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2025年1月定例会見要旨

1月16日(木)に定例記者会見を開催いたしました。概要は以下の通りです。

出席者:山本均社長執行役員、井原多美専務執行役員、口垣内徹執行役員、桃井義生プロデューサー、島本時プロデューサー



1. ご挨拶(山本社長)

新年を迎えた今、WOWOWにはさらなる変革と挑戦が求められている。
2025年は、ますます競争が激化する中、われわれがどのような「Be Different」な存在になれるか、またパーパスで掲げている「人生をWOWで満たし、夢中で生きる大人を増やす」という存在価値を実現できるかが非常に重要な年になると考えている。この目標に向けて、スピードを上げて挑んでいきたい。
スピードを上げるためには、新しいアイデアを持ち寄り、具体的なアクションを起こし、失敗を恐れずにそこから学び、すぐに次のアクションに進むことが大事である。このメッセージを、社員に向けても新年に投げかけた。今までのWOWOWの殻を脱しなければならず、過去の成功体験に縛られて従来と同じことを繰り返していては、成長はないと思っている。
2025年の干支は巳年である。蛇は変化や成長の象徴といわれている。蛇が脱皮をするように、さらなる成長のために過去を脱ぎ捨て、WOWOWが新しく生まれ変わる一年にしたいと思う。

2. 事業概況(井原専務)


まず、「ゴールデンカムイ」の成果について説明する。2024年1月19日に公開した劇場版は、WOWOW FILMSとして初めて興行成績30億円、動員数210万人を記録し、大成功を納めた。それに続くドラマ版においても、WOWOWオリジナルドラマ史上最大規模の視聴数と加入件数を記録し、ドラマとしても大きな成果を上げた。ドラマのみにとどまらず、アフタートークやオーディオコメンタリー版も制作しており、皆さまに引き続き楽しんでいただいている。

内容について加入者からは、原作に忠実でありながら面白いドラマであったことを評価する声が最も大きかった。また、WOWOWオンデマンドでは視聴後のリサーチを行っており、その調査においても90%以上の視聴者が満足している。さらにSNSでの反響として、ドラマ版が放送された日曜の夜には毎話でXのトレンド入りを果たし、多角的に高い評価を得ている。先日には第2弾の映画製作も決定し、今月末からクランクインとなるため、引き続き「ゴールデンカムイ」に期待してほしいと思う。

続いて、Eコマース事業について説明する。われわれは新たな収益の創出に取り組んでおり、多層化サービスの一環として、現在wowshopの商品バリエーションの強化を図っている。今回、シネコンや野球スタジアム、海外のスポーツ会場のベンチ等を生産する会社との協業が実現し、家庭で使用できる映画館の椅子として、「おうちシアターチェア」をWOWOWオリジナルで製品化した。
映画好きの方は、映像体験そのものを楽しむ。その体験を自宅で少しでも実現できないかという想いから今回の商品が生まれた。この商品は、家庭で使用できるように脚を付けるとともに、床を傷つけないような工夫を行なっており、座り心地も大変良くなっている。本日は会場に実物を展示しているため、是非一度座っていただきたいと思う。

Eコマースでは、われわれが自信を持って「エンターテインメント愛」をふんだんに取り込んだ商品を今後も企画・開発・調達していく。一人でも多くのエンタメファンに喜んでもらえる商品を提供していきたいと考えている。

最後に、加入状況について説明する。既にリリースにて発表しているが、第3四半期までにおいて正味加入件数は約66,000件の純減となっている。しかし、前年同期比では約15,000件良化している。今後は放送・配信を超えて、WOWOWでしかできないオリジナルサービスをたくさん届けたいと思っている。

3. プレゼンテーション(山本社長、アライアンス営業部 桃井義生プロデューサー、音楽事業部 島本時プロデューサー)


山本社長)本日は2つの案件を紹介したい。1つ目は、WOWOWのスポーツコンテンツをセレクトして、他の配信プラットフォームで楽しむことができるサービス「WOWSPO」である。「WOWSPO」は昨年4月にABEMAで、昨年12月には Prime Videoのサブスクリプションでサービスを開始した。この取り組みについて、開発担当であるアライアンス営業部の桃井プロデューサーより紹介する。

【WOWOWが配信するスポーツコンテンツを視聴できるサービス「WOWSPOについて】

桃井プロデューサー)私はスポーツ観戦が趣味で、DAZNもU-NEXTもWOWOWも視聴しているが、さまざまなサブスクリプションを契約すると値段が高くなってしまう。このように、私のようなスポーツ好きの方に向けて自信を持って販売開始したのが、新サービス「WOWSPO」である。

アライアンス営業部のミッションは、外部パートナー企業とのビジネス創造と拡大である。その中で私は「WOWSPO」や、AppleおよびAmazonのアプリストア経由の配信加入、商業施設向けの法人契約などを担当している。

WOWOWは30年以上、放送サービスを展開してきた。直近では配信サービスにも注力しているが、やはりお客さまからは「WOWOWは衛星放送」というイメージが強い。また、WOWOWの認知率を見ると、10代から30代の若年層認知が低くなっている。このような状況の中で、若年層へのタッチポイントをつくるとともに、スポーツ好きの方に接触するべく開発したのが「WOWSPO」である。

「WOWSPO」は、WOWOWがスポーツコンテンツを厳選して、WOWOW以外の他社配信プラットフォーム上でコンテンツを届けるサービスとなっている。2024年4月には「ABEMA de WOWSPO」、2024年12月には Prime Videoのサブスクリプションでも「WOWSPO」を開始し、どちらも月額1,980円で提供している。「ABEMA de WOWSPO」は、開始以降WOWOWの加入を牽引している。毎年4月は季節の変わり目でWOWOWの解約数が多くなる時期だが、「ABEMA de WOWSPO」を開始した2024年4月は21年ぶりに単月の会員数を増やすことができた。また Prime Videoのサブスクリプションにおいても、「WOWSPO」を開始したばかりだが、既にパートナー企業の各社から多数の問い合わせを頂いている。

「WOWSPO」のマーケティングに関しては、パートナー企業の協力を得て新たなタッチポイントを獲得することができた。WOWOWだけでは実現できなかったマーケティング施策が実現できるようになったのは、大きな収穫だと考えている。

また、「WOWSPO」で得た知見として、1点目は顧客ニーズの多様化という課題に対して、見たい番組のみをパッケージ化したサービス提供が解決策となり得たことが挙げられる。そして2点目として、若年層へのリーチが難しいという課題に対して、ABEMAなど若年層が多いプラットフォームでサービス展開することが解決策となり得た。これらの知見を今後のサービス展開にも活かしたいと考えている。

2024年4月にABEMAで開始した「WOWSPO」だが、2024年12月時点の調査結果では認知率が18.5%となっており、まだ大きな伸びしろがあると感じている。2024年12月には規模獲得を狙い、Prime Videoのサブスクリプションでも「WOWSPO」を開始した。その将来性に期待しながら、今後もサービス開発に注力し、WOWOWだけでなく「WOWSPO」においても挑戦していきたい。

山本社長)WOWOWは開局以来、放送サービスを中心に、総合ジャンルで単一商品のビジネスを長く展開してきた。
しかし、従来のままではお客さまの変化やニーズに応えられない。また、配信サービスが増加している中で、配信領域でもWOWOWは戦っていかなければならない。まずは2年前にTVODでシーズンパスを導入し、昨年には新しい商品・価格・プラットフォームでお客さまを獲得する挑戦に乗り出した。そのような中で、桃井プロデューサーが交渉によって新サービスを実現して、新たな顧客を獲得しており、手応えを感じている。
やはり10代から20代の方は、テレビでWOWOWに加入するという発想自体があまりない世代だと思う。それがABEMAの中では「スポーツを見たいから加入する」というアクションを起こしている。その意味で、今後も「WOWSPO」の展開を進めていきたいと考えている。

続いて2つ目は、音楽事業についてである。11月22日に公開したWEST.オリジナルライブの劇場版が5億円を超えるヒットとなっている。アーティストとの協業によるコンテンツの多層展開について、当該プロジェクトを担当した音楽事業部の島本プロデューサーより説明する。

【音楽コンテンツの多層展開について】

島本プロデューサー)今年度より、部署名が「音楽部」から「音楽事業部」へと変わり、ライブを収録、放送・配信するだけでなく、いかに多層展開して売り上げを向上させるかがわれわれのミッションとなっている。その中で、2024年にデビュー10周年を迎えたWEST.のオリジナルライブの番組化、および劇場化を企画した。

私がWEST.のライブを初めて観た時、アイドルというよりも、かっこいいロックバンドであるという印象を強く受けた。それを元に、今まで見たことのない、アーティストとしてのWEST.を見せるライブ作品を届けたいと考え、その思いにレーベルや事務所も賛同していただいた。企画提案から収録までタイトなスケジュールだったが、メンバー7人の驚くべきポテンシャルと、丹修一監督をはじめとするプロフェッショナルな収録制作陣によって、素晴らしい作品ができた。WEST.のファンはもちろん、WEST.を知らない方にぜひ見ていただきたい内容となっている。現在はWOWOWオンデマンドでアーカイブを配信中のため、ぜひ視聴してほしいと思う。

収録後もWEST.には、「WOWOWが素敵な収録をしてくれた」として、これ以上ないほどプロモーションに稼働していただいた。そのおかげもあり、昨年10月にWOWOWで初回放送した際は、「#WOWOWEST.やねん」が放送開始5分で日本トレンド1位になり、30分後には世界トレンド1位を獲得した。自身の番組でSNSのタイムラインが追い付けなかったのは初めてである。

放送終了直後には劇場版を解禁したが、「これは映画館で観なければならない」という嬉しい声が多数見受けられ、多くの方に劇場にも足を運んでいただいた。公開初日のメンバーの舞台挨拶も盛り上がりを見せ、興行成績で初週1位を獲得し、WEST.旋風が続いた。入場者プレゼントの配布やパフレット販売、応援上映などの後押しもあり、最終的には興行収入5億円を超える大ヒットとなっている。

この反響を受けて、昨年11月に放送・配信したオリジナルライブのドキュメンタリー番組に入りきらなかったインタビューの未公開集を急きょ制作し、1月に編成することとなった。

さらに、グラミー賞を会場で観た経験のある小瀧望さんには、2月3日の「生中継!第67回グラミー賞授賞式」の日本スタジオゲストとして出演いただく。まさに今の音楽事業部が課せられている音楽コンテンツの多層展開の成功ケースとなっており、WEST.の力はもちろん、これまでWOWOWが積み上げてきた経験値があったからこそ、このような取り組みが実現できていると思っている。

この流れに引き続いて、「第67回グラミー賞授賞式」について紹介したい。
今年も世界最高峰の音楽の祭典をWOWOWで独占生中継する。ロサンゼルスの山火事の影響で延期の可能性がささやかれているが、先日レコーディング・アカデミーより「山火事の救済活動支援という新たな目的意識をもって開催する」との発表があった。どのような授賞式の内容になるかはまだ分かっていない。

そのような状況だが、本日は今回の授賞式で注目したいポイントの1つをお伝えできればと思う。
今回の授賞式では、11部門でノミネートされたビヨンセが注目されている。
歴代グラミー賞での史上最多受賞32冠に加え、史上最多の99回ノミネートという脅威の記録を樹立しているビヨンセだが、90以上ある部門のうち、主要部門といわれる6部門は一度しか受賞していない。アルバムを出すたびに「年間最優秀アルバム」の獲得を期待されるが、受賞を逃し続けている。

かつてベックが受賞した時は、カニエ・ウェストが壇上に乱入して抗議したことがある。また、アデルが受賞した際は、「ビヨンセが受賞すべき」として、授賞式後にトロフィーを半分に割った。また、前回はJAY-Zが娘のブルーアイビーと壇上にあがり、「ビヨンセが年間最優秀アルバムを受賞していないのはおかしい」という主旨のスピーチをした。

今回、黒人女性史上初の全米カントリーアルバムチャート1位を獲得し、歴史的快挙を達成したアルバム『COWBOY CARTER』で「年間最優秀アルバム」の受賞となるか、ぜひ注目してほしい。なお、ビヨンセは今回の山火事救済基金に日本円で約4億円を寄付したと報道されている。

さらに今回、WOWOWのグラミー賞の案内役を務めて20周年となるジョン・カビラさんには、ホラン千秋さんやゲストの方々と共に、グラミー賞の様子を臨場感たっぷりに届けていただく。また、2023年に亡くなった坂本龍一さんの最後のピアノ・ソロ・コンサートを収録した『Opus』の他、日本人が携わった作品も多くノミネートされているため、こちらの受賞の行方も注目である。グラミー賞でしか見られない世界的アーティストのパフォーマンスの数々も楽しんでいだければと思う。

山本社長)WEST.の映画化のポイントは、WOWOWが自社配給を行なったことである。さらに、自社配給でありながら興行収入で初週1位を獲得している。大手配給興行収入会社ではないWOWOWがこのような実績を出せたことは快挙であり、次のチャレンジにもつながると思っている。今回のWEST.との取り組みは非常に良い形になったと実感している。引き続きこのような取り組みに挑戦していきたい。

4.今後の編成トピックス(口垣内執行役員)


今年も引き続き、WOWOWではさまざまなコンテンツを展開していく。まずは注目のスポーツについて紹介したい。

【全豪オープンテニス 1月12日(日)~26日(日)連日生中継】
現在放送・配信中の全豪オープンテニスは、残念ながら錦織圭選手が2回戦で敗退してしまったが、大坂なおみ選手が3回戦に残っており、ぜひ注目してほしい。WOWOWでは引き続き全14コートを放送・配信していく。

また、全豪オープンテニスではライブビューイングの企画も展開している。1月25日(土)の女子シングルス決勝、および26日(日)の男子シングルス決勝に合わせて、江東区辰巳にあるWOWOW放送センターにてライブビューイングを実施する予定である。お弁当やお土産付きの企画となっており、wowshopで展開しているため、ぜひこちらも確認してほしい。併せて、全豪オープンテニスのオフィシャルグッズも販売している。放送と合わせて楽しんでいただきたい。
さらに、1月25日(土)の午前9時50分からは車いすテニスの男女の決勝も放送、配信する。注目選手の活躍をぜひ見ていただければと思う。

【欧州サッカー UEFAチャンピオンズリーグ】
続いて、サッカーについて。UEFAチャンピオンズリーグが新フォーマットに変更されたが、いよいよ残すのはMatchday7およびMatchday 8の2節となる。この新フォーマットの中でプレーオフが2月に行なわれるが、プレーオフに進出できない25位のポジションにはパリ・サンジェルマンが、プレーオフ圏内の22位にはマンチェスター・シティがおり、混戦を極める展開になっている。
また、Matchday7の解説として、ダイジェスト版番組に元日本代表の森保一さんと名波浩さんが出演する。世界を知る2人がどのようにチャンピオンズリーグを語るのかを楽しみにしていただきたい。

【LPGA女子ゴルフツアー 2025シーズン開幕】
さらにスポーツにおいては、LPGA女子ゴルフツアーもある。
今年もWOWOWでは、メジャー3大会を含む30大会を放送・配信する。今年のLPGAの特徴としては、過去最多となる13人の日本人がチャレンジすることが挙げられる。これまでWOWOWでは、日本人選手専用カメラを含めてさまざまな展開を行なってきたが、今年も彼女たちの活躍をしっかりと届けていきたい。開幕戦は1月31日のヒルトン・グランドバケーションズトーナメント・オブ・チャンピオンズとなり、昨年のエビアン優勝の古江彩佳選手や、昨年の全米女子オープン優勝の笹生優花選手、日本で開催されたTOTO大会にて優勝した竹田麗央選手、2023年のTOTO大会で優勝した稲見萌寧選手らが出場する。豪華な大会となっているため、ぜひ彼女たちの活躍に期待いただければと思う。

その他、ラグビーのシックス・ネーションズや、オールスターゲームで注目が集まるNBAなど、今年もスポーツは充実の展開となっている。テニスにおいても、グランドスラム4大会をしっかりお届けする形で展開していく。

【連続ドラマW BLOOD & SWEAT 2026年放送・配信予定】
次に、オリジナルドラマについて紹介する。昨日に情報を解禁したが、新たにWOWOWが手がける「連続ドラマW BLOOD & SWEAT」は、WOWOWと制作会社のAX-ON、そしてフィンランドの制作会社ICSの三社による共同製作プロジェクトである。WOWOWでは、ハリウッドと共同製作とした「TOKYO VICE」に続く国際製作プロジェクトとなる。内容は完全オリジナルドラマとして手がけ、2人の刑事が連続猟奇殺人事件の真相に迫るという、まさに北欧サスペンスの作品となっている。
WOWOWでは北欧のサスペンスドラマが人気で、1つのジャンルと言えるほどの本数を提供している。北欧の配信サービスを運営するViaplayとの契約によって、厳選したラインナップを年間200話ほど展開しているが、その北欧サスペンスというジャンルを今回はオリジナルで共同製作する。
主演は、世界を股にかけて活躍する俳優の杏さんと、ヤスペル・ペーコネンさんが務める。ヤスペル・ペーコネンさんは、フィンランドでは知らない人がいないほど有名な方である。本作は既にWOWOWおよびフィンランドでの放送が決定しており、2026年の放送・配信を予定している。ぜひ楽しみにしていただきたい。

【エディ・レッドメイン主演 ジャッカルの日 2/22(土)午後11時スタート】
最後に、エディ・レッドメイン主演の海外ドラマ「ジャッカルの日」を紹介する。既に映画化もされた、スパイフィクション小説の代表すべき作品であり、本作はそれを現代風にアレンジしている。「SHOGUN 将軍」が席巻したゴールデングローブ賞だが、「ジャッカルの日」も作品賞と主演男優賞にノミネートされた。こちらもぜひ注目してほしい。

5. 締め・挨拶(山本社長)

当社は新たな収益の創出に積極的に取り組んでおり、アーティストとクリエーターとの協業によるコンテンツの多層展開を進めており、音楽ライブの劇場版公開が続いている。坂本龍一さんの「Playing the Orchestra 2014」は現在公開中であり、氷川きよしさんの復帰ライブの劇場版も1月31日に公開が控えている。また、2月21日からはYOASOBIの東京ドームワンマンライブの劇場版が公開となる。ぜひ劇場の大スクリーンで音楽ライブを体感し、話題にしていただければ幸いである。

以上

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