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2023年11月定例会見要旨

11月9日(木)に定例記者会見を開催いたしました。概要は以下の通りです。

出席者:田中晃社長執行役員、山本均副社長執行役員、井原多美専務執行役員、田代秀樹専務執行役員、横山誠一執行役員
映画部 渡邉数馬部長、エンターテインメント事業部 大瀧亮チーフプロデューサー

1. ご挨拶(田中社長)

まず、10月18日にリリースした、業務委託先での個人情報等漏えいに関して報告する。

当社が過去、株式会社NTTマーケティングアクトProCX(以下、NTTマーケティングアクト)にテレマーケティング業務を委託していた際に、同社のコールセンターシステムの運用保守を担っていたNTTビジネスソリューションズ株式会社(以下、NTTビジネスソリューションズ)において、約4万人のお客さまの個人情報が不正に持ち出された恐れがあるとの報告を受けて、リリースにて公表した。本事案については、さまざまな団体や企業が委託した約900万件の個人情報が持ち出されたと報道されており、そのうち約4万件はWOWOWのお客さまだった恐れがある。お客さまには大変ご迷惑をおかけし、お詫び申し上げたい。

今回、漏えいした可能性のある情報に決済情報は一切含まれていないため、今後クレジットカードが不正利用されるといった金銭的な2次被害が生じる可能性はないと考えている。報告によると、本件は2016年から2017年にかけて発生した古い事案であり、影響があったと想定されるお客さまの個人情報はNTTマーケティングアクトに残っておらず、当社内でも保管期限を過ぎているため残っていない。そのため、NTTマーケティングアクトが警察と共に調査した約4万件の個人情報を実際に受け取ったとしても、WOWOW内の個人情報と照合できず、正確な事実を調べることができない。大変心苦しい状況だが、ご理解を賜りたい。

なお、このような情報に接したお客さまからの問い合わせについては、先週までの総数で42件となっており、問い合わせの数もほぼなくなってきている状況である。当社としては今回の事態を厳粛に受け止め、今後とも業務委託先の監督、あるいはそれを扱う社員の教育を含めた個人情報管理体制を一層強化していきたいと考えている。

また、個人情報関連では、WOWOWオンデマンドにおいて一部のお客さまの個人情報漏えいが発生した件について6月30日と7月5日にリリースし、会見でも説明を行ったが、その後収束したことを報告する。9月の会見時点では、解決していないお客さまや、他のお客さまの情報を閲覧できる可能性があったお客さまもいたが、その後メールや電話、手紙等で個別にコンタクトを取って対応を進めた。現在は電話対応のみ継続中であり、ほぼ解決している旨を本日報告させていただきたい。なお、漏えいに至った原因は特定して既にシステム対策を講じており、その後も安全に運用している。お客さまには大変ご迷惑をおかけしたことを改めてお詫び申し上げる。

2. 加入分析(横山執行役員)

9月の加入状況について、新規加入は5万9,655件、解約は4万8,389件で、約1万1,000件の純増となっている。10月についても、新規加入が6万4,535件、解約が4万5,408件で、約1万9,000件の純増となっており、結果として2カ月連続の正味加入件数純増となった。

9月は、スポーツにおいて、UEFAチャンピオンズリーグとUEFAヨーロッパリーグが開幕したサッカーや、全米オープンテニスが加入をけん引した。また、音楽においても、TUBEや椎名林檎のライブが新規加入を伸ばし、9月は1万件を超える純増となった。

また、WOWOWオンデマンドにて9月1日からサービス提供を開始した「WOWOWオンデマンドPPV(ペイ・パー・ビュー)」に合わせて、先着1万名にUEFAチャンピオンズリーグおよびUEFAヨーロッパリーグのシーズンパスを限定発売したところ、開幕前に完売した。購入者の約4割がこれまでWOWOWに加入したことがない新規のお客さまであるため、非常に手応えを感じている。なお、シーズンパス購入者の件数は、新規加入件数には含まれていないため、これを加えると9月は2万件近い純増ということになる。

次に、10月は、世界最高峰のバスケットボールリーグNBA23-24シーズンの放送・配信を開始した。WOWOWでは6年ぶりの復活となる。これに合わせて、フェニックス・サンズに所属し、ワールドカップでも活躍した渡邊雄太選手とWOWOW NBAアンバサダー契約を締結した。NBAの放送・配信の再開に加えて、渡邊雄太選手のアンバサダー就任についても加入者の方には非常に喜んでいただくとともに、まだ加入していない方からも多くの好意的な声を頂いた。SNSでも大きな反響があり、Xで配信した渡邊選手のインタビュー動画は130万回を超える再生回数となっている。以前WOWOWがNBAを放送していた頃の視聴者はもちろん、この夏のワールドカップをきっかけにバスケットボールのファンになった方の新規加入も期待できるのではないかと考えている。

NBAに加えて、10月は、引き続き好調なUEFAチャンピオンズリーグや、オリジナルドラマの「ギフテッド」、Mrs. GREEN APPLEやELLEGARDENなどのライブコンテンツが新規加入につながり、2万件近い純増となった。また、9月と10月はWOWOWオンデマンドの視聴数も非常に好調であり、両月とも解約数が5万件を切っていることも2カ月連続純増の要因になっている。

3. 事業局からのお知らせ:映画『ゴールデンカムイ』2024年1月19日公開
(井原専務、エンターテインメント事業部 大瀧亮チーフプロデューサー)

井原専務)事業局では、映画事業を重点的戦略の一つとし、収益の拡大を目指したいと考えている。本日は、WOWOWが製作主幹事を務め、1月19日に公開となる映画『ゴールデンカムイ』について、大瀧亮チーフプロデューサーより説明する。

大瀧チーフプロデューサー)『ゴールデンカムイ』は、弊社が映像化権を獲得してから約3年の歳月をかけて製作に挑み、2024年1月19日の公開を目指して、ようやく完成を迎えるタイミングとなった。WOWOWの映画事業の歴史の中でも、史上最大規模の製作費を投じて挑む超大作であり、挑戦作となる。本日は改めて、原作や製作の概要を説明したいと思う。

■原作について
集英社「ヤングジャンプ」での連載が昨年春に惜しまれつつ終了した。コミックスは既巻31巻で、累計2,500万部を突破している大人気漫画である。明治後期の北海道を舞台に、その大地に眠る隠された莫大な埋蔵金を巡って、一癖も二癖もあるキャラクターたちが争奪戦に挑むバトルアクションとなっている。加えて、アイヌ文化や狩猟、グルメ、歴史といった多種多様な要素が盛り込まれており、非常に熱狂的なファンを醸成している。
また、アニメも展開されている。2018年から第4期までの放送・配信が終了し、最終期となるアニメの制作が来年以降に予定されている。その他、原作の連載終了とともに開始されたゴールデンカムイ展が東京を皮切りに約1年以上続いており、今なお全国を巡回している状況である。
人気は国内にとどまらず海外にも広まっており、2019年にイギリスの大英博物館で開催された日本の漫画展においても、イベントのキーアートに劇中のヒロインであるアシㇼパ というキャラクターが使用されるなど、国内外で高く評価を得ている。

■実写版制作概要
これまで実写化不可能と言われてきた原作だが、今回、弊社が映像化権を獲得できたことを踏まえて、しっかりと本作に注力すべく強力な製作体制を整えた。まず、弊社が挑んだこととして、近年、邦画の興行収入のランキングで毎作品1位を獲得している『キングダム』の製作チームとタッグを組んだ。そして、映像化権に関しては製作プロダクションのCREDEUSと共に獲得し、原作元の集英社にも副幹事として参画いただいている。配給については東宝に参画いただいた。
脚本と音楽には、『キングダム』シリーズを手がけてきた黒岩勉さんと、やまだ豊さんに参画いただく。監督は、これまで500本以上のミュージックビデオを手がけ、実写映画では『HiGH & LOW』シリーズにおいて規格外のアクションを手がけた久保茂昭監督に依頼した。
また、本作の最重要ポイントでもあるアイヌ文化においては、原作やアニメ版の「ゴールデンカムイ」も手がけている千葉大学名誉教授の中川裕先生にアイヌ語の監修を依頼した。アイヌ文化の監修や、俳優への所作指導については、釧路の阿寒アイヌコミュニティーで実際にアイヌ民族であり、アイヌの文化伝承を行っている秋辺デボさんに参画いただいた。
このような最強布陣を整えられたことに加え、原作の野田先生にも多数の監修を頂き、情報解禁の際には、「原作者としてではなく、製作者の一員として本作を応援したい」という素晴らしいコメントを頂戴することができた。

■キャスト情報
今年の夏に情報を公開した後、宣伝を開始し、ビジュアルとともに映像を解禁してきた。山﨑賢人さん、山田杏奈さん、眞栄田郷敦さん、玉木宏さん、舘ひろしさんといった豪華キャストだが、それ以上に評価されたのが、原作から飛び出したようなキャラクターのビジュアルの再現度だと思われる。やはり漫画原作ということで、最初に実写映画化決定を発表した際はどうしてもネガティブな意見が出た。しかし、ビジュアルと映像を解禁したことで一気にそれが反転し、現時点ではほぼポジティブな意見となり、称賛や納得の声が聞こえている。

■制作の裏側
本気度100%、原作リスペクト100%として、場面写真を少し紹介したいと思う。戦争のシーンでは、多数のエキストラに協力いただいた。エキストラにも軍事練習を受けてもらい、大作のシーンを撮影している。また、雪原のシーンについては、まさに北海道が舞台の話となるため、北海道でロケを敢行した。マイナス10度にもなる極寒の土地で猛吹雪に見舞われながらも、スタッフとキャストが一丸となって撮影を行ってきた。アイヌの村の家々に関しては、現場の美術スタッフが撮影の1年前から現地に赴いて土地を開墾し、アイヌの家を建て、自然の風雨にさらすことでナチュラルにエイジングし、雪が積もった状態で撮影に挑む形を取ったことで、まさにその土地にずっと存在していたかのようなセットを組むことができた。さらに、マキリというアイヌの女性の小刀についても、アイヌの工芸家の方に一から手作りで作ってもらうなど、スクリーンの隅々まで丁寧に趣向を凝らして構築できた作品となっている。

本作の公開まで2カ月強となったが、既にキャストやスタッフのパブリシティーの稼働も始まっている。まだ世の中に発表していない情報も多数控えており、これから次々と情報を解禁していくため、媒体各社においてはぜひ注目いただき、解禁の折に取り上げていただければと思っている。

井原専務)大成功する映画の条件として、記憶に残るキャラクター、信じられる世界観とセッティング、共感できるストーリーという3つの要素が非常に大切となる。

今回の『ゴールデンカムイ』においては、非常に記憶に残る個性豊かで魅力的なキャラクターたちがたくさん登場するが、そのキャラクターの魅力を最大限に引き出すためのキャスティングが行われ、漫画の原作そのものとなっており、ファンの方からも多くの支持を頂いている。
また、セッティングに関しては、日露戦争で日本が勝った後として、非常に活気づいた舞台セッティングとなっている。
そして、ストーリーに関しては、アイヌの埋蔵金を追いかける冒険活劇として非日常感がありつつも、不死身の杉元と言われる主人公が、友人との約束を守るために命の危険を冒して埋蔵金の冒険に出かけるという動機が非常に心を打ち、共感できる部分がストーリーの中に多く散ちりばめられている。

私も本作に大きな期待を寄せており、一人でも多くの方に楽しんでいただきたいと思っている。東宝から配給を行うが、マスコミ試写会も設けているため、ぜひ予約して見に来ていただければと思う。

4. プレゼンテーション:「Paramount+」WOWOWオンデマンドにて12月1日提供開始(映画部 渡邉数馬部長)

■Paramount+ 概要
12月1日よりWOWOWオンデマンドでサービスを開始する「Paramount+」について、概要を説明する。
「Paramount+」は、アメリカでも最大級のメディアコングロマリットと言われるParamountグループのコンテンツが集結した配信サービスである。放送局やケーブル局、MTV、キッズ専門チャンネルなど、幅広いグループのコンテンツが集まっており、他のグローバル配信サービスと比べて多様性がある点が一つの大きな特徴だと認識している。

このサービスは2021年からアメリカを中心に始まったが、世界でも急拡大しており、現在は45カ国、6,300万人に視聴されている。そして、2022年に韓国でローンチして以来アジア2カ国目となる日本において、今年12月1日にローンチされることが決定した。ローンチはWOWOWとJCOMの2社でスタートする。

■導入の経緯
WOWOWでは、2021年からWOWOWオンデマンドサービスをリニューアルして強化を行っている。配信サービスにおいては映画やドラマが非常に大事なコンテンツとなるため、映画部ではその強化に取り組んできた。北欧の配信サービス「Viaplay」との独占契約も含めて取り組む中で、さらなる強化を行うために「Paramount+」の導入を決定した。絶対数の確保はもちろん、競合が多い中で差別化された配信サービスを作る上で、WOWOWのお客さまに喜んでいただけるコンテンツを提供できるかという点が、非常に大事だと考えているため、その戦略に沿って「Paramount+」を導入する。

Paramountは当社のパートナーとして20年以上にわたって映画やドラマ作品を供給いただいており、WOWOWのお客さまにも非常に親しみのあるコンテンツが集まっている。そのような信頼関係を背景として今回の提案があり、12月からのサービス開始に至るため、「Paramount+」は長らくWOWOWの取り組みが結実したサービスだと考えている。

■導入の狙い
二つの狙いがあり、1つ目は、配信サービスとしてWOWOW視聴者と親和性の高いコンテンツをどれだけ集められるかという意味で、「Paramount+」はWOWOWのお客さまに非常に喜んでいただけるものが多く、オンデマンドの利用活性につながると考えている。そして2つ目は、会員メリットの向上である。WOWOWはどうしても他社と比較してやや高額なサービスであるため、追加料金なしで新しいサービスを視聴できることによって、より付加価値を出していきたいと思っている。

■ラインナップ紹介
続いて、12月からの作品ラインナップについて紹介する。まず、新作ドラマは配信サービスのキーコンテンツになると考えており、12月初めからは、シルヴェスター・スタローン主演のドラマや、ジェレミー・レナー主演のドラマ、そして海外ドラマ「スタートレック」の最新作など、ハリウッドスターやParamountのIPを用いたドラマが独占で入る。サービス開始時点では3作品だが、今後も続々と追加される予定なので、ぜひ、ご期待いただきたい。また、ライブラリーのドラマも非常にバラエティーのあるタイトルがそろっており、WOWOWで歴代届けてきた人気ドラマやWOWOW初登場の作品も含めて、ドラマ史に残るようなタイトルや話題作がラインナップされている。

映画に関しては、『ローマの休日』といった名作から、『ミッション:インポッシブル』などのブロックバスター映画まで幅広くお届けする。Paramountというスタジオの名前のみでは魅力が伝わらない部分もあるため、作品ラインナップの幅と中身で確実にバリューを伝えていきたいと考えている。WOWOWのお客さまにとって洋画は最も視聴ニーズの高いジャンルであるため、こちらも期待いただければと思う。

また、多様性の部分として、「Paramount+」の導入によるコンテンツの広がりが非常に期待できる。アニメ作品、リアリティー、ドキュメンタリーのほかMTVのライブコンテンツも予定されている。特にアニメについては、現在、ファミリーやキッズ向け作品をWOWOWであまり提供できていないため、コンテンツの幅が非常に広がることでお客さまのオンデマンド利用が拡大することも期待している。

「Paramount+」によって、WOWOWオンデマンドのサービスがより魅力的にグレードアップすると考えている。しかし、まだ本サービスの認知が足りていないと考えているため、皆さまの力をお借りして引き続きPRに励んでいきたい。

5.今後の編成トピックス(田代専務)


【B'z LIVE-GYM Pleasure 2023 -STARS- 11月25日(土)午後7:00放送・配信】
B'zの結成35周年を記念した特集を5月から放送・配信しているが、その締めくくりとして全国ツアーファイナルを飾ったスタジアム公演の模様を、全曲ノーカットで11月25日に独占放送・配信する。B'zの通算54枚目の最新シングル「STARS」は、オリコン週間ランキングで初登場1位を獲得するとともに、1990年発表の「太陽のKomachi Angel」から続く連続首位獲得記録を50作に更新し、前人未到の金字塔を打ち立てる1作となった。この新曲も含めた特別なツアーは、誰もが聴き、誰もが歌ったヒット曲がめじろ押しとなっている、ぜひ期待してほしい。

【LPGA女子ゴルフツアー 2024最終予選会 ライブ配信:11⽉30⽇(⽊)~12月5⽇(火) 放送:12月9日(土)午後4:00】
世界最高峰であるLPGA女子ゴルフツアーの2024年シーズン出場権を懸けて行われる最終予選会「Qシリーズ」を、WOWOWオンデマンドにてライブ配信し、後日放送する。今回は6日間の戦いとなる。最終予選会は、世界のトップを目指す選手たちがLPGAツアーの翌シーズンの出場権を懸けて戦うもので、上位通過者ほど出場機会を得られる。今年は、昨年の国内ツアーで5勝した西郷真央選手と、今年5月に3勝目を上げた吉田優利選手が最終予選会から出場する。また、昨年の全米女子アマチュア選手権で勝利した18歳の馬場咲希選手がステージ2を突破し、最終予選会の切符を勝ち取った。こちらも期待いただければと思う。

6.最後に(田中社長)


2016年から続くWOWOWオリジナルシリーズ「WHO I AM」の最新シーズンが、2024年1月から放送・配信となる。今回は注目の、車いすテニスで史上最年少のグランドスラムを制覇し、世界ランキング1位を達成した小田凱人選手が登場する。
また、それに先駆けて、「WHO I AM」発のイベントである「WHO I AMフォーラム」を12月21日に開催する。これまで同様に、MCは松岡修造さんである。ゲストは、1月に放送した「WHO I AM」に登場し、3月まで弊社の社員だった車いすバスケットボールの鳥海連志選手に来ていただく。今回で10回目のフォーラム、ぜひ皆さまにもご参加いただければと思う。

以上

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