7月9日(木)に定例記者会見を開催いたしました。概要は以下の通りです。
出席者:山本均代表取締役 社長執行役員(以下、山本社長)、尾上純一取締役 専務執行役員(以下、尾上専務)、口垣内徹 常務執行役員(以下、口垣内常務)
まず私からは、株主総会について報告する。6月18日に当社の第42回定時株主総会を開催し、上程していた2議案が承認された。今回、社内取締役を2名減員し、社外取締役の比率を高めることで、ガバナンスを一層強化した体制となっている。この新たな体制のもと、中期経営計画の達成に向けて、スピード感を持って取り組んでいきたいと考えている。
そして、その中期経営計画において重点戦略として掲げている「新たな配信サービス」の取り組みに関しては、NTT ドコモとの資本業務提携、およびLemino事業を共同で運営する新会社の設立を発表した。放送事業の縮減が進む中、NTT ドコモという強力なパートナーを得て、OTT市場における新たな配信サービスを垂直に立ち上げ、両社の強みを生かしたサービスを展開していく。
当社にとって第二の創業ともいうべき大きな取り組みであり、発表後には多くの問い合わせも頂いている。そのため、本日は本件を中心に説明を行なう。
【資本業務提携の概要】
6月15日にNTT ドコモと資本業務提携の契約を締結した。今回の提携は、WOWOWのコンテンツ制作・調達力・プロデュース力と、NTT ドコモの強固な会員基盤および各種サービスなどのアセットを融合し、新たな映像配信サービス(OTTサービス)を共同で展開するものである。
具体的には、以下の通りとなる。
① Leminoの共同事業化、合弁会社JV(ジョイントベンチャー)の設立
現在、NTT ドコモが運営しているLemino事業を共同事業化する。吸収分割(会社分割)の方法によりLemino事業を承継したのち、合弁会社(JV)を設立する。この合弁会社に当社は51%を出資し、連結子会社とする。出資額は、承継事業対価226億円の51%となる115億円を見込んでおり、残り49%をNTT ドコモが出資する形になる。
なお、これらの金額は契約締結6月15日時点の数字であり、変動する可能性がある。
② 第三者割当増資
加えて、第三者割当増資を決定した。これによって、NTT ドコモから当社持株比率2.8%の出資をいただく形になり、その出資額は8.4億円となる。詳細は後述する。
また、今回の提携では映像配信サービスにとどまらず、当社が注力する「コンテンツを軸とした多層サービス」においても、お客さまの体験価値の向上を図り、サービスの競争力強化と中長期的な企業価値の向上を目指していく。
【JV設立スキームと資本業務提携スケジュールについて】
事業の受け皿となる準備会社については、公表翌日の6月17日に設立済みである。仮の名称となるが、社名は「WOWOW共同事業準備株式会社」、代表取締役は当社の常務執行役員である鈴木が務める。
今後は10月1日に会社分割を予定している。NTT ドコモから準備会社にLemino事業を移管し、226億円の対価として株式を交付する。そして、NTT ドコモが受け取った株式のうち51%を当社に売却していただき、連結子会社化する。
なお、社名については現在未定だが、変更する予定である。会社分割と株式売却は10月1日の同日に実施する予定であり、この日が事業の承継日、クロージング日となる。
【第三者割当増資について】
6月15日の取締役会にて、NTT ドコモを割当先とする第三者割り当てによる新株発行を決定した。払込期日はクロージング日と同日の10月1日を予定している。発行株式数は81万5,000株とし、持株比率は2.8%になる。発行価格は1株当たり1,031円で、これは取締役会決議日の前営業日の終値となっている。
調達金額8億4,100万円は、JVにおける配信事業の成長投資に充当する予定である。割り当て後、NTT ドコモは当社の第7位の株主、機関投資家を除くと第5位の株主になる。この資本関係によって両社の結束を高め、今般の業務提携による当社の企業価値向上につながるものと考えている。
【JVにおける両社の役割について】
当社は、長年培ってきたコンテンツプロデュース力および制作力を生かし、ドラマなどのオリジナルコンテンツの制作や、音楽をはじめとする人気コンテンツの調達を担う。
一方、NTT ドコモは、「ドコモ MAX」での展開をはじめ、通信サービス利用者やdアカウント保有者など、1億を超える会員基盤を活用したサービス展開を担っていく。
こうした両社の強みを結集することで、Leminoを基盤に事業運営を継続しながら、ドラマ、音楽、スポーツを中心にWOWOWの強みを生かしたコンテンツ展開を進め、当社が中期経営計画で掲げた新たな配信サービスとして共同事業を推進していく。
【「ドコモ MAX」について】
NTT ドコモが提供するスマートフォンの料金プラン「ドコモ MAX」の利用者には、4つの映像サービスの中から2つを選択できる特典がある。Leminoは、2026年2月より「ドコモ MAX」の特典に追加され、好評を得ていると伺っている。Lemino事業がJVに移管された以降も、引き続き「ドコモ MAX」にバンドルして提供していく。
なお、2025年度のNTT ドコモ決算資料にもあるとおり、「ドコモ MAX」の契約者数は2026年3月末時点で315万件となっており、2027年3月末までに500万件以上の獲得を目標として掲げられている。この「ドコモ MAX」という強力な販売チャンネルを含めた販売網と、今回の提携により強化されたラインナップを提供することで、より多くのお客さまにお選びいただけるサービスを目指し、準備を進めていく。
【映像配信事業の進化を目指して】
当社が長年培ってきたコンテンツプロデュース力や制作力と、NTT ドコモが有する会員基盤、国立競技場や有明アリーナ等のベニュー運営、さらに全国のドコモショップや各種サービスといった多様なアセットを融合し、Lemino事業が移管されたJVを通して、より魅力的なエンターテインメント映像配信サービスへと進化させていく。
そして、映像コンテンツを見るにとどまらず、デジタルとリアルを掛け合わせた新たなエンターテインメント体験の創出に向けて、両社一丸となって取り組んでいきたい。今後の展開にぜひ期待してほしい。
【NTT ドコモとの資本業務提携に関わるコンテンツ戦略について】
2025年11月にNTT ドコモとのコンテンツ分野における業務提携を発表して以降、両社の強みを生かしながら、コンテンツの共同制作、共同調達、相互利用を進めてきた。
ドラマでは連続ドラマ「北方謙三 水滸伝」の共同制作、そしてスポーツでは、当社が権利を保有するUEFAチャンピオンズリーグと、NTT ドコモが権利を保有するNBAを相互利用する形で、それぞれのサービスをお客さまに楽しんでいただいた。
また、音楽においても、MISIAやDREAMS COME TRUEを中心に、アーティストのコンテンツを共同で取り組んできた。直近の事例では、7月15日に予定しているKing Gnuの生中継に関しても、両社が一緒になって取り組む案件として動いている。
今後も、アーティスト、クリエーター、お客さまに新しい価値を提供できるように、両社の強みを生かして新しいサービスをつくっていきたい。
今後のWOWOWの注目コンテンツ・サービスを紹介する。
【ツール・ド・フランス】
世界最高峰の自転車ロードレースである「ツール・ド・フランス」については、7月4日の大会初日から、パリ・シャンゼリゼで終結となる7月26日まで、全21ステージをWOWOWオンデマンドにて連日生配信でお届けする。WOWOWでこの大会を扱うのは今回が初めてとなるため、新しい取り組みにぜひご注目いただきたい。
【ラグビー ネーションズチャンピオンシップ 日本代表戦 ライブビューイング】
ラグビーの新設大会「ネーションズチャンピオンシップ」に関する取り組みとして、配信・中継だけでなく、当社がこれまでサッカーでも取り組んできた劇場でのライブビューイングを実施する。今回、イオンシネマのご協力の下、全国36の劇場で日本戦を配信する形となっている。
7月11日のアイルランド戦はオーストラリアで開催され、日本時間の午後7時10分にキックオフとなる。7月18日のフランス戦は、東京MUFG国立で開催され、午後5時40分に試合開始となる。皆で劇場に日本代表を応援しに行くという新しい体験を、ぜひラグビーでも体験いただければと思う。
【SUMMER SONIC 2026】
25周年を迎え、8月14日から3日間開催される「SUMMER SONIC」だが、ZOZOマリンスタジアムと幕張メッセで行なわれる模様を、WOWOWがオフィシャルTVとして独占配信する。現地に行けない方は、ご自宅でも外出先でも、WOWOWオンデマンドで真夏の祭典の熱狂を楽しんでいただきたい。配信アーティストは直前の発表となるため、ぜひ確認していただければと思う。
今回のNTT ドコモとの資本業務提携については、まさに第二の創業である。10月1日にジョイントベンチャーが立ち上がることがゴールではなく、そこからがスタートだという話を社員に伝えている。WOWOWがどのよう変わっていくか、ぜひ皆さまにもご注目いただければ幸いである。
また、国内プロダクション事業の第一弾「八月の声を運ぶ男」がギャラクシー賞大賞はじめ、橋田賞、放送文化基金賞、芸術選奨などたくさんの賞を受賞し大変うれしく思う。この度、NHKで放送したドラマ版を、放送で使用されなかった映像を追加して再編集し、映画館用に5.1チャンネルサラウンド音声となり、劇場版として8月21日より全国のTOHOシネマズで公開となる。ぜひ劇場の大画面でもご覧いただきたい。
以上