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2025年11月定例会見要旨

11月13日(木)に定例記者会見を開催いたしました。概要は以下の通りです。

出席者:山本均社長執行役員、井原多美専務執行役員、口垣内徹執行役員、植田春菜チーフプロデューサー、井口正俊チーフプロデューサー


1. ご挨拶(山本社長)

最初に私から、11月4日に発表したNTT ドコモとのコンテンツ分野における業務提携契約の締結について説明する。
この提携は、映像事業の拡大と顧客提供価値の最大化を目指し、音楽ライブコンテンツの大幅な拡充や、「水滸伝」のような大型オリジナルドラマの共同制作、そして人気スポーツコンテンツのさらなる充実に向けた相互提供といった内容になっている。
本業務提携を通じて両社の持つ強みを最大限に生かし、これまでにない魅力的なエンターテインメント体験をお届けするとともに、日本のエンターテインメント文化の発展にも貢献していきたいと考えている。当社の歴史においても大きな、そして新たな一歩であるこの取り組みに、どうぞご期待いただければと思う。


2. 事業概況(井原専務)

当社は、5月に発表した中期経営計画で掲げたとおり、「夢中で生きる大人」に向けたさまざまな事業を展開している。本日は、先月に開始した取り組みの中から2点紹介したい。

1つ目は、新規事業開発「複住旅」である。
当社は、新規事業開発とプレミアムな体験を提供するサービスとして、新たな旅行価値の創出を目指し、参加者が地域との関係性を育む体験型ツーリズム「複住旅」に関する事業検証を10月に開始した。
「複住旅」とは、「観光以上、移住未満」をコンセプトに、地域との緩やかな関係を育む新しいライフスタイル型の旅となる。これはWOWOW、イノベーションパートナーズ、日本旅行との共同プロジェクトであり、観光地としての魅力にとどまらない、暮らしに近い体験を旅行商品としてデザインしていく。旅の目的地が、やがて自分の居場所になるという、新しい旅の選択肢を提案していきたいと思う。

2つ目は、ECサービスについてである。
10月15日に「WOWOW百貨店」がグランドオープンして、約1カ月がたった。「人生を楽しむ大人のための百貨店」をストアコンセプトに掲げ、当社が放送・配信するコンテンツに連動した限定商品はもちろん、生活に彩りを添えるライフスタイルグッズを多数取り揃えている。
今回、スポーツジャンルにおいて、スター選手のサイン入り商品など高額商品を強化した。その結果、マイク・タイソンのサイン入りボクシンググローブをはじめ、複数の高額商品に早速反応があり、手応えを感じている。

最後に、9月と10月の加入分析について説明する。
9月は、欧州サッカー「UEFAチャンピオンズリーグ」2025-26シーズン、「UEFAヨーロッパリーグ」2025-26シーズンをはじめ、全米オープンテニス、Mrs. GREEN APPLEの「CEREMONY」などが新規加入につながり、正味加入件数は約4,000件の純増となった。
10月は、チャンピオンズリーグに加えて、SUMMER SONIC、UVERworldといった音楽ライブが新規加入につながったが、「ゴールデンカムイ」で多くの加入を牽引した昨年10月と比べて大型案件が少なかったこともあり、新規加入が伸びず、正味加入件数は約3万件の純減となっている。


3. プレゼンテーション(山本社長、ドラマ制作部 植田春菜チーフプロデューサー、ドラマ制作部 井口正俊チーフプロデューサー)

山本社長)本日は、オリジナルドラマ2作品を紹介する。両作品とも当社が得意とする社会派ドラマであり、ぜひお伝えしたい内容となっている。
1つ目は、植田チーフプロデューサーより、今月23日開始の「シャドウワーク」について説明する。

【「連続ドラマW シャドウワーク」 11月23日(日・祝)スタート】
植田チーフプロデューサー)本作は、「誰かがこの町で」の著者・佐野広実の同名小説が原作の、ドメスティック・バイオレンスを題材にしたヒューマンミステリーである。

DV被害に苦しむ主人公が、シェルターを兼ねる江ノ島のとあるシェアハウスに導かれ、本来の自分を取り戻していく。しかし、実はその家には誰にも言えない、あるルールが存在している。さらに、館山で発覚した女性の不審死を追う刑事の捜査。一見交錯することのない2つの軸が、どのように交わっていくのか。全5話で描かれる各人物たちの心理描写が濃密で、大変見応えのあるドラマになっている。
「殺されるな、命も魂も。」というキャッチコピーが付いている本作だが、自らの人生を取り戻そうとする女性たちの究極の選択に注目してほしい。

出演者は、WOWOW連続ドラマ初主演の多部未華子、そして桜井ユキ、寺島しのぶ、JO1のメンバーの川西拓実、トリンドル玲奈、石田ひかりなど、多彩で魅力的な顔触れが並ぶ。
監督は、映画『俺ではない炎上』の山田篤宏、脚本は「連続ドラマW いりびと-異邦人-」の関久代が担当した。

もともと本作は、山田監督と制作プロダクションの中澤プロデューサーが原作を見つけ、2人の「WOWOWの連続ドラマWを作りたい」という志の下、連続ドラマW向けの企画を熱心に提案していただいたところから始まっている。WOWOWでは丁寧なモノづくりができると自負していたが、外部のクリエイターからも連続ドラマWの枠や当社の制作現場が魅力的に映っていることに対して、うれしさと、自分たちが積み重ねてきたものへの手応えを感じた。

私はこの原作を読み、とても面白いと思うと同時に、難しい題材と結末だと感じた。結末の在り方については、作品をお届けする放送局のスタンスとして原作の表現のままでよいものか、濃密な議論を脚本家と監督と重ねた。そして原作者の佐野先生とも丁寧にやりとりを行なう中で、先生が本作に込めた最も大事な想いを捉えつつ、ドラマならではの表現にたどり着くことができた。

「連続ドラマWといえば社会派ミステリー」というイメージが定着している中で、本作はDVという社会問題を扱っている。現代日本において、配偶者からDVを受けている人は約4~5人に1人として統計的に割合が出ているが、表面化しないことも多い問題である。
このような繊細なトピックをフィクションのドラマの題材として扱うからには、覚悟を持って、そこで描かれるべき本質的な人間模様を考え抜く必要がある。さまざまな事件や問題の背景には、必ずそれぞれの人間関係や内面が関わっている。それをドラマとして表現する際は、どれくらい肉迫できているかを問い続けながら制作に取り組まなければならない。
このようなドラマは、なかなか当事者の方々に届かないかもしれない。ただ、当事者の周囲にいる人たちには届くのではないか。周りの人がその問題に気付き、何らかの行動に移すきっかけになれるのではないかと考えている。

「連続ドラマW シャドウワーク」は11月23日から放送・配信スタートとなる。ぜひ見届けてほしい。

山本社長)植田プロデューサーは、ドラマ版「ゴールデンカムイ」を担当したプロデューサーである。超大作を制作する一方で、このような社会派の作品も手掛けているため、ぜひ個別に取材いただければと思う。
続いて、井口プロデューサーより、1月放送となるドラマ「シリウスの反証」を紹介する。

【「連続ドラマW シリウスの反証」 2026年1月10日(土)スタート】
井口チーフプロデューサー)本作は大門剛明の小説を原作とし、監督に松本優作、主演に中島裕翔という強力な布陣でお届けする社会派ミステリーである。

25年前に岐阜県郡上八幡で起きた一家惨殺事件で犯人とされ、死刑判決を受けた男を、若き弁護士たちが冤罪から救済する物語になる。過去と現在が交錯する中で、「冤罪はなぜ生まれるのか」という社会的な問いを、リアリティと圧倒的な熱量で描き切った。

本作が扱うテーマは、冤罪である。昨年から今年にかけて、袴田事件や福井女子中学生殺人事件など数々の冤罪が明るみとなり、司法の在り方や再審制度の問題点が指摘されている。現在もまさに法制審議会にて法改正が議論されて注目を集めるこのテーマに、連続ドラマWとして斬り込みたいと思う。
また、本作で主人公が所属する冤罪救済団体「チーム・ゼロ」は、実際に存在する非営利団体「イノセンス・プロジェクト・ジャパン」をモデルとして描かれている。日本から冤罪をなくすために、無報酬で冤罪救済に取り組んでいる弁護士や専門家の方々がいることに、ドラマを通してスポットライトを当てたいと考えた。

情報が氾濫する現代において、何をもって確かな事実と判断するのかがますます難しくなっている。本作は、そのような時代に司法はどうあるべきか、視聴者の皆さまと共に「考え続ける責任」を共有することを目指した。
同時に、本作はエンターテインメントとしても高みを目指している。25年前、一家が殺害された夜に何が起きたのか。手がかりが次々に明らかになり、真実をあぶり出すミステリーとして一気見したくなる作品となっている。また、映画『Winny』で実際の裁判を巧みに再現した松本監督が、ドキュメンタリー的な質感で描き上げた再審請求の攻防は、ぜひ注目してほしいシーンである。
加えて、日本三大盆踊りの一つである「郡上おどり」の夜を、岐阜県郡上市の強力なバックアップの下、エキストラ約250名を動員して再現した。風光明媚な郡上八幡の色彩とともに楽しんでいただければと思う。

私たちが目指したのは、社会を映す鏡であると同時に、視聴後に語り合いたくなる「対話の起点」となるドラマである。主演の中島裕翔をはじめ、緒形直人、仁村紗和、金子大地など魅力的なキャストが、立場や正義が異なる人物像を多面的に演じ、リアリティとエンターテインメント性にあふれる豊かな作品になった。
「連続ドラマW シリウスの反証」は、2026年1月10日より放送・配信開始となる。ぜひ皆さまの言葉で、この作品を広げていただければ幸いである。

山本社長)井口チーフプロデューサーは、これまでも「密告はうたう」などのサスペンスシリーズを手掛けてきた。本作は社会派ドラマだが、サスペンスやミステリー要素も含んでいるエンターテインメントとなっている。、ぜひ井口チーフプロデューサーに取材いただければと思う。


4.今後の番組&サービス(口垣内執行役員)

【ラグビー4週連続日本代表戦!WOWOWラグビーSP】
まずラグビー日本代表について、10月25日に新国立競技場でオーストラリアとのテストマッチが行なわれたが、WOWOWでは11月に4週にわたって、ラグビースペシャルとしてラグビー日本代表の熱戦をお届けしている。

1週目に開催された南アフリカ戦は、「ブライトンの奇跡」から10年という注目の試合だった。また2週目も、2019年のワールドカップにて静岡で勝利したアイルランド戦の再現なるかとして注目された。
そして今週からは、世界ランキングを争うウェールズとジョージアとの試合が行なわれる。日本代表としては、良いポジションでワールドカップを勝ち上がるためにも、この2試合は負けられない戦いとなり、注目が集まっている。ぜひWOWOWのラグビースペシャルをお楽しみいただければと思う。

【日本初!映画『スター・ウォーズ』11作品一挙放送】
今回、『スター・ウォーズ』のエピソード1からエピソード9に加えて、スピンオフの劇場版2作品も一挙放送する。シリーズ11作品を一挙に放送するのは日本初となる。来年に新作の公開が控えている中で、ファンの皆さまにはぜひWOWOWに加入いただき、放送で『スター・ウォーズ』シリーズを楽しんでほしい。
併せて、現在「WOWOW百貨店」では『スター・ウォーズ』のグッズを販売している。既に30点以上の商品が掲載されており、例えば人形の吉徳が制作したダース・ベイダーの人形など、高額商品を含めて面白いグッズも幾つか展開している。放送に向けて商品ラインナップを強化していく予定のため、ぜひご覧いただければと思う。

【WESSION FESTIVAL 2025】
10月12日と13日に大阪の万博記念公園で開催した「WESSION FESTIVAL 2025」は、WEST.と共にWOWOWが主催し、2日間で6万人を動員して大盛況のうちに終了した。この模様を、Day1は12月20日、Day2は2026年1月に放送・配信する予定である。
また、11月15日放送・配信のレギュラー番組「WESSION」では、未公開特集として、秘蔵映像を踏まえた編集版を編成している。「WESSION」はアーティスト同士の関係性が垣間見れるため、番組を見てフェスに参加した方は、アーティスト同士のコラボレーションを非常に楽しめたのではないかと感じている。今回も、この特集をご覧いただいた上で、フェスの放送・配信を見ていただく形が最も楽しめると思うため、ぜひ注目いただきたい。

【映画『WIND BREAKER/ウィンドブレイカー』12/5公開】
12月5日の公開がいよいよ迫ってきた『WIND BREAKER/ウィンドブレイカー』は、『ゴールデンカムイ』に続いてWOWOWが主幹事としてお届けする映画作品である。
本作の原作は現在も連載中であり、既に世界累計発行部数1,000万部を超える大ヒット作品の映像化となる。主演は、7月に「連続ドラマW 怪物」でも素晴らしい演技を見せた水上恒司が務める。さらに豪華若手俳優の方々に集まっていただき、今回のキャスティングが実現した。監督には、「連続ドラマW いりびと-異邦人-」や、映画『ブルーピリオド』の監督を務めた萩原健太郎監督にメガホンを取っていただいた。
特徴として、原作は不良が主人公の漫画だが、読者の7割が女性とのことである。まさに令和の人気作品であり、推しコンテンツの一つとして注目を集めている。これまでも不良映画はたくさんあったが、本作はけんかが強いだけの男を格好良く描くのではなく、主人公を含めた各キャラクターがさまざまな悩みを持ちながら、なぜここで戦っているのかが染み渡ってくる作品となっているため、多くの原作ファンにも見ていただきたいと思っている。
エンターテインメント作品として、さまざまな体験ができる素晴らしい映画になっているため、ぜひ劇場に足を運んでいただければ幸いである。


5. 締め・挨拶(山本社長)

当社のオリジナルドラマがいくつかの賞を受賞している。そのうち一つ紹介する。
WOWOWが制作し、NHKにて放送されたドラマ「八月の声を運ぶ男」が、ギャラクシー賞8月度月間賞を受賞した。放送したのはNHKだが、当社が制作した作品がギャラクシー賞の月間賞に選ばれたことは、非常にうれしい出来事である。

現在は、中期経営計画の柱として放送・配信事業以外の収益拡大にも取り組んでおり、「複住旅」や「WOWOW百貨店」といった施策が着々と進んでいる。当社も厳しい状況にあるが、その意味で積極的にアクションを起こしているため、来年のWOWOWにもどうぞご期待いただければと思う。

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