1月11日(木)に定例記者会見を開催いたしました。概要は以下の通りです。
出席者:田中晃社長執行役員、山本均副社長執行役員、井原多美専務執行役員、田代秀樹専務執行役員、横山誠一執行役員
エンターテインメント事業部 藤井邦晴チーフプロデューサー、制作部 畑希亜良プロデューサー、スポーツ部 高橋岳プロデューサー
本年1回目の定例会見となる。本来であれば新年のあいさつを申し上げるところであるが、ご承知のとおり元日に能登半島地震が発生し、大変な状況となっている。亡くなられた方のご冥福を心からお祈り申し上げるとともに、被災された方に心からお見舞い申し上げたい。未だ多くの方が行方不明となっているため、一刻も早く救助されること、および復旧が進むことを祈念している。
WOWOWを囲む事業環境が厳しいことには変わらないが、新しい年を迎えて良い兆しも見えてきた。第3クオーター以降の加入動向や、収益拡大に向けた新事業、コンテンツにおけるチャレンジなど、取り組みの成果が随所に生まれてきている。本日の会見では、その部分をぜひ聞いていただければと思う。
今年は干支(えと)の辰年にちなみ、昇り竜として上昇する年にしたいと考えており、それに向けて全社員一丸となって取り組んでいきたいと思っている。
11月の加入状況について、新規加入は5万6,022件、解約は5万5,089件となり、約1,000件の純増となった。9月から11月で3カ月連続の純増となっている。一方で、12月の加入状況は、新規加入が4万5,622件、解約が6万2,702件となり、残念ながら約1万7,000件の純減となった。
しかし、10月から12月の第3クオーターで見ると、約3,000件の純増を達成している。下期に入って新規加入が多く取れたことに加えて、長期加入のお客さまの解約に関しても、昨年の第3クオーターや今年度の上期と比較して大幅に減少しており、これらが第3クオーターの純増に寄与している。第3クオーターの純増は2017年度以来であり、前年の第3クオーターの実績と比較すると6万8,441件の良化、また4月から12月までの累計でも前年比で4万5,018件の良化となっており、下期の加入状況に関しては改善の兆しが見えてきている。
各月の分析として、11月はB'z全国ツアーのファイナル公演が非常に大きな新規加入につながった一方で、目的番組の終了に伴う解約も発生した。12月についても、音楽ライブの矢沢永吉独占生中継や、サッカーのチャンピオンズリーグが新規加入につながったが、目的番組の終了等による解約件数が増加し、12月の正味加入件数は残念ながら純減となっている。
11月以降のマーケティングの取り組みについて、当社は配信サービスおよび会員サービスの拡充に努めており、新たな取り組みとして、他社サービスとの連携によるキャンペーンを実施している。現在、ディズニープラスとの協業で、合計10万名にプレミアムプラン3カ月分をプレゼントするキャンペーンを行っており、応募期間は11月17日から2月末までとなっている。WOWOWとディズニープラスの作品の視聴を通して、顧客満足度の向上と配信サービスの利用活性化を図り、既存の加入者の利用継続および解約防止、そして新規加入者の獲得につなげていきたいと考えている。
井原専務)事業局では、メディア・サービス以外の事業収入の拡大として、IPを活用したビジネスに取り組んでいる。9月の定例会見では、韓国のKQ Entertainmentに所属している、K-POPアーティストのxikersとのパートナーシップについて発表した。本日は、同じKQ Entertainmentに所属し、xikersのお兄さん的存在でもあるATEEZとの取り組みについて、藤井プロデューサーより説明する。
藤井チーフプロデューサー)今後、IPを活用したビジネス展開の一つとして、ATEEZの興行・物販・協賛営業の活動に注力していく。ATEEZは韓国のKQ Entertainmentに所属し、2018年10月にデビューした8人組のボーイズグループである。既にアメリカやヨーロッパなどでライブツアーも成功させているグローバルアーティストであり、昨年12月に発売した最新アルバムは初動170万枚のセールスを記録し、アメリカのBillboardのウィークリー・アルバムチャートで初の1位を獲得した。また、昨年12月に東京ドームで開催された、韓国最大級のK-POP授賞式であるMAMA AWARDSでは2つの賞を受賞するなど、今、世界中から人気を集めている注目のグループである。
今年さらなる飛躍が期待されるATEEZだが、当社主催による最新ワールドツアーの日本公演が決定している。「2024 ATEEZ WORLD TOUR [TOWARDS THE LIGHT : WILL TO POWER] IN JAPAN」というタイトルで、2月3日から2月4日の2日間に、さいたまスーパーアリーナで開催される。また、公演2日目の模様はWOWOWで生中継・配信される。日本での単独公演は昨年5月以来9か月ぶりであり、ATEEZとしてはキャリア6年目で初のさいたまスーパーアリーナでの公演となる。現在、チケットは先行予約販売中だが、売れ行きが好調であり、チケットは残りわずかとなっている。
最新アルバムがアメリカのBillboardで1位を獲得してから初の日本での単独ライブ開催になるため、ファン待望のワールドツアーとなる。ライブは最新アルバムの楽曲を中心に構成された、熱気あふれるステージになることが期待されるため、ぜひ注目してほしいと思う。
井原専務)xikersは日本で初めての単独ライブを実施し、そこからワールドツアーをスタートした。ATEEZに関しては、世界の評価と比較して、日本での今後の成長のポテンシャルが非常に高く、われわれも大きく期待しているため、活動に総力を挙げていきたいと思っている。ATEEZはパフォーマンス力が高いことはもちろん、メンバーの仲が良い。また、パフォーマンスのかっこよさ、切れの良さと相反して、プライベートなシーンでのかわいさ、あか抜けなさといったギャップが魅力的なグループである。特にリーダーのHONG JOONGは、作詞作曲、プロデュースという多面的な才能を持っているだけでなく、時には王子様のような純真さ、時には王様のような堂々とした威厳があるとともに、クールさ、かわいらしさ、温かみなどを全て持ち合わせており、人としての幅、リーダーとしての幅が非常に大きいと感じており、個人的に一番注目している。ぜひ2月に開催するATEEZのさいたまスーパーアリーナのライブに注目してほしいと思う。
【ドキュメンタリーシリーズ「WHO I AM パラリンピック」最新シーズン(全2 回)を1⽉20⽇(⼟)~、
ドキュメンタリーシリーズ「WHO I AM LIFE」最新シーズン(全2 回)を2月3日(土)~、それぞれ無料放送・配信開始】
田中社長)「WHO I AM」プロジェクトの新シーズンについて、畑プロデューサーおよび高橋プロデューサーより説明する。
畑プロデューサー)まず、「WHO I AM」シリーズのこれまでの活動実績と、今後の展開について説明する。WOWOWでは、2016年から国際パラリンピック委員会との共同プロジェクトとして「パラリンピック・ドキュメンタリーシリーズWHO I AM」の制作を続けており、25カ国40組のパラリンピアンのドキュメンタリーを制作して、国内外から多くの評価を頂いている。
東京オリンピック・パラリンピックの開催を経て、2023年から「WHO I AM」プロジェクトはパワーアップし、2つのラインに分かれて継続している。世界最高峰のパラアスリートに迫るドキュメンタリーシリーズ「WHO I AM パラリンピック」に加えて、アーティストやクリエーターなど、スポーツの枠を超えた多彩なラインナップに迫る「WHO I AM LIFE」を新たに制作している。これは、アスリートにフォーカスして取材を進めるうちに、われわれ自身がもっと広い領域に挑戦したいと思うようになったことがきっかけである。
また、「WHO I AM」は国内外のさまざまな賞を受賞しており、「WHO I AM パラリンピック」はミラノ国際スポーツ映像祭で受賞した。「WHO I AM LIFE」についても、アジア・テレビジョン・アワードにノミネートされており、2024年1月12日の授賞式で結果が発表される。
そして、このシリーズは放送して終わりではなく、広く社会に向けて発信し、多様性を認め合う社会に貢献すべく、ドキュメンタリーシリーズの「WHO I AM」を核とした、さまざまなプロジェクト活動にも取り組んできた。最新シーズンと過去シーズンは、WOWOWオンデマンドで、会員登録なしに誰でも視聴できるよう無料放送・配信を行っており、一人でも多くの方にご覧いただけるようにしている。
その他、学校での講義などさまざまな展開も行っており、例えば「WHO I AM」シリーズに登場していただいた世界中のアスリートを東京に招いて、スイミングスクールでのレッスンや小学校でのランニングクリニックを実施している。全国の小中学校、高校、特別支援学校には、「WHO I AM」が映像教材として無償提供されている。
さらに、さまざまな企業とのコラボレーションも実施している。今年度はトヨタ自動車と一緒に、所属アスリートが出演するスペシャル映像を制作した。この映像は年明けから随時発信されている。
また、「WHO I AM」発のユニバーサルスポーツイベントとして、性別、年齢、国籍、障害の有無を問わず、誰もが参加できる運動会のようなイベント「ノーバリアゲームズ」を2019年に立ち上げた。2021年と2023年にも継続して開催し、第4回を2024年3月10日に高知県で開催することが決定している。初の東京以外での開催となり、詳細については後日改めて発表する。
WOWOWのみで社会に発信していくには限界もあるが、同じ思いを持つ企業、地域、団体とコラボレーションすることで、より多くの方に思いが届き、持続的なムーブメントになればと思っている。
高橋プロデューサー)次に、「WHO I AM」の最新シーズンについて説明する。
ドキュメンタリーシリーズ「WHO I AM パラリンピック」と、ドキュメンタリーシリーズ「WHO I AM LIFE」の新シーズンは、1月20日より全作品を無料放送、配信する。
ドキュメンタリーシリーズ「WHO I AM パラリンピック」のナビゲーターおよびナレーターは、シリーズ立ち上げ以来、西島秀俊さんが務めている。また、「WHO I AM LIFE」のナビゲーターは、昨年に続いて仲里依紗さんに務めていただく。
今シーズンの一押しは、「WHO I AM パラリンピック」に登場する、車いすテニスの小田凱人選手である。昨年、17歳にして史上最年少でのグランドスラム優勝、そして史上最年少での世界ランキング1位の偉業を達成した。国枝慎吾さんが引退した今、車いすテニス界をけん引する選手であり、今年8月のパリパラリンピックにおいても大注目となっている。
私自身、WOWOWテニスのプロデューサーとしてグランドスラムを中継しているが、2023年の小田選手の活躍ぶりは目を見張るものがあった。1月20日に放送する小田選手のエピソードでは、世界トップへと駆け上がった時期に密着取材を行い、国枝慎吾さんへの思いや、17歳とは思えないほどしっかりとした立ち振る舞いを見せる彼の素顔に迫っている。
また、昨年に小田選手が準優勝したことで、その存在を世界に知らしめた大会となった全豪オープンテニスについて、WOWOWでは1月14日から連日生中継する。小田選手の試合は全試合WOWOWオンデマンドでライブ配信を行い、車いすテニスのシングルス決勝は生中継も予定している。今年も小田選手の活躍を期待したいと思う。
さらに、出産を経て2年ぶりの復帰となる大坂なおみ選手や、男子では西岡良仁選手、ダニエル太郎選手などにも注目してほしい。グランドスラムで活躍する日本人選手をぜひWOWOWで見届けていただければと思う。
改めて、「WHO I AM パラリンピック」は1月20日、「WHO I AM LIFE」は2月3日から全作品無料で放送・配信を予定している。そして、小田選手を含む日本人選手の活躍が期待される全豪オープンテニスは、1月14日から連日生中継でお送りするため、あわせてご視聴いただければと思う。
田中社長)今年はオリンピック・パラリンピックイヤーである。パラリンピックは8月28日に開幕し、小田選手をはじめ、「WHO I AM」に出演した多くのアスリートが出場するため、彼らの活躍を期待している。
国際パラリンピック委員会(IPC)は、世界の人口の15%が何らかの障害を持っているとして、パラリンピックムーブメントを通じて、誰もが生き生きと輝く世界をつくることを目指している。WOWOWの「WHO I AM」プロジェクトにおいても、クオリティーの高いドキュメンタリーを提供するだけではなく、「WHO I AMフォーラム」や「ノーバリアゲームズ」などのイベントを通じて、ダイバーシティー、エクイティー、インクルージョンの価値観が広まることを目的として取り組んでいる。いわば本業のエンターテインメント活動を通じた、WOWOWとしてのSDGs活動でもあるため、多くのメディアの方々と連携できれば非常にうれしく思う。
まず、今話題のグループである「新しい学校のリーダーズ」のライブが1月9日に日本武道館で開催され、WOWOWで生中継を行った。映像制作は関連会社のWOWOWエンタテインメント株式会社が担当し、37個のカメラが投入された。ボーカル、ダンス、映像制作の全てがハイクオリティーであり、日本中に元気を届けられたのではないかと思っている。
【UEFAチャンピオンズリーグ 2023-24シーズン 決勝トーナメント開幕/UEFAヨーロッパリーグ 2023-24シーズン】
今後の編成については、欧州最強クラブを決めるUEFAチャンピオンズリーグの決勝トーナメントが2月に開幕する。今季は、アーセナルの冨安健洋選手、レアル・ソシエダの久保建英選手、ラツィオの鎌田大地選手と、これまでにない数の日本人選手が出場する予定である。また、UEFAヨーロッパリーグにおいても、2月以降に三笘薫選手、堂安律選手、遠藤航選手らの所属チームが参戦するため、こちらも日本人選手の活躍に期待したいと思う。
【LPGA女子ゴルフツアー 2024シーズン開幕】
LPGA女子ゴルフツアーもいよいよ来週から開幕する。今シーズンは新たに3人の日本人選手が参戦する。12月の最終予選会を通過した西郷真央選手、吉田優利選手、そして稲見萌寧選手の3人が出場権を獲得した。また、すでに米ツアーを主戦場にしている、畑岡奈紗選手、古江彩佳選手、笹生優花選手、西村優菜選手、勝みなみ選手、渋野日向子選手の6人も出場権を確保している。ランキングによって出場可能な大会数は異なるが、日本人選手総勢9人が世界最高峰の舞台を盛り上げる。大好評の日本人選手カメラも配信予定のため、ぜひ期待してほしい。
【「PORTAL-X ~ドアの向こうの観察記録~」1月12日(金)スタート(全8回)[第1回無料放送] 毎週金曜午後11:30】
次に、WOWOWならではのオリジナル番組「PORTAL-X~ドアの向こうの観察記録~」について紹介する。フィクションの世界を、あたかも現実のようにドキュメンタリータッチで見せる演出手法を「モキュメンタリー」といい、映画ではホラー映画の『ブレア・ウイッチ・プロジェクト』や、SF映画の『第九地区』などが有名である。WOWOWでは、この演出手法を用いて、2年前に「ザ・モキュメンタリーズ~カメラがとらえた架空世界~」を放送・配信した。30分8話の番組だったが、評判も良く、放送文化基金賞の奨励賞を受賞している。その第2弾となる「PORTAL-X~ドアの向こうの観察記録~」では、切り口を少し変え、少子化、食料難、AI進化の光と影などの社会問題をテーマにしており、今回も映画監督の伊藤峻太さんが脚本・監督を務めている。
例えば第2話では、AIの発展によって死者の脳をよみがえらせる世界を描く。未完の大作を完成させるべく、伝説の漫画家を脳から復活させるが、タブレットの中によみがえった漫画家は、永遠の脳を手にするにもかかわらず苦悩を続ける。科学が進歩する中、物を作ること、生きることの意味を描いていく。なお、演歌歌手の小林幸子さんのAI人形も登場する。チャレンジングな作品である。ぜひご覧いただきたい。
昨日、映画『ゴールデンカムイ』の完成披露試写会を東京国際フォーラムにて開催した。4,000人のお客さまに来場いただき、多くのメディアにも来ていただいた。いよいよ公開が1月19日に迫っている。ぜひメディアの皆さまにも盛り上げていただきたいと思っている。
以上