CORPORATE INFORMATION

2023年度 委員

<委員長>
泉谷 直木アサヒグループホールディングス株式会社 特別顧問 (2023年11月退任)
福井 健策弁護士 (2023年12月 委員長就任)
<副委員長>
大日方 邦子パラリンピック金メダリスト
石川 光久株式会社プロダクション・アイジ― 代表取締役会長
(2023年12月 副委員長就任)
<委員>
朝吹 真理子作家
宇多丸ラッパー/ラジオパーソナリティ
川田 十夢AR三兄弟 長男  (2023年12月 新任)
木嶋 真優ヴァイオリニスト
小山 薫堂放送作家・脚本家
藤﨑 忍株式会社ドムドムフードサービス 代表取締役社長
別所 哲也俳優/「ショートショートフィルムフェスティバル&
アジア 代表」
渡辺 千穂脚本家

■第329回WOWOW放送番組審議会

開催年月日
2024年3月28日(木) 11:00~12:00
開催場所
WOWOW本社およびオンラインでの併用開催
出席者(敬称略)
◆ 委員
石川光久(副委員長)、大日方邦子(副委員長)、朝吹真理子、宇多丸、川田十夢、木嶋真優、小山薫堂、藤﨑忍、別所哲也(敬称略)

◆WOWOW
【WOWOW】代表取締役 社長執行役員 田中晃、専務執行役員(コンテンツ・クリエイティブ統括) 田代秀樹、執行役員(メディア事業統括) 兼 カスタマーエクスペリエンス局長 横山誠一、コンテンツ制作局長 吉雄文斗、コンテンツ戦略局長 蓮見裕二、コンテンツ戦略部長 宮崎純子、審議番組担当プロデューサー 高橋岳
議題
1)ドキュメンタリーシリーズ WHO I AM パラリンピック 小田凱人(日本/車いすテニス)アンブラ・サバティーニ(イタリア/陸上)
2)4月の編成について
審議の概要
1)審議番組担当プロデューサーより審議番組の説明を行い、意見・感想の交換が行われた。
2)コンテンツ戦略部長 宮崎純子より、4月のテレビ番組編成についての説明・報告を行い、 意見・感想の交換が行われた。
審議
1)ドキュメンタリーシリーズ WHO I AM パラリンピック 小田凱人(日本/車いすテニス)アンブラ・サバティーニ(イタリア/陸上)
・時間をかけて丁寧に取材している良質なドキュメンタリーだと感じた。
・アスリートを通して、人間の強さが、スタイリッシュな映像でかっこよく表現されていた。
・パラリンピックが楽しみになるような作品だった。
・どん底の状況から這い上がり、世界に立つ若きアスリートの強さに刺激を受けた。
・ナビゲーターは、締めの言葉を言ったり、他の選手の紹介や競技のフォローをするという立ち位置でもいいのではと感じた。
・パラアスリートのことを知りたくなる作品だった。
・広報ドキュメンタリーのような、アスリートをかっこよく紹介するという番組の方向性が分かりきってしまうパッケージングと感じた。
・音楽やナレーションによる説明が過剰に感じ、もっと演出にメリハリをつけてほしかった。
・対戦相手の説明がなかったので、もっと入れてほしかった。
・車いすとテニスコートが擦れる音などによって、躍動感が伝わってきた。
・義足という科学技術と、人間の身体能力の融合について、もう少し深掘りしてほしいと感じた。
・小田選手の回のモノローグは、本人の言葉というより、セリフとして言わされているように見えて違和感があった。
・PR的な要素が強い番組だと感じた。
・現役のパラアスリートと、元オリンピック選手との対決など、番組の企画として新しい試みを取り入れてもいいのではと感じた。
・選手自身のマインドや、どういう苦悩があったのかが伝わってこなかった。
・小田選手が友人と食事をするプライベートなシーンがあったが、カメラを意識していて作りこまれているような印象があり、リアル感が欲しかった。
・アスリートの美しさ、強さが描かれていて、美しいドラマを見たような気分になった。
・プロスポーツ選手である二人にとって、"結果"が彼らの表現したいことだと思うので、ドキュメンタリーの中で、必ずしも苦悩を全て見せる必要はないのではと感じた。
・私たちが「ベターライフ」を目指すうえで、困難に直面した時にどう乗り越えていくかなどが多面的に示されていて、いわばロールモデルドキュメンタリーとして、この物語から見えてくるものがたくさんあった。
・時間軸での人物伝は、視聴者にとって安心感のある構成だと感じた。
・多面的に、徹底的に、長い期間をかけてアスリートを追いかけていくという気概をもった、違う視点の番組があるといいのではと思った。
・パラアスリートである彼らの被写体としての強さを感じた。
・サバティーニ選手の回は、家族や恋人に見せる柔らかさと、アスリートとしての強さのコントラストがうまく描けていた。
・アスリートがあれだけ素の部分を見せることはなかなかないので、関係性を築いた制作陣が素晴らしいと思った。
・パラアスリートの中でも存在が浸透してきたこの「WHO I AM」シリーズなら、しっかりと描いてくれるという信頼感が、これまで8年間続けてきた中で構築されたのだろうと感じた。
・パラスポーツを取り巻く環境が変わってきた中で、このシリーズも新たな試みが必要なのではないかと感じた。

■第328回WOWOW放送番組審議会

開催年月日
2024年2月29日(木) 11:00~12:00
開催場所
WOWOW本社およびオンラインでの併用開催
出席者(敬称略)
◆ 委員
福井健策(委員長)、石川光久(副委員長)、宇多丸、川田十夢、木嶋真優、小山薫堂、藤﨑忍(敬称略)

◆WOWOW
【WOWOW】代表取締役 社長執行役員 田中晃、専務執行役員(コンテンツ・クリエイティブ統括) 田代秀樹、執行役員(メディア事業統括) 兼 カスタマーエクスペリエンス局長 横山誠一、コンテンツ制作局長 吉雄文斗、コンテンツ戦略局長 蓮見裕二、コンテンツ戦略部長 宮崎純子、審議番組担当プロデューサー 小髙史織
議題
1)民放連放送基準改正に伴う当社番組基準改訂について」諮問答申
2)連続ドラマW-30 東京貧困女子。-貧困なんて他人事だと思ってた-」第1話~第4話
3)3月の編成について
審議の概要
1)「日本民間放送連盟 放送基準」が2024年4月に改正されることに伴う当社番組基準の改訂について、放送番組審議会に諮問を行い、満場一致で改訂に同意をいただいた。
2)審議番組担当プロデューサーより審議番組の説明を行い、意見・感想の交換が行われた。
3)コンテンツ戦略部長 宮崎純子より、3月のテレビ番組編成についての説明・報告を行い、 意見・感想の交換が行われた。
審議
2)「連続ドラマW-30 東京貧困女子。-貧困なんて他人事だと思ってた-」第1話~第4話
・現代社会の抱える女性の貧困問題について、今後私たちは何をしていくべきなのかと考えるきっかけになる作品だった。
・各話の尺が短いなかで、世の中の抱える問題をたくさん詰め込んでいて、理解が深まりづらい印象だった。
・考え方や結論が、フリーライターのセリフとして表現されていたが、視聴者が自ら気がついたり、「なぜこのような問題が起きるんだろう」と考えるような余白のある作りにした方が、より心に刻まれるのではと思った。
・第4話で、テレビから流れてくる通り魔のニュースに対し、主人公が泣くシーンがあったが、少し唐突な印象だった。
・主人公がどんどん逞しくなっていく様子や、フリーライター役の感情を抑えた演技が素晴らしかった。
・ルポルタージュで辛辣な内容も含まれる原作を、うまくドラマに落とし込んでいるなと感心した。
・貧困という社会問題を可視化できている作品だと思った。
・男性にも貧困問題はあるので、貧困問題が女性特有のもの、女性だけが可哀そうというような、性差の溝が生まれるような描き方になっていないかが気になった。
・女性がいち個人として精神的にも自立するような教育などを、社会構造の中で行っていかないと解決しない問題だと思わされた。
・1つのテーマの掘り下げ方が浅い部分もあったが、考えるきっかけになる作品だった。
・考え方や結論が、フリーライターのセリフとして表現されていたことについては、反発が生まれたとしてもはっきりとした言葉で表現しないと伝わらないほど、作品に出てくる社会問題が切迫した状況なんだということが伝わってきて、この作品には合っている作りだと思った。
・問題意識の打ち出し方が上手いと感じた。
・貧困問題に悩む告白者の人生の物語を紡いでいかないと、ドラマとしては弱いのではと思った。
・この作品のターゲットや、何を伝えたいのかが伝わってこなかった。
・このメッセージを伝えるなら、ドラマではなくドキュメンタリーという手法の方が向いているのではと思った。
・この作品を見て、無関心を関心に変えさせることが大事だと思った。

■第327回WOWOW放送番組審議会

開催年月日
2024年1月25日(木) 11:00~12:00
開催場所
WOWOW本社およびオンラインでの併用開催
出席者(敬称略)
◆ 委員
福井健策(委員長)、石川光久(副委員長)、朝吹真理子、川田十夢、木嶋真優、小山薫堂、藤﨑忍、別所哲也(敬称略)

◆WOWOW
【WOWOW】代表取締役 社長執行役員 田中晃、専務執行役員(コンテンツ・クリエイティブ統括) 田代秀樹、執⾏役員(メディア事業統括) 兼 カスタマーエクスペリエンス局⻑ 横山誠一、コンテンツ制作局長 吉雄文斗、コンテンツ戦略局長 蓮見裕二、コンテンツ戦略部長 宮崎純子、審議番組担当プロデューサー 丸山明澄
議題
1)YOSHIKI CLASSICAL 10th Anniversary World Tour with Orchestra 2023 'REQUIEM'
2)2月の編成について
審議の概要
1)審議番組担当プロデューサーより審議番組の説明を行い、意見・感想の交換が行われた。
2)コンテンツ戦略部長 宮崎純子より、2月のテレビ番組編成についての説明・報告を行い、 意見・感想の交換が行われた。
審議
1)YOSHIKI CLASSICAL 10th Anniversary World Tour with Orchestra 2023 'REQUIEM'
・YOSHIKIさんのロックとクラシックの二刀流というスタイル、その多彩さに驚いた。
・ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールから生中継をしたスケール感に感服した。
・YOSHIKIさんが英語で想いを込めて語っている姿に感心した。
・ドラムとオーケストラの融合が、不協和の中に協和する部分があり、現代社会を映し出しているようで素晴らしいと感じた。
・指揮者やオーケストラの紹介について、番組エンドロールでの名前の表示だけでなく、登場の際にもテロップを入れるなどの工夫があっても良かったのではないか。
・コンサート生中継に併せて、リハーサルやピアノを選定している様子など、舞台裏が見られるドキュメンタリー番組も企画制作すると、より一層楽しめるのでは。
・ロイヤル・アルバート・ホールの荘厳さ、美しさがより伝わるように、空間を入れ込んだ映像を見たいと思った。
・YOSHIKIさんが、現地の観客に向けて、自身のことを自分の言葉で丁寧に解説していることに好感を持った。
・クラシックとロックの融合というジャンルを越えた取り組みが、見ていて面白かった。
・由緒あるホールの空間を映像として記録するような、新たな技術を活用したチャレンジは今後も続けてほしい。
・コンサートの様子が番組としてすべて見られるということは、ファンにとってとても有意義なことだと感じた。
・コンサートを生中継・無編集で、ありのままに伝えていることがとてもいいなと思った。
・世界で活躍するアーティストを、腰を据えて追いかけていくという姿勢が、WOWOWらしさに繋がっていくのでは。
・生の臨場感がより伝わるように、開演前のロビーの動きや、観客の様子などを入れてもよかったのではないか。
・カメラワークがトラディショナルなものに見えたため、もう少し工夫しても良かったのでは。
・YOSHIKIさんが笑顔を見せながら語っている様子を見て、すごく素敵だなと感じた。

■第326回WOWOW放送番組審議会

開催年月日
2023年11月30日(木) 17:00~18:00
開催場所
ホテルニューオータニ(東京)
出席者(敬称略)
◆ 委員
泉谷直木(委員長)、大日方邦子(副委員長)、朝吹真理子、石川光久、木嶋真優、小山薫堂、藤﨑忍、別所哲也、渡辺千穂(敬称略)

◆WOWOW
【WOWOW】代表取締役 社長執行役員 田中晃、専務執行役員(コンテンツ・クリエイティブ統括) 田代秀樹、コンテンツ制作局長 吉雄文斗、コンテンツ戦略局長 蓮見裕二、コンテンツ戦略部長 宮崎純子、審議番組担当プロデューサー 堤口敬太
議題
1)「連続ドラマW OZU ~小津安二郎が描いた物語~」第1話~第3話
2)12月の編成について
審議の概要
1)審議番組担当プロデューサーより審議番組の説明を行い、意見・感想の交換が行われた。
2)コンテンツ戦略部長 宮崎純子より、12月のテレビ番組編成についての説明・報告を行い、 意見・感想の交換が行われた。
審議
1)「連続ドラマW OZU ~小津安二郎が描いた物語~」 第1話~第3話
・作品ひとつひとつ豪華なキャストで、キャスティングが良かった。
・リプロダクションやリメイクが様々な形で行われている中で、この企画はナイストライだと思った。
・設定を現代に置き換えたというが、昭和初期のような世界観に見えた。
・原作である初期映画と見比べられるこの企画編成は、有意義だなと思った。
・各話の監督が、どのような想いで、どの小津監督の世界観に迫ったのか、そこから何を切り取って何を表現したかったのか、インタビューやメイキング等の形でもっと知りたいと思った。
・各話の監督が、小津作品の何に光を当てたかったのか、小津監督の何に惹かれたのかが分かりにくく、消化不良な部分があった。
・「世界のOZU」と呼ばれるような方なので、今回の企画に海外の監督を招聘するようなチャレンジ枠を設けることで、新たな発見や国際的な意味合いがより出たのではと思った。
・原作である小津監督の初期サイレント映画と比較して見たくなるような作品だった。
・各話とも、現代とは思えない世界観を感じた。
・女性の描き方が、現代の解釈というより古の女性像に寄っていて不思議に感じた。
・子役の演技も良く、楽しく見られた。
・新しいという感じではなく、普遍的で、王道で、小津作品が色々なドラマのベースになっているんだなということが良く分かり、小津監督の世界観を勉強したくなった。
・印象に残るセリフがあり、原作にあるものなのか、今回新たに追加されたものなのかが気になった。
・第2話について、親子の関係性だけでなく、夫婦間の関係性ももう少し描いてほしかった。
・第3話の永島彩という登場人物が、主人公の印象的なセリフや心情を引き出すエッジの効いたキャラクターで良かった。
・第1話では、小津監督作品が持つ「サイレントの美」を感じることができた。
・第3話は、スピーディーなストーリー展開にも関わらず、唐突でありきたりな音楽が使われていたことに違和感があった。生活音のみなど、音楽なしでも成立する世界観なのではと感じた。
・小津監督を知ってもらう、良いきっかけになる作品だと思った。
・本作の監督が、小津監督をどう解釈したかなどを語り合うのりしろがあったら、違う見え方になるだろうと感じた。
・原作を見てから今作を見ると、各話における監督の解釈のギャップも感じられてより面白くなると感じた。
・若いプロデューサーが、小津監督の作品に普遍性があると捉えたその感性には感心したが、戦後に育った自分の立場から見ると、今作で描かれた解釈には少し違和感を覚える部分があった。

■第325回WOWOW放送番組審議会

開催年月日
2023年10月26日(木) 11:00~12:00
開催場所
WOWOW本社およびオンラインでの併用開催
出席者(敬称略)
◆ 委員
泉谷直木(委員長)、福井健策(副委員長)、大日方邦子(副委員長)、朝吹真理子、宇多丸、木嶋真優、小山薫堂、藤﨑忍、別所哲也(敬称略)

◆WOWOW
【WOWOW】代表取締役 社長執行役員 田中晃、専務執行役員(コンテンツ・クリエイティブ統括) 田代秀樹、執行役員(メディア事業統括)兼 カスタマーエクスペリエンス局長 横山誠一、コンテンツ制作局長 吉雄文斗、コンテンツ戦略局長 蓮見裕二、コンテンツ戦略部長 宮崎純子、審議番組担当プロデューサー 村松亜樹
議題
1)「連続ドラマW 湊かなえ『落日』」第1話~最終話
2)11月の編成について
審議の概要
1)審議番組担当プロデューサーより審議番組の説明を行い、意見・感想の交換が行われた。
2)コンテンツ戦略部長 宮崎純子より、11月のテレビ番組編成についての説明・報告を行い、 意見・感想の交換が行われた。
審議
1)「連続ドラマW 湊かなえ『落日』」第1話~最終話
・歪な形をしたピースが散らばるジグソーパズルが、最後はきっちり完成するような、面白い作品だった。
・真尋の髪型や衣装が不自然に誇張されているように感じた。
・監督と脚本家のバディものでシリアスな事件に迫るという作品の軸が、不自然に感じる部分もあったが、映画のプロットという形で、謎が解明されていくという演出に感心した。
・「映画愛」というものが作品の軸に貫かれていて、WOWOWだからこそこのドラマを作る価値があったと感じた。
・落日というタイトルの意味が、作品をラストまで見てもよく伝わってこなかった。
・複雑な作品を映画ではなく、ドラマに落とし込んでいたのが素晴らしいと感じた。
・思わず原作を読みたくなるような力を持った作品だった。
・沙良という登場人物が、なぜこんなに極悪な人間になったのか、その背景が描かれておらず疑問に感じた。
・刺すシーンの描写がリアルで強調されすぎていたので、もう少し演出に配慮する必要があったのではと感じた。
・香の父親は自殺ではなく、事故死だったと断定しているシーンに、唐突感があり、それを救いとしているところに違和感があった。
・沙良という登場人物について、原作では、伝聞や推測から「極悪だった」と伝わるというグレーなバランスが保たれていたが、ドラマではそれが序盤からストレートに描かれており、登場人物の描き方にもう一工夫配慮が必要だと感じた。
・2019年に発売された原作をこのタイミングで映像化するのであれば、もう少し細かい設定をブラッシュアップした方がいいと感じた。
・暗めの映像が美しいと感じた。
・主人公たちの描かれ方に強弱があるとよかったのではと感じた。
・作品の季節感が分かりにくかったので、時間の経過が映像で見えるといいのではと感じた。
・コンテンツ開発意図に、「救いと希望のラスト」という説明があったが、そう言い切っていいのかは疑問に感じた。
・見応えのある作品で、出演している俳優の演技力を感じた。
・何を伝えたい作品だったのか、十分に伝わってこなかった。
・原作の何をなぞるべきか、どう再構築するのかをもう少し考える必要があるように感じた。
・作品の最後で香と真尋の心が救われたところで終わっていたが、力輝斗などその他の登場人物が救われたのかが分からず腑に落ちなかった。
・取材を進めていくシーンが並列的に見えて、描き方に緩急がなかった。
・香の母親や沙良など、追い詰める側として登場する人物の背景が見えるとより良かったのではと思った。

■第324回WOWOW放送番組審議会

開催年月日
2023年9月28日(木) 11:00~12:00
開催場所
WEB開催
出席者(敬称略)
◆ 委員
泉谷直木(委員長)、福井健策(副委員長)、石川光久、宇多丸、小山薫堂、藤﨑忍、別所哲也、渡辺千穂(敬称略)

◆WOWOW
【WOWOW】代表取締役 社長執行役員 田中晃、専務執行役員(コンテンツ・クリエイティブ統括) 田代秀樹、執行役員(メディア事業統括)兼 カスタマーエクスペリエンス局長 横山誠一、コンテンツ制作局長 吉雄文斗、コンテンツ戦略局長 蓮見裕二、コンテンツ戦略部長 宮崎純子、審議番組担当プロデューサー 長谷川徳司
議題
1)「連続ドラマW-30 オレは死んじまったゼ!」第1話~第3話
2)10月の編成について
審議の概要
1)審議番組担当プロデューサーより審議番組の説明を行い、意見・感想の交換が行われた。
2)コンテンツ戦略部長 宮崎純子より、10月のテレビ番組編成についての説明・報告を行い、 意見・感想の交換が行われた。
審議
1)「連続ドラマW-30 オレは死んじまったゼ!」第1話~第3話
・奇想天外で極端な設定、セリフもカジュアルでシンプルでありながら、普遍的な問いかけをしていると感じた。
・柔らかくコミカルで、緊迫感もありながら、静かで切ないメッセージが伝わってくる作品だと思った。
・LGBTQのメッセージが入ったキャラクターが出てくるところが良かった。
・各話の中程で、CMに入るかのようなブレイクで一呼吸置く演出が気になった。
・あえて粗く撮影された作品の映像美や、キャラクター設定、カット割り、アングルがとても面白かった。
・描かれている「日本の宗教観」のようなものが、海外の人々にどのように届くかは、議論があるだろうと感じた。
・トンネルを抜けると現実とつながっているという第1話の冒頭の演出が面白かった。
・タイトルバックがポップな作りで、作品のテイストをうまく表現できていた。
・それぞれのキャラクターが立っていた。
・毎回の予告が興味を惹く作りになっているなと感じた。
・ノスタルジックで、懐かしい感じが万人に受け入れやすいと思った。
・一話25分程度というコンパクトな尺も見やすかった。
・昭和レトロをオマージュするような独特の世界観が面白かった。
・CGっぽさを感じさせないウェルメイドな作風がよかった。
・幽霊社会のルールや、成仏する方法など、異世界の設定が面白かった。
・原作がない完全オリジナルストーリーというところに感心した。
・気軽に楽しめて、見終わった後にほっこりと優しい気持ちになれる作品だった。
・一見万人受けしない作品かと思ったが、日本人特有の宗教観を、独創性あふれる映像で描いているところが素晴らしいと感じた。
・幽霊の立場で現世に残り、思い残したことを果たすと成仏できるという設定は、既視感があると感じた。
・すごく興味を惹かれるセリフはあったが、その意図が十分に伝わらないシーンもあった。
・監督が二人いる作品であるためか、各話のテンポやテイストに違いがある点が気になった
・シーンによって、色のトーンを変化させる演出が良かった。
・小道具の演出や、映像美が印象的だった。
・各キャラクターがなぜ成仏できないのかが、作中でバックグラウンドをもう少し描かないと分かりにくいと感じた。
・映像表現が面白く、フィルム使いや、カメラワークも凝っていて、今までに見たことのない映像の新鮮さがあった。
・作品中の音楽による心地よい不安定さや不穏さが、多幸感を上手く表現していた。
・「死んだように生きている人」「心が人から見られなくなって透明になってしまった人」のメタファーとして幽霊が使われていることが伝わってきた。

■第323回WOWOW放送番組審議会

開催年月日
2023年7月27日(木) 11:00~12:00
開催場所
WEB開催
出席者(敬称略)
◆ 委員
泉谷直木(委員長)、福井健策(副委員長)、朝吹真理子、石川光久、宇多丸、木嶋真優、小山薫堂、藤﨑忍(敬称略)

◆WOWOW
【WOWOW】代表取締役 社長執行役員 田中晃、専務執行役員(コンテンツ・クリエイティブ統括) 田代秀樹、執行役員(メディア事業統括)兼 カスタマーエクスペリエンス局長 横山誠一、コンテンツ制作局長 吉雄文斗、コンテンツ戦略局長 蓮見裕二、コンテンツ戦略部長 宮崎純子、審議番組担当プロデューサー 植田春菜
議題
1)「連続ドラマW 0.5の男」 第1話~第3話
2)8月の編成について
審議の概要
1)審議番組担当プロデューサーより審議番組の説明を行い、意見・感想の交換が行われた。
2)コンテンツ戦略部長 宮崎純子より、8月のテレビ番組編成についての説明・報告を行い、 意見・感想の交換が行われた。
審議
1)「連続ドラマW 0.5の男」 第1話~第3話
・描き方によっては、非常に重くシリアスなテイストになるはずの話を、ユーモアたっぷりに軽妙で心地よい演出でまとめられているところに、本作を手掛けた沖田修一監督の世界が現れていた。
・大きな物語があるわけではないのに、飽きることなく見ることができるのは、各キャラクターが活きているからで、それぞれのキャスティングもよかったと感じた。
・漫画原作などではない、オリジナル作品というところも評価できた。
・演出として、住宅の断面図のセットが使われていたが、この作品のビジュアルアイコンになっていると感じた。
・主人公の不健全な人間性を蛍光灯の光で、成長する姿は自然光を使って表現するなど、ライティングで視覚的に訴えかける演出が効果的だった。
・日常の何気ないイベントを無理に劇的にせず、クライマックスとして演出しているところも成功していると感じた。
・ドラマではなく、映画という形でも見てみたい作品だと感じた。
・多様性を、日常の中で意識するきっかけになる作品だと感じた。
・主人公の妹の職場での会話のシーンが、わざと活劇風な演出になっていたが、その他のシーンに比べ視聴のテンポが掴みにくいと感じた。
・子役の発言が主人公の交流のきっかけになるシーンが多かったが、脚本がそれに頼っているように感じた。
・「0.5」という表現は、自立していない、1人未満という意味合いもあり、タイトルにするにはしっくりくるが、セリフにすると少し違和感があった。
・映画を多く手掛けている監督の作品ならではの、世界観も含めて噛めば噛むほど味が出る作品だと思った。
・日常の何気ない生活を描く時間的なリズムが、短時間で感情移入できないと他に移られてしまうような配信での視聴には向かないように思った。
・ゲームや、コンビニエンスストアの外国人の店員、オンライン上での会話、二世帯住宅、共働きなど現代社会ならではの生活様式や必需品をうまく使っていて、ひきこもりなどの社会問題を明るくコミカルに分かりやすく表現しているところがわかりやすかった。
・些細なことで、人の多様性を認めることができるのだと気づかされた。
・コミカルに描かれている中に、日常生活のリアルさもしっかり描かれていた。
・暗く清潔感のない主人公と透明感のある姪の対比や、昭和の母像と現代の働く母像の対比が効いていると思った。
・「間」を楽しむ作品だが、ターゲットとする層がどこなのか分からなかった。
・「多様性」という言葉の使われ方が適切かどうかの疑問や、多様性を強調されることに圧迫感を感じる部分があった。
・作品の中で「多様性」と言わなくても、それを表現できる作品だったのではないかと感じた。
・雨の音などで心情を表現するなど、音の使い方が素晴らしいと感じた。
・付箋の束が出てくるシーンは、歳月の重みや家族の苦しみ、主人公の切実な思いが詰まっていて、素晴らしい演出だった。
・視点の現代性や、長回しや住宅セットなどの斬新な演出を見ても、現代のホームドラマとして見事な作品だと感じた。

■第322回WOWOW放送番組審議会

開催年月日
2023年6月22日(木) 11:00~12:00
開催場所
WEB開催
出席者(敬称略)
◆ 委員
泉谷直木(委員長)、大日方邦子(副委員長)、石川光久、宇多丸、木嶋真優、小山薫堂、渡辺千穂(敬称略)

◆WOWOW
【WOWOW】代表取締役 社長執行役員 田中晃、専務執行役員(コンテンツ・クリエイティブ統括) 田代秀樹、執行役員(メディア事業統括)兼 カスタマーエクスペリエンス局長 横山誠一、コンテンツ制作局長 吉雄文斗、コンテンツ戦略局長 蓮見裕二、コンテンツ戦略部長 宮崎純子、審議番組担当プロデューサー コンテンツ制作局クリエイティブオフィサー 青木泰憲
議題
1)「連続ドラマW フィクサー Season1」 第1話~第3話
2)7月の編成について
審議の概要
1)審議番組担当プロデューサーより審議番組の説明を行い、意見・感想の交換が行われた。
2)コンテンツ戦略部長 宮崎純子より、7月のテレビ番組編成についての説明・報告を行い、 意見・感想の交換が行われた。
審議
1)「連続ドラマW フィクサー Season1」 第1話~第3話
・見始めると最終話まで一気に見てしまうほど、世界観に引き込まれた。次が見たくなる構成だった。
・音楽も心地よく、キャストも大変豪華だった。
・ミステリーでもあり、社会性もあり、エンターテインメントでもあり、どこかに分類されない面白さがあった。
・何が解決されたらこのドラマは完結するのか、何がゴールなのか分からないストーリー展開が、次を見たくなるような気持ちにさせてくれた。
・最終話まで見ても、すべての伏線が回収されているわけではなく、謎が残ったままというところが、心を掴まれた要因のひとつだと感じた。
・作品の中では、女性が日本のトップに立つということが皮肉のように扱われていたが、これがいつか現実になる日がくればいいなと思った。
・クラシック音楽や、ダンテ「神曲」の挿絵など、芸術作品との絡め方がストーリーと絶妙にリンクしていた。
・人間のフィロソフィーや、私利私欲が絶妙に絡み合っていて、より深い作品になっていた。
・エンディングに流れる曲が、ストーリーに対してありきたりなもののように感じ、違和感を覚えた。
・原作がないオリジナル作品で、ラストまでのあらすじが分からないところが大変面白く、脚本の力を感じた。
・主人公が善人なのか悪人なのか分からないまま終わる第1話のつかみが素晴らしかった。
・暴力描写を抑制していてもここまで見せられるのは脚本の良さとキャストの実力の凄さで、韓国ドラマとオーバーラップして見ていたが、海外のコンテンツとも競える可能性を感じる作品だった。
・登場人物のキャラクターやそれぞれの思惑、物語の展開、どれも緻密に練られており、それぞれの立場から、事件性、社会性、家族愛を軸にしながら、素晴らしいエンターテインメントになっていると感じた。
・政治の重鎮たちの老獪さを、脂の乗った俳優たちが演じるというところに、本作の魅力が詰まっていると感じた。
・怪奇的に動く手のクローズアップや、影のある表情を映し出すライティングなど、演出が非常に上手だと思った。
・シリーズものということで、伏線を短く回収する必要もなく、じっくり腰を据えて楽しめる作品になっていると感じた。
・昭和、平成的な政治の世界を舞台にするのではなく、政治をうまく使いながら現在主流のビジネスでし上がっていくなど、フィクサーというコンセプトでもっと挑戦した作品も見てみたいと感じた。
・作品に出てくるいい政治家・悪い政治家の線引きが抽象的だと感じた。
・描かれているのが主に政治党内の内部闘争で、政治に切り込むドラマとしては物足りないと感じた。
・一部の演出が、戯画的かつ古い日本の政治描写に終始してしまっていると感じた。
・女性の視聴者など、政治ものを毛嫌いしてしまうような方にも見やすい作品だと感じた。
・登場人物も多くストーリーも単純なものではないのに、複雑に感じなかった。
・コンプレックスや、私利私欲、権力、愛情など、誰もが持っているものが事細かに描かれていたので、本来身近な存在ではない政治の世界が、身近に感じられたことが、この作品の魅力だと感じた。
・政治の裏側を、単なるサスペンスではなくフィクサーを絡ませて筋立てするのは面白いと思った。
・古いタイプである伝説のフィクサーと、新しいタイプである現代のフィクサーの対比が面白かった。
・拷問のシーンは、描写度合いやボリュームもやや行きすぎではないかと感じた。

■第321回WOWOW放送番組審議会

開催年月日
2023年5月25日(木) 11:00~12:00
開催場所
WEB開催
出席者(敬称略)
◆ 委員
泉谷直木(委員長)、福井健策(副委員長)、大日方邦子(副委員長)、石川光久、宇多丸、藤﨑忍、渡辺千穂(敬称略)

◆WOWOW
【WOWOW】代表取締役 社長執行役員 田中晃、取締役 常務執行役員(コンテンツ・クリエイティブ統括) 田代秀樹、執行役員(メディア事業統括)兼 カスタマーエクスペリエンス局長 横山誠一、コンテンツ制作局長 吉雄文斗、コンテンツ戦略局長 蓮見裕二、コンテンツ戦略部長 宮崎純子、審議番組担当プロデューサー 小髙史織
議題
1)「連続ドラマW-30 ながたんと青と-いちかの料理帖-」第一話~第四話
2)6月の編成について
審議の概要
1)審議番組担当プロデューサーより審議番組の説明を行い、意見・感想の交換が行われた。
2)コンテンツ戦略部長 宮崎純子より、6月のテレビ番組編成についての説明・報告を行い、 意見・感想の交換が行われた。
審議
1)「連続ドラマW-30 ながたんと青と-いちかの料理帖-」第一話~第四話
・「女性の料理長はダメだ」という物語の前提環境や根幹の背景が、十分説得的に描かれていないと感じ、主人公の葛藤が十分に伝わってこなかった。
・レシピを語りながら料理を作るという場面が、他作品を連想してしまった。
・登場する料理が奇をてらっておらず、美味しそうで魅力的だった。
・街並み、夏の風物詩などディテールがとても綺麗で、季節感や懐かしさを楽しめた。
・朝ドラのような雰囲気で、肩の力を抜いて楽しく視聴することができた。
・主人公が見て思ったことや心の声を、すべて言葉にしてしまう演出に違和感があった。
・全体の流れやプロットが容易に想像できてしまうように感じた。
・優しい雰囲気が全体に感じられ、娯楽として見るには最適だった。
・京言葉、登場人物の名前の綺麗さや、ながたんとまな板の音などが優しく流れていて気持ちの良い作品だった。
・緩やかな空気感の中で、「女性」が活躍している姿が心地よかった。
・劇中に出てくる料理の「温度」の演出等、料理を美味しく見せる技が不足しているように感じた。
・ライトなタッチのドラマではあったが、映画のようなルックが素晴らしく、こだわって作っていると感じた。
・映像に陰影がついていて、京都の当時の時代の重みなどが表現されていて、カメラワークも落ち着いており、京都東映の強みを生かした作品だと思った。
・毎話変わるエンディングは、各話の裏視点が盛り込まれていたりと、本編が終わっても楽しめるような演出だった。
・「音」を演出上のキーにしているからこそ、作品の世界観を活かして「黙る」瞬間も大事にしてほしかった。
・男女のバディー化は良かったが、異性愛の成就を物語のゴールにすることで小さくまとまってしまうところがあったと感じた。
・舞台は1951年の戦後の京都だったが、古臭くなく、現代のようなカジュアルな作風から、色んな世代に見てほしいという制作意図が伝わってきた。
・先の展開が読めてしまうところもあったので、原作の要素からストーリーを組み立てるところにもう少し工夫があれば、作品に厚みが出たのではないかと感じた。
・主人公二人のキャスティングは原作のイメージを表せていたと感じた。
・感情移入をカメラワークで誘う演出や、時代を表現する美術、ノスタルジーを感じるコントラストが効いたライティングが良く、音楽が心地よい作品だった。
・作品の風景が、戦後間もないという時代設定より古く見え、時代考証について違和感があった。

■第320回WOWOW放送番組審議会

開催年月日
2023年4月27日(木) 11:00~12:00
開催場所
WEB開催
出席者(敬称略)
◆ 委員
福井健策(副委員長)、石川光久、宇多丸、別所哲也(敬称略)

◆WOWOW
【WOWOW】代表取締役 社長執行役員 田中晃、取締役 常務執行役員(コンテンツ・クリエイティブ統括) 田代秀樹、執行役員(メディア事業統括)兼 カスタマーエクスペリエンス局長 横山誠一 コンテンツ制作局長 吉雄文斗、コンテンツ戦略局長 蓮見裕二、コンテンツ戦略部長 宮崎純子、審議番組担当プロデューサー 高江洲義貴
議題
1)「連続ドラマW フェンス」第一話~第三話
2)5月の編成について
審議の概要
1)審議番組担当プロデューサーより審議番組の説明を行い、意見・感想の交換が行われた。
2)コンテンツ戦略部長 宮崎純子より、5月のテレビ番組編成についての説明・報告を行い、 意見・感想の交換が行われた。
審議
1)「連続ドラマW フェンス」第一話~第三話
・通常のテレビシリーズを作るというよりは、映画をテレビシリーズにしているかのような制作陣の意気込みを感じた
・画の作り方、照明、グレーディングも良く、演出が熟成されていて、クオリティーが高い作品だと思った
・社会派ドラマという枠に囚われてしまっている傾向があり、リアルを追求してドキュメンタリーのようになってしまうことで、エンターテインメント性が欠けていると感じた
・実力のある脚本家や役者のキャスティングにWOWOWの力を感じた
・ドラマに興味のある主に女性の間で、このドラマを見た方がいいと評判になっているという話があることからも、見るべきドラマという力のある作品だと感じた
・フィクションだからこそ踏み込める、ドキュメンタリーでは描けなかった領域だと感じた
・沖縄や日本を取り巻く社会問題を体感できる作りで、学びがあった
・性被害をはじめ、描かれる社会問題の重さによって、ドラマとしての感情誘導や主人公二人のシスターフッド化がより切実に響いてくると感じた
・WOWOWだからこそ作ることができた作品であり、社会問題を扱ったということが商品としてのバリューにもつながっていると思うので、加入者以外の方にもアピールすべきだと感じた
・日本が抱える現在進行形の課題について向き合うことはとても大事だと感じた
・エンターテインメントクライムサスペンスというフィクションで描かれていく中で、その精度が高まるほど、苦しんでいる当事者の方々がどう受け止めるか、リアルに存在する課題が希薄化してしまうのではと感じ、エンターテインメントとして楽しめなかった
・沖縄をリアルに描くためのリサーチやクリエイティブにどれだけの力を注いだのか、非常に興味を持った
・警察官との距離感や、主人公二人の心が打ちとけるスピードの描き方に違和感があった
・沖縄の今を知るきっかけとなる作品になると思うが、フィクションの先にあるノンフィクションを、視聴者がどれだけ受け取れるだろうかと感じた
・沖縄のことをしっかりと伝えたいと思うが故に、説明が多く、展開も早く、音楽も多く、いずれ破綻するのではと心配したが、破綻することなく、作品を表す「分断」という言葉に集約されていったと感じた
・分断された沖縄と本土、分断された沖縄自身、分断された女と男、分断された子供と親、分断された自分自身のアイデンティティなど、作品の至る所に立っていた「フェンス」の上を危うげに歩くかのような主人公の演技に魅せられた