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  • 2023.07.07
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2023年7月定例会見要旨

7月6日(木)に定例記者会見を開催いたしました。概要は以下の通りです。

出席者:田中晃社長執行役員、山本均副社長執行役員、井原多美専務執行役員、田代秀樹専務執行役員、横山誠一執行役員

1. ご挨拶(田中社長)

既にリリースでお知らせしているとおり、このたび、弊社の動画配信サービス「WOWOWオンデマンド」において、一部のお客さまの個人情報漏えいを確認した。ご自身の契約情報が他のお客さまの契約情報に差し替わるという事象が発生したことによって、見たいコンテンツが視聴できないケースや、ご自身の契約情報が他のお客さまに閲覧されたケースが発生した。場合によっては、誤って契約情報が書き換えられた可能性もある。ご迷惑をおかけしたお客さま、ご心配をおかけしたお客さまに心よりおわびを申し上げる。
本日は、第2報のリリースの補足、および現状についての説明を冒頭に行なう。


2. 個人情報漏えいに関する報告(田中社長)

■対象期間

個人情報漏えいの事象が発生した期間は、2023年6月9日から7月2日の24日間である。6月30日にリリースした第1報の時点では、6月9日から22日までとしていたが、新たに7月2日に1件発生したため、対象期間を見直している。

■発生事象と原因

今回対象となったのは、PC版のブラウザからログインされた方、およびテレビアプリでログインされた方の一部のお客さまである。

通常は、会員AさんがWOWOWオンデマンドにログインすると認証サーバに信号が行き、Aさんを契約者とする信号が返ってきて、Aさんは番組を見ることができる。このような流れが正常なフローであるが、今回発生した事象は、会員Aさんと会員Bさんが同時にログインしたケースである。同時とは、1/10秒や1/100秒単位ではなく、1/1000秒レベルでの同時ログインを意味する。認証サーバには誤認を防ぐための一定の対策が施されていたが、AさんとBさんが同時ログインした際、認証サーバの処理エラーがごくまれに発生し、AさんとBさんの両方に「Aさんの契約である」という情報が行き、BさんにもAさんの情報が紐づいた。特に認証サーバの負荷が高い状況にあるときに事象の発生が多くなった。

当社のサービスは、同一ユーザのログインは同時に複数デバイスで可能となっている。5台までのデバイスで視聴が可能だが、同時視聴いわゆるコンテンツの再生に関しては、1契約1台のみというルールで運用している。今回の事象において、Bさんは自分自身のつもりでいるが、Aさんの情報が付いていることで、例えばAさんがコンテンツを視聴中にBさんが見ようとした際、既にAさんが視聴しているため、Bさんは「他のデバイスで視聴中のため、視聴できない」という案内が出て見ることができない。

また、お客さまのWOWOWオンデマンド内の「マイページ」では視聴履歴を見ることができるが、今回の事象によって、Bさんがマイページを見ると、自分が見たことのない視聴履歴、つまりAさんの視聴履歴が付いていた。このように、見ることができないという問い合わせ、および自分が見たことのない視聴履歴についての問い合わせが最初にあり、最も多い問い合わせ内容となっている。
さらに、マイページでは契約変更手続きが一定の範囲で可能なため、別のお客さまによる解約や、無料視聴から有料視聴への切り替えなど、契約情報の変更も想定される。

■対応と現在の状況

同時ログイン時に、認証サーバが処理エラーを起こし、今回の事象が発生した。その状況に対する処理として、ユーザログイン時の二重チェックの機能追加、およびユーザ認証時のシステム処理エラーへの対応を、WOWOWオンデマンドのシステムとWOWOWオンライン認証のシステムの両方に6月22日と7月2日の2度にわたって実施した。現在は正常にワークしているため、個人情報の漏えいの恐れのない安全な状態となっており、今後も発生をすることはないと考えている。引き続き、注意深くシステムの動向を監視していきたいと思う。

■漏えいした個人情報

2回にわたるリリースのとおり、契約種別や月額料金といった契約情報、クレジットカード番号(下3桁のみ)の情報である。その他、端末名称、支払い履歴、支払い方法、視聴履歴などが含まれる。しかし、名前、住所、電話番号、メールアドレスなどの個人を特定する情報は含んでいない。

■影響の範囲とその状況

システムのログを確認した結果、現時点で最大44,144名の方に影響が及ぶ可能性があると判断している。なお、今回の事象を起因とした不具合や、他の方の契約情報にすり替わっていたことを確認している件数は、7月5日時点で75件となっている。ただし、影響があった個人全員をまだ特定できておらず、本件は完全に完了している状態ではない。

■お客さまへの対応

また、お客さまへの対応として、対象の可能性のあるお客さまには随時メールで案内している。他のお客さまによって誤って契約内容を変更された可能性のあるお客さまに対しては、丁寧な対応を個別に行なう。

今回、原因の把握、対象となるお客さま、影響の範囲の特定に時間を要したことは、大きな課題として反省している。今後は再発防止と管理体制の強化に取り組んでいきたい。改めて、お客さまに大変なご迷惑とご心配をおかけし深くおわび申し上げる。


3. 加入分析(横山執行役員)

5月の加入分析について、新規加入は6万5,680件、解約は5万4,935件、正味加入件数は約1万件の純増となっている。正味加入件数がプラスとなるのは今年2月以来となる。新規加入については、Stray Kids、B'zなどの音楽コンテンツに加えて、チャンピオンズリーグの準決勝や、ボクシングの日本人選手のタイトルマッチといったスポーツコンテンツが大きな新規加入につながっている。

6月は、新規加入が5万8,790件、解約が9万5,296件、正味加入件数が約3万6,000件の純減となった。新規加入については、チャンピオンズリーグの決勝や、錦織圭選手のチャレンジャー復帰戦を含むテニス、そして東方神起、沢田研二の生中継といった音楽コンテンツによって新規加入を多く獲得している。その一方で、6月は解約が大きく増加する月となった。チャンピオンズリーグのシーズン終了やラ・リーガの終了に伴う解約、5月のStray Kidsによる新規加入の解約などが大きな要因となっている。

次に、第1四半期のトータルの実績として、新規加入は15万8,102件で、前年比2万4,672件のプラスとなっている。解約は20万4,762件で、前年比1,777件のマイナスとなった。そして、正味加入件数はマイナス4万6,660件で、前年比2万6,449件のプラスとなり、新規加入、解約、正味加入件数がそれぞれ前年を上回る好結果となっている。

要因については、今期の戦略として取り組んでいる、WOWOWならではのコンテンツをデジタルマーケティング領域の強化によってしっかり伝えている点が挙げられる。例えば、Googleとの連携によるスポーツコンテンツのハイライト配信、WOWOWオンデマンドで見られるオリジナルドラマにおいて新作だけでないアーカイブ作品の訴求強化、先般に全仏オープンテニス1回戦で開始した、ID・パスワード不要でログインなしの無料領域におけるコンテンツ配信といった取り組みが効果を上げている。

また、解約防止および継続率向上のための施策として、新作ドラマ視聴者へのアーカイブドラマの訴求、サッカーやテニスといったスポーツ視聴者へのクロスジャンルの訴求強化を行い、WOWOWオンデマンドの利用を促進した。結果として、第1四半期におけるWOWOWオンデマンドの視聴ユニークユーザは前年を上回る結果で推移している。7月以降も、これらの取り組みによって実績を上げていきたいと思っている。


4.今後の編成トピックス(田代専務執行役員)

テニスの錦織圭選手が、復帰第1戦のATPチャレンジャー・プエルトリコで復活優勝を果たした。
現在、ミシガンで行われている復帰第2戦でも1回戦をストレート勝ちし、勝利者インタビューでは「フェデラーのような気持ち」と語っており、非常に手応えを感じているようである。2回戦もぜひWOWOWでご覧いただきたい。WOWOWでは引き続き、錦織圭選手が参戦するATPチャレンジャー、ATPツアーの試合を放送・ライブ配信する予定である。なお、8月の全米オープンテニスではグランドスラム大会への復帰の可能性もあり、期待が高まっている。

その他、大岡昇平の裁判小説を椎名桔平主演でドラマ化した、法廷サスペンスの「連続ドラマW 事件」や、パート1が好評だったオリジナルドラマのシーズン2「にんげんこわい2」など、注目作のリリースをご覧いただければと思う。


5. 最後に(田中社長)

VR/AR等のテクノロジーにおいて先端的な会社である株式会社アルファコードと資本業務提携契約を締結し、出資を行なうことを決定した。
実際に、アルファコードと当社の取り組みとして、ステージ案件においてマルチアングルコンテンツをアルファコードに制作・配信してもらったことがある。このような取り組みがあったことで、WOWOWのコンテンツとアルファコードのテクノロジーを組み合わせ、新しいエンターテインメントを提供できるのではないかと考えた。
中期経営計画では、視聴する楽しさだけでなく、体験する楽しさを目標に掲げている。アルファコードと共にイマーシブな映像体験を提供できればと思っているため、ぜひ期待してほしい。

冒頭申し上げた個人情報の漏えいについて、改めておわびを申し上げたい。何をおいてもお客さまに不利益がないように、あるいは発生してる不利益を一日も早くなくすように最善を尽くして、引き続き真摯(しんし)に取り組んでいきたい。

以上

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