2021年度 委員
- <委員長>
- 泉谷 直木アサヒグループホールディングス株式会社 特別顧問
- <副委員長>
- 林 文子前横浜市長
- 福井 健策弁護士
- <委員>
- 朝吹 真理子作家
- 石川 光久株式会社プロダクション・アイジ― 代表取締役社長
- 大日方 邦子パラリンピック金メダリスト
- 木嶋 真優ヴァイオリニスト
- 小山 薫堂放送作家・脚本家
- 村井 満Jリーグ名誉会員 第5代チェアマン
- 別所 哲也俳優/「ショートショートフィルムフェスティバル&
アジア 代表」
- 渡辺 千穂脚本家
■第309回WOWOW放送番組審議会
- 開催年月日
- 2022年3月31日(木) 11:00~12:00
- 開催場所
- WEB開催
- 出席者(敬称略)
- ◆ 委員
林文子(副委員長)、福井健策(副委員長)、朝吹真理子、大日方邦子、小山薫堂、別所哲也、村井満(敬称略)
◆WOWOW
代表取締役 社長執行役員 田中晃、取締役 常務執行役員(コンテンツ戦略、コンテンツ制作、スポーツ担当) 田代秀樹、取締役 執行役員 (メディアビジネス担当) 郡司誠致、執行役員 コンテンツ制作局長 小西真人、コンテンツ戦略局長 口垣内徹、メディアビジネス局長 河津孝宏、コンテンツ戦略部長 栗林幹夫、審議番組プロデューサー 射場好昭
- 議題
- 1)「WOWOWオリジナルドラマ にんげんこわい」
2)4月の編成について
- 審議の概要
- 1)審議番組担当プロデューサーより審議番組の説明を行い、意見・感想の交換が行われた。
2)コンテンツ戦略部長 栗林幹夫より、4月のテレビ番組編成についての説明・報告を行い、 意見・感想の交換が行われた。
- 審議
- 1)「WOWOWオリジナルドラマ にんげんこわい」
・伝統的な価値を現代にアップデートしたいという意図があったようだが、若手の役者を起用しながらうまくアップデートされていたと感じた
・人間が持っている本当の怖さを誰もが感じたと思う
・柳家喬太郎さんの解説が面白くて、毎回、最後にどう解説してくれるかと楽しみながら見ることができた
・解説付きドラマというジャンルがもっと増えていくと面白いのではないか
・この作品をきっかけに落語に興味が湧いて実際に見に行きたいと思えた
・能や狂言などの伝統芸能やオペラなどから派生したドラマをWOWOWで作り、そこからそれぞれのジャンルに引き込んでいく流れができると、各界の方にも喜ばれる新しい試みとなるのではないか
・この作品は単発で終わらせずシリーズ化してほしい
・話術で伝える落語を映像化するからこそ、もっと圧倒的な映像美やサウンドエフェクトで描いてほしかった
・国際的なコンテンツにもなる面白い作品だと感じた
・落語を聞いて自分の頭の中にイメージしていたものと、実際に映像化されたものに多少の違和感があった
・女優さんがみなさん素敵でとても魅力的だった
・大東駿介さんの演技がとくに素晴らしかった
・全話で女性脚本家を起用し、女性の視点から作られているのが印象的だった
・着物の柄や着こなし方などがとてもきれいだった
■第308回WOWOW放送番組審議会
- 開催年月日
- 2022年2月24日(木) 11:00~12:00
- 開催場所
- WEB開催
- 出席者(敬称略)
- ◆ 委員
泉谷直木(委員長)、林文子(副委員長)、福井健策(副委員長)、朝吹真理子、石川光久、木嶋真優、小山薫堂、別所哲也、渡辺千穂(敬称略)
◆WOWOW
代表取締役 社長執行役員 田中晃、取締役 常務執行役員(コンテンツ戦略、コンテンツ制作、スポーツ担当) 田代秀樹、取締役 執行役員 (メディアビジネス担当) 郡司誠致、執行役員 コンテンツ制作局長 小西真人、コンテンツ戦略局長 口垣内徹、メディアビジネス局長 河津孝宏、コンテンツ戦略部長 栗林幹夫、審議番組プロデューサー 徳田雄久
- 議題
- 1)「WOWOWオリジナルアニメ 永遠の831」
2)3月の編成について
- 審議の概要
- 1)審議番組担当プロデューサーより審議番組の説明を行い、意見・感想の交換が行われた。
2)コンテンツ戦略部長 栗林幹夫より、3月のテレビ番組編成についての説明・報告を行い、 意見・感想の交換が行われた。
- 審議
- 1)「WOWOWオリジナルアニメ 永遠の831」
・3DCGやモーションキャプチャなどの最新技術が用いられ、キャラクター描写のクオリティがとても高かったが、旧来のアニメと比べるとクセを感じた
・人の動きがより人間らしくとてもリアルに描かれていたが、実写ではなくアニメでこの作品を描いた意味がはっきり分かるものがあってもよかった
・主役二人の表情が仮面をかぶっているようでやや違和感があり、脇役のキャラクターの表情がより素敵に感じられた
・主人公の語りで状況設定を説明していたが、物語の中で誰に向けて語っているのか分かりづらかった。映像言語で何を伝えたかったのか、キャラクターの言葉やストーリーを通して何を伝えたかったのかナレーション処理ではなく何か別の工夫があってもよかったのではないか
・105分の長さにしては盛り沢山な内容で未回収の部分もあったので、連続アニメであればもっとたくさんのことが描けたかもしれない
・ジャパンアニメの個性やスタイルを存分に表現していて、海外の方にも見てもらえる作品だと感じた
・開局30周年企画として、これだけのクオリティのオリジナルアニメ制作にチャレンジしたことが素晴らしい
・女性の描き方が男性目線で、かつやや薄いと感じた。もう少しヒロイン自身の背景やスズシロウとの出会い方がドラマチックに描いていればよかった
・社会的な事象や社会の空気に対する不信感の描写にリアリティが感じられず、中途半端な印象を受けた
・作り手の表現したかったものやメッセージが伝わりきっていなかったように感じる
・「831」という夏を彷彿とさせるタイトルを掲げているにもかかわらず、作中に夏の匂いが一切してこなかった
・タイトルに「831」を使い、8月31日を物語の中では夏休みの最後の1日として描き、主人公のトラウマとなる日と一致していたり、半グレ集団が831戦線を名乗っていたりしているが、現代では8月31日は夏休みの最後の日ではなくなりつつあり、作為的なもの感じた。
■第307回WOWOW放送番組審議会
- 開催年月日
- 2022年1月27日(木) 17:00~18:00
- 開催場所
- WEB開催
- 出席者(敬称略)
- ◆ 委員
泉谷直木(委員長)、林文子(副委員長)、福井健策(副委員長)、朝吹真理子、石川光久、大日方邦子、木嶋真優、小山薫堂、村井満(敬称略)
◆WOWOW
代表取締役 社長執行役員 田中晃、取締役 常務執行役員(コンテンツ戦略、コンテンツ制作、スポーツ担当) 田代秀樹、取締役 執行役員 (メディアビジネス担当) 郡司誠致、執行役員 コンテンツ制作局長 小西真人、コンテンツ戦略局長 口垣内徹、メディアビジネス局長 河津孝宏、コンテンツ戦略部長 栗林幹夫、審議番組プロデューサー 井口正俊
- 議題
- 1)「WOWOWオリジナルドラマ 前科者 -新米保護司・阿川佳代-」
2)2月の編成について
- 審議の概要
- 1)審議番組担当プロデューサーより審議番組の説明を行い、意見・感想の交換が行われた。
2)コンテンツ戦略部長 栗林幹夫より、2月のテレビ番組編成についての説明・報告を行い、 意見・感想の交換が行われた。
- 審議
- 1)「WOWOWオリジナルドラマ 前科者 -新米保護司・阿川佳代-」
・今まで見てきたドラマの中で一番と言えるほど、凄まじくて心がえぐられるようなドラマだった
・単なる内容の面白さや、脚本・演出の良さというよりは、見る人を物語の中に引き込む力が強い作品だと感じた
・1話25分という短い時間でも十分に濃い内容の作品だった
・自分が保護司になれるかどうかという視点で自問自答しながら見た
・実際の保護司の方はどんな感じか興味がわいた
・知人が罪を犯してしまったり、前科のある人と出会ったときに、自分自身がどうその人と共生していけるか、まずは第一歩として考えていきたい と思った
・保護司という中立的な存在がいることで、加害者の心理がうまく描かれていた
・前科者を演じた役者たちの血が沸き立つようなゾッとする演技が素晴らしかった
・キャストの演技も素晴らしかったが、それを引き出した監督も素晴らしかった
・1話25分に収めるため、原作に描かれていたサイドストーリーが単純化されてしまった印象があった
・1話目の冒頭で主人公が転んで鼻血をだすシーンから始まるという、漫画的な描写によって感情移入することができなかった
・保護司の視点で見ればよいのか、犯罪者の視点で見ればいいのか曖昧なところがあった
・新米保護司の主人公が、回を重ねるごとにどんどんすごい人になっていくところに、そこまですごくなり過ぎなくてもよいのではないかと感じた
・なぜ保護司を目指したのかがドラマの中ではあまり描かれていなかった
・映像の静けさや音楽が良かった
・主人公の他に彼女の周りの様々なタイプの保護司が登場していたら保護司という職業への理解も深まったのではないか
・環境問題や社会問題などはエンターテインメントとして扱うのが非常に難しいテーマであるが、あえてそれをエンターテインメントにしないことがこの作品のエンターテインメントなのではないか
・エンターテインメントにしない作品をエンターテインメントとして送り出すことは、地上波で実現が難しい作品に取り組もうとするWOWOWの挑戦でありWOWOWの精神だと感じた
■第306回WOWOW放送番組審議会
- 開催年月日
- 2021年11月25日 11:00~12:00
- 開催場所
- WEB開催
- 出席者(敬称略)
- ◆ 委員
泉谷直木(委員長)、林文子(副委員長)、福井健策(副委員長)、石川光久、大日方邦子、小山薫堂、村井満(敬称略)
◆WOWOW
代表取締役 社長執行役員 田中晃、取締役 常務執行役員(コンテンツ戦略、コンテンツ制作、スポーツ担当) 田代秀樹、取締役 執行役員 (メディアビジネス担当) 郡司誠致、執行役員 コンテンツ制作局長 小西真人、コンテンツ戦略局長 口垣内徹、メディアビジネス局長 河津孝宏、コンテンツ戦略部長 栗林幹夫、審議番組プロデューサー 武田吉孝
- 議題
- 1)「連続ドラマW いりびと-異邦人-」
2)12月の編成について
- 審議の概要
- 1)審議番組担当プロデューサーより審議番組の説明を行い、意見・感想の交換が行われた。
2)コンテンツ戦略部長 栗林幹夫より、12月のテレビ番組編成についての説明・報告を行い、 意見・感想の交換が行われた。
- 審議
- 1)「連続ドラマW いりびと-異邦人-」
・この作品を楽しむポイントは5つあったと考える。一つ目がミステリー、二つ目がソープオペラ(メロドラマ的要素)、三つ目が美術界の裏側や作品の見方、四つ目が京都観光、そして五つ目が京都・京都人の流儀である。1話目からこの5つの要素がバランスよく配合されていて、すぐに次を見たくなった
・最初はパソコンで見ていたが、テレビの大画面で見ると、京都の景色や絵画作品など、光や色彩の描き方やカメラワークが非常に美しく感じられ、高画質・高品質な画面で堪能すべき作品だと感じた
・京都の空気感がよく表現されていて、実際に京都に行ってみたくなった
・京都が持つ「魅力」と「魔力」が織りなす世界に惹きつけられた
・絵がアニメーション的に広がっていくところに引き込まれ、京都の迷宮的な世界に引き込まれていった
・1話目で感じたワクワク感が5話まで持続はしなかった
・登場人物の描き方がやや表層的で、視聴者がその世界に入っていく隙が無いような、物語の中の人物だけでドラマが進んでいくような印象があった
・ミステリー作品ゆえに重く感じるところがあったので、芸術の世界はなんて素敵なんだろう、と訴えかけてくるような心優しくなる部分もあればよかった
・映像の美しさに対して、音楽はサスペンス感が強くなっていたので、もうすこしその部分を抑制していたらより映像の美しさが際立ったのではないか
■第305回WOWOW放送番組審議会
- 開催年月日
- 2021年10月28日 11:00~12:00
- 開催場所
- WEB開催
- 出席者(敬称略)
- ◆ 委員
泉谷直木(委員長)、林文子(副委員長)、福井健策(副委員長)、朝吹真理子、石川光久、木嶋真優、別所哲也(敬称略)
◆WOWOW
代表取締役 社長執行役員 田中晃、取締役 常務執行役員(コンテンツ戦略、コンテンツ制作、スポーツ担当) 田代秀樹、取締役 執行役員 (メディアビジネス担当) 郡司誠致、執行役員 コンテンツ制作局長 小西真人、コンテンツ戦略局長 口垣内徹、メディアビジネス局長 河津孝宏、コンテンツ戦略部長 栗林幹夫、審議番組プロデューサー 二宮崇昌
- 議題
- 1)「WOWOWオリジナルドラマ『演じ屋』」
2)11月の編成について
- 審議の概要
- 1)審議番組担当プロデューサーより審議番組の説明を行い、意見・感想の交換が行われた。
2)コンテンツ戦略部長 栗林幹夫より、11月のテレビ番組編成についての説明・報告を行い、 意見・感想の交換が行われた。
- 審議
- 1)「WOWOWオリジナルドラマ『演じ屋』」
・普段は漫画原作の作品を好んで見ることはないが、この作品は最初から最後まで没入して楽しむことができた
・漫画ではのめり込めるようなシーンでもドラマになると細かいディテールが気になりしらけるところがあった
・"演じ屋"という特殊な職業を誰もが知っているかのような演出に違和感をおぼえた
・ポップにコミカルに描かれた場面と、社会問題を描いたシリアスな場面が対極的でそのバランスが絶妙だった
・すべてを描き切らずに謎を残しているところにハラハラして、次を見たいという気持ちがかき立てられた
・各話25分の中で痴漢、冤罪、アルコール依存、飲酒運転、少年法など様々な社会問題を取り上げていたが、しっかりとエンターテインメント作品として視聴者を引き込んでいた
・重いテーマをコミック的に軽く演出して見せることと、凄まじい現実をリアルに描いて伝えることは、制作陣にとっても難しいことだったのではないかと感じる
・オリジナルドラマを作るうえで、家庭内暴力や飲酒運転など日本の抱える社会問題に切り込んでいくことは大切なことであるが、海外の作品に比べるとリアリティがないところもあり、子どもっぽい印象を受けてしまった
・演じ屋たちが虐待を受けている子どもを男に引き渡す場面は現実ではあり得ない描写だったが、最後に母親が男の元に戻っていくシーンは虐待現場のリアルそのものだった
・編成上難しいかもしれないが、番組の尺をもっと自由に設定できるようになればよいと思う
・ 演じ屋家族を中心にそれぞれ2話完結型で物語が進められていき、これはどんどん話数を増やして展開できるなと感じた
・奈緒さんが圧倒的な魅力を放っていて素敵な女優さんだと感じた
・一気に6話まで見たが、週に1話ずつ見ていった場合に次も見たいと思えただろうかと感じる回があった
■第304回WOWOW放送番組審議会
- 開催年月日
- 2021年9月30日(木) 11:00~12:00
- 開催場所
- WEB開催
- 出席者(敬称略)
- ◆ 委員
泉谷直木(委員長)、林文子(副委員長)、福井健策(副委員長)、石川光久、木嶋真優、小山薫堂、村井満、渡辺千穂(敬称略)
◆WOWOW
代表取締役 社長執行役員 田中晃、取締役 常務執行役員(コンテンツ戦略、コンテンツ制作、スポーツ担当) 田代秀樹、取締役 執行役員 (メディアビジネス担当) 郡司誠致、執行役員 コンテンツ制作局長 小西真人、コンテンツ戦略局長 口垣内徹、メディアビジネス局長 河津孝宏、コンテンツ戦略部長 栗林幹夫、審議番組プロデューサー 大木綾子
- 議題
- 1)「ショートショート劇場 『こころのフフフ』」
2)10月の編成について
- 審議の概要
- 1)審議番組担当プロデューサーより審議番組の説明を行い、意見・感想の交換が行われた。
2)コンテンツ戦略部長 栗林幹夫より、10月のテレビ番組編成についての説明・報告を行い、 意見・感想の交換が行われた。
- 審議
- 1)「ショートショート劇場 『こころのフフフ』」
・「なまリップ」「数学筋」「暇つぶし」など、こんなのがあったら面白いと思うようなファンタジー系のものや、「女子語」、「青春玉」などの異世界感のあるもの、「腹ベル部」「エアドーナツ」のようなコント仕立てのものなど、短尺という制約があるなかでいくつものパターンでストーリーを展開していて非常に挑戦的な作品だった
・こころが「フフフ」と笑うところが、日本古来の"可笑しみ"や"味わい"をうまく表現しているようで非常に面白かった
・学校風景の中に一切いじめが出てこず、嫌なキャラクターも出てこないところが、幸せな気持ちにさせてくれた
・主役たちのフレッシュさに好感が持てるキャスティングで、ポップな音楽や画作りなどもいい意味でとてもゆるくて良かった
・癒されるショートコンテンツをという試みが良いなと感じ、あえてタブレットからWOWOWオンデマンドを利用して視聴してみたが本当にちょうどよい感じで楽しめる作品だった
・SNSで視聴者から投稿形式でアイディアを募集し、それが番組制作に反映されるような仕組みをつくれば、さらにこのコンテンツが発展していくだろう
・所々、今の若者たちが知らないような過去のトレンドが組み込まれていたので、番組のターゲットである若年層はちょっと古く感じてしまうのではないかと思った
・全編を通して素晴らしいと感じたことは、おばあさんが何を話しているのか理解したいという気持ちを描いた「なまリップ」や、自分のためではなく友達を助けるために大切な1分を使う「暇つぶし」など、一人一人の個性を大切にする現代においても、みんなが共存していくことが大切だというテーマを伝えていたことで、それがすごく心に響いた。
・年齢によっては好みの分かれる作品ではないかと感じたが、ターゲットを若年層に振り切っていたことが、企画としてはまっていたように思う
・15分という短尺で作品を作ることの難しさを感じたが、WOWOWがこうした作品を製作する意義という視点では、監督や役者を育てていく試金石になることを願っている
・番組製作の手法はパッケージとして完成されているので、アイディアさえあれば何百本でも作れて、育てようと思えばいくらでも育てられるコンテンツだと感じた。ぜひシリーズ化してほしい
・作品の根底にばかばかしさがあり、いきなり何の説明もなしに変なことが展開されていくが、なぜか不思議と心がそれを受け入れていた
・逆に、根底に理屈を感じるようなストーリーはやや未消化な印象を受けた
・着想が非常に面白かった
・脇役のキャスティングも素晴らしく、主演の若い役者たちもとても自然な演技をしていて、見ていて幸せな気持ちになった
・最終話「青春玉」で描かれた、たとえ離れていても心は繋がっているんだというところが若者たちへの温かいメッセージだと感じた
■第303回WOWOW放送番組審議会
- 開催年月日
- 2021年7月29日(木) 11:00~12:00
- 開催場所
- WEB開催
- 出席者(敬称略)
- ◆ 委員
泉谷直木(委員長)、林文子(副委員長)、朝吹真理子、石川光久、大日方邦子、木嶋真優、小山薫堂、別所哲也、村井満(敬称略)
◆WOWOW
代表取締役 社長執行役員 田中晃、取締役 常務執行役員(コンテンツ戦略、コンテンツ制作、スポーツ担当) 田代秀樹、取締役 執行役員 (メディアビジネス担当) 郡司誠致、執行役員 コンテンツ制作局長 小西真人、コンテンツ戦略局長 口垣内徹、メディアビジネス局長 河津孝宏、コンテンツ戦略部長 栗林幹夫、審議番組プロデューサー 廣瀬眞子
- 議題
- 1)「がんばれ!TEAM NACS」
2)8月の編成について
- 審議の概要
- 1)審議番組担当プロデューサーより審議番組の説明を行い、意見・感想の交換が行われた。
2)コンテンツ戦略部長 栗林幹夫より、8月のテレビ番組編成についての説明・報告を行い、 意見・感想の交換が行われた。
- 審議
- 1)「がんばれ!TEAM NACS」
・これだけ一流の方が集まっているので、カメラワークや構成など苦労したと思うが、馬鹿馬鹿しいことを大胆にやっているように見せかけて、 実は緻密な演出など色々なことがなされた、最高のエンターテインメントとして一つの作品になっていると感じた
・フィクションとフェイクドキュメンタリーがどんどんと切り替わっていき、置いてきぼりになってしまうことがあったので、 もう少しそれぞれを描き分けられていればよかった
・制作意図としてあえて番組をカテゴライズしていないということだったが、フィクションなのかノンフィクションなのか、 不思議な世界を見ているようで頭が混乱してしまったので、番組の冒頭などで、意図を示す何かしらの演出があってもよかったのではないか
・TEAM NACSの各メンバーについては知っていたが、チームとしての活動についてはあまり知らなかったので、 個性の強い5人が集まることでにじみでているものが、すごく面白いなと思って楽しめた
・この番組は開局30周年記念番組として制作されたが、WOWOWのエンターテインメントに対する寛容さ、懐の深さが表れていたように感じ、WOWOWらしい番組になっていた
・"誰も見たことがない新たなエンターテインメント"といえるほどの斬新な何かを感じることはできなかった
・様々な困難があっても団結してやっていこうという作品のメッセージは、どの世界でも、どんな人にでも届くと思った
・TEAM NACSのファン向けの番組かと思いながら見始めたが、徐々にそれぞれのメンバーが語り合う面白さに惹かれていき、 虚実入り交じる構成の妙や豪華キャストの遊び心に魅力を感じた
・TEAM NACSのファンをきっちり楽しませながら新規ファンの獲得にも成功していた
■第302回WOWOW放送番組審議会
- 開催年月日
- 2021年6月24日(木) 11:00~12:00
- 開催場所
- WEB開催
- 出席者(敬称略)
- ◆ 委員
林文子(副委員長)、福井健策(副委員長)、石川光久、大日方邦子、木嶋真優、小山薫堂、村井満、渡辺千穂(敬称略)
◆WOWOW
代表取締役 社長執行役員 田中晃、取締役 常務執行役員(コンテンツ戦略、コンテンツ制作、スポーツ担当) 田代秀樹、執行役員 コンテンツ制作局長 小西真人、執行役員 メディアビジネス担当 郡司誠致、コンテンツ戦略局長 口垣内徹、メディアビジネス局長 横山誠⼀、コンテンツ戦略部長 栗林幹夫、審議番組プロデューサー 長谷川徳司
- 議題
- 1)「FM999 999WOMEN'S SONGS」
2)7月の編成について
- 審議の概要
- 1)審議番組担当プロデューサーより審議番組の説明を行い、意見・感想の交換が行われた。
2)コンテンツ戦略部長 栗林幹夫より、7月のテレビ番組編成についての説明・報告を行い、 意見・感想の交換が行われた。
- 審議
- 1)「FM999 999WOMEN'S SONGS」
・これは女性への応援歌であると感じた
・歌、舞台、ドラマ、ラジオと盛沢山だったが、軽やかなところもあって自然とその世界観に入っていくことができた
・衣装、ヘアメイク、それぞれの設定と、どれも破壊力のある奇天烈な作品で、地上波では見られない貴重な作品だった
・出演者が非常に豪華でCM監督の長久さんだからこそできるキャスティングだった
・制作者の大半が男性だったこともあり、男性視点からの女性像を表現した作品と感じた
・『999人の男』があっても良いだろうし、他にも国籍編や職業編など、この企画には発展性があると感じた
・映像にはインパクトがありディテールへのこだわりもあったが、面白いミュージックビデオを作りたかったのか、「女とは何か」を考えるドラマを作りたかったのか、その点がやや中途半端だった
・本作は、長久さんというクリエイターに制作を依頼したことが一番の強みだった
・本編以外にも、クリエイターがどのようなモチベーションで、どんなことから着想を得て制作をしたのか、制作の過程を見せるコンテンツをつけても面白いのではないか
・「女とは何か」という問いを今の日本で最も独創的かつ美しく表現した作品だった
・女性に対する男性の描き方にやや違和感があり、多くの女性の共感を得るには説得力に欠けていると感じる部分もあった
・望まない妊娠を描いた場面で、全てを男性の責任とするような描き方は適切であったか、反対に女性はこうあるという刷り込みになっていなかったか
・女性が様々な経験をして成長していく姿はきちんと描かれていたが、中絶の場面では女性の体への影響等があまり描かれておらず、不要な要素としてそぎ落とされたのか女性目線ではその点が少し気になった
・テレビ番組というよりは小さな劇場で上演される演劇のようだと感じ、表現も含めてとても斬新だった
・難解な作品だった
・非常に挑戦的な作品だった
・先に最終回を見たところ、とても素晴らしくドラマとしてすごくよくできていると感じたが、最終回を知らなければ途中で脱落していたかもしれない
・10話全体を通してメッセージや意図が伝わるものだったかもしれないが、一本一本見ていくのにエネルギーが必要で、単純に楽しめるものではないと感じたので、最初の段階でもう少し続きを見たいと思わせるような仕掛けがあっても良かったのではないか
■第301回WOWOW放送番組審議会
- 開催年月日
- 2021年5月27日(木) 11:00~12:00
- 開催場所
- WEB開催
- 出席者(敬称略)
- ◆ 委員
泉谷直木(委員長)、林文子(副委員長)、朝吹真理子、石川光久、大日方邦子、木嶋真優、小山薫堂、別所哲也、渡辺千穂(敬称略)
◆WOWOW
代表取締役 社長執行役員 田中晃、取締役 常務執行役員(コンテンツ戦略、コンテンツ制作、スポーツ担当) 田代秀樹、執行役員 コンテンツ制作局長 小西真人、執行役員 メディアビジネス担当 郡司誠致、コンテンツ戦略局長 口垣内徹、メディアビジネス局長 横山誠⼀、コンテンツ戦略部長 栗林幹夫、審議番組プロデューサー 宮田徹
- 議題
- 1)「ザ・モキュメンタリーズ 〜カメラがとらえた架空世界〜」
2)6月の編成について
- 審議の概要
- 1)審議番組担当プロデューサーより審議番組の説明を行い、意見・感想の交換が行われた。
2)コンテンツ戦略部長 栗林幹夫より、6月のテレビ番組編成についての説明・報告を行い、 意見・感想の交換が行われた。
- 審議
- 1)「ザ・モキュメンタリーズ 〜カメラがとらえた架空世界〜」
・切り口は非常に面白いが、モキュメンタリーという限られた世界では幅が広がっていかないので、企画の継続性としては難しいのではないかと感じた
・こうした実験的なコンテンツに挑戦する姿に好感を持った
・ドキュメンタリーをベースとするがゆえにかえって役者たちの素晴らしい演技が感情移入を妨げていた。ドラマ作品として制作しても良かったのではないか
・エンターテインメントに寄せるのか、ジャーナリスティックな視点に寄せるのか曖昧な部分があった。冒頭で視聴者に視点を授けるようなMC的な存在を立てて、最後には余韻を残すための語りなどをいれてみてはどうか
・モキュメンタリーを徹底的に作りこむために、番組の間にあえてフェイクCMをいれてみれば、この放送枠が注目されるようになるのではないか
・「本当」と「嘘」を混ぜてドキュメンタリー仕立てにすると、わずかな違和感がすごく大きく感じられ、それは制作上の難しさだと感じた
・モキュメンタリーという手法を知らなかったが、こうした描き方は今まで自分が見てきたどのドキュメンタリーよりも人に訴える力があった
・所々過度な演出があり、リアリティが感じられなかった
・メディアリテラシーもそうだが、言語のリテラシーを高めていくことが大切であると感じた
・非常にフレームがしっかりした知的なコンテンツだった
・モキュメンタリーの世界観を共有するために、説明過多になっていた
・ドキュメンタリーにある偶発性のようなものが、モキュメンタリーではどういう風に盛り込めるかというのが一つの課題である感じた
・俳優の演技があまりにも自然だったので、どこからどこまで台本に書かれているのか、台本を読んでみたくなった
・作品のメイキングなどもあわせて放送すればコアな層に響くと思う
・なぜ2作品とも同じ年頃の女性が主人公だったのか疑問に思った
・最後に余韻がなくやや物足りなさがあった
・次はどんな内容がくるか楽しみで一緒に考えたいと思ったので、視聴者からテーマを募集してみてもいいのではないか
・内容がシリアスだからこそクスッっと笑えるシーンもあればよかった
■第300回WOWOW放送番組審議会
- 開催年月日
- 2021年4月22日(木) 11:00~12:00
- 開催場所
- WEB開催
- 出席者(敬称略)
- ◆ 委員
泉谷直木(委員長)、林文子(副委員長)、福井健策(副委員長)、朝吹真理子、木嶋真優、別所哲也、村井満、渡辺千穂(敬称略)
◆WOWOW
代表取締役 社長執行役員 田中晃、取締役 常務執行役員(コンテンツ戦略、コンテンツ制作、スポーツ担当) 田代秀樹、執行役員 コンテンツ制作局長 小西真人、執行役員 メディアビジネス担当 郡司誠致、コンテンツ戦略局長 口垣内徹、メディアビジネス局長 横山誠⼀、コンテンツ戦略部長 栗林幹夫、審議番組プロデューサー 植田春菜
- 議題
- 1)「ドラマWスペシャル あんのリリック -桜木杏、俳句はじめてみました-」
2)5月の編成について
- 審議の概要
- 1)審議番組担当プロデューサーより審議番組の説明を行い、意見・感想の交換が行われた。
2)コンテンツ戦略部長 栗林幹夫より、5月のテレビ番組編成についての説明・報告を行い、 意見・感想の交換が行われた。
- 審議
- 1)「ドラマWスペシャル あんのリリック -桜木杏、俳句はじめてみました-」
・WOWOWのオリジナルドラマには、ハードなものとやわらかいものがあるが、この作品はやわらかいドラマとして非常に楽しめた
・主人公の不器用な天才ぶりを非常にうまく表現していた
・広瀬すずさんの演技がとても素敵で、その姿を見ているだけでも楽しくなった
・俳句の世界の豊かさを何度も感じさせられ、良い俳句をいくつも味わうことができた
・俳句の世界が油絵風のアニメーションで表現されているのがよかった
・余白を残すのが俳句だとすると、物語のラストには余白がなく、べたな仕掛けには評価が分かれると感じた
・原作もあわせて読んでみたが、そこにはラップもMCバトルもなく思い切ったアレンジに驚いた
・ドラマを見ていくうちに自然と自分自身の目が杏の目を通して物事をとらえているような感覚に引き込まれていった
・静的な俳句と動的なドラマがうまく融合していた
・登場人物が自分自身の表現をみつけて解放されていくプロセスは自然な演技でとても素晴らしい仕上がりだった
・ドラマを見終わってからもじわじわと考えさせられるような、メッセージ性のある作品だった
・現代人のコミュニケーションの変化に自分自身が戸惑うところもあったので、主人公がコミュニケーションの取り方に悩む姿には共感した
・映画と思うくらいにクオリティが高かった
・今様々な場面で多様性が問わるなかで、自分を解き放って自分で道を切り開いていこうというメッセージが多くの人に響くと良い
・それぞれのキャラクター設定と演出に微妙にずれがあった
・青春の清涼感、やさしさ、やわらかさが溢れているドラマだった
・視聴者が世代を超えてつながれる作品だと感じた
・画面に表示される俳句のフォントについて、それぞれ個性のあるフォントで出し分けても良いと感じたが、統一フォントの使用は演出上のこだわりだったのか知りたい
・登場人物が良い人たちばかりだったので、ライブ感をもって物語を進めるにはアンタゴニスト(=敵対者)をより異質な存在として描ければよかったのではないか
・言葉と向き合っている人だけで物語が作られているようで少し違和感があった。本当はもっと多様な社会であるはず。
・原作からドラマにするうえでどんな難しさがあったのか、オリジナリティをどう加えたのか、ドラマ化して強みになったのはどんなことだったのか気になった
・ドラマを通して、若い人にも実際の句会の様子を知ってもらえて俳句の魅力がよく伝わったと思う
・原作の良さを残したまま見事にドラマ化していて感心した
・こうした心優しいドラマがこのコロナ禍でつくられたということを嬉しく思った
・この作品をきっかけに俳句を始めたり、ラップを聞くようになる人がいるのではないかと感じた
・俳句を区切ったりルビをふることなく一文で表示させているのは俳句への敬意があってとても良かった
・ラップバトルには、即興性があまり感じられなかった
・様々な要素は面白かったが、ストーリーラインがつまらなかった
・日本語の奥深さを味わうことができた