CORPORATE INFORMATION

2026年度 委員

<委員長>
福井 健策弁護士
<副委員長>
大日方 邦子パラリンピック金メダリスト
石川 光久株式会社プロダクション・アイジ― 代表取締役会長
<委員>
朝吹 真理子作家
宇多丸ラッパー/ラジオパーソナリティ
川田 十夢AR三兄弟 長男
木嶋 真優ヴァイオリニスト
鈴木 貴子エステー株式会社 会長
中山 淳雄Re entertainment 代表取締役
別所 哲也俳優/「ショートショートフィルムフェスティバル&
アジア 代表」
渡辺 千穂脚本家

■第351回WOWOW放送番組審議会

開催年月日
2026年5月28日(木) 11:00~12:00
開催場所
WOWOW本社およびオンラインでの併用開催
出席者(敬称略)
◆ 委員
福井健策、石川光久、朝吹真理子、宇多丸、川田十夢、木嶋真優、鈴木貴子、中山淳雄、別所哲也、渡辺千穂(敬称略)

◆WOWOW
【WOWOW】代表取締役 社長執行役員 山本均、常務執行役員(マーケティング、アライアンス営業統括)遠山宏樹、常務執行役員(DX、デジタル基盤サービス、メディアサービス統括)鈴木聡、コンテンツプロデュース局長 吉雄文斗、メディアサービス事業局長 徳永由紀、コンテンツ事業戦略局長 中薗慶子、マーケティング局長 河津孝宏、コンテンツ戦略部長 伏見一世、メディアサービス部長 早川敬、審議番組担当プロデューサー 高嶋知美
議題
1)「連続ドラマW BLOOD & SWEAT」Episode 1~3、Episode 5
2)6月の編成について
審議の概要
1)審議番組担当プロデューサーより審議番組の説明を行い、意見・感想の交換が行われた。
2)メディアサービス部長 早川敬より、6月のテレビ番組編成についての説明・報告を行い、 意見・感想の交換が行われた。
審議
1)「連続ドラマW BLOOD & SWEAT」Episode 1~3、Episode 5
・北欧らしい美しい映像が存分に盛り込まれており映像美に心奪われた一方で日本の地方特有の土着的で陰鬱な雰囲気も上手く表現されていた。フィンランドと日本、二つの国のミステリアスな要素が上手くストーリーに織りなされており共同製作ならではの世界観を楽しむことができた。
・血を抜かれた清潔な死体に花が添えられているなど、日本のサスペンスとは異なる北欧ノワールのような美しさに惹き込まれた。
・次第にカルト宗教の存在が浮かび上がってくるが、殺人を正当化し儀式として犯していく理由が浅くカルト宗教に対する理解が薄く感じ、プロットの納得感も弱かった。
・Episode 1のオープニングの掴みが弱いように感じた。現代の視聴者はスマホなどで数秒で視聴判断をするためオープニングに尺を使いすぎずもっと前半に話としての山を持ってくるなど配分で工夫できる点があると思った。
・視聴離脱しかけたものの、メイキング番組を見て制作の裏側や日本とフィンランドの文化の違いを知ることで、スムーズに物語に入り込むことができた。
・ヨーロッパ文化に対して周縁化された存在である日本とフィンランドが結びつき、お互いのカルト的な要素と歴史を絡めるという目の付けどころは非常に良かった。
・Episode 1で提示された展開や謎を超えるインパクトが最後まで起こらず全8話は長すぎるという印象が否めなかった。
・最初はオープニングの第二次世界大戦の描写がどのように物語に繋がっていくのかと期待したが、物語が進むにつれ徐々に視聴意欲が失速してしまった。
・宗教監修が入っているにも関わらず日本の祭りや文化への理解が表層的に感じ、このような内容に至った経緯を伺いたいと思った。
・死体発見時のライトの点滅演出や一部CGが非常に安っぽい点など、演出や設定で気にかかる点が多々あった。 ・濱田岳演じる、主人公涼宮のバディ刑事・高木のキャラクターがとても良かった。一方で海外俳優が演じるキャラクターの魅力が十分に伝わりきらず、英語翻訳が入ることでさらにテンポも悪くなっているように感じた。
・第二次世界大戦のシーンもあるのであれば、フィンランドのロシアに対する恐怖感や日露戦争を経た日本の関係性など両国が結びつくに至った歴史的背景も深堀りして描くことで、ストーリーに納得感が出たはずだと感じた。
・両国に共通する内に秘める精神性や文化・考え方の違いなどがクライムサスペンスの中で上手く描き切れていない印象を受けた。
・警察がカルト集団に関わるリアリティの無さや、次話へ引っ張るための強引なクリフハンガーが毎話続き、視聴意欲を削がれた。
・プロット通りの劇伴音楽が残念だった。国際色豊かで重厚なテーマを描くのであれば、もっと前衛的なサウンドを用いても良かったのではと思った。
・サスペンスは謎解き以上に主人公に感情移入させることが重要だが、本作は日本とフィンランドで国が変わるたびに視点も変わるため感情の流れが途切れてしまっているように感じた。
・フォーマット化された既視感のあるサスペンスを日本とフィンランドで作っているに留まっている印象を受けた。また、日本がフィンランドに寄り添いすぎているような内容に感じ、自国の価値を世界に発信するまでに至っていないことが残念だった。
・国際共同製作ドラマのチャレンジには敬意を示したいが、内容が視聴者の求めるものと合致しているか疑問が残った。
・主演の杏の英語が自然で、苦労を感じさせない演技が素晴らしかった。
・Episode 3までは目が離せない展開で非常に面白かったが物語中盤で事件の背景にカルト宗教が関係していると分かった途端から期待値が小さくなった。ドラマの作りは良いのに答え合わせが新しくないとがっかりした。
・呪術的・日本的な要素への面白さを感じなかった。劇中で使われる「赤口(しゃっこう)」という六曜の知識など、日本の視聴者にとっても馴染みが薄く謎解きとしても深まっていかない印象だった。
・濱田岳の演技が素晴らしかった。彼のようなバイプレーヤーがいることでドラマに確かなリズムが生まれることを改めて実感するとともに、海外で彼の演技がどのように評価されるのかも気になった。

■第350回WOWOW放送番組審議会

開催年月日
2026年4月23日(木) 11:00~12:00
開催場所
WOWOW本社およびオンラインでの併用開催
出席者(敬称略)
◆ 委員
福井健策、大日方邦子、石川光久、朝吹真理子、川田十夢、木嶋真優、鈴木貴子、別所哲也(敬称略)

◆WOWOW
【WOWOW】代表取締役 社長執行役員 山本均、常務執行役員(マーケティング、アライアンス営業統括)遠山宏樹、常務執行役員(コンテンツ・クリエイティブ統括)口垣内徹、常務執行役員(DX、デジタル基盤サービス、メディアサービス統括)鈴木聡、コンテンツプロデュース局⾧ 吉雄文斗、メディアサービス事業局⾧ 徳永由紀、コンテンツ事業戦略局⾧ 中薗慶子、マーケティング局⾧ 河津孝宏、コンテンツ戦略部⾧ 伏見一世、メディアサービス部⾧ 早川敬、審議番組担当プロデューサー 井口正俊
議題
1)「連続ドラマW シリウスの反証」第1話~第3話
2)5月の編成について
審議の概要
1)審議番組担当プロデューサーより審議番組の説明を行い、意見・感想の交換が行われた。
2)メディアサービス部長 早川敬より、5月のテレビ番組編成についての説明・報告を行い、 意見・感想の交換が行われた。
審議
1)「連続ドラマW シリウスの反証」第1話~第3話
・急ぎ足の物語展開に戸惑いを感じた。冤罪事件という重いテーマを扱っているため、もう少しじっくりと描いても良かったのではと思った。
・若年層を中心としたキャスティングやシーンごとに変わる女性弁護士のファッションなどが印象的だった。
・従来のWOWOWドラマ視聴者層から若者層へもアプローチを広げる分岐点となるような作品だと感じた。
・再審制度にまつわる報道には触れていたものの、本作を見るまでその奥にある真因や再審請求に極めて高いハードルがあるといった現実を知らなかった。全く罪のない人の命を法の下に奪うことの恐ろしさと、実在する冤罪救済団体(イノセンス・プロジェクト)で熱量高く活動する弁護士たちの存在を知れただけでも非常に価値があった。
・登場する東山弁護士が非常にパワフルで、WOWOWが長らく描いてきた「活躍する女性像」を体現しており魅力的だった。比較すると主人公の藤嶋弁護士の存在感が薄く感じてしまい、キャラクター描写のバランスが気になった。
・主人公が冤罪被害者の救済活動に取り組むきっかけとなった父親との確執の描写が物語と有機的に繋がっておらず納得感が薄かった。要素を補完するようなサイドストーリーがあれば良かったと感じた。
・SNS等で若い世代も再審制度に関心を持っているタイムリーなタイミングで放送したのは流石で、内容的にも若い世代にも見てもらいたい作品だと思った。
・序盤は深夜に一気見してしまうほど引き込まれたが、見進めるほどに捜査方法や真犯人の断定方法に粗さを感じざるをえずモヤモヤしてしまった。
・冤罪を晴らす組織の人間が事実を捻じ曲げるような手法をとるシーンがあるが、架空のストーリーといえど実在する冤罪救済団体をモデルとしていることからも、超えてはいけない一線を越えた描写であるように感じた。
・「シリウスの反証」というタイトルにも関わらず明確な反証が突きつけられないまま見終わってしまったように感じ、かつ最終話ラストに文字テロップで情報を補足して終わる構成には強い違和感と消化不良感が残った。
・個人的に好きなテイストの作品だったが、たまたま事件に出くわした主人公が大人になって事件を主導的に解決しようとする設定自体や展開に無理があり、物語として緻密に練られきられていないように感じた。
・1話45分前後、全5話という長さは見やすかった。
・冤罪という重たいテーマではあるが恋愛要素や軽妙な要素をあえて織り交ぜていてドラマとして見やすく、全5話を純粋に楽しむことができた。
・ドラマとあわせて配信されている特別番組が非常に面白く、日本の法制度を掘り下げながらドラマ本編の物足りない部分も見事に補完していた。他のドラマでも、テーマに沿ったドキュメンタリーや特別番組をあわせて制作するべきでは、と感じた。
・ドラマを効果的に認知拡大するためにも、社会問題や時代性と相性が良くバズりやすいショート動画などSNSを活用したアプローチがあっても良いのではと思った。
・2話までは丁寧に作り込まれていたが、3話の大きな展開以降は腑に落ちない点が多々あり最終話の結末はスッキリしない読後感が残った。社会問題の提起とミステリーの2つの要素を追いかけた結果、どちらも消化不良になってしまったように感じた。
・原作に忠実であるがゆえに小説では成立しても映像では伝わりにくい部分があった。ディテールは原作に寄り添いつつも映像だからこそ表現できるシーンの足し引きをもっと追求してほしかった。
・テーマそのものに元々強い関心があったが、無知の暴露や秘密の暴露、自供との整合性といった要素をパズルのような会話劇でミニマムに構築した演出は素晴らしく、最終話まで一気見してしまった。
・冤罪を訴える側をヒーロー化するだけでなく、「なぜ権力側が冤罪を作ったり隠蔽したりする構造になっているのか」という闇にもっと光を当ててほしかった。
・最終話が各登場人物の伏線回収に時間を割きすぎており、肝心の事件の構造解明が手落ちしているように感じた。
・時代性の描写や、岐阜が舞台であるにも関わらずローカル性や生活様式があまり見えてこない点などに演出のディテールが弱いと感じた。
・尋問の仕方や裁判官の挙動、指紋照合の現実や証拠開示の課題等、他の司法にまつわるドラマが雑に扱いがちな細部を大変緻密に再現しており、作品独自のリズムを生んでいると感じた。