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  • 2020.09.10
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2020年9月定例会見要旨

9月10日(木)、定例記者会見を開催いたしました。概要は以下の通りです。

出席者:田中晃社長、黒水則顯副社長、山崎一郎専務、田代秀樹常務、高江洲義貴プロデューサー、高田亜美プロデューサー、藤岡寛子プロデューサー

1. ご挨拶(田中社長)

本日はお忙しい中、弊社定例会見にお越し頂きありがとうございます。
まずは先日の台風で九州地区を中心に大変な被害に遭われた方々に心よりお見舞いを申し上げます。一日も早い復旧をお祈りしております。
依然として新型コロナウイルスの収束は見えませんが、そんな中スポーツやステージなどが復活してきております。開催中の全米テニスで大坂なおみ選手がベスト4に進出しました。それ以外にもスポーツを中心に色々なイベントの復活がみられるので後ほど担当から紹介します。

2. 加入分析(山崎専務)

まずは8月の加入状況についてご報告させて頂く。
8月の加入実績は、 新規加入55,622件で久しぶりの大きな加入となっている。解約は42,264件となり、13,358件の純増。累計正味加入件数は2,770,142件となった。

加入増の要因は、ライブコンテンツが再開したことによりWOWOWとしてオールジャンルのコンテンツをお届けできたこと。それによりお客様の反響を頂き、加入に繋がった。7月は宮本浩次やONE OK ROCKなどの音楽ライブ、8月も同様にサザンオールスターズや超特急などが大きく牽引した。スポーツでは、全英女子オープンゴルフ、現在開催中の全米オープンテニスなどが、新規加入に貢献した。新型コロナウイルスの影響で、中止・延期になっていたスポーツコンテンツが再開されたことによって、加入を大きく延ばすことができている。お客様の反響も非常によく、手応えをしっかり感じられる月でもあった。
全米オープンテニスに引き続き、9月は全仏オープンテニスが開催予定であり、今後の加入増に繋げていきたいと考えている。

3.オリジナルコンテンツの紹介(田中社長、ドラマ制作部 高江洲義貴プロデューサー、制作部 高田亜美プロデューサー、コミュニティサービス部 藤岡寛子プロデューサー)

田中社長)WOWOWのコンテンツは、ジャンルの多様性、他にはないオリジナリティ、クオリティへのこだわりを方針としている。そんなWOWOWらしいコンテンツを支えてくれるのが、外部のクリエーターたちである。本日ご紹介するのは、WOWOWのプロデューサーと外部クリエーターとのマッチングでお届けするコンテンツとなる。
1つ目は今旬の才気あふれるクリエーターがWOWOWで初めてトライをするコンテンツ、2つ目は新しい才能の発掘、3つ目が新しい映像テクノロジーの取り組みである。3名のプロデューサーが登場するので、どうぞお聞きいただきたい。

■WOWOWオリジナルドラマ「殺意の道程」 ドラマ制作部 高江洲義貴プロデューサー

【「殺意の道程」概要】
ドラマ「素敵な選TAXI」、「住住」、そしてギャラクシー賞・向田邦子賞を受賞した「架空OL日記」、脚本家としても多彩な作品を手掛けてきたバカリズムのオリジナル脚本が、WOWOWで連続ドラマ化。11月よりオリジナルドラマ「殺意の道程(みちのり)」を全7話で放送。「住住」、「架空OL日記」でバカリズムとタッグを組んだ住田崇が全7話の監督を務める。

【企画のきっかけ】
WOWOW声優バラエティ番組「僕声」のディレクターを務めていた住田氏がバカリズムさんと「住住」「架空OL日記」に続く連続ドラマ企画を考えていたところ、同じく「僕声」の制作会社SWEATのプロデューサーである大内氏が、それならWOWOWが良いだろうということでWOWOWに提案したところから始まった。

【目指したところ・特徴・WOWOWならではのクリエーターの表現】
・復讐劇というシリアスな話の中で、通常のドラマでは描かれない部分、例えば殺害方法をどう決めるか、その道具の買い出しなどをやたら細かく描くサスペンスコメディである。既存のドラマとは違った新ジャンルへの挑戦で誰も見たことがない変わったドラマを作りたかった。
・映像にもこだわっており、4K撮影による重厚な画作り、さらに現在ではめっきり減り、見かけることの少なくなった車両牽引による撮影シーンが多くある。また通常のドラマより夜のシーンが多く、夜の街を車を走らせながら、主人公の二人が語り合うシーンは見どころの一つ。バカリズムさんの脚本はユーモアとセンスにあふれた会話劇が素晴らしく、1つのシーンがその会話劇で楽しめてしまうので長尺となり、既存のドラマよりも圧倒的にシーン数が少なくなっているのも特徴である。WOWOWはCMがなく会話劇を途切れることなく堪能できるので、バカリズムさんの脚本との相性が良いと思っている。

【スタッフ・キャストの反応】
バカリズムさんは実際に脚本を書いてみて「こんなに自由にやっていいんだ」と感じたと言い、井浦さんは「新しいドラマを作っている感覚があり、すでに仕上がりが楽しみ」とのこと。住田監督も「WOWOWは制約が少なく、クリエーターを尊重してくれる自由な風土がある」とのこと。制作会社大内Pも「クリエイティブに妥協がないWOWOWだからこそ、バカリズム脚本作品の新しい可能性が引き出せると思い、持ち込んだ」とのこと。

【プロデューサーの思い】
コロナ禍にあり、多くの作品が放送中止、撮影延期を余儀なくされた時、自分が何もできないことが悔しく、一刻も早く面白い新作ドラマを視聴者の皆さんに届けたいという気持ちがあった。紆余曲折を経てやっと本作のクランクインを迎えた日は、また作品作りができるんだと感慨深いものがあった。
本作で目指したのはこれまで見たことがない新しいドラマへの挑戦。バカリズムさんの素晴らしい脚本の元に、同じ思いを抱いたキャスト、スタッフが集まった。感染症、熱中症の脅威のある厳しい現場の中、全力で撮影に取り組んだ。
この、いままで見たことのない変な、面白いドラマで、少しでも多くの人がドキドキしてハラハラしてクスリと笑って、来週もまた見たい、と思えるドラマにご期待頂きたい。

■WOWOWオリジナルドラマ「竹内涼真の撮休」 制作部 高田亜美プロデューサー

【「竹内涼真の撮休」企画の背景・経緯】
今回ご紹介するのは「撮休シリーズ」の第2弾「竹内涼真の撮休」。今年の3月~5月にかけて第1弾である「有村架純の撮休」を放送した。女優の架空の休日を描いた8つのストーリーを、役者本人が演じる一話完結のオムニバスドラマで、是枝裕和監督をはじめとする、5名の監督と8名の脚本家にご参加いただいた。第1弾の放送が終わり、役者が本人役を演じるというフレームを面白いと思っていただき、この度第2弾を制作する運びとなった。第2弾である今回は、竹内涼真さんを主演に迎え、監督と脚本家はおおむねスタッフを入れ替え、新たな8つの世界を作り上げている。

【第2弾のクリエーター陣】
監督には、日本映画界をけん引する監督のひとりでもある廣木隆一さん、脚本・監督を務められたNetflix「全裸監督」が大きな話題になった内田英治さん、そして今回の最年少・現役の慶応大学学生である松本花奈さんの3名。脚本家には前回から引き続きペヤンヌマキさん、ふじきみつ彦さんに参加頂きつつ、演劇界で活躍されている方を中心に新たに6名の方に参加頂いた。我々制作側としても、様々なクリエーターと手を組み、世界観をつくりあげるチャレンジができるというのがこの企画の大きな特徴であり、前回に引き続き、今回も作品のテイスト・性別・年齢もそれぞれ異なるバックグランドをもった方々とご一緒することができた。これにより、各ストーリーがカラーを変えて展開できていると同時に、映画~演劇と幅広いエンタメジャンルを取り扱う当社の特性を生かした、WOWOWらしい顔ぶれになったと考えている。実際、WOWOWでオリジナル脚本をドラマ化するにあたって、参加いただいたクリエーターの皆さんには表現の自由度の高さや、"俳優のOFFの姿を想像する"というお題のユニークさを面白がっていただけたのではないか。脚本家の個性が物語を形成し、さらに監督の演出が加わることで見たことがない竹内涼真像が映し出されていると感じている。前シーズン同様に、「監督と脚本家」という組み合わせも「8本の並び」も、両方の面で毎週"そうきたか!"と視聴者に感じていただけるようなユニークなドラマにしたいと思っている。

この春コロナ感染症が拡大した影響で約1か月クランクインが倒れ、無事に撮影を終えることができるのか非常に不安な時間が続いたが、主演の竹内さんご本人も「今までの役柄で見せてこなかった自分を届けたい」と意気込んで、非常に楽しく撮影に臨んで頂いた。前作とも一味ちがう世界観になっている。主演とクリエーターの化学反応でできている妄想ドラマ、ぜひこの「撮休シリーズ」第2弾にご期待頂きたい。

■VRアニメーション「Beat」コミュニティサービス部 藤岡寛子プロデューサー

【作品が生まれた経緯:WOWLabo】
今回の作品は、当社技術局が中心になって行っているWOWLaboの取り組みの中で生まれた。
WOWLaboは、当社単独では難しいさまざまな取り組みを外部クリエーター・企業と共に行うことによって、新しいコンテンツ・サービスを生みだすことを狙いとしている活動である。今回の作品は、そのWOWLaboの活動の中で、クリエーターとの共同開発という枠組みの中で生まれた。

【監督:伊東ケイスケ氏】
伊東ケイスケ監督は3DCGアーティストでシーグラフ等での受賞経験もあり、VRアニメーションとしては初作品となった前作Featherが昨年もヴェネチア国際映画祭に招待されている監督である。

【Haptics(触覚)技術について】
2018年の冬頃から商品化できるクオリティの作品に挑戦しようと思い、試行錯誤する中で、インタラクティブ性を用いて、作品の世界に自分が影響を与えられるようになると、2D映像にはない深い映像体験につながるのではないかと考えた。インタラクティブ技術を探した中で出会ったのがHaptics(触覚)技術を用いたデバイスであった。
これは聴診器を胸にあてることで心臓の鼓動を体感できるデバイスである。手で心臓の鼓動を感じながら、一方で、作品の中のハートにも心臓の鼓動を連動させて、自分の心臓の鼓動によって、ロボットに命を吹き込み、物語が動き出すというコンテンツになっている。

今回、VR×Hapticsという新しい技術の組み合わせで映像体験を生み出すことに挑戦したが、新しい技術を利用することの難しさは、技術を利用することが目的になってはいけない、ということだと思っている。2Dで見ても同じ体験が出来ることをVRで作っても意味がなく、ただ心臓の鼓動が体験できても、ストーリーの中で必要な存在になっていなければ利用する意味がない。VRで表現するべき作品とは何かを考えるようにしている。
また、VRは観るものではなく「体験」するものであり、体感も大切である。視覚だけでない体感の確認をしながら作ることも重要である。
今回「Beat」がヴェネチア国際映画祭にノミネートされることができたのは伊東ケイスケ監督がその点をきっちり理解し制作し、VR作品としての完成度が高いからではないかと思っている。

ヴェネチア国際映画祭は9月12日までの開催となっており最終日にVR部門の受賞発表も行われる予定。

田中社長)VR自体は新しい技術ではないが、伊東監督によると「自分の心臓の鼓動を視覚化することができて、同時にそれが作品に連動することが新しい技術である」ということである。これが即サービスとして実現するとは思っていないが、これから先、5Gの時代に、こういったテクノロジーの進化が私共のコンテンツの魅力に繋がっていけばとても素晴らしいことだと思っている。WOWOWはかねてより、最強のプロデューサー集団になろうということを標榜している。今日ご紹介したように、国内の才能あるクリエーターたちがWOWOWで表現したいと集まってくるような環境作りと、若い才能の発掘にこれからも取り組んでいきたいと思っている。

4.今後の編成トピックス(田代常務)

まず、全米オープンテニスについて話をさせて頂きたい。
いよいよ明日、朝7:50から準決勝である。第一試合は大坂なおみ選手とブレイディ選手、これは間違いなく大坂なおみ選手が勝つと思っている。第二試合はセレナ・ウイリアムズ選手とアザレンカ選手の試合となるが、おそらくセレナ・ウイリアムズ選手が勝つのではないかと思う。そうなった場合、今週日曜日の決勝はセレナ・ウイリアムズ選手と大坂なおみ選手という2018年の全米オープンテニス決勝の再来となる。その時、大坂なおみ選手はグランドスラム初優勝、会場はセレナ・ウイリアムズ選手のファンがほとんどだった。大坂なおみ選手が「セレナに勝ってごめんなさい」といった言葉を大変よく覚えている。
今回は堂々とセレナ・ウイリアムズ選手に勝って、優勝カップを高々と掲げてくれることを私共は期待している。

① ボクシング 井上戦11/1(日)生中継決定・タイソン11/29(日)生中継決定
WBAスーパー・IBF世界バンタム級チャンピオンの井上尚弥選手がWBO同級1位のジェイソン・マロニー選手と対戦するビッグマッチを日本時間11月1日にWOWOWプライムにて生中継することが決定した。井上選手のWBA 4度目、そしてIBF2度目の防衛戦となる。 4月にラスベガスでWBO王者カシメロと3団体統一戦を行う予定だったが、新型コロナウイルスの影響で延期。待ちに待った井上戦となる。井上選手の最後の試合は昨年11月WBSSバンタム級決勝でフィリピンの英雄ドネア選手との試合となり、今回一年振りとなる。試合はラスベガスにて無観客で行われる予定。WOWOWでは放送での生中継はもちろん、ネット同時配信も行うので外出先でも是非ご覧頂きたい。
また同じく11月に延期となっていた元統⼀世界ヘビー級王者マイク・タイソン54歳と、元世界4階級制覇王者ロイ・ジョーンズ51歳との夢の対決も⽣中継することが決定した。
マイク・タイソンが引退したのは2005年6月の試合が最後となるため、15年振りにタイソンの雄姿を見られるということになる。
WOWOW開局の1990年よりずっと放送してきたマイク・タイソンの試合も井上戦と合わせてご覧いただきたい。 

② タイBLドラマ「2gether」
ついにWOWOWにタイドラマが登場。世界規模での人気となっているタイBL(※BL=ボーイズラブ)の中でも全世界ツイッタートレンド1位を記録するほど話題沸騰となったタイBLドラマ・ナンバーワンというべき「2gether」をWOWOWが日本初放送する。
タイではBLドラマが大変人気で大手テレビ局の中では、毎週レギュラー枠でBLドラマを放送している局もあると聞いており、こちらは世界中のWEBコミュニティで大変話題となっている作品。WOWOWは韓国・中国と良質なアジアドラマを数多く放送・配信してきた。今回は初めてのタイドラマとなり、すでに多くの反響を頂いている。タイドラマにも是非ご注目頂きたい。

③ 劇場の灯を消すな!第3弾・第4弾
7月の会見でプロデューサーの石川より第1弾・第2弾までご説明したが、第3弾と第4弾も現在進行中であり、第3弾は本多劇場で宮藤官九郎さん細川徹さん演出、第4弾はPARCO劇場で三谷幸喜さん箭内道彦さん演出となっている。
さらに、第3弾には小泉今日子さん、第4弾には渡辺謙さんが出演されるなど、非常に豪華なキャストのみなさんに出演いただいている。それぞれの劇場と、クリエーターのみなさんとともに、新しいスタイルの演劇番組を作っていくので引き続きご注目いただきたい。

5.WOWOWプラス チャンネル名変更(黒水副社長)

子会社であるWOWOWプラスが運営している「シネフィルWOWOW」について、12月1日より、「WOWOWプラス」とチャンネル名変更する。シネフィルWOWOWの強みである名画・ドラマ編成がメインであることは変わらないが、音楽・スポーツ・ステージといった新規ジャンルを拡充し、よりパワーアップする。当社はグループ経営強化に取り組んでおり、その一環として今回のチャンネル名変更とジャンル拡充を行う予定。WOWOWが持つプライムch、ライブch、シネマch、2021年3月に開始予定の4Kチャンネルと合わせ、5チャンネルを核にグループのチャンネル戦略を推進していきたい。

6.最後に(田中社長)

今朝、一般紙、スポーツ紙等々を見て、WOWOWが放送するコンテンツが随所に載っているのを大変嬉しく思った。大坂なおみベスト4進出、錦織苦杯、渋野・畑岡ANAインスピレーション本日開幕、井上尚弥世界戦決定、それから「劇場の灯を消すな!」PARCO編、渡辺謙✕三谷幸喜。これらの見出しを大変嬉しく思った。コロナの中で、しばらく身をかがめていたけれども、これからのWOWOWの逆襲を、ぜひ楽しんでいただきたい。

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