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  • 2025.03.07
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2025年3月定例会見要旨

3月6日(木)に定例記者会見を開催いたしました。概要は以下の通りです。

出席者:山本均社長執行役員、井原多美専務執行役員、口垣内徹執行役員、丸山明澄エグゼクティブ・プロデューサー、山田雅樹チーフプロデューサー

1. ご挨拶(山本社長)

まず、2月26日に岩手県大船渡市で起きた大規模山林火災について述べたい。
発生から1週間がたち、一刻も早い鎮火を願っているが、現在も懸命の消火活動が続いており、既に甚大な被害が出ている。被害に遭われている方、避難生活を余儀なくされている方々に心よりお見舞い申し上げるとともに、地域の方々の日常が一日も早く回復することを願っている。

次に、2月28日に公表した4月1日付の役員人事および組織改定について説明する。
役員人事については、2025年4月より執行役員を2名減少させ、9名体制とする。これは、会社の方針や意思決定の迅速化を狙いとしている。また組織改定については、2024年度から開始した事業改革を、よりスピード感をもって実行するための改定となっている。

今年の4月1日で、私が社長に就任してから2年目となるが、WOWOWを取り巻く環境は引き続き厳しいものとなっている。再びWOWOWを成長軌道に戻すために、新体制と新組織で事業改革に全力を尽くしていきたい。

2. 事業概況(井原専務)

昨年よりWOWOWでは「人生をWOWで満たし、夢中で生きる大人を増やす」というパーパスを掲げ、人々の人生を感動や驚きで満たし、日々の生活を楽しくする、日本中を明るくすることを目指している。そして、「見る」だけではない、新しい体験価値をお客さまに提供することによって収益を拡大すべく、WOWSPOやコンテンツの多層展開、Eコマースなどの多くのチャレンジを行なっている。

その中で、今年度に最も成果が出たのが音楽コンテンツである。アーティストと協業して劇場版を制作し、映画館で新しい体験価値を提供することで収益化を図るトライを多数実施した。Vaundy、JUJU、氷川きよし、YOASOBI、WEST.といったアーティストとの協業を行ない、特にWEST.においては興行収入5億円を超える大ヒットを達成した。また、この劇場版企画の発端となったスピッツにおいては、劇場化だけでなく、展覧会の実施にも初めて挑戦し、会場物販も含めて大変好評を博した。

本日は、韓国のKQエンターテインメントとのIPを活用したプロジェクトについて紹介したい。当社では、韓国ボーイズグループのATEEZおよびxikersの興行・物販・協賛営業の権利を持ち、活動を行なっている。
まずATEEZは、昨年8月に台風の影響で延期となったファンミーティングの大阪公演について、ファンからの多くの要望を受け、追加公演として3月に神戸公演の開催が決定した。大阪公演の当選者を優先的に振替し、全席ソールドアウトとなっている。
そして、ATEEZの弟分であるxikersにおいては、5月からワールドツアーが決定した。両グループには、ますます活躍して世界に羽ばたくことを期待している。ATEEZおよびxikersに関しては、引き続き来年度も企画して盛り上げていきたいと思っているため、ぜひ注目してほしい。

次に、Eコマースについて紹介する。多層化サービスの一環として、現在wowshopの商品力を強化している。トライアルとして1月に放送・配信を開始した「暮らしをたのしむ、料理道具」では、玉子焼き鍋や、おろし金などが大変好評を博している。

また、プログラムガイド3月号の74ページにも特集を組んでいるが、各界のセレブリティがプロデュースしたお酒も好評販売中である。ボブ・ディランのウィスキーや、ブラッド・ピットがプロデュースするワインなど、コンテンツやアーティストとのコラボによる商品で、WOWOWならではのセレクトとなっている。

これらの企画により手応えを感じる結果が少しずつ出ており、Eコマース事業の息吹を感じている。来期に向けて、さらなる強化を考えているため、今後の展開に期待してほしいと思う。

最後に、加入状況について説明する。1月の正味加入件数は約26,000件の減少、2月は約9,300件の減少となった。加入者数は減少しているが、引き続きチャンピオンズリーグの決勝トーナメントによる加入獲得を目指したい。また、コンテンツを軸としたさまざまなサービスの展開に取り組んでおり、会員収入以外の収入の増加によって収支計画の達成を目指したいと考えている。

今後も、WOWOWでしかできないオリジナルサービスをお客さまに届け、収益拡大への取り組みを進めていきたい。

3. プレゼンテーション
(山本社長、音楽事業部 丸山明澄エグゼクティブ・プロデューサー、ドラマ制作部 山田雅樹チーフプロデューサー)


山本社長)本日は2つの案件を紹介したい。
1つ目は音楽事業において、現在の日本の音楽を世界へ発信するイベント「matsuri '25」が米国ロサンゼルスで開催される。このイベントの収録・放送・配信などをWOWOWが行なうため、企画について音楽事業部の丸山エグゼクティブ・プロデューサーより説明する。

【Ado × 新しい学校のリーダーズ × YOASOBI 「matsuri '25: Japanese Music Experience LOS ANGELES」3月29日(土)午後6:00】

丸山エグゼクティブ・プロデューサー)当社では日々さまざまな音楽番組をオンエアしているが、その大きな柱としてライブの中継番組があり、多くのアーティストからWOWOW収録制作の番組クオリティーについて信頼を得ている。
また、日本国内の公演にとどまらず、過去にはYELLOW MAGIC ORCHESTRA、布袋寅泰、X JAPAN、YOSHIKI、 L'Arc-en-Ciel 、VAMPS、BABYMETALなど、海外公演の収録制作も定期的に行なってきた。

今回、音楽業界の主要5団体が垣根を越えて設立した一般社団法人カルチャーアンドエンタテインメント産業振興会(CEIPA)によって、日本の音楽を世界へ発信するグローバルショーケース「matsuri '25: Japanese Music Experience LOS ANGELES presented by CEIPA TOYOTA GROUP MUSIC WAY PROJECT」を開催することが決定した。
本イベントは、現地時間2025年3月16日に米国ロサンゼルスのPeacock Theaterで行なわれる。世界基準のクオリティーを持つ日本人アーティストに焦点を当て、その魅力を世界へ発信するものであり、海外の音楽シーンでも注目を集めているAdo、新しい学校のリーダーズ、YOASOBIの3アーティストによるライブパフォーマンスが行なわれる。

新しい学校のリーダーズについては、昨年1月の日本武道館公演をWOWOWが生中継し、第14回衛星放送協会オリジナル番組アワードにおいて、番組部門「中継」の最優秀賞、および年間最高番組となるグランプリを受賞した。
Adoについては、まだWOWOWでの番組オンエアに至っていないが、デビュー以来の主要公演において、WOWOWグループとしてライブ映像の収録制作を請け負っており、信頼を得ている。
そしてYOASOBIについては、5周年の東京ドーム公演の番組オンエアや、劇場版の映画上映も含めて、さまざまな企画を共にしてきた。

このように、本イベントはWOWOWにゆかりの深い3アーティストが出演するとともに、海外公演となるため、主催者であるCEIPAからライブの収録制作およびオンエアの提案があった。さらに、各アーティストのマネージメントやレーベルからも、海外公演の収録制作に定評のあるWOWOWでぜひとの意向をいただき、さまざまな競合各社の中から当社が選ばれた次第である。

また、WOWOWは放送・配信にとどまらず、多層展開および収益拡大にもチャレンジしている。1月の定例会見においても、音楽事業部の島本からWEST.のプロジェクトについて紹介したが、アーティストとの協業によってコンテンツの多層展開を図り、お客さまに新しい価値を提供することで収益拡大を目指している。

今回、WOWOWは本イベントを日本時間3月29日午後6時から国内に放送・配信するとともに、全国の映画館でもディレイ・ビューイング上映を行なう。さらに日本国外に向けても、WOWOWの収録制作映像を元に、Stagecrowdを用いて同タイミングで海外配信を行なうことになった。この背景として、多層展開に加えてイベントの特性も考慮し、「国内外の多くのファンにも番組映像を楽しんでもらいたい」との関係各所の思いから、3サービスでの同時展開が実現することになった。

現在、特に欧米では、現地の物価高騰、円安の為替レート、ユニオンの存在等によって、日本国内よりもライブ収録制作の条件が非常に厳しくなっている。その中で、今回は当社がこれまで築き上げてきたスキルやノウハウをいかに活かすことができるかが重要になると考えている。WOWOWの中継技術の総力を結集して、今考えられるベストの布陣を組み、アーティスト自身が世界基準のパフォーマンスを目指すのと同様に、ライブ映像としても世界基準のクオリティーを目指したい。

具体的に、新しい学校のリーダーズにおいては、国内でのWOWOW生中継の映像クオリティーを海外でも踏襲したいと考えている。Adoについては、待望のWOWOW初オンエアとなるため、期待感を映像として魅せていく。そしてYOASOBIについて、従来はアーティストサイドが収録制作した映像を購入する契約だったが、初めてWOWOWならではのアプローチで演出することをテーマにしたいと考えている。

今後もWOWOWでの放送・配信を基本としながら、本イベントの経験を活かし、さまざまな多層サービスに挑戦していきたい。国内外にかかわらず、ポイントとなる重要なライブイベントを収録制作し、世界基準でのWOWOWの中継技術力を示していきたいと考えている。

山本社長)WOWOWは1991年の開局以来、音楽ライブ番組を目玉として、たくさんのビッグアーティストの音楽ライブを手掛けてきた。WOWOWの音楽制作技術を磨き続けた結果、今WOWOWのライブ収録が非常に高い評価を得ている。その中心メンバーが丸山エグゼクティブ・プロデューサーである。ぜひ取材いただければと思う。


続いて2つ目は、5月に放送・配信がスタートするサバイバルスリラー時代劇のオリジナルドラマについて、ドラマ制作部の山田チーフプロデューサーより説明する。

【連続ドラマW I, KILL 5月放送・配信スタート※第1話無料放送(全6話)】

山田チーフプロデューサー)今回、日本の時代劇と海外ドラマ風のサバイバルスリラーというジャンルを掛け合わせた、これまでにない新たなオリジナルドラマに挑戦している。

「連続ドラマWI, KILL」は、関ケ原の合戦から35年後の平和な江戸時代が舞台となり、突如ゾンビが現れるところからスタートする。

本作は、ヤング・ポール監督と私が互いにゾンビ好きなことがきっかけとなっている。撮影現場で熱く語り合う中で、「侍や忍者といった日本的なキャラクターがゾンビと戦う」というアイデアが監督から生まれ、世界でも注目を浴びる企画になる可能性を感じ、3年前に共に企画開発をスタートさせた。

そして、WOWOWで放送するにあたり、決してB級ではない作品を作りたいと考え、史実をベースとした本格的な作品を目指し、松竹の協力を得て制作を進めている。また、脚本も骨太な人間ドラマすべく、港岳彦氏に脚本を依頼し、ゾンビと時代劇に対して真剣に取り組んでいる。

WOWOWのドラマでは初のジャンルとなるため、完全オリジナルとしてストーリーを作り上げる中で、物理的制約やスケジュール等のさまざまな障壁にぶつかり、最初から本を作り直すことを繰り返してきた。今、世界中の配信ドラマでは、高い予算で高品質のゾンビドラマが多く作られている。そのため、「I, KILL」にしかない新たなストーリーと、WOWOWドラマらしい重厚なストーリーの2軸で勝負すべく、チーム全員で3年をかけて本作りに挑んだ。

本作のテーマは「生きる」であり、タイトルにもそのテーマが込められている。主人公をはじめとするキャラクターたちは、ドラマでは「群凶」という名称にしているゾンビから生き延びるために、そして大事なものを守るために、必死に生き延びようとする。エンターテインメントを追求しつつも、混沌とした時代を生きる執念と狂気、その先の希望をしっかりと描き切り、現代にも通じる普遍的な人間ドラマとなっている。

主演は、当社の人気サスペンスシリーズ「殺人分析班」にも出演する木村文乃さんが務め、今回で6年ぶりの主演となる。さらにもう一人の主演として、若者から絶大な支持を集めるSixTONESの田中樹さんが、WOWOWオリジナルドラマ初出演にして初主演を務める。

また、ヤング・ポール監督は海外の映画祭でも高い評価を得ており、その映像美で有名である。松竹京都撮影所で長く時代劇を撮ってきた服部大二監督との2人体制の下で、京都と新しい映像表現の融合をテーマに制作している。

本作の最大の見どころとして、日本を代表する侍や忍者がゾンビになる。
侍のゾンビが刀を振り回したり、力士のゾンビが張り手をしたりなど、本作ならではのオリジナルのアイデアも入れている。ゾンビの特殊造形には大きく力を入れており、造形界のトップを走る百武朋氏が担当する。百武朋氏は「ゴールデンカムイ」等も担当している。

さらに本作では、ゾンビコーディネーターも加わって制作している。ゾンビコーディネーターは、医療監修や警察監修のゾンビ版であり、設定、精神性、声などの細かな表現を一つずつ監修して、マニアの方にも納得いただけるクオリティーを追及している。

美術については、日本アカデミー賞を二度受賞している、京都を代表する原田哲男氏が担当する。本作ではバーチャルプロダクションによる最新映像技術を用いて、京都のオーセンティックな時代劇と最新映像技術の融合を目指している。

撮影は昨年末に終了した。京都撮影所がゾンビサバイバルのおぞましい空間に一変し、撮影中はスタッフもキャストも大変だったが、最後までモチベーションが高く、いろいろなアイデアも現場で生まれた。

ゾンビサバイバルは、もはやグローバルスタンダードとして、世界でも人気のジャンルの一つとなっている。本作は現在編集中だが、完成後は海外マーケットでの番組販売を目標にしたいと考えている。またオリジナルIPとして、スピオンオフ企画、イベント、グッズ等、オリジナルならではの自由な展開も考えている。

最後に、本作の撮影中に「SHOGUN」がエミー賞を受賞したこともあり、「時代劇の聖地である京都、そして日本発の新たなゾンビシリーズとして世界を狙う」という熱い気持ちの下、スタッフ一丸となって制作に励んだ。本作は4月上旬から中旬ごろに完成予定であるため、完成時にはぜひご覧いただきたいと思う。

山本社長)WOWOWは過去にオリジナルドラマの時代劇を制作したことがあるが、時代劇のゾンビサバイバルは今回が初めてである。アイデアが詰まった作品であり、海外でも面白いと感じてもらえればうれしい。ぜひ本作について、山田チーフプロデューサーに取材していただければと思う。

4.今後の編成トピックス(口垣内執行役員)


【チャンピオンズリーグ決勝トーナメント】
まず、新フォーマットで開幕した今シーズンのチャンピオンズリーグについて紹介する。ベスト16の熱戦が始まっており、注目カードとして、昨年王者のレアル・マドリード対アトレティコ・マドリードというスペイン同国対決が話題になっている。昨年まではシステム上、ベスト16で同国チームが戦うことはなかったが、新フォーマットになったことで、ベスト16での同国同士の対決が実現している。

また、ベスト16の中で最も注目されているカードとして、パリ・サンジェルマンとリヴァプールの対戦が挙げられる。今朝には遠藤航選手が後半に出場したが、今回は日本代表の選手4名が出場する可能性があり、活躍が期待されている。残念ながらアーセナルの冨安健洋選手は、けがのため出場機会がなかったが、バイエルンの伊藤洋輝選手はレヴァークーゼンとの対戦が来週に予定されている。今朝にインテルと対戦で後半14分から出場した、フェイエノールトの上田綺世選手にも注目していただければと思う。
明日の朝にはヨーロッパリーグのベスト16の試合が始まり、久保建英選手が所属するレアル・ソシエダと、マンチェスター・ユナイテッドの試合が行なわれる。世界最高の舞台で日本人のプロスポーツ選手が活躍する姿を、ぜひWOWOWでご覧いただきたい。

【「連続ドラマW 災」 4月6日(日)午後10時より放送・配信】
次に、4月6日(日)から放送開始となる「連続ドラマW  災」について紹介する。完全オリジナルの本作は、3年ぶりのドラマ出演となる香川照之さんを主演に迎え、現代を生きる罪なき6人の主人公たちの人生を描く群像劇となっている。豪華キャストの共演に注目いただければと思う。

5. 締め・挨拶(山本社長)


最後に、当社の製作映画であるWOWOW FILMSについて紹介したい。
WOWOW FILMSの最新作『おいしくて泣くとき』が4月4日(金)に公開となる。
劇場映画初主演となる長尾謙杜さんと當真あみさんという、注目の若手俳優2人が出演する。
本作はラブストーリーだが、非常に社会的なテーマが入っているため、若いカップルだけでなく、親子で見るとより感動できる映画となっている。
ぜひご覧いただき、話題にしていただければ幸いである。

以上

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