5月10日(木)、定例記者会見を開催しました。概要は以下の通りです。
出席者:田中晃社長、橋本元専務、山崎一郎常務、大高信之取締役、スポーツ部清水大志プロデューサー
2017年度は、3月末の時点での累計正味加入件数が年度末の数字としては過去最高となる2,876,402件となり、その結果2006年度より12期連続となる純増を達成することができた。決算及び詳細については5月16日(水)に決算説明会にて説明する予定。3月は映画コンテンツ中心に営業活動を展開、アカデミー賞授賞式の生中継、映画ドラえもんの一挙放送などが新規加入を獲得した。転居等の季節要因もあり例年3月は解約傾向が強く、月間全体では920件の純減となった。4月は、音楽コンテンツを中心に展開。なかでも 4月からスタートし複数月にわたるB'zとのコラボレーション企画が好評を得た。一方で、4月は例年、純減傾向の強い月であり結果として23,424件の純減となった。5月から6月にかけては強力なラインナップが揃っているので、引き続き加入者数の最大化に取り組んで行きたい。
田中社長)いよいよ今月27日より全仏オープンテニスが開幕となる。本日は、この大会に向けた様々な取り組みを中心に、さらなる拡がりを見せるWOWOWのテニスのマルチ展開についてスポーツ部の清水大志プロデューサーよりご紹介する。
■全仏オープンテニスみどころ
清水)今月より、5~6月の全仏オープンテニス、7月のウィンブルドンテニス、8~9月の全米オープンテニスと5カ月連続で毎月世界最高峰の戦いが展開するグランドスラムシーズンにいよいよ突入となる。WOWOWでは5月27日(日)開幕の全仏オープンテニスを、15日間約160時間の生放送という圧倒的なボリュームで赤土の熱戦を現地からお届けする。今大会の見どころは何と言っても昨年8月に怪我をして戦線離脱し、今大会がグランドスラム復帰戦となる錦織圭選手。先月行われたATPマスターズ1000<モンテカルロ>で準優勝し、復調気配が強い。また、昨年ブレイクし、現在世界ランキング46位の杉田祐一選手や、イスタンブール大会で日本人として4人目のATPツアー優勝を果たしクレーコートを得意としているダニエル太郎選手らの活躍にも期待。一方、昨年優勝しクレーキングとも言われるラファエル・ナダル選手にも注目。全仏オープンテニスでは79勝2敗、勝率97.5%と驚異の数字をたたき出しており、今大会での史上初となる11回目の優勝に期待したい。一方、女子は混戦模様必至。昨年は20歳のオスタペンコが優勝しており、今大会でも同じ20歳の大坂なおみの活躍に期待。今年はグランドスラムに次ぐ大きな大会のWTA<プレミア・マンダトリー>で日本人として初、本人としても初のツアー優勝し、現在世界ランキング21位と好調を維持しており上位進出が予想されている。男子・女子ともに赤土のクレーコートでは球足が遅くなるので、一番波乱が起きる大会と言われており、見逃せない試合が続くので1回戦からお楽しみ頂きたい。また、WOWOWでは車いすテニスも放送しており、今年の全豪オープンテニスシングルスで怪我からの復帰後、久しぶりの優勝を飾るなど、歴代最多41回の優勝を誇るレジェンド国枝慎吾選手の活躍はもちろん、昨年シングルス・ダブルスで優勝している上地結衣選手の2連覇なるかにもご注目頂きたい。今年は、現地ローランギャロスから、赤土クレーコートでの熱戦の模様を、WOWOWテニスアンバサダー伊達公子さんと松岡修造さんにお届けして頂く。
■配信での取り組み
(1)ハイブリッドキャストの活用
グランドスラムテニスは約20コートが同時に試合進行しており、その中から選りすぐりの試合を放送しているが、「テレビ放送以外の他のコートが見たい」、「この選手を応援したい」と言うお客様からの要望をかなえるべく、WOWOWではピックアップコートとして放送以外のコートをWOWOWメンバーズオンデマンドで生配信している。今回ご好評にお応えし従来の3コートから4コートへと配信数を拡大してお届けすることが決定している。また、グループ会社であるアクトビラの協力のもと、ハイブリッドキャスト対応テレビ向けに同様のサービスを展開。テレビリモコンのdボタンで、同じTV画面上でシームレスに他コートが見られる生配信サービスを実施していく。
(2)Paraviでの展開
本日が初の発表となるが、テレビ東京・WOWOWが参画している動画配信サービスのParaviにて、地上波で全仏テニスを中継するテレビ東京とWOWOWが共同で全仏オープンテニスのデイリーハイライト動画を配信することが決定した。放送だけでなく配信の世界でも是非テニスの魅力をお楽しみ頂きたい。
(3)ATPツアーについて
WOWOWでは、2月からATPワールドツアーをツアーファイナルズを含め32大会ライブ配信しており、全仏オープンテニスの前哨戦となるATP1000の<マドリード><ローマ>およびATP250<リヨン>もWOWOWメンバーズオンデマンド及びWOWOWが運営するテニスニュースサイト「テニスデイリー」で無料配信する。配信・無料での展開を通じ若年層のリーチ拡大にも取り組んでいきたい。
■テニス情報番組について
4月よりスタートし毎週水曜日にレギュラーで放送している、テニス情報番組の「週刊テニスNAVI」ではグランドスラム・ATPツアーはもちろんのこと、大坂なおみが活躍しているWTAツアーの最新ハイライト映像など世界のテニス情報を毎週お届けしている。世界最高峰のテニスがこんなに凝縮された番組をお届けできるのはWOWOWだけだと自負している。
■テニス文化向上に向けて
ここまでテニスの放送・配信の話をしてきたが、WOWOWでは世界最高峰のテニスをお届けするだけでなく、テニス人口が増え、テニスが日本のスポーツ文化に定着して欲しいとの思いから様々な取り組みを行っている。
(1)テニスレッスン番組
昨年シーズン1を放送・配信し、大変好評のテニスレッスン番組「マイケルチャンのテニス塾シーズン2」を5月27日(日)全仏オープンテニス開幕に合わせてWOWOWメンバーズオンデマンドにて先行配信する。チームK(錦織圭)のフィジカルトレーナーも出演し、プレーヤーに必要なトレーニングや準備運動をレクチャーするなどテニスプレーヤーのニーズをかなえる番組にしていきたい。
(2)マッチングサービス
先日、TBS・シールズとともに共同開発した「TenniSwitch」というテニスマッチングサービスを開始した。「TenniSwitch」では「プレーしたいけど相手が見つからない」、「空きコートが見つからない」、「同じレベルの人とプレーしたい」といったニーズに向けたサービスを提供していく。今後もこうした取り組みを通じ、放送・配信だけでなくリアルな場においてもプレーヤーがテニスが楽しめる環境作りに貢献していきたいと考えている。
(3)若手選手の発掘・紹介
今年の3月に開催された、全国選抜高校テニス大会のライブ配信を「テニスデイリー」にて展開した。動画と共にニュース記事も多数扱い、メディアとして第二の錦織、大坂を発掘・紹介することで、テニス文化普及に役立てればと考えている。また、大会中継にあたっては、パナソニックと連携し、新しい技術である自動追尾カメラの導入を試みるなど、新しい中継技術に挑戦する場として活用も行っている。
WOWOWでは世界最高峰のテニスを放送・配信しているが、こうした様々な取り組みを通じ、「テニスを見れば見るほど好きになって頂き、実際にプレーして、また見たくなる」というサイクルを実現することで日本のテニス人口、テニスファン人口の拡大に貢献し、日本のスポーツ文化にテニスが根付くよう展開をしていきたいと考えている。まずは、5月27日(日)より開幕する全仏オープンテニスを楽しんで頂きたい。
田中社長)WOWOWの放送や様々サービスを通じてテニスに触れた若者から第二、第三の錦織圭、大坂なおみが生まれ、日本のテニス文化がより育っていくことを願いつつ、引き続きテニスの取り組みに注力していきたいと考えている。まずは、復活の錦織圭、躍進の大坂なおみが待つ全仏オープンテニスにご期待頂きたい。
今年9月16日に引退となる安室奈美恵の現在展開中のファイナルツアーより、2月27日(火)に行われた福岡ヤフオク!ドームでの公演を、6月3日(日)のツアー終了の余韻間もない6月17日(日)に独占放送でお届けする。歌はもちろんだが、映像ならではのキレのあるダンスを是非楽しんで頂きたい。また放送前日となる6月16日(土)には、昨年放送し大きな反響を呼んだ沖縄での25周年記念ライブの再放送も行う。国民的歌手の最後の輝きを是非、WOWOWにて楽しんで頂きたい。
6月11日(月)に世界最高峰の演劇・ミュージカルの祭典、第72回トニー賞授賞式を生中継にてお届けする。今年は「アナと雪の女王」、「ハリー・ポッター」、「ミーン・ガールズ」など、人気映画を原作とした舞台の賞レースが大きな見どころ。また、授賞式で行われるブロードウェイの人気舞台の一コマを再現した迫力満点のパフォーマンスも是非ご堪能頂きたい。WOWOWの放送では、井上芳雄、生田絵梨花がスタジオからお届けするほか、スペシャルゲストとして坂本昌行が登場。宮本亜門による現地レポートも交え感動と興奮の瞬間を生中継する。このトニー賞授賞式を筆頭に、オリジナルミュージカル・コメディ「福田雄一×井上芳雄 グリーン&ブラックス」やイベントなど、現在ミュージカルファンに向けて様々な取り組みを行っているが、引き続き強化していきたいと考えている。
現在議論が進んでいる放送制度改革について、WOWOWもその議論の行方を注視している。WOWOWは民放連の一員として、その放送基準に則って、放送事業を行い、信頼されるメディアとして公共的な役割を担ってきたという自覚がある。昨今、放送の公共性についてはその需要の高まりを感じている。WOWOWは報道を持たないが、衛星基幹放送事業者として、災害報道や聴覚障がい者用の字幕放送など積極的に取り組んでいる。放送の公共性については「信頼できる報道」「コンテンツ・文化の育成」という2つの面があり、WOWOWは特に後者に対し、地上波やNHKとは役割は異なるが放送文化の発展やクリエイター・クリエイティブの育成などに携わってきたという自負を持っている。今回の会見で紹介したテニスについてもコンテンツを育てるという意志がなく、ビジネス面を優先させるならば、とうの昔に放送をやめていたはずである。引き続きこうした有料放送としての役割をきっちりと自覚し、その責任を果たしていきたいと考えている。そしてその公共性は、現行の法制度によって担保されていると考えている。今後も是非、放送事業者の意見を汲んで頂いた上で、健全な議論を行って頂きたい。