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  • 2023.01.13
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2023年1月定例会見要旨

1月12日(木)に定例記者会見を開催いたしました。概要は以下の通りです。

出席者:⽥中晃社⻑、⽥代秀樹常務、山本均常務、郡司誠致常務
ドラマ制作部プロデューサー 高江洲義貴、コンテンツ戦略部WOWOWプライムデスク 仁藤慶彦


1. ご挨拶(田中社長)


まず、「連続ドラマW いりびと-異邦人-」が、令和4年度の第77回文化庁芸術祭テレビ・ドラマ部門で優秀賞を受賞した。絵画作品群の見事な仕上がりと、それに見合った美術、照明、撮影、編集の連携による繊細な映像演出の説得力によって、独創的な表現に到達したことが受賞理由として挙げられている。WOWOWはクオリティーに強くこだわってオリジナルドラマを作り続けているため、このような評価を頂き、大変うれしく誇らしく思う。
次に、第95回アカデミー賞の歌曲賞ノミネートの最終候補に、WOWOW共同制作作品『Tell It Like A Woman(原題)』の主題歌「Applause」が選出された。この作品は、女性の社会問題をテーマにした7つの短編からなるアンソロジー映画であり、各国を代表する女性監督が実力派女優と紡ぎ出すヒューマンストーリーである。7つの短編のうち、『私の一週間』の製作、企画、プロデュースをWOWOWが行った。対象となる楽曲は、ダイアン・ウォーレンさんが作詞と作曲を手掛け、ソフィア・カーソンさんが歌唱している。、『私の一週間』の監督は呉美保さん、主演は杏さん、プロデューサーはWOWOWの鷲尾賀代。1月24日(現地時間)に最終的にノミネートされる5作品が発表される。


2. 加入分析(郡司常務)


11月はラグビーテストマッチオータム・ネーションズシリーズや、氣志團万博、back number、SEKAI NO OWARIなどの音楽ライブ、そして12月は超特急、ATEEZ、[Alexandros]などの音楽ライブ、スポーツにおいてはボクシングが新規加入に貢献した。しかし、11月、12月ともに新規加入を大きくけん引するコンテンツがなく、全体として新規加入が3万件台にとどまり、正味加入件数は純減となっている。解約については目的番組視聴後の解約が高まり、特に配信において、チャンピオンズリーグの中断期間による解約増が発生している。
今後、正味加入件数の年度目標を達成するために、第4四半期において強力なコンテンツをラインナップする。1月のTHE LAST ROCKSTARSのデビューライブを筆頭に、音楽、スポーツ、ドラマ、アニメといったWOWOWの強みである幅広いジャンルで、多くのお客さまに楽しんでもらいたい。


3. プレゼンテーション(田中社長、田代常務、ドラマ制作部 高江洲義貴プロデューサー、コンテンツ戦略部 仁藤慶彦WOWOWプライムデスク)


田中社長)第4四半期に強力なコンテンツをラインナップしており、本日はその中から、特にWOWOWらしい話題の2作品を紹介したい。まず、3月に放送開始となる「連続ドラマW フェンス」について、高江洲プロデューサーより紹介する。

【ドラマ制作部 プロデューサー 高江洲 義貴
「連続ドラマW フェンス」 3月19日放送・配信スタート ※第1話無料放送(全5話)】
高江洲プロデューサー)3月19日より放送・配信スタートする「連続ドラマW フェンス」は、「アンナチュラル」や「MIU404」といった社会的テーマを内包した意欲的なオリジナルドラマを多数手がける、日本脚本家界のトップランナーである野木亜紀子さんの待望の新作連続ドラマである。

物語は、東京の雑誌ライターであるキーが、沖縄で米兵による性被害を訴えるブラックミックスの現地女性、桜のもとに取材に向かうところから始まる。桜の供述には不審な点も多く、キーは沖縄県警の伊佐の協力を得ながら事件の真相を調べていく。桜の言う性被害事件は本当に実在したのか、または基地反対運動を盛り上げるためのうその供述なのかが物語のポイントとなり、キーが真相にたどり着いた時、沖縄が抱える絡み合った複雑な事情が浮かび上がってくる。基地問題や性被害問題など、さまざまな社会的テーマを盛り込んだ、まさに野木さんらしいクライムサスペンスエンターテインメントとなっている。

主演として、日本アカデミー賞の受賞経験もある松岡茉優さんがキーを演じる。そして、桜を演じるのは、オーディションで起用された宮本エリアナさんである。彼女はブラックミックスであり、2015年にミスユニバース日本代表にも選ばれた。主題歌には沖縄出身のヒップホップアーティストであるAwichさんが沖縄本土復帰50年を記念して作った「TSUBASA feat. Yomi Jah」を採用した。また、2022年に『竜とそばかすの姫』で日本アカデミー賞最優秀音楽賞を受賞した岩崎太整さんのプロデュースの下、沖縄出身・在住の4名のアーティストが劇伴音楽を制作している。さらに、総勢50名を超える沖縄出身俳優もキャスティングし、1カ月に及ぶ沖縄ロケを敢行するなど、随所に沖縄のエッセンスが込められた作品となっている。

これまでもWOWOWは社会問題を扱ったドラマを多く制作しており、そのDNAが間違いなく本作にも流れている。現在進行形の沖縄の基地問題をドラマという形で表現したものは、これまでなかったと思う。基地問題、地位協定、性被害問題は描くことが臆されるテーマであり、多くの人々が目を向けてこなかった題材である。だからこそ描くべきであり、そこに果敢に挑めたのは、社会的テーマをエンターテインメントの力で発信していくというWOWOWが培ってきた強さや力があったからだと感じている。また、主人公の1人にブラックミックスである宮本エリアナさんをキャスティングできたことも先駆的であり、WOWOWだからこそ挑戦できた大変意義あることだと感じている。

実は私自身も沖縄県宜野湾市普天間の出身であり、基地があって当たり前の環境で育ってきた。至る所に基地と沖縄を区分するフェンスがあり、戦闘機やヘリが爆音を鳴らして空を飛び交う環境である。大学進学で上京し、それが当たり前でなかったことに気付き、いつかこの仕事を通して沖縄の現在をテーマにしたドラマを作りたいと願っていた。そして、本作のプロデューサーであり、沖縄で報道記者の経験も持つNHKエンタープライズの北野さんと縁あって出会うことができ、本企画が動き出した。初めて野木さんが書いたプロットを読んだ時、私は感動とともに非常に感謝したことを覚えている。沖縄にあるさまざまな問題をエンターテインメントの力で多くの人に発信するという野木さんの覚悟と優しさに、沖縄人、ウチナンチュウとして本当に感謝している。何としてもこの作品を映像化することを自らの使命として、ここまでまい進してきた。

本作は政治的メッセージを伝えたいわけではない。描いているのは沖縄の現在であり、沖縄で生きるさまざまな立場の人たちである。膨大な取材を基に、それを可能な限り実現した。今そこにある問題に苦しむ人も、戦っている人もいる。しかし、それは沖縄に限ったことではなく、社会的な問題の下には必ずそのように生きている人たちがおり、そのような人たちに思いをはせ、考えることが諸問題の解決につながるはずだと考えている。一人でも多くの方に本作を見ていただき、そのきっかけになればと思う。


田中社長)難しいテーマだが、高江洲プロデューサーの強い意志によって作品に結実することとなった。高江洲プロデューサーにかかわらず、本作に関わった人たち全員が、沖縄にある様々な問題をテーマにした作品をどう扱うか、どう演じるかについて非常に悩み、いろいろな方の意志が詰まってこの作品が出来上がっている。本作の成立を推進した田代常務からも一言述べる。

田代常務)私は沖縄出身ではないが、このドラマに対する想いがある。沖縄の面積は日本国土の0.6%だが、そこに日本の米軍基地の70%が集中している現実は変わっていない。沖縄の人たちは自分たちを「ウチナンチュウ」と呼び、本土の人のことを「ヤマトンチュウ」と呼ぶ。1995年にアメリカ兵による少女暴行事件が発生し、大きな県民大会が開かれた際、私は前の会社で報道局に勤めていたため、実際に何度かフェンスの内側の米軍基地に入って取材を行うとともに、多くのウチナンチュウの人の声を聞いた。ウチナンチュウの人は、自らの力だけではとても解決できない米軍基地問題をヤマトンチュウの人にも共有してほしいと思っている。私自身も含め、ヤマトンチュウの人に何かしらの気付きが生まれるドラマになることを期待している。

田中社長)
WOWOWの強い意志を込めた作品であるため、ぜひ取材をして広めていただければと思う。次に、「アクターズ・ショート・フィルム3」について、仁藤デスクより説明する。

【WOWOWプライムデスク 仁藤慶彦  「アクターズ・ショート・フィルム3」 2/11(土・祝)午後8時 放送・配信】
仁藤デスク)WOWOW開局30周年企画として2021年1月にスタートした「アクターズ・ショート・フィルム」は、今回で3年目の第3弾となる。「アクターズ・ショート・フィルム」は、5人の人気俳優がショートフィルムの監督に挑戦し、アジア最大級の国際短編映画祭である「ショートショートフィルムフェスティバル&アジア」のグランプリを目指す企画である。独自のルールを設けており、尺は25分以内、制作費と撮影日数は全作共通とし、原作物がない完全オリジナルの脚本、および監督本人が出演するという4つの規定に沿ってショートフィルムを作る。

「ショートショートフィルムフェスティバル&アジア」を目指す理由について、このアワードは俳優の別所哲也さんが主催しており、グランプリになれば、翌年の米国アカデミー賞短編実写部門にノミネートされることになっている。このアワードからアカデミー賞を受賞した2作品として、『The Phone Call/一本の電話』を2月6日に、『Sing/合唱』を2月7日にWOWOWプライムで放送する。実際にアカデミー賞作品が出ているため、"可能性はゼロではない"を合言葉に、本気で海外を目指している企画である。これまで2回実施してきたが、残念ながらまだグランプリは取れていない。ただ、2022年の第2弾で制作した千葉雄大監督の作品『あんた』は、その年の最優秀俳優賞に当たる「ベストアクターアワード」を受賞した。主演の伊藤沙莉さん、監督の千葉雄大さん共に非常に喜んでおり、道筋も見えてきたと思っている。

第3弾の監督は、高良健吾さん、玉木宏さん、土屋太鳳さん、中川大志さん、野村萬斎さんの5名である。下は24歳、上は56歳と、幅広い年齢層の方々が集まった。各作品のキャストには、染谷将太さん、林遣都さん、有村架純さん、井之脇海さん、窪田正孝さんなど豪華キャストがそろっている。土屋太鳳さんは監督、脚本、主演を務め、ダブル主演として有村架純さんが出演するが、2人はプライベートでも非常に仲が良いものの共演したことがなく、この作品が初共演となる。まさに俳優同士の共鳴があってこそなし得ることであり、これが「アクターズ・ショート・フィルム」の醍醐味だと思っている。また、5作品のうち2作品でダンスシーンが登場し、野村萬斎さんの能の舞、土屋太鳳さんのコンテンポラリーダンスが非常に重要な意味を持つ見どころとなっている。

「アクターズ・ショート・フィルム3」は2月11日の午後8時からWOWOWプライムで放送し、WOWOWオンデマンドで配信する。


田中社長)第1回の「アクターズ・ショート・フィルム」の時は継続するシリーズになるか分からなかったが、回を重ねるたびに豪華な顔ぶれが集まるようになった。それぞれ短編でアカデミー賞短編実写部門を目指しており、監督の立場としては新人監督である。その可能性と才能に注目してほしい。また、いずれは短編ではなく、日本のクリント・イーストウッドが生まれることを個人的に期待している。


4. 今後の編成トピックス(田代常務)


田代常務)まず、来週からテニスの全豪オープンが始まるが、大坂なおみさんはご懐妊に伴い欠場となる。来年の全豪オープンテニスには戻ってくるとのことなので、楽しみに待ちたいと思う。

【WOWOWオリジナルアニメ「火狩りの王」 1月14日(土)午後10時30分より放送・配信】
2022年11月の会見で紹介したWOWOWオリジナルアニメ「火狩りの王」が1月14日から放送開始となる。児童文学小説が原作であり、主人公の灯子が回を追うごとに成長していく姿が見どころとなっている。

【「UEFAチャンピオンズリーグ」決勝トーナメント現地2月14日(火)開幕 決勝戦まで全試合を独占生放送・ライブ配信】
サッカーについては、欧州最強クラブを決めるUEFAチャンピオンズリーグの決勝トーナメントが2月から開幕する。ワールドカップの余韻も残る中、ワールドカップで活躍した多くの選手が出場する。今季は決勝トーナメントの1回戦で、去年の決勝カードであるプレミアリーグのリヴァプールと、ラ・リーガのレアルマドリードの試合が実現する。また、ワールドカップで世界にその実力を見せつけたメッシ、そしてエムバペを擁するパリ・サンジェルマンが、ドイツの強豪バイエルンと対戦する。サムライブルーの選手では、フランクフルトの鎌田選手が、イタリアのナポリとの試合に出場する。また、UEFAヨーロッパリーグにおいても、多くの日本人選手が出場する。2月の決勝トーナメントプレーオフには守田選手および南野選手の所属チームが出場する。堂安選手、久保選手、冨安選手の所属クラブは既にベスト16を決めており、3月からのベスト16の試合に出場する。

【生中継!第65回グラミー賞授賞式(R) 2月6日(月)午前9:00 放送・配信】
グラミー賞を今年は日本時間の2月6日に独占生中継する。今回もジョン・カビラさんとホラン千秋さんがMCを務める。前回に「Butter」で最優秀ポップ・パフォーマンスにノミネートされたBTSは、再び2部門でノミネートされ、3年連続3回目のノミネートとなり、初受賞となるかが注目されている。BTSのJINさんは韓国軍に入隊しており、どのような形でグラミー賞に登場するかも注目される。さらに、ビヨンセとアデルの女王対決や、テイラー・スウィフトとハリー・スタイルズなど、大物アーティストが主要部門にノミネートされている。また、本日の定例会見では情報を解禁できないが、グラミー賞にふさわしい日本のアーティストがレッドカーペットリポートを行う。詳細は後日発表する。

【生中継!THE LAST ROCKSTARS Live Debut 2023 Tokyo - New York - Los Angeles 1月27日(金)午後7:00 放送・配信】
最後に、日本のロック界を代表するレジェンドアーティストであるX JAPANのYOSHIKIさん、L'Arc~en~CielのHYDEさん、LUNASEAおよびX JAPANのSUGIZOさん、侍ギタリストの異名を持つMIYAVIさんが結成したスーパーバンド、THE LAST ROCKSTARSの伝説の幕開けとなるライブを、WOWOWが生中継で独占放送・配信する。「NHK紅白歌合戦」でそのベールを脱ぎ、圧倒的なオーラだった。中継映像はWOWOWのグループ会社であるWOWOWエンタテインメントが制作する。WOWOWエンタテインメントは多くのライブ映像を手がけており、今回も非常に気合が入っている。担当プロデューサーであるWOWOW音楽部の丸山からは、「4人ともライブに定評のあるロック界のレジェンドであり、このメンバーが起こす化学反応によって、とてつもないパフォーマンスになると思う。生中継の見どころとして、WOWOW音楽ライブ収録・制作のノウハウを結集し、総力を挙げて収録に臨む。有人カメラを30台以上投入し、音楽ライブ映像の撮影にたけているカメラマンをはじめとした制作技術スタッフが集結する。カメラ本体やレンズ、クレーン等の機材にも徹底的にこだわり、圧倒的な映像美で番組を届ける」とのコメントが寄せられている。ライブは1月27日の午後7時から生中継する。


5.最後に(田中社長)


厳しい事業環境は続いているが、お客さまのニーズに合わせ、変えるべきことは迅速に変えるべく取り組んでいる。一方でWOWOWの使命であるクオリティーの高いコンテンツを提供し続けることは一歩も譲ることなく、変わりなく続けていきたいと思っている。
第9回WHO I AMフォーラムを1月27日18時から有楽町朝日ホールで開催する。司会は松岡修造さん、他に自閉症の作曲家のマイケル・ハウウェルさん、パラリンピック車いす陸上金メダリストの伊藤智也選手、「WHO I AM」のナビゲーター&ナレーターでおなじみの西島秀俊さんが参加される。恒例の「ノーバリアゲームズ」は3月に実施すべく準備中である。ぜひ参加をお願いしたい。

以上

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