5月31日(水)に定例記者会見を開催いたしました。概要は以下の通りです。
出席者:田中晃社長、山本均常務、田代秀樹常務、横山誠一執行役員、西川直之音楽部長
まず、「連続ドラマW フェンス」が、モンテカルロ・テレビ祭のゴールデンニンフ賞にノミネートされた。また、国内のギャラクシー賞にて4月の月間賞を受賞した。先般の会見にてプロデューサーが熱弁を振るった後、メディアの皆さまに取り上げていただいたおかげもあり、このような賞を頂けたと思っている。改めてメディアの皆さまに感謝を申し上げる。
また、その後も原作のないオリジナルドラマが続いている。7月にSeason 2が開始する「連続ドラマW フィクサー」も好評いただいているので、どうぞ引き続き取り上げていただければと思う。
4月の加入状況について、新規加入は3万3,632件、解約は5万4,531件となっている。昨年度と比較して大型コンテンツがなかったこともあり、新規加入が若干伸び悩み、正味加入件数は約2万件の減少となった。
しかし、新規加入においては、コンテンツ面でスポーツが好調であり、現在チャンピオンズリーグおよびヨーロッパリーグ決勝トーナメントを放送・配信しているサッカーや、日本人選手のタイトルマッチがあったボクシングによって新規加入を獲得している。
また、オリジナルドラマにおいても、4月に開始した唐沢寿明さん主演の「連続ドラマW フィクサー」が大変好評で、3月に開始した「連続ドラマW フェンス」も、放送後に大きな反響があった。4月も引き続きWOWOWオンデマンドでの一挙配信を行っており、新規会員だけでなく、既に加入している会員も含め、非常に多くのお客さまに視聴いただいている。
マーケティング面では、会員向けに、普段見ることができないライブ前のリハーサル観覧を実施したほか、6月に生中継を控えている東方神起のライブへの招待などを実施する。現在、非常に多くの方に応募いただいている状況であり、このようなWOWOWにしかできない体験を提供することで、お客さまとのエンゲージメントをより一層高める取り組みを実施していく。引き続き会員の方々には、視聴だけではなく、WOWOWだからこそできるプラスアルファの体験を提供していきたいと思っている。
さらに、新たな取り組みとして、WOWOWオンデマンドは通常IDとパスワードが必要だが、IDおよびパスワードが不要で、ログインすることなく無料視聴できるエリアを設置した。その最初のコンテンツとして、現在全仏オープンテニスが絶賛放送・配信中だが、1回戦が行われた5月28日から30日の3日間で、このエリアを活用した施策を実施した。クレーでのテニスの魅力を無料で視聴いただくことで、2回戦以降への興味・視聴喚起を行っている。
田代常務)WOWOWでは23年度の事業計画方針として、「会員ファースト」、「独自性の追求」という2つの柱を挙げている。独自性の追求には外部の優秀なクリエイターの力が欠かせず、多くのクリエイターの力によって、他にはないWOWOWらしさが形作られている。その感謝の気持ちを込め、当社オリジナルコンテンツの制作に際し、チャレンジ精神あふれる企画への取り組み、あるいは卓越した企画の成立に貢献した優秀なクリエイター、プロデューサー、ディレクター、技術者個人を選出する表彰制度「WOWOWクリエイターアワード」を2021年に設立し、今年で3回目を迎えた。
第3回は2022年度に放送・配信されたタイトルが選考の対象となっている。最優秀賞が1人、優秀賞が3人となり、受賞者数は過去2回と同様である。各賞の受賞者を発表する。
●最優秀賞 「連続ドラマW フェンス」 脚本:野木亜紀子
●優秀賞 「異世界居酒屋「のぶ」Season2、Season3」 監督/脚本:品川ヒロシ
●優秀賞 「ブロードウェイミュージカル『ジャニス』」 総合プロデューサー:亀田誠治
●優秀賞 「フジコ・ヘミング ソロコンサート "COLORS" ~色を付けるように弾く~ presented by WOWOW」 映像監督/コンサート演出:小松莊一良
※優秀賞は初回放送日順
田代常務)どの作品もWOWOWオリジナルとなっている。
選考理由はプレスリリースに記載しているため、記事にする際はプレスリリースを参照いただきたい。
私から受賞者についてコメントを述べさせていただく。
まず、品川ヒロシさんに関しては、「異世界居酒屋「のぶ」Season1」から「Season3」にわたって1人で脚本および監督を全うし、そのサステナブルなクリエイティブパワーに脱帽した。また、一つ一つの料理を実においしそうに撮影した映像執念に感服している。例えば、天ぷらを揚げるシーンでは、透明なアクリル板に熱々の油を入れ、あらゆる角度から何度もカメラを回していた。6月放送の次回作、「連続ドラマW-30 ドロップ」では究極のヤンキースピリッツを描いているため、こだわりの映像に期待してほしい。
次に、亀田誠治さんに関して、「ブロードウェイミュージカル『ジャニス』」は非常に魂を揺さぶられる作品だった。アイナ・ジ・エンドさんの会場の空気を切り裂く澄みきった真っすぐな歌声が、観劇した後も頭の中で響き続ける素晴らしいミュージカルだった。
小松莊一良さんには、御年90歳になるフジコ・ヘミングさんの華麗な手さばきを、美しく、たくましく撮影していただいた。その中でも、作曲家のリストが作った「ラ・カンパネラ」は、まるで鍵盤が生きているようであり、見事な演出だと感じた。
そして、最優秀賞の野木亜紀子さんについて、沖縄の基地問題はノンフィクションにおいて多くの作品が作られてきたが、この難しいテーマをドラマという形に昇華させた。その筆の力は素晴らしく、ノンフィクションでは描けないシーンをドラマで表現することで真実に近づいていくという、まさにエンターテインメントの力を再確認した作品となっている。
最優秀賞を受賞した野木さんから、受賞コメントを頂いている。
野木亜紀子さんコメント)WOWOWクリエイターアワードの最優秀賞を頂き、感謝申し上げる。「フェンス」は沖縄を舞台にしたクライムサスペンスだが、実際にこのドラマをどこで作るかについて、企画成立まで非常に時間がかかった。しかし、WOWOWおよび沖縄県普天間出身の高江洲プロデューサーのおかげで何とか成立にこぎ着け、沖縄で報道記者をしていた北野プロデューサーも加えて3人4脚で脚本を作り上げた。今回、それが評価されて最優秀賞となり、私は全員で獲った賞だと思っている。本当に私たちが作りたいものを作らせてもらった。また、世界に通用するドラマを目指して作ったが、モンテカルロ・テレビ祭のゴールデンニンフ賞にノミネートされたとのことで、日本からWOWOW発で世界に羽ばたくドラマがより増えればと思っている。そして、私自身もそれを目指して今後も作品を作っていきたいと思う。
田代常務)世界最高峰のサッカーリーグであるチャンピオンズリーグの決勝が、日本時間6月11日にトルコのイスタンブールで行われる。WOWOWは、マンチェスター・シティとインテルの対戦を生中継する。決勝では初対戦となるが、マンチェスター・シティが優勝すれば悲願の初優勝となり、インテルが優勝すれば13年ぶりの優勝となる。なお、チャンピオンズリーグの2023ー24シーズンについても、グループステージから決勝までWOWOWが独占放送・配信し、WOWOWオンデマンドでは全試合をライブ配信する。
また、スペインリーグのラ・リーガで4位となったレアル・ソシエダが、チャンピオンズリーグに出場することが決定した。レアル・ソシエダには久保選手が所属しているため、チャンピオンズリーグでの久保選手の活躍にも期待したい。
また、現在放送・配信中の全仏オープンテニスも非常に熱い展開となっているため、是非応援をお願いしたいと思う。
続いて、WOWOWの音楽コンテンツの取り組みについて、西川音楽部長から説明する。
西川音楽部長)音楽コンテンツの取り組みとラインアップについて
【生中継!東方神起 LIVE TOUR 2023 ~CLASSYC~ in 東京ドーム 6/25(日)午後3:55】
まず、東方神起との取り組みについて紹介する。
所属事務所の中で日本国内トップクラスのファンクラブ会員数を誇り、WOWOWのお客さまとも親和性の高い東方神起が、今年2月より全16公演のツアーを展開してきた。WOWOWでは、6月に予定されている東京ドームでの追加公演を生中継し、それと前後する形で、3月から8月にかけて中長期にわたる特集編成を放送・配信する。
3月と4月では、最新ツアーライブ映像の一部、および日本デビュー当時に楽曲を数多くプロデュースした松尾潔さんとの対談を前編・後編に分けて放送した。5月には、選りすぐりの過去ライブ映像をお届けし、6月25日にはいよいよ東京ドームのライブを生中継する。その後も、8月にはライブダイジェストとインタビューを併せてお送りする予定である。また、弊社のゴルフコンテンツであるLPGA女子ゴルフツアー2023シーズンのテーマソングとして、1年を通じて楽曲のタイアップも行っている。
東方神起との取り組みは、コンテンツの放送や配信だけにとどまらない。WOWOWは会員ファーストを掲げているが、音楽現場においてもその志を具体化すべく、アーティストおよび所属事務所の皆さまからの多大なるご理解とご協力の下、プロデューサーたちがさまざまな施策を実施している。
今回のツアーでは、会場のうち4会場でWOWOW会員とのタッチポイントを設けた。具体的には、弊社ブースにお越しのお客さまに抽選会を実施し、東方神起のフォトカードをプレゼントしている。また、ライブ本番前の会場リハーサル風景が見学できる観覧にWOWOWのお客さま100名を招待した。これは東方神起においても史上初となる超プレミアム体験であり、非常に多くの応募があった。招待したお客さまからは感謝の声を頂いている。
6月以降も、引き続きお客さま満足度を向上するための施策を実施していく。追加公演の大阪および東京会場でもブース運営を行い、新しいプレゼントを用意してお客さまの来場をお待ちしている。
また、WOWOWプログラムガイド6月号の表紙にて、東方神起の撮りおろし写真を掲載しており、お客さまからも好評いただいている。なお、プログラムガイドで掲載しきれなかったインタビューと写真は、WOWOW公式のメディアプラットフォーム「note」で公開している。その他、6月の生中継に向けて、ライブ会場周辺を中心に屋外広告なども実施する予定となっている。
【B'z × WOWOW 35th Anniversary 特集】
今年6月から5年ぶりとなる全国大型ツアー「B'z LIVE-GYM Pleasure 2023 -STARS-」を敢行されるが、本ツアーならびに35周年を盛り上げるアニバーサリー企画を実施する。WOWOWでは、1991年から現時点で最新とされるライブ映像をセレクトし、5月から8月の4カ月連続で放送・配信する。今後も35周年を盛り上げる企画や、お客さまに喜んでいただける企画なども並行して検討しているため、引き続き期待してほしい。あわせて、音楽サイトの「音楽ナタリー」において、ライターによるコラム連載企画を5月から開始しているため、番組の放送・配信と併せて、関連企画にもご注目いただきたい。
【今後の音楽番組ラインアップ】
●BABYMETAL BEGINS - THE OTHER ONE - BLACK NIGHT 6/26(月)午後8:00/CLEAR NIGHT 7/29(土)午後9:00
4月に開催されたBABYMETALの2デイズ公演を6月と7月に連続放送
●吉田拓郎 Live at WANGAN STUDIO 2022 -AL "ah-面白かった" Live Session- 6/17(土)午後8:00
吉田拓郎がラストアルバムリリース後にファンに贈ったサプライズのスタジオライブを放送・配信
●Stray Kids WOWOW Special Program for STAY 6/18(日)午後8:00
世界を席巻するスーパーグループであるStray Kidsの最新インタビューを含むWOWOWオリジナルプログラム
●sumika 10th Anniversary Live 『Ten to Ten to 10』 6/29(木)午後8:00
横浜スタジアムで行われた人気バンドsumikaの10周年記念ライブ
●生中継!沢田研二 LIVE 2022-2023 「まだまだ一生懸命」 ツアーファイナル バースデーライブ! 6/25(日)午後5:00
沢田研二が75歳を迎えるバースデー当日に開催されるライブの生中継
●生中継!甲斐バンド BEATNIK 2023 in 日比谷野外大音楽堂 7/1(土)午後5:30
1985年に両国国技館のこけら落としを行った伝説のライブが、日比谷野外大音楽堂でよみがえるという注目のライブ
●FUJI & SUN '23 7/30(日)午後3:00
今年で4回目を迎え、静岡県富士市で開催したWOWOW主催のキャンプフェスFUJI & SUNの模様をお届けするなど、幅広い世代に向けたえりすぐりのラインナップとなっている。これらの番組にも是非期待してほしい。
【WOWOW FILMS 配給作品】『劇場版 優しいスピッツ a secret session in Obihiro』 6月2日(金)より全国劇場公開
最後に、公開間近の『劇場版 優しいスピッツ a secret session in Obihiro』について紹介する。北海道帯広を舞台に収録したスピッツのオリジナルライブ番組がバージョンアップし、劇場版として来月2日より全国で公開されるため、こちらもお楽しみいただければと思う。
田代常務)西川音楽部長は、この4月に音楽部長に就任する以前、音楽部プロデューサーとしてさまざまなライブを作ってきた。バリエーション豊かな音楽ライブがあるが、個人的には75歳を迎える沢田研二さんが生中継でどのような歌声を披露するのかが非常に楽しみである。
4年連続で純減が続き、大変厳しい状況であると認識している。スポーツや音楽の独占性、オリジナルドラマのクオリティー、映画や海外ドラマにおけるWOWOWならではの目利き、キュレーション、紹介の仕方など、コンテンツと会員というWOWOW独自の価値をしっかり維持して、高めていきたい。そして、加入していただいたお客さまに視聴以外の独自の体験価値を提供し、流動的な事業環境の中でイニシアチブを取っていくことで、そう遠くない時期に反攻のタイミングがあると考えている。是非引き続きご支援を賜りたい。
以上