行い、その引退セレモニーが大きな感動を呼んだ、テニス界のスーパーレジェンドであるロジャー・フェデラーの特別企画を、11月と12月の2カ月連続でお届けする。その第1弾として、11月19日に有明コロシアムで行われるユニクロ主催のイベント「UNIQLO LifeWear Day Tokyo 2022with Roger Federer」にあわせて、フェデラーの偉業を振り返る5時間の特別番組「WOWOWテニススペシャル ありがとう、ロジャー・フェデラー」を生放送でお送りする。番組では、WOWOWテニスアンバサダーの伊達公子さんをスタジアム内の特設スタジオに迎えて、フェデラーの名勝負を振り返るとともに、イベントの様子も生放送する。イベント終了後にはフェデラーがWOWOWの特設スタジオに来てくれるため、フェデラーが日本のファンにどのようなメッセージを語るのか楽しみである。12月には名勝負選13試合や、関連ドキュメンタリーをお届けする。

【LPGA女子ゴルフツアー 2023最終予選会 <ライブ配信> Week1:12月1日(木)~ 4日(日) Week2:12月8日(木)~11日(日)<ダイジェスト版放送>  12月12日(月)午後11:00】
LPGA女子ゴルフツアー2023シーズンの出場権を懸けて行われる最終予選会(Qシリーズ)を、WOWOWオンデマンドにてライブ配信、ダイジェスト放送する。この最終予選会は、世界のトップを目指す選手たちが翌シーズンの出場権を懸けて2週にわたり戦うもので、上位通過者ほど出場機会を得られる。昨年は渋野日向子選手、古江彩佳選手が挑戦し、その奮闘の模様をWOWOWで配信して大変好評を頂いた。今回は、日本から国内ツアー通算7勝を挙げている勝みなみ選手と、国内ツアー通算6勝の西村優菜選手が出場する。WOWOWでは2人のプレーに密着するため、期待してほしい。

5.最後に(田中社長)


本年最後の会見となり、コロナ禍も3年目が終わろうとしている。この3年で人々の暮らし、働き方、コミュニケーションの取り方が変わり、エンターテインメントの世界でも非常に大きな変化が起こった。コンテンツを楽しむ手段が劇的に多様化し、それとともにコンテンツの量も劇的に増えた。エンターテインメントに費やす時間やお金の使い方なども一気に変わったと実感している。
その中で、本日はWOWOWの新しい取り組み、そして継続したサスティナブルな取り組みを紹介した。変わるべきところは変え、守るべきところは守ることで、視聴者の心に届くコンテンツ、隙間時間ではなく濃密な時間を味わうコンテンツ、そして視聴だけでなく参加、応援といった体験価値を提供することに、これからも創意工夫を発揮していく所存である。

以上

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